開発工数とは?システム開発における工数見積もりの方法・注意点・おすすめのツールを紹介

システム開発における工数を「開発工数」といいます。システム開発のプロジェクトをスムーズに、且つ予算内で進めるためには、正確な開発工数の見積もりが必要です。

この記事では、開発工数の考え方・計算方法・正確な工数見積もりをするための注意点について解説いたします。

開発工数の管理や見積もりにおすすめのツールもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

開発工数とは

開発工数とは、開発に関する作業を行うのに必要な作業量(人数・時間)のことです。開発作業だけではなく、要件定義・設計・テスト・保守運用などの業務も開発工数に含まれます。

まずは工数についての考え方や計算方法、システム開発における工数の意味について解説します。

工数の考え方

工数とは「ある作業を行うのに必要な作業量(人数・時間)」のことです。

プロジェクトを始める前に、あらかじめ工数を見積もることで、スケジュールの設定や必要な人員の確保、顧客への請求金額の見積もりなどを行えます。

工数見積もりをしない、あるいは現実と乖離した工数見積もりをしてしまうと、スケジュールが大きく遅延して、クライアントからの信頼を失う可能性があります。また、請求金額と実際の稼働時間が見合わずに赤字になってしまう可能性も考えられるでしょう。

工数見積もりと工数管理を行い、想定していた工数と実際の工数が乖離していないかを定期的に確認することが重要です。乖離していた場合には見積もりの見直しをして、精度を高めていく必要があります。

システム開発における工数とは

システム開発における工数には、下記の項目が含まれます。

  • 要件定義(目安:数週間〜2ヶ月)
  • 設計(目安:2週間〜1ヶ月)
  • 開発(目安:1ヶ月〜3ヶ月)
  • テスト(目安:1ヶ月〜3ヶ月)
  • 運用・保守(目安:継続的に実施)

開発だけでなく、その前段階である要件定義や設計、開発後のテストや保守運用の業務も開発工数に含まれます。

それぞれの期間や必要な人員は、開発するシステムの規模によって異なります。

一般的に、すべての機能を要件定義で決定してから開発するウォーターフォール型は開発期間が長期間になりやすい傾向です。一方で小さな機能単位の開発とリリースを繰り返しながらシステムを完成させるアジャイル型の開発では、1回あたりの開発期間は短くなります。

▼システム開発(エンジニア)に工数管理が必要な理由やその手順については下記記事も参考にしてください

システム開発における工数の計算方法

システム開発において、工数は「人数×期間」の計算式で算出して、下記の単位で表します。

工数は「人数×期間」の計算式で算出するため、たとえば100人のエンジニアが1ヶ月かけて行う作業量は「100(人)×1(ヶ月)」で100人月となります。また、2人のエンジニアが5ヶ月かけて行う作業量も「20(人)×5(ヶ月)」で100人月です。

システム開発における工数見積もりの手法には、下記の方法があります。

  • 類推法:過去の類似プロジェクトから類推して工数を見積もる方法
  • 係数モデル:COCOMOやCOCOMOⅡなどの係数モデルを使用する方法
  • ボトムアップ法:作業を細分化してから工数を見積もる方法
  • 3点見積もり法:作業ごとに最頻値・楽観値・悲観値を設定する方法

▼各見積もりの具体的な方法については下記記事を参考にしてください

開発工数の見積もりにおすすめのツール

開発工数の見積もりには、工数管理ツールの活用がおすすめです。

エクセルでの工数管理は「入力に手間がかかり形骸化してしまう」「リアルタイムでの確認が難しい」などの理由から、あまりおすすめできません。

工数管理に特化したITツールであれば、シンプルな入力操作で形骸化しづらく、リアルタイムで正確な業務データを把握することができます。

「どの業務に・どれくらい時間をかけたのか」がわかれば、新しい開発プロジェクトに取り組む際に、過去の類似プロジェクト(タスク)を参考にして、工数を見積ることができるでしょう。

TimeCrowd

TimeCrowdは、ワンクリックでタスクの所要時間を計測できるツールです。

タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけというシンプルな操作性なので、工数入力が定着しやすい点が特徴です。また、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携することで、スケジュールに基づいて自動で打刻することもできます。

従業員ごとに時間単価を設定すれば、プロジェクトごとの人件費を算出して収支計算や損益管理に役立てることも可能です。

▼TimeCrowdのレポート画面はこちら

TimeCrowdでタスクごとの所要時間を記録することで、類似のプロジェクトが発生した際に、過去のデータを参照して工数見積もりを出すことができます。

実際のデータをもとにしているため、見積もりの精度を高めることができるでしょう。プロジェクトのスケジュール計画の作成や、クライアントへの請求金額の見直しなど、あらゆる場面で活用できます。

プロジェクトの終了後には、当初の見積と実際の稼働時間を比較して、見積もりの精度を確認することも可能です。時間がかかりすぎている業務を特定しやすくなり、業務改善や生産性向上にも役立てられます。

最初の2週間は無料トライアル期間として、操作性をお試しいただけます。詳細な機能や利用手順については下記のサービス資料からご確認ください。

工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード

TimeCrowdの導入事例|株式会社CloudQ様

株式会社CloudQ様では、企業規模の拡大に向けて、案件ごとの収支を見直す必要がありました。以前までは案件ごとに細かい業務状況までは把握していなかったため、ツールを導入して収支状況と稼働時間を可視化することに決定しました。

