「工数管理なんて意味がない」と思うのは、目先の苦労に囚われ過ぎているのかもしれません。実際に管理は大変ですし、なかなかモチベーションに繋がりづらい部分もありますよね。しかし、コツコツと工数管理を行うことで、想像以上のメリットが得られる可能性があります。
本記事では、工数管理を行う意味や、工数管理によって得られるメリットについて解説いたします。工数管理を成功させるポイントも解説いたしますので、管理方法に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
工数管理を行う目的とは?
「工数管理は意味がない」と感じるのは、工数管理を行う意義や目的が明確になっていないからかもしれません。
工数管理の目的を理解することで、工数管理の意義やメリットを実感しやすくなります。工数管理を行う以下の目的について、1つずつ解説します。
- 進捗を管理するため
- コストを把握するため
進捗状況を把握するため
工数管理を行うことで、進行中のプロジェクトの進捗を管理するのに役立ちます。
工数管理とは、タスクに必要な工数を把握し、管理することです。プロジェクトの開始前に想定していた工数と実際の工数を比較し、想定よりも工数がかかっている場合はフォローしたりリソースを追加したりして進捗を管理することが可能になります。
同時進行のプロジェクトや作業が複数あると、一つひとつの進捗状況を把握するのも一苦労です。しかし、工数をきちんと管理することで「誰がどれくらい作業を進めたのか」が明確になります。そのため「いつのまにか納期が迫っていた…」といった問題を未然に防ぐことが可能です。
進捗状況の可視化や把握を行っていない場合は、工数管理を行うことでプロジェクトをスムーズに進めやすくなります。
コストを把握するため
工数管理はコストの把握にも有効です。実工数から人件費を計算し、管理しておくことで、プロジェクトごとの収支管理に役立ちます。
また、「作業ごとにかかったコスト」を把握できれば、「赤字の原因となる作業」を特定しやすく、業務改善に繋げることも可能です。
▼工数管理が必要な理由については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
意味がない?工数管理を行うメリット
工数管理を行う意味を理解できても、まだ「意味がない」という考えを払拭できない人もいるかと思います。工数管理には以下のようなメリットがあり、生産性や収益性の向上が期待できます。
- プロジェクト(タスク)ごとの収支管理に役立つ
- 計画や見積もりの精度がアップする
- 今やるべきタスクに集中できる
- 作業の改善点が見える
- 従業員のモチベーションアップにつながる
ここでは、工数管理を行うメリットを解説します。
プロジェクト(タスク)ごとの収支管理に役立つ
工数管理のメリットは、プロジェクトやタスクごとにかかった人件費を把握することで、収益性の改善に役立てられるという点です。
とくにシステム開発・Web制作・コンサルティングなどの業種では、実工数から人件費を割り出すことで、売上と比較してプロジェクトごとのおおよその利益率を算出することができます。利益率が低い、あるいは赤字のプロジェクトがあれば業務改善をしたり見積もり金額を見直したりして、収支状況を改善する取り組みができるでしょう。
ただし、同じメンバーが複数のプロジェクトに携わっている場合は、工数管理とコストの把握がしにくいこともあるでしょう。
株式会社カラダノート様では、TimeCrowdを活用してこの問題を解決しました。各プロジェクトの工数と収益性を可視化して「適切な人的リソース配分ができているか」をリアルタイムで確認できる環境づくりを実現しています。
TimeCrowdでは、タスクの開始時にワンクリックで打刻をするだけでタスクごとの所要時間を記録することが可能です。
タスクはプロジェクトに紐づいているので、「どのプロジェクトのどのタスクでどれくらい時間がかかったのか」を把握するのに役立てられます。
▼株式会社カラダノート様の事例はこちらからご確認ください
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード計画や見積もりの精度がアップする
工数管理によって蓄積されたデータを活用することで、見積もりの精度アップが期待できます。新しいプロジェクトに取りかかる際に、類似プロジェクトの工数データを参考にして、計画や見積もりを出すようにしてみましょう。
また、見積もりと実工数のデータのズレを修正していくことで、見積もりの精度を高められます。工数管理を行うことは、現在だけでなく未来の生産性アップにも繋がるのです。
TimeCrowdを導入して、プロジェクトごとの稼働時間を把握・分析し、売上アップに役立てたSORA株式会社様の事例を紹介します。
同社では、バックオフィス業務の最適化(無人化)サービスを提供しています。以前まではプロジェクトごとの実工数を正確に把握しておらず、実際の稼働時間より請求金額が少ないというケースが発生していました。
