大規模プロジェクトの管理方法とは?よくある失敗例と成功させるコツについて解説

「大規模のプロジェクト管理は、中小規模のプロジェクト管理と比較して何が違うのだろう」

このような悩みを持つ方に向けて、本記事では大規模プロジェクトを適切に管理する方法を解説します。よくある失敗事例までご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも大規模プロジェクトとは?

大規模プロジェクトを管理するには、まずは中小規模のプロジェクトとの違いを理解することが大切です。

大規模プロジェクトの定義とは?

大規模プロジェクトに明確な定義はありませんが、一般的には下記のようなプロジェクトが該当します。

  • 100名以上が携わる
  • 1000万円以上の費用がかかる
  • 期間が1年以上

大規模プロジェクトと小規模プロジェクトの違い

プロジェクトの所要期間が長く、費用が大きく、さまざまなステークホルダーが関係することが大規模プロジェクトの特徴です。具体的な例としては、建造物の建築・都市開発・大人数が利用するシステムの開発などが挙げられます。

一方で小規模プロジェクトは所要期間や費用が比較的小さく、具体的にはチーム内の業務改善・人員の採用・イベント開催などが該当します。

大規模プロジェクトの管理方法とは?

大規模プロジェクトでは関わるメンバーが多くなるため、さまざまなリスクが存在します。

下記では、そのような大規模プロジェクトを成功に導くための管理方法について解説します。

優秀なPM(プロジェクトマネージャー)の設置

優秀なPM(プロジェクトマネージャー)の存在は、大規模プロジェクトの進行には欠かせません。

プロジェクトを円滑に進めるには、PMを設置して目標と期間を定め、定期的にKPIや進捗状況を観測していくことが重要です。

とくに大規模プロジェクトにおいては、PMには知識だけでなく経験や人望などのさまざまなスキルセットが求められます。優秀なPMを設置できるかどうかが、プロジェクトの成功を左右するといっても過言ではないでしょう。

PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)による業務支援

大規模プロジェクトを円滑に進めるには、優秀なPMだけでなく、それをサポートするPMOの設置も重要です。PMOとは、さまざまな部署の境界を超えてPMをサポートする部署のことです。

プロジェクトの規模が大きくなれば関わる部署やメンバーが多くなり、一人のPMでプロジェクト全体の管理を行うことは難しくなります。PMOはPMの意思決定をもとに、プロジェクト全体に関わる資金や人材といったリソースの管理、ステークホルダーの利害調整といったさまざまな業務をサポートします。

PMが本来のパフォーマンスを発揮できるようにサポートすることがPMOの役割といえるでしょう。

プロジェクトのスコープを明確に決める

大規模プロジェクトを管理するうえで、プロジェクトのスコープを明確に決めることも重要です。目標、スケジュール、最終的な成果物が何かを定めることで、プロジェクトを円滑に進めることが可能になります。

そして、プロジェクトの進行中はそのスコープが組織の戦略に沿っていて、外れていないかを見定めることも重要です。

▼プロジェクト管理で重要な「スコープ」について、下記記事ではポイントを解説しています

大規模プロジェクトの管理でよくある失敗例

次に大規模プロジェクトの管理でよくある失敗例について解説します。事前に失敗例を理解しておけば、同様の失敗を避けられるでしょう。

意思疎通ができていない

大規模プロジェクトでは、さまざまなステークホルダーが関わるため「誰に確認したらよいかわからない」という状況が生まれやすく、意思疎通が難しくなります。

社内だけでなく外部との連携も必要になるため、メールの返信を待っていて、業務が1日ストップするという場合もあります。また、ステークホルダーが増えれば意見をまとめる際に時間がかかることもあるでしょう。

大規模プロジェクトを管理する際には、意思疎通を行うためのリーダーの設置やコミュニケーションが取りやすいツールの導入など、環境を整えることが大切です。

▼意思疎通が難しいテレワークの環境下でプロジェクト管理を行う場合には、下記記事を参考にしてみてください

プロジェクトの要件が曖昧

プロジェクトの要件が曖昧な場合には、失敗する可能性が高くなります。

多くのプロジェクトは、要件定義・詳細設計・構築といったプロセスに沿って進行されます。

そのため、プロジェクトの要件が曖昧なまま進めてしまうと、想定とは異なる成果物があがってくる可能性があります。とくに大規模のプロジェクトでは、途中で仕様を変更すると、多くの時間や人件費が余分にかかってしまうでしょう。

