プロジェクトにおいて、1つの作業にかかる時間・人数・作業量などを算出して管理する「工数管理」。
以前は製造業やシステム開発の分野で使われていましたが、現在ではさまざまな業界でのプロジェクトに活用されるようになりました。
一方で、工数管理をする対象のメンバーが増えるに従い、Excelのような表計算ソフトで管理をするのは手間や時間がかかってしまうという問題もあります。
そこで、本記事では工数管理ツールを選ぶ時のポイントと、おすすめのツールを4つ紹介します。
どの工数管理ツールを導入すればいいのか検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
工数管理ツールとは
工数管理ツールとは、プロジェクトの作業量とスタッフの人数を算出して「どの作業に・どれくらいの時間(人数)が必要なのか」を管理するツールです。
工数管理のメリットは、業務を効率化して生産性を高めることです。また、プロジェクトにおける課題や問題が浮き彫りになり、修正や解決に導くことができます。
工数管理ツールといえば、今までExcelで管理していた企業も多いと思いますが、テレワークが普及してきた昨今ではExcelでの管理自体がすでに限界を迎えています。「リアルタイムで業務状況を可視化できない」「複数人が同時に共同ファイルで編集ができない」「工数入力が面倒で形骸化してしまう」など、このような課題を抱えている企業様も多いのではないでしょうか。
とくに組織やプロジェクトの規模が大きくなるにつれて、管理方法に悩まれることも増えてくるでしょう。管理自体に工数が発生してきた場合には、工数管理に特化したITツールを導入するのがおすすめです。
工数管理ツールを選ぶ時のポイント
工数管理ツールを選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。
自社の業態やプロジェクトに適したツールを選ぶためにも、下記5つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント①クラウド型or オンプレミス型
工数管理ツールを選ぶ際には、まずは「クラウド型」か「オンプレミス型」のどちらにするのかを決める必要があります。
クラウド型とは、インターネットのブラウザやアプリなどを通して使えるツールです。
特徴は、インターネットに繋がっていればどこでも利用可能なこと。また、操作には専門知識が不要なため、誰でも使いやすい点も特徴です。
料金プランはサブスクリプション型(月額支払)のケースが多く、効果が見込めなければ解約することもできます。
一方で、オンプレミス型とはPC端末にソフトウェアをインストールして使うツールです。
特徴は、インターネット環境がなくてもインストールしたPCがあれば利用できることです。しかし、設定には専門知識が必要で、運用や保守も自社で行う必要があります。システムの導入から運用まで、基本的には自社で管理をし続けなければいけません。
社内SEなど、専門知識のあるスタッフがいる企業では導入しやすいでしょう。
クラウド型とオンプレミス型の違いについては、下記の表を参考にしてください。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
インストール | 不要 | 必要 |
導入コスト | 少額 | 高額 |
ランニングコスト | ユーザー1人あたりの利用料 | 保守費用 |
導入期間 | すぐに利用できる | 導入まで期間を要することが多い |
保守・メンテナンス | サービス側で対応 | 自社側で対応 |
セキュリティ | サービス側で対応 | 自社側で対応 |
カスタマイズ性 | 基本的にカスタマイズ不可 | 自由にカスタマイズが可能 |
外部からのアクセス | 権限付与により可能 | VPNなどを利用してアクセス |
▼おすすめのクラウド型の工数管理ツールは下記記事でもご紹介していますので、あわせて参考にしてください
ポイント②操作性と見やすさ
工数管理ツールは、プロジェクトメンバーが毎日使うツールです。また、管理者の立場でも頻繁に確認するものでしょう。
そのため、画面の使いやすさは、ツール選びで最も重要なポイントになります。
使いこなすまでに時間がかかるようなツールはおすすめできません。工数管理の作業自体に手間がかかっていては、かえって工数がかかるため本末転倒だといえます。
社員なら誰でも使えるような、ワンクリック(もしくは自動)で工数入力ができるツールがおすすめです。
また「記録した実工数データを簡単に閲覧できるか」も重要になります。メンバーが記録したデータを集計せず、自動でレポート化されるツールがおすすめです。
▼工数管理ツールTimeCrowdのレポート画面
