管理工数の見積もり方法とは?工数比率の目安や管理方法についても解説

「プロジェクト管理が上手くいかず、スケジュールどおりに納品ができない…」

このような悩みを抱えているプロジェクトマネージャーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。プロジェクト管理を適切に行うためには、管理作業のために必要となる管理工数の適切な見積もりが必要です。

本記事では、管理工数の見積もり方法・工数比率の目安・管理方法についてわかりやすく解説します。プロジェクト管理に悩んでいる担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

管理工数とは

管理工数とは「プロジェクト管理の業務で発生するタスクに対して、どれぐらいの人数や時間が必要になるのか」を表した指標のことです。管理工数をしっかりと確保することは、進捗遅れを防ぐことや品質担保をするうえで欠かせない取り組みになります。

たとえばプロジェクトリーダーが、プロジェクトのスケジュール作成とタスクの整理に合計で16時間かかった場合、管理工数は16時間となります。工数は、人日や人月で管理することが一般的です。1人日は8時間で計算されることが多いため、先ほどの管理工数は16時間なので2人日となります。

▼「人日」や「人月」の意味や使い方については下記記事を参考にしてください

管理工数の分野として、進捗管理・品質管理・変更管理・障害管理・要員管理などがあります。プロジェクト管理を行ううえで、管理工数は必ず発生するため、適切な見積もりが必要となります。

管理工数の工数比率の目安

プロジェクト管理の工数比率とは、進捗管理・品質管理・変更管理・障害管理といったそれぞれの管理が占める比率を表します。

作業内容を踏まえて「どのタスクに・どの程度の工数を割り当てるのか」検討を行います。工数比率を算出することで、余計な手間の発生によるコストの増加・納期の遅れ・成果物の品質低下といった問題のリスクを軽減できます。

プロジェクト管理における管理工数の工数比率は、一般的に10%から20%が目安となります。

ただし、それぞれのプロジェクトによって、適切な工数比率は異なる点には注意が必要です。プロジェクトの規模が大きくなれば、管理工数の比率が高くなる場合もあるでしょう。また、クライアントのニーズと折り合いをつけるために、工数比率をぎりぎりまで低く設定しなければならない状況も考えられます。

10%から20%はあくまで目安ですので、正確な見積もりを提示して適切な工数比率を提示すること重要です。

管理工数の具体的な見積もり方法

管理工数の具体的な見積もり方法について、以下でステップごとに解説します。

  1. プロジェクト管理の作業項目の洗い出し
  2. 作業項目ごとの管理工数の計算
  3. 管理工数の把握・検討・削除
  4. 見積もり工数のレビューと見直し

1.プロジェクト管理の作業項目の洗い出し

まずはプロジェクト管理に必要な作業項目について洗い出しを行い、整理して一覧化します。この段階で、できるだけ作業項目を細分化することが大切です。それにより、管理工数の見積精度が大きく向上します。

過去の類似プロジェクトのデータをもとにすると、作業項目の洗い出しを行いやすいでしょう。そして、進捗管理・品質管理・変更管理・障害管理といった管理の分類ごとに、必要な作業項目を検討していきます。「どのような管理のタスクが・どのように発生するか」について明確にしておくことが大切です。

2.作業項目ごとの管理工数の計算

洗い出しを行った作業項目ごとに、必要となる管理工数の計算を行います。

たとえば4ヶ月で完了するプロジェクトで、5人が参加する30分の進捗報告のミーティングが週次で行われる場合には「出席者(5人) × 時間(0.5時間) × 週(16週)=40時間」という時間が算出されます。

このように、洗い出した作業項目ごとに想定される時間や工数の計算を行って、管理工数の根拠となる数値を明確にします。

3.管理工数の把握・検討・削除

プロジェクト管理における作業項目と工数を計算できたら「どの管理に工数がかかっているか」を把握しましょう。そして、必要な作業項目や工数について検討し、配分の調整や削除を行って最適化します。

上述のとおり、管理工数の比率目安は10%から20%です。まずは、その比率内に収まっているのかを確認します。そこから、管理の分類・タスクレベルで工数を精査し、不必要なものを削除したり、不足している場合には追加したりといった調整を行います。

