生産性向上や業務効率化の観点から、社内で「工数管理」を導入することをご検討されている企業様も多いのではないでしょうか。
また近年では、利益率向上の観点から導入をご検討されている企業様も増えています。とくにシステム開発・Web制作・コンサルティングなどの受託型ビジネスの業界では、人件費を管理するために工数管理を導入されている企業様も数多くいらっしゃいます。
しかし、なかには「工数管理とは何か」「なぜ必要なのか」「どのように導入するのか」がわからず、困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、工数管理ツールTimeCrowdを提供する弊社(タイムクラウド株式会社)が、工数管理の意味や必要性、具体的な導入手順について解説いたします。
目次
工数とは
そもそも工数とは、プロジェクトにおいてタスクを完了させるまでに必要な作業量のことを意味します。「作業時間」×「作業人数」で算出されるケースが一般的です。
もともとは建設業界やシステム開発など、比較的大規模のプロジェクトで使われていましたが、近年では幅広い業界で使われるようになりました。
▼「工数」について、意味や計算方法などの理解を深めたい方は下記の記事もあわせて参考にしてください
工数管理とは
工数管理とは、プロジェクトやタスクを終わらせるまでに必要な作業量(時間×人数)を管理することです。
1人のメンバーが1ヶ月あたりに取り組める作業量を「人月(にんげつ)」という単位を用いて見積もる「人月計算」を行うのが一般的です。たとえば半年かけて20人で取り組むプロジェクトの場合は「120人月」になります。
工数管理ではこのように工数を見積もり、プロジェクトを想定通りのコスト(人件費)やスケジュールで進められるように予実管理を行います。
工数管理が必要な理由
「工数管理はなぜ必要なのか」と疑問に感じられる方もいるでしょう。工数管理の必要性は、当事者が置かれた立場によって異なります。
- 管理者
1.メンバーごとの稼働状況を把握し、プロジェクトのスケジュールを正確に管理できる
2.プロジェクトごとの人件費を把握し、工数超過(赤字)になることを防げる - メンバー
1.「どのタスクに・どれくらい時間をかけているのか」を把握し、時間管理に役立てられる
2.タスクの進捗状況が可視化されるため、モチベーションが高まる
工数管理を行わなければ、メンバーの稼働時間(人件費)を想定範囲で抑えられているのかわからず、プロジェクトが赤字になってしまう可能性があります。
また、想定工数(作業量)がわからないと、適切な人員数を確保できず、プロジェクトの納期に間に合わない可能性もあるでしょう。
このように工数管理に取り組むことは、プロジェクトを成功させるためには欠かせない取り組みだといえます。
▼工数管理の重要性については下記記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください
工数管理に取り組むメリット
工数管理に取り組むメリットについて、ここでは詳しくご紹介いたします。
コスト(人件費)を正確に把握できる
工数管理に取り組むことで、プロジェクトやタスクごとにかかった人件費を把握できます。
プロジェクトにはあらかじめ予算が決められています。プロジェクトマネージャーはプロジェクトを黒字にするために、人件費を予算の範囲内に抑える必要があるでしょう。そのためには、メンバーの稼働時間を正確に把握する必要があります。
「誰が・どのタスクに・どれくらい時間をかけているのか」を把握できれば、仮にプロジェクトが赤字になった場合でも、時間のかかったタスクを確認し、原因をいち早く特定して改善に繋げられるでしょう。
とくにコストの大半を人件費が占める企業(制作会社・開発会社・士業)では、工数管理は欠かせない取り組みだといえます。赤字のプロジェクトを見直すだけで業績が大幅に向上するケースもあるため、ぜひ導入を検討してみてください。
▼プロジェクトごとの稼働時間を見直し、業績の向上に取り組まれた企業様の事例はこちらからご確認ください
プロジェクトの進捗状況がわかる
工数管理を行えばプロジェクトの進捗状況をひと目で確認できます。
工数管理表をプロジェクトごとに作成すれば、タスクごとの進捗状況を逐一担当者に確認する手間が省けます。また、タスクごとの工数をあらかじめ算出することで「このタスクはいつから取り組み、いつまでに終わらせればよいのか」が明確になります。期日が明確になることで、メンバーが集中して作業に取り組めるようになるでしょう。