TimeCrowdは、タスク名を選択するだけでワンクリックで打刻ができる工数管理ツールです。Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携をすれば、工数入力を自動化することもできます。
また、実工数データは自動で集計され、上記のようなレポート画面に自動で反映されます。メンバーと管理者の双方の負担を抑えたうえで運用が可能です。
累計4,000社以上の企業様でご利用いただいた実績をもとに、各社に合わせたご提案ができます。
少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から、詳細な機能や利用手順についてご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロードポイント③プロジェクトの目的に合っているか
工数管理ツールを選ぶ際には、プロジェクトの目的に対応した機能が搭載されているのかも重要です。
たとえば、プロジェクト別にタスク管理をしたい場合に、勤怠管理が得意なツールを導入してもあまり意味がありません。
なかには細かく機能カスタマイズができるツールもありますが、基本的には自社の業務内容やプロジェクト形式に適したツールを選びましょう。
「勤怠管理も行いたい」「チャット機能やタスク管理機能もほしい」など、工数管理と合わせて搭載したいシステムがある場合には、機能が網羅的に搭載されたプロジェクト管理ツールを選ぶのがおすすめです。
▼おすすめのプロジェクト管理ツールについては下記記事を参考にしてください
ポイント④導入とランニングコストはどのくらいか
工数管理ツールは基本的に長期間利用するものなので、導入コストとランニングコストが予算に合うかどうかも確認が必要です。
なかには初期費用がかからないもの、一定人数以内であれば無料のものなど、料金体系もさまざまです。
工数管理ツールをどれくらいの規模で・どれくらいの機能まで使いたいかによって、導入と運用にかかるコストも変わってきます。
利用人数・必要機能を整理したうえで、必要十分なツールを比較検討しましょう。
ポイント⑤セキュリティレベルはどれくらいか
ツールのセキュリティについても、しっかりと確認しておきましょう。
工数管理ツールには、プロジェクトに関する情報・顧客情報・従業員情報といった社外秘の情報を登録します。
情報漏洩を防ぐためにも、ツールには一定レベルのセキュリティを求める必要があります。
クラウド型のSaaSシステムを導入する際には、脆弱性の診断やセキュリティの更新をサービス提供側で行っているかどうかを確認してください。
ポイント⑥サポートは充実しているか
工数管理ツールを導入する際には、サポートが充実しているどうかも確認します。
ツールを運用するなかで、たとえば下記のような課題が発生することがあるでしょう。
- 機能を使いこなせず、工数管理が定着しない
- 自社の業務フローにどう合わせればいいかわからない
- 追加の機能を実装したいが、やり方がわからない
これらの課題への対策として、サービスのサポート体制が充実しているかが鍵になります。
専任の担当者から導入支援や運用支援をしてもらえるのか、カスタマーサポートの窓口はあるのかといった点も確認しておきましょう。
また、海外の工数管理ツールを導入する際には、日本語でのサポートを行ってもらえるかという点もあわせて確認が必要です。
ポイント⑦他のシステムと連携できるか
工数管理ツールは単体ではなく、すでに導入している外部ツールと連携することで利便性がさらに高まる場合があります。
たとえばGoogle カレンダーやOutlook カレンダーと連携をすることで、カレンダーに入れたスケジュールをもとに工数入力を自動化することができます。
また、Slackなどのコミュニケーションツールと連携をすることで、工数入力が漏れた(打刻を忘れた)タスクに対して、アラートを送ることも可能です。
工数管理ツールを選ぶ際には、自社ですでに導入しているツールと連携できないかも確認しておくと良いでしょう。
ポイント⑧無料で試せるか
ツールは本格的に導入する前に、まずは無料で試してみるのがおすすめです。
せっかくコストをかけて導入したのに「使いづらかった」「思っていたのとは違った」といったトラブルがないように、無料トライアル期間のうちに機能性や操作性をじっくりと試してみましょう。
▼無料トライアル期間のある工数管理ツールは下記記事でご紹介していますので、あわせて参考にしてください
工数管理におすすめのツール
それでは、工数管理におすすめのツールを5つ紹介します。
ツールごとに特徴や料金をまとめていますので、比較検討の際に参考にしてください。
TimeCrowd(タイムクラウド)
