「エンジニアの工数管理は細かく行う必要性はあるのだろうか?」
「プロジェクトごとに工数管理を行っているけど成果につながらない…」
このように、工数管理に対して悩みや疑問を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、エンジニアの工数管理が必要な理由や具体的な手順、よくある課題に対する解決方法について解説します。
適切な工数管理はプロジェクトの成否を左右します。また、チームの生産性向上にもつながる重要な作業です。
システム開発を担うプロジェクトマネージャーの方は、ぜひ本記事を参考にして工数管理の改善に取り組んでみてください。
エンジニアの工数管理は必要?
システム開発のプロジェクトを進めるうえで、工数管理は欠かせない取り組みです。
そもそも工数管理とは、プロジェクトにおける作業量や作業時間を計測して管理することです。具体的には「作業時間の見積もり」「進捗状況の確認」「リソースの配分調整」といった作業が含まれます。
▼工数管理とは何か?意味や必要な理由については下記記事も参考にしてください
システム開発に取り組むうえで、工数管理が欠かせない理由は下記の通りです。
- 適切な予算管理につながる
- 進行状況を可視化できる
- 工数見積の精度が高まる
- エンジニアのモチベーションを高められる
適切な予算管理につながる
システム開発のプロジェクトでは、あらかじめ予算が設定されている場合が多いでしょう。とくにシステム開発会社の現場では、多くの場合プロジェクトごとに人件費(プロジェクトメンバーの稼働時間)が定められています。
プロジェクトにかかる費用のなかで人件費の占める割合が多い業種業界では、このようにプロジェクトごとにかかる工数(作業完了までにかかる人数×時間)を把握することが重要です。「どのプロジェクトに・どれくらい時間(人件費)をかけているのか」がわかれば、プロジェクトごとの収益性を確認して、改善することができます。
想定以上に時間のかかるプロジェクトでは、稼働時間を見直したり、取引先への請求金額を見直したりなど、何かしらの対応策を検討する必要があるでしょう。
▼工数管理を導入して、案件ごとの収支管理に取り組まれているシステム開発会社・株式会社CloudQ様の事例はこちらからご確認ください
進行状況を可視化できる
システム開発の現場では、プロジェクトを完了させるまでにさまざまなタスクが発生します。
工数管理に取り組むことで、タスクごとの稼働時間を可視化することができます。「どのタスクに・どれくらい時間をかけているのか」がわかれば、スケジュールよりも進捗が早いのか(もしくは遅れているのか)を把握できます。
想定以上に時間のかかるタスクがある場合には、メンバーを追加したり、タスクの優先度を再検討したりなど、プロジェクトの途中でも柔軟に対応する必要があります。
工数見積の精度が高まる
新たなプロジェクトに取り組む際には、過去の類似プロジェクトを参考にして工数見積の精度を高めることができます。
「どのようなタスクが発生するのか」「どのタスクに・どれくらいの工数(時間や人数)が必要になるのか」を正確に把握することで、プロジェクトマネージャーの経験や勘だけに頼らない、標準化された見積を作成できるでしょう。
工数見積の精度を高めることができれば、スケジュール通りにプロジェクトを進められたり、プロジェクトごとの収益性を高められたりなど、さまざまなメリットがあります。何よりも適切な計画(工数見積)はプロジェクトを成功させるうえでは欠かせないため、工数実績のデータを蓄積することは、会社の将来の資産になるでしょう。
▼工数見積の手順やポイントについては下記記事も参考にしてください
エンジニアのモチベーションを高められる
メンバーごとの働きぶりを可視化することで、モチベーションの向上にもつながります。
工数管理に取り組むことで「誰が・どのタスク(プロジェクト)に・どれくらい時間をかけたのか」がわかります。素早くタスクを終わらせれば、その実績が可視化されて客観的な評価につながります。逆にいえば、タスクに対して不必要に時間をかけることを抑止できるでしょう。
とくに昨今では、社会的に”生産性の高い”働き方が求められています。会社としては長時間労働をしたメンバーではなく、限られた時間のなかで高い実績を上げたメンバーを評価していくことが重要です。このように、組織風土から”働き方改革”を推進できるという点で、工数管理は非常に重要な取り組みだといえます。
エンジニアの工数管理に取り組む4つの手順
工数管理を行うための具体的な手順について解説いたします。
- 工数を見積もる
- 工数管理表を作成する
- 作業実績や工数を入力する
- (問題がある場合には)解決策を実行する
1.工数を見積もる
工数管理を行う際には、まず最初にタスクを洗い出して、開発工数を見積もります。
工数管理に取り組むうえで、工数見積もりは非常に重要な役割を果たします。適切な見積もりができていないと、実際の作業時間との乖離が発生して、プロジェクトをスケジュール通りに進めることが難しくなる恐れがあります。
工数見積を行う際には、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
- タスクを細分化する: 必要となるタスク洗い出し、カテゴリーごとに分割して、個々の作業を明確に定義します。作業内容・完了までに必要な時間・関連するリソースが明確になれば、見積もりの精度が向上します。
- 作業工数を算定する: タスクごとに必要な作業工数(時間や人数)を算定します。過去に取り組んだ類似のプロジェクトのデータを参考にするのがおすすめです。また、実際に作業に取り組むエンジニアやチームメンバーの意見も取り入れましょう。
- リスクやタスクごとの依存関係を考慮する: 特定のタスクが他のタスクの進行に関係する場合や、予想外のリスクが発生する可能性がある場合には、スケジュールにバッファ(余裕)を設けることが重要です。
このようなポイントを意識して、工数見積を適切に行うことで、工数管理の基礎を固めることができます。
2.工数管理表を作成する