実際に、工数管理ツールTimeCrowdを提供する弊社(タイムクラウド株式会社)が行った調査では、工数管理を行った企業の半数以上が「作業進捗の正確な把握」に効果を実感されています。
>>詳しい調査内容は下記記事をご確認ください
▼実際に工数管理に取り組まれた企業様の成功事例はこちらからご確認ください
工数見積の精度を高められる
工数管理に取り組めば、過去の類似プロジェクトを参考に適切な工数を見積もることができます。
どんぶり勘定で工数を見積もると、現実とは乖離したスケジュールを立ててしまい、期日通りにプロジェクトを終えられない可能性があります。
工数管理をして「どのタスクに・どれくらい時間がかかったのか」を記録することで、新しいプロジェクトに取り組む際に、現実的な作業時間を算出することが可能です。
プロジェクトの成功確率を高められる
工数管理に取り組めば、タスクの進捗状況をリアルタイムで把握できるため、プロジェクトの途中でもPDCAサイクルを回すことができます。
想定していた工数と実際の工数が異なる場合でも、あらかじめバッファ(余裕)を設けておけば、タスクや人員を柔軟に調整して計画通りにスケジュールを進めることができるでしょう。
また、想定以上に工数がかかり人件費が膨らんでしまった場合でも、他のコストを削減するなどして、プロジェクトの予算内でコストを抑えるように調整することも可能です。
工数管理はプロジェクトの期日やコストを管理する際に役立つため、プロジェクトを成功に導く可能性を高められるでしょう。
工数管理のやり方
工数管理に取り組む際には、下記の手順で実施をしましょう。
- 管理者を決める
- 工数管理表やツールを用意する
- 工数入力を忘れずに行う
- 工数データを集計し、分析する
1.管理者を決める
工数管理に取り組む際には、必ず管理者を決めましょう。
管理者を明確にしておかないと運用がおざなりになり、形骸化してしまいます。
一般的にはプロジェクトマネージャーが行うケースが多いですが、大規模のプロジェクトではディレクターがメンバーの管理をする際に行う場合もあるでしょう。
2.工数管理表やツールを導入する
管理者を決めたら、つぎに工数管理表を導入します。
工数管理表とは、タスクごとの工数を管理するための一覧表のことです。タスク名・担当者・進捗状況・想定工数・実工数をひと目で確認できるようにしておきます。
一般的にはExcelやGoogle スプレッドシートで作成されることが多いでしょう。しかし、0から作成するのは時間がかかるため、テンプレートを活用するのがおすすめです。
⇛【無料で使える】工数管理表テンプレートはこちらからダウンロードいただけます
また「Excelではリアルタイムに更新ができない」「Google スプレッドシートは社内事情で作成できない」「そもそも工数入力をする際に別アプリを開くのが面倒」と感じられる場合は、工数管理ツールの導入を検討しましょう。
おすすめの工数管理ツールはTimeCrowdです。
タスクごとの時間管理に特化したツールなので、無駄な機能がありません。タスクの開始時と終了時にブラウザ(もしくはChrome拡張機能)からワンクリックで打刻をするだけで、簡単に工数入力を行えます。
また、Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携をすれば、カレンダーの内容からタスク内容を自動で入力することも可能です。
少しでもご興味のある企業様はぜひ下記サービス資料より詳細な機能や料金プランをご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード3.工数入力を忘れずに行う
工数管理表やツールを導入したら、実際に工数管理に取り組みます。
プロジェクトの進行中には「どのプロジェクトで・どの業務に・どれくらい時間をかけたのか」を、メンバーに入力してもらいましょう。
工数管理では、しばしば入力ミスや入力忘れが問題に挙がります。しかし、せっかくの工数管理も入力内容が適切でなければ意味を成しません。
毎日の朝礼・終礼で確認をする、管理者が定期的に確認をする、アラート機能を搭載するなどといった仕組みで対応するようにしましょう。
4.工数データを集計し、分析する
メンバーに入力してもらった工数データは、定期的に集計をして分析する必要があります。
プロジェクト別やタスク別に「想定と実態の工数に乖離がないか」「どのタスクに時間がかかっているのか」を確認します。
この際に、ExcelやGoogle スプレッドシートなどで管理をしていると集計に時間がかかってしまうでしょう。