TimeCrowdでは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「どの業務に・どれくらい時間をかけたのか」を可視化することができます。
また、Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携をするだけで、スケジュール内容をもとに自動で打刻をすることも可能です。
従業員ごとの時間単価を事前に設定すれば、プロジェクトごと・タスクごとの人件費を自動で算出することもできます。
▼TimeCrowdのレポート画面はこちら
業務効率化に取り組む際にボトルネックを特定するのに役立つほか、プロジェクト(案件)ごとの収支管理をするのにも役立てることができます。
導入企業数は4,000社以上。システム開発・Web制作・コンサルティング業界などのプロジェクト型ビジネスの企業様を中心に、大企業のバックオフィスや◯◯でもご利用いただいています。
▼TimeCrowdの導入事例はこちらからご覧ください
■サポート
- オンボーディングを行い、導入から運用まで徹底的にサポート
■連携ツール
- Chatwork、Slack、Trello、asana、Money Forward、Googleカレンダー、Outlookカレンダー、salesforceなど
■無料トライアル
- 2週間の無料トライアルあり
詳細な機能や利用手順について少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料をご確認ください
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロードZAC
出典:ZAC
ZACは、プロジェクト単位で業務が進行するシステム業・IT業・広告業・士業・コンサルティング業などに向いているクラウドERPです。
クラウドERPとは、会計や人事、生産、販売、物流といった基幹業務システムをクラウド環境で使えるようにしたシステムのこと。
プロジェクトの一元管理や勤怠管理、プロジェクト別の損益管理などが可能で、業務と利益を紐付けて管理することができます。
■料金
- お問い合わせ
■サポート
- 導入プロジェクトメンバーによるキックオフ
- 機能パラメーター調整、ZACへの設定作業、利用説明会、運用サポート
■連携ツール
- 勘定奉行クラウド、楽楽迷彩、SMILE BS、SMILE ESなど
■無料トライアル
- なし
公式サイト:ZAC
▼その他にもおすすめの工数管理ツールは下記記事でご紹介しています。あわせて参考にしてみてください
CrowdLog
出典:ClowdLog
CrowdLogは、シンプルな操作性で工数管理やプロジェクト管理ができるツールです。GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携して半自動で工数入力ができるほか、工数の一括入力やよく使う工数パターンをお気に入り登録して工数入力の利便性を向上できます。
工数の予算と実績をリアルタイムで確認できます。また、入力された工数データは円グラフや棒グラフで確認でき、稼働状況を可視化することが可能です。
■料金
- ベーシックプラン:要問い合わせ
- プレミアムプラン:要問い合わせ
■セキュリティ
- SAML認証でシングルサインオンが可能
- IP制限が可能
- プライバシーマーク取得済み
■連携ツール
- ジョブカン、KING OF TIMEと連携可能
- APIで外部SaaSシステムと連携可能
- Webhookの仕組みを使用してMicrosoftTeams、Slack、ChatWorkなどのチャットツールに通知可能
■無料トライアル
- 一部機能を無料で利用可能
Pace
出典:Pace
Paceは、入力された日報をもとに案件単位で利益を可視化できるツールです。売上・粗利・営業利益・作業時間を可視化できるほか、作業内容を検索して一覧表で確認できるため、時間がかかりすぎている作業を迅速に特定できます。
案件ごとの利益はランキング形式で表示されるため、利益が出ているプロジェクトとそうでないプロジェクトを簡単に把握できます。
■料金(月払い)
- 1ユーザーにつき550円
■セキュリティ
- SSL/TLSによる通信の暗号化
- クラウドサーバはISO認定取得のプロバイダを利用
- アプリケーションへのアクセスはWAF (Web Application Firewall) により常時監視・保護
- 最新バージョンに随時アップデート
■連携ツール
- クラウド請求書・見積書作成ツール「board」と連携可能
■無料トライアル
- 30日間の無料トライアルあり
freee 工数管理
出典:freee 工数管理
freee 工数管理は「freee 経費精算」や「freee 勤怠管理Plus」などを提供するfreee株式会