4.見積もり工数のレビューと見直し

見積もりを行った管理工数についてレビューを行って、そのフィードバックの内容を踏まえて見直しを行いましょう。

見積もった工数は過去の実績や予測から算出するため、実績とは差異が発生する可能性が高いです。その差異を最小限に抑え、精度の高い見積もりを行うには、他のチームや経験のある上長とレビューを行うとよいでしょう。さまざまな観点の意見を取り入れることで、抜け漏れのない見積もりを作成できます。

プロジェクト管理の代表的な方法

見積もりや実際にプロジェクトを進める際に使われるプロジェクト管理の代表的な方法について、以下で解説します。

WBS(Work Breakdown Structure)

WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトで必要になる作業を網羅的に整理する管理手法のことです。

プロジェクト全体を把握しやすくなり、タスクの抜け漏れを視覚的に把握できることがWBSを使うメリットです。タスクを整理できるため、管理工数の見積もりにも役立ちます。また、WBSを元にガントチャートを作成すれば、プロジェクトの作業スケジュールを組みやすくなります。

▼WBSの具体的な作成方法については下記記事を参考にしてください

CCPM(Critical Chain Project Management)

CCPM(Critical Chain Project Management)とは、可能な範囲でタスクの納期を短縮して、バッファ(余裕)を設けて確実に納品を行うプロジェクト管理の手法です。

WBSなどでタスクを洗い出して工数を計算し、10%から20%をバッファとして短縮します。遅延が発生した際にもすぐに把握できるほか、対応を行うバッファもあるため、納期どおりにプロジェクトを進めやすくなることもCCPMを活用するメリットです。

PERT

PERT(Program Evaluation and Review Technique)図とは、プロジェクトにおける各工程の流れと、必要になる日数を図で表す管理手法のことです。各工程同士の関係性を視覚的に把握できることが、PERTを使用するメリットです。

また、PERT図によって各作業の最も作業に早く取りかかれる時間、最も作業に遅く取りかかれる、余裕時間を計算することで、予定通りにプロジェクトを終わらせるために重要となるクリティカルパスが見極められます。

それによって、チーム全体でいかにクリティカルパスをこなすかという共通認識を持ってプロジェクトが進められるでしょう。

▼その他にも、プロジェクト管理の代表的な手法については下記記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください

プロジェクト管理には工数管理ツールの導入がおすすめ

プロジェクト管理を効率的かつ正確に行いたい場合には、工数管理ツールの導入がおすすめです。「どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」がわかれば、管理工数の確認にも役立ちます。

工数管理ツールを選ぶ際には、下記のポイントを考慮して選びましょう。

  • 工数入力(打刻)の負担が少ないか
  • 工数データの集計・加工業務が不要か
  • コスト(人件費)管理を行えるか

TimeCrowdは、工数入力の負担を最小限に抑えたうえで、簡単に工数管理を実現できるツールです。

timecrowd

タスクの開始時と終了時に、タスク名を選択してワンクリックで打刻をするだけで「どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」を計測できます。また、Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携することで、スケジュールをもとに自動で打刻することも可能です。

計測したデータは集計・加工をせずに、レポート画面からリアルタイムで確認できます。組織単位で導入すれば、プロジェクトごと・メンバーごとの稼働時間を確認することも可能です。

▼TimeCrowdのレポート画面

さらに、メンバーごとの時間単価を設定することで、プロジェクト(タスク)ごとにかかった人件費を自動で算出することもできます。

TimeCrowdのサービス内容について、少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から具体的な機能や料金プランをご確認ください。

工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード

▼その他にも、おすすめの工数管理ツールは下記記事で解説しています。あわせてご確認ください

管理工数の適切な見積もりでプロジェクトを成功に導こう

適切な管理工数の見積もりを行い、工数を確保することは、プロジェクトの進捗遅れや品質低下を防ぐうえで欠かせない取り組みです。プロジェクト全体の10%から20%の比率を目安として、適切な管理工数を確保しましょう。

また、管理工数の見積もりは、過去の類似プロジェクトの実績をもとに予測を行うのがおすすめです。TimeCrowdのような工数管理ツールを活用して「どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」を日頃から可視化する必要があります。

工数見積もりの精度を高めて、プロジェクトを成功に導きましょう。

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