最初はそのような無料ツールで実施するのも良いですが、本格的に工数管理を導入したい場合や大規模のプロジェクトでは工数管理ツールを導入したほうが集計に手間がかかりません。
TimeCrowdのような工数管理ツールを使えば、下記のように自動で工数分析を行うことができます。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード▼工数管理のやり方は下記の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてみてください
▼業種・業界ごとの工数管理のやり方については下記の記事をご確認ください
工数管理の導入方法
工数管理を社内で取り入れる際には、先述した通りExcel(もしくはGoogle スプレッドシート)か、専用の工数管理ツールを導入するのがおすすめです。
Excelで管理をする
一般的に、多くの企業ではExcelで工数管理に取り組まれています。
タスクごとに作業時間を見積もり、実働時間と比較をして過不足がないかを確認します。
Excelで工数管理を行うメリットは下記の通りです。
- 無料で始められる(※既に導入している場合に限る)
- 馴染みのあるツールで、メンバーの抵抗が少ない
- 関数やグラフを活用して、カスタマイズができる
工数管理表はTimeCrowdの公式サイトからダウンロードできますので、0から作成はせず、このようなテンプレートを活用してみてください。
⇛【無料で使える】工数管理表テンプレートはこちらからダウンロードいただけます
▼Excelで工数管理を行いたい場合は下記記事も参考にしてください
工数管理ツールを導入する
Excelでは「リアルタイムで内容を更新できない」「わざわざファイルを開くのが億劫で入力を忘れてしまう」などの問題点があります。また、Google スプレッドシートは「社内セキュリティ的に利用できない」といった場合もあるでしょう。
そのような場合は専用の工数管理ツールの導入を検討しましょう。利用費用こそかかりますが、下記のようなメリットがあります。
- 簡単に工数入力ができる
- 工数データを集計する手間がかからない
実際にツールを選ぶ際には、下記3つのポイントを抑えたうえで検討してください。
- 利用費用は予算内に抑えられるか
- 誰でも使えるシンプルな操作性か
- 無料トライアル期間で操作性を確認できるか
- 導入後のサポート対応は丁寧か(日本語で対応可能か)
工数管理におすすめのツール・システム
ここでは、実際におすすめの工数管理ツールをご紹介いたします。
▼下記の記事ではより多くのツールをご紹介していますので、導入を検討している方はこちらの記事をご確認ください
時間管理に特化した工数管理ツール
「TimeCrowd(タイムクラウド株式会社)」は、メンバーの稼働時間を把握するのに特化した工数管理ツールです。
出典:TimeCrowd
タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「どのプロジェクトで・どの業務に・どれくらい時間をかけたのか」を記録することができます。
工数管理に特化したツールなので、シンプルな操作性が特徴です。複雑な機能は搭載せず、誰が操作をしても迷わないように開発がされています。
また、レポート画面からひと目で工数分析ができるため、わざわざ工数データを集計する手間がかからない点が特徴です。
▼実際に4,000社以上の企業様にご利用いただいています
2週間の無料トライアル期間もありますので、操作性の気になる方は下記サービス資料より詳細をご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロードプロジェクト全般を管理したい場合
工数管理だけではなく、進捗状況の確認やチャット機能など、ひとつのツールで包括的にプロジェクト管理ができるツールなら「Backlog(株式会社ヌーラボ)」がおすすめです。
出典:backlog
「カンバンボード」「ガントチャート」「バーンダウンチャート」など、目的に応じた最適な方法でプロジェクト管理を実現できます。
Web制作会社やシステム開発会社のみならず、官公庁や金融機関などの厳重なセキュリティが求められる業種からも活用されています。
最初の30日間は無料でトライアルできるので、ご興味のある方はぜひご検討ください。
労務管理もあわせて行いたい場合
従業員の労務管理もあわせて行いたい場合には、勤怠管理システムを搭載した「TeamSpirit(株式会社チームスピリット)」がおすすめです。
出典:TeamSpirit