大規模プロジェクトをスタートする際には、あらかじめ要件についてステークホルダーの間で固めておく必要があります。

業務内容が標準化されていない

多くのステークホルダーが関わる大規模プロジェクトにおいて、業務内容の標準化が行われていないという状況もよくある失敗例といえるでしょう。

業務内容の標準化が行われていなければ、個々人の判断やスキルで業務が進行されます。その結果、実際にできあがった成果物が想定していた品質とは異なってしまうという結果になります。

このような認識のズレが重なれば、納期の遅れや品質の低下につながるでしょう。

さまざまなメンバーが集まる大規模プロジェクトに取り掛かる際には、最低限の品質を担保する業務の標準化を図る必要があります。

スケジュール管理が甘い

大規模プロジェクトでは、タスクのスケジュール管理が甘ければ、成果物が遅延してしまう可能性が高まります。

もちろんプロジェクトによっては、実際にスタートをして、作業を行いながらスケジュールを検討するという側面もあるでしょう。また、仮に要件や仕様が明確に決まっていても、完璧な計画を立てることはできません。

しかし、そのような不明確な状況だからこそ、事前のスケジュール設定が重要になります。とくに外的要因によりスケジュールが読めないタスクには、バッファ(余裕)を設けておく必要があります。

予定通りにプロジェクトを終わらせるためには「適切なスケジュール設定」と「進捗状況の管理」に注力をしましょう。

▼タスクのスケジュール管理や進捗状況の管理については、下記記事を参考にしてみてください

作業量(工数)の把握が不十分

大規模プロジェクトを管理する際には、ひとつひとつの工程に必要な作業量をしっかりと把握しましょう。

作業量の見積もりが甘ければ、納期遅れや成果物の品質低下に繋がる場合があります。

過去に行われた同様のプロジェクトを参考に、タスクごとの所要時間やメンバーごとの処理能力を事前に把握しておくことが重要です。

TimeCrowdのような工数管理ツールを導入すれば、プロジェクトごとに「どのタスクに・どれくらい時間をかけたのか」を記録することができます。

TimeCrowdトップページ画像

タスクの開始時と終了時に打刻をするだけで、ワンクリックでログを残せるため、メンバーに負担もかかりません。

少しでもご興味のある方は下記資料より詳細な機能や料金プランをご確認ください。

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▼プロジェクトの作業量(工数)を適切に見積もる方法については、下記記事で詳しく解説しています

大規模プロジェクトの管理を成功させるのコツ

大規模プロジェクトを成功させるコツについて以下で解説します。

プロジェクトの進捗状況を把握する

大規模プロジェクトを管理する際には、タスクの進捗状況をしっかりと把握しましょう。タスクの問題点や遅延にいち早く気がつければ、その分だけスピーディーに対応できます。

プロジェクト管理を行う際には、Excelのような表計算ソフトではなく、専用のITツールの利用がおすすめです。

BacklogAsanaでは、タスクの進捗管理・ファイルの共有・チャットコミュニケーションなど、多様な機能が搭載されていますので、ぜひ導入を検討しましょう。

▼おすすめのプロジェクト管理ツールは下記記事でご紹介していますので、あわせて参考にしてみてください

コミュニケーションを意識的に行う

大規模プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトリーダーがステークホルダーやメンバーとのコミュニケーションを意識的に行うことが大切です。

関係者間でのつながりが良好であれば、気軽に相談ができるようになります。また、こちらの意見を聞いてもらいやすくなるでしょう。

プロジェクトの管理内容を標準化する

大規模プロジェクトにおいて、管理内容を標準化することは品質を担保するうえでとても大切です。

個々人の判断でタスクを進行してしまうと、思い込みや認識の違いによる差し戻しが発生しやすくなります。

とくに大規模プロジェクトではステークホルダーが多いため、そのような認識の違いが積み重なれば、納期の遅れや成果物の品質低下につながることも考えられます。

プロジェクトの標準化は、PMBOKを基本にするのが一般的です。大規模プロジェクトの場合には、さらにそれをベースとした高度なマネジメントスキルがPMに求められます。

▼PMBOKについての詳細は下記記事でご紹介していますので、あわせて参考にしてみてください

大規模プロジェクトの管理にはコミュニケーションや進捗状況の確認が重要

大規模プロジェクトの管理では、チーム内でのコミュニケーションやステークホルダーとの良好な関係構築、タスクの進捗状況の確認が重要になります。

また、プロジェクトの途中で仕様変更が発生した場合には、修正に多額の費用(とくに人件費)が発生してしまうため、要件の定義や工数の見積もりを入念に行う必要があるでしょう。

工数の見積もりには、TimeCrowdなどの工数管理ツールを活用するのがおすすめです。過去の類似プロジェクトを参考にして「どのようなタスクに・どれくらい時間がかかるのか」をあらかじめ明確にしておきましょう。

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