TimeCrowdを導入する決め手となったのは、ワンクリックで打刻をするだけで時間計測ができるというシンプルな操作性でした。

企業規模の拡大とともに稼働時間の管理・収支管理の重要度が高くなることを見越して、シンプルな操作性だからこそ定着させやすいTimeCrowdの導入を決定しました。

株式会社CloudQ様が最初に取り組んだのは、稼働時間の可視化と業務改善でした。TimeCrowdでタスクの所要時間を計測してみると想定よりも時間をかけているタスクがあり、業務内容を見直した結果、開発効率が会社全体で15%改善されました。

今後は、収支管理や工数見積もりにTimeCrowdを活用することを計画されているようです。

▼株式会社CloudQ様の事例は下記記事からご覧ください

CrowdLog

出典:CrowdLog

CrowdLogは工数管理に特化したツールで、工数の登録や分析を行いたい場合に適しています。

Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携ができるため、カレンダーからタスクをCrowdLog上に登録できます。そのほかにも工数の一括入力や、よく使う工数パターンのお気に入り登録など、工数登録の利便性を向上させる機能が充実しているのが特徴です。

記録した工数は、業務量の割合を示す円グラフや、工数の実績推移を示す棒グラフといった多彩なグラフでレポートを確認できます。

「売上・原価」「予算・実績」についても、CrowdLog内でプロジェクトごとに管理できるため、プロジェクトの収支管理や経営改善などに役立ちます。

工数の把握や見積もり、プロジェクトの終始管理などを行いたい場合に適したツールです。

▼その他にもおすすめの工数管理ツールは下記記事でご紹介していますので、あわせて参考にしてください

開発工数の見積もりにおける注意点

開発工数の見積もりで重要なのは、見積もりと実際の工数の乖離をできるだけ減らすことです。

乖離を減らして、精度の高い工数見積もりをするための注意点について、下記より解説いたします。

前提条件や仕様の詳細を明確にしておく

開発工数の見積もりを行う際には、開発の前提条件や仕様の詳細を事前に明確にしておくことが重要です。

前提条件や仕様が曖昧なままでは、正確な工数を見積もりづらく、実際のプロジェクトとの乖離が起きてしまう可能性があります。

また、途中で急な仕様変更が発生してしまうと、人員の追加投入やスケジュールの延長などが必要になり、当初の見積もりと大きくずれてしまうことも考えられます。

クライアントワークの場合はクライアントと綿密にコミュニケーションを取り、しっかりと要件定義をしたうえで前提条件や仕様の詳細を確定しておくことが重要です。

タスクを細分化する

必要なタスクを細分化して、それぞれの開発工数を見積もることで、全体の工数見積もりの精度を高めることができます。

大きなタスクだけで工数見積もりをしてしまうと、正確な見積もりができず、実態と乖離しやすくなる可能性があります。

タスクを分解する際には、小規模プロジェクトの場合は数時間〜1日程度の工数がかかるタスクを1つのとして分類するのがおすすめです。一方で大規模プロジェクトの場合は、数日〜1週間程度が1タスクの目安です。

タスクの細分化には、WBSの作成がおすすめです。WBSとは、プロジェクトにおけるすべてのタスクを洗い出して構造化した図のことを指します。

▼WBSの作成方法については、以下の記事を参考にしてください

リスクをふまえて見積もりをする

工数見積もりをする際には、プロジェクトが順調に進むことだけを想定するのではなく、リスクやトラブルなど、イレギュラーな事象を想定して見積もることが重要です。

開発プロジェクトでは、思わぬバグやエラーの発生、欠員、仕様変更などが考えられます。これらのイレギュラーな事態を見越してスケジュールにバッファ(余白)を設けておくことで、想定していたスケジュールとずれたり思ったより工数がかかった場合でもリカバリーがしやすくなります。

スケジュールの大幅な遅延やプロジェクトの炎上、予算の超過などを防ぐためにも、リスクをふまえて見積もりを行いましょう。

▼開発工数を見積る際の注意点として、あわせてこちらの記事もご確認ください

まとめ:開発工数の見積もり・管理にはTimeCrowdがおすすめ

開発工数とは、要件定義・設計・開発・テスト・運用保守を含む、開発に関する作業量(人数・時間)のことを意味します。開発工数を正確に見積もることで、プロジェクトの計画やスケジュールの設定、クライアントへの請求金額などを現実の数値に近づけることができます。

開発工数をより正確に見積もるためには、タスクごとの工数データを正確に把握することが必要です。ツールを導入して工数を記録し、実際の値に近い工数を見積もることで現実に則した工数見積もりを行えます。

工数管理ツールTimeCrowdは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「どの業務に・どれくらい時間をかけたのか」を記録することができます。

記録したレポートは自動で可視化されるため、わざわざデータ集計に時間をかける必要もありません。従業員ごとの時間単価を設定すれば、プロジェクト(タスク)ごとの人件費を算出することも可能です。

最初の2週間無料でお試しいただけます。少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料から詳細な機能や利用手順をご確認ください。

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