そこで行ったのが、TimeCrowdによるスタッフの稼働時間の可視化です。プロジェクトごとの稼働時間をデータとして可視化し、業務効率の改善や請求金額の見直しを行った結果、売上が20%アップしました。
▼SORA株式会社様の事例はこちらからご確認ください
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード今やるべきタスクに集中できる
工数管理を行うと進捗状況が明確になるため、やるべきタスクが明確になります。
そのため、メンバーは自分の作業に集中して取り組むことができます。また、工数データを共有することで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」をチーム内で共有できるため、お互いにフォローがしやすくなるでしょう。
工数管理は、管理側にしかメリットがないように思われがちです。しかし、工数管理を定着させることで、実際に作業に取り組むメンバーにとっても大きなメリットがあります。
作業の改善点が見える
工数管理を行うことにより、進捗状況を把握できていれば、「この作業効率が良くないな」「コストがかかりすぎている」などの改善点を見つけやすくなります。
改善を繰り返していけば、コストダウンや残業時間の削減が可能となり、企業にとっても従業員にとっても大きなメリットを得られます。
従業員のモチベーションアップにつながる
工数管理は、従業員のモチベーションアップにも繋げられます。
工数管理を継続していくと、作業内容や作業時間を見える化することが可能です。実際の作業時間をメンバーに共有することで「この作業はここに時間がかかっている」「もっとこうすれば作業時間を短縮できそう」など、試行錯誤をして業務に取り組めるようになります。
また、工数管理によりコストダウンや利益の確保が実現できれば、それを従業員に還元することで従業員の意欲を高めることも可能になります。
工数管理を成功させるポイント
工数管理には大きなメリットがありますが、定着させる労力が大きいのも事実です。
仕事の傍ら、毎日の工数記録を定着させるのは容易なことではありません。そこで、工数管理を成功させる以下のポイントについて解説します。
- 予想と実績の入力を徹底する
- 工数管理データを共有する
- 覚悟を持って継続する
予想と実績の入力を徹底する
工数管理を行う際には「予想」と「実績」の両方を入力して管理することが重要です。
プロジェクトの進行途中でも、工数の予実確認をすることで「どのタスクに想定以上の時間をかけているのか」「どれくらい追加リソースが必要か」などを検討することができます。
また、プロジェクトの終了後には「予想」と「実績」をじっくり比較して分析することで「なぜ生産性が上がったのか」「なぜミスが起こったのか」といった仮説を立てられます。仮説や分析をもとに業務改善を行うことで、生産性や収益性の向上につながります。
実績だけに注目するのではなく、予想とともに管理することで、工数管理はより意味のあるものになるでしょう。
工数管理データを共有する
工数管理で記録されたデータは、管理者の間だけでなく従業員にも共有するのがおすすめです。「工数管理によって◯%の生産性向上につながりました!」といった成果報告は、従業員のモチベーション向上につながります。
また、従業員同士でも工数管理データを見ることで、新たな改善案が出てくる可能性もあります。現場が主体的に動くことで、組織を強くすることも可能です。
工数管理データは会社全体で共有して、さまざまな場で活用できるようにしてみてください。
覚悟を持って継続する
工数管理を行うと決めたら、継続させる覚悟が一番大事です。
「意味がない」と考えて途中で工数管理を止めてしまえば成果が出ないのは当然で、中途半端に取り組んでしまうと本当に意味のない作業になってしまいます。工数の記録を適切に行いつつ、分析や改善をコツコツと積み重ねていきましょう。
正しい工数データを日々入力していけば、プロジェクトごと・タスクごとの実工数データが社内に蓄積されていきます。類似プロジェクトを始める際には、過去の実工数データを参考に見積もりを作成したり、タスク内容を確認したりして、プロジェクト管理に役立てることができます。中長期的に見て、自社内で工数管理に取り組める環境を整えてみてください。
工数管理は意味ないなんてことはない!
工数管理は、企業にとって大きなメリットをもたらします。確実な利益の確保が見込めたり生産性アップに繋げることができたりなど、成果が得られるからこそ、工数管理が注目されているのです。
また、工数管理は管理側だけでなく、従業員にとってもメリットが得られます。データを共有することで、組織として成長するチャンスになるでしょう。「工数管理なんて意味ない」と考えることなく、どう取り入れるべきか検討してみてください。
▼おすすめの工数管理ツールは下記記事でご紹介していますので、合わせてご参照ください