次に、見積もりに基づいた工数管理表を作成します。工数管理表では、プロジェクトの完了までに必要となるタスク・作業量・コスト・担当者などを記載して、スケジュールと合わせて管理を行います。
工数管理表はExcelやスプレッドシートで作成できます。1から作成するのが難しい場合には、下記のテンプレートをご利用ください。
▼Excelで工数管理に取り組む方法については下記記事で解説していますので、あわせてご確認ください
3.作業実績や工数を入力する
実際にプロジェクトに取り組み始めてからは、エンジニアに作業時間や進捗状況の入力作業を行ってもらいます。
プロジェクトマネージャーは「工数入力が適切に行われているか」「想定以上に作業時間が発生しているタスク(プロジェクト)はないか」を定期的に確認します。工数管理表に入力されたデータを集計して、グラフとして可視化する必要があるでしょう。
「データの集計作業が大変」「工数入力が定着しない」という場合には、工数管理に特化したITツールを導入するのがおすすめです。
TimeCrowdを導入すれば、タスクの開始時と終了時にタスク名を選択して打刻するだけで「どのプロジェクトの・どのタスクに・どれくらい時間をかけたのか」を記録することができます。また、Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携をすることで、予定をもとに自動で打刻することもできます。
もちろん工数データを集計するための作業は不要です。レポート画面から、下記のようなデータをリアルタイムで確認することができます。
▼レポート画面
メンバーごとに時間単価を設定しておけば、プロジェクトごと(タスクごと)にかかった人件費を自動で算出できます。プロジェクトごとの収益性を確認することにも役立つでしょう。
TimeCrowdの詳細な機能や料金プランについて、少しでもご興味のある方は下記のサービス資料よりご確認ください。
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4.問題がある場合には、解決策を実行する
プロジェクトの計画段階で想定していた工数と、実際の工数の間に乖離がある場合には、その原因分析が必要です。たとえば特定のタスクで時間がかかっていたり、リソースが不足していたり、想定外の問題が発生していたりなど、さまざまな原因が考えられます。工数管理表を参考にしたり、メンバーにヒアリングをしたりして、原因を的確に把握しましょう。
また、原因を特定したらすぐに解決策を検討します。とくにシステム開発のプロジェクトでは”スケジュール”が明確に定められている場合がほとんどです。検討した解決策はできるだけすぐに具体化をして、実行するようにしましょう。
エンジニアの工数管理でよくある課題
システム開発の現場では、実際に工数管理に取り組んでも「なかなか定着しない」というケースがよくあります。本記事ではエンジニアの工数管理でよくある課題と解決策について、それぞれ解説いたします。
「工数管理は意味がない」と抵抗感を覚えている
管理者側が工数管理の重要性を理解していても、メンバー側が「工数管理は意味がない」と抵抗感を感じてしまえばうまくいきません。工数入力が形骸化してしまい、適切な工数データを記録できなくなります。
これは「プロジェクトごとの原価管理」や「リソース配分」など、管理者側が工数管理に取り組む重要性をエンジニア側が理解していない場合に起こります。実際に現場で働くエンジニアのなかには「目の前の業務に集中したい」「技術に関心がある」といった理由から、工数入力の優先度が下がってしまうという方もいらっしゃるでしょう。そのため、ルーティンとなる工数管理の入力に対しては、「仕方なくやらされている」と感じられる場合があります。
この課題を解決するためには、管理者側がエンジニアに対して工数管理の意図や目的を明確に伝えることが重要です。プロジェクトをスケジュール通りに進められることや、収益性を高めて黒字化を図るアプローチであることをしっかりとエンジニアに伝えましょう。そして、工数管理はエンジニア自身の働きやすさを実現するための取り組みでもあることを理解してもらう必要があります。
▼工数管理の重要性については下記記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください
工数の入力が負荷になっている
エンジニアの工数管理において、もう一つのよくある課題は「工数入力が負荷になる」という点です。たとえば、Excelの工数管理表への入力が必要で、さらに日報・週報・月報といった報告でも記入が必要になると、入力の重複が発生してしまいます。
このような課題を解決するには、TimeCrowdのような工数入力に負担のかからないITツールを導入するのがおすすめです。Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携をすることで、予定していたスケジュールに応じて自動で打刻することができます。また、Chrome拡張機能からも打刻が可能です。打刻のたびにわざわざアプリを開くことなく、工数入力を行えます。
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工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード▼工数入力が定着しない理由や解決策については下記記事でも解説しています。あわせて参考にしてください
エンジニアの適切な工数管理で生産性をアップ
エンジニアの工数管理は、システム開発のプロジェクトのでは欠かせない取り組みです。プロジェクトをスケジュール通りに、黒字で完了させるには、適切な工数管理を行う必要があります。
しかし、エンジニアの工数入力は「なかなか定着しづらい」というのも実情です。そのため、TimeCrowdのような工数入力に負担のかからない専用のITツールを導入するのがおすすめです。
また、工数管理に取り組むメリットをメンバーに説明して、その重要性を理解してもらうことが何よりも重要です。ITツールの導入・入力フローの周知・コミュニケーションの充実など、さまざまな観点からフォローアップを行い、工数管理を組織内に定着させていきましょう。