工数管理と勤怠管理を合わせることで、従業員の勤務状況を正確に把握することが可能です。
長時間労働が発覚した場合はアラートが表示されるなど、働き方改革を促進することにも役立ちます。
集計したデータは給与計算システムと連携ができるため、労務管理の業務負担が大きく軽減されるでしょう。
➝TeamSpiritの公式サイトはこちらからご確認いただけます
▼勤怠管理システムを搭載した工数管理ツールは下記記事もご参照ください
工数管理に役立つフレームワーク
工数管理に取り組む際には、下記2つのフレームワークを活用しましょう。
WBS
WBSとは「Work Breakdown Structure」の略称で、作業分解構造図のことを意味します。
プロジェクトに必要なタスクを細かく分類して、作業工程を構造化するものです。
たとえば「新製品を販売する」という目標がある場合は「製造会社に依頼をする」「販売手段を策定する」などのタスクが洗い出せるでしょう。前者はさらに「依頼する製造会社を洗い出す」「各社と打ち合わせをする」などのタスクに分解できますし、後者はさらに「集客シュミレーションを算出する」「各チャネルごとに代理店に相談をする」など、細かなタスクに分解できます。
このように、WBSを活用すればプロジェクトのなかで取り組むべきことが明確になり、タスクの抜け漏れを防ぐことができます。
工数見積の際に活用することで、正確な工数管理を実現することができるでしょう。
▼WBSの意味や作成するメリットについては下記記事もあわせて参考にしてみてください
ガントチャート
ガントチャートとは、プロジェクトの進捗状況を管理する表のことです。
WBSは細分化したタスクリストである一方で、ガントチャートはそれをビジュアル的に可視化したものを意味します。
具体的には、タスク名・担当者・開始日・期日などを記載し、それをひと目でわかるスケジュールに落とし込んだものになります。
プロジェクトの進捗状況を確認できるため、工数管理に取り組む際には欠かせないものだといえるでしょう。
▼ガントチャートの意味や作成するメリットについては下記記事もあわせて参考にしてみてください
工数管理の課題や注意点
工数管理を実施する際には下記3つの点に注意してください。
実施する目的を明確にする
まず最初に、工数管理を実施する目的を明確にしてください。
ただ闇雲に取り組んでも、管理をすること自体が目的になり、形骸化してしまう場合があります。
「タスクの抜け漏れを防ぐため」「スケジュール管理を徹底するため」「各担当者に当事者意識を持たせるため」など、目的を明確にすれば意味のある工数管理を実現できます。
また、メンバーが納得感を持って取り組むことで、工数入力の抜け漏れを防ぐことができるでしょう。
専任の管理者を置く
先述したように、工数管理は一歩間違えると形骸化してしまう恐れがあります。
そのため、専任の管理者を置いて定期的に確認をするようにしましょう。
管理者となる人はこまめに工数管理表に目を通す必要があります。「入力漏れがあった」「稼働時間が超過(不足)している」場合などは、逐一確認が必要です。
臆せず社内でコミュニケーションの取れる人材が管理者に適しているでしょう。
▼工数管理を形骸化させない方法については下記記事を参考にしてください
現場視点を考慮する
現実離れした工数見積もりは、メンバーに負担をかけてしまいます。
必要以上にプレッシャーを与えてしまうと、残業時間や離職者の増加を招いてしまうでしょう。
とくに残業時間に関しては、働き方改革の推進から時間外労働の上限規制が設けられています。時間外労働の上限時間は⽉45時間・年360時間で、原則として例外は認められません。
限られたリソースのなかでプロジェクトに取り組むことを前提にして、適切に工数見積を行ってください。
▼工数見積の方法については下記記事を参考にしてください
まとめ|工数管理に取り組みプロジェクトを成功に導こう
工数管理を行うことで「コストを正確に把握できる」「進捗状況を共有できる」「プロジェクトの成功確率を高められる」といったメリットがあります。
社内で取り組む際には、管理工数のかからない専用のITツールの導入を検討しましょう。
おすすめの工数管理ツールは「TimeCrowd」です。メンバーの稼働時間を把握することに特化しているため、複雑な機能がなく、誰でも簡単に操作ができます。
少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料より詳細な機能や料金プランをご確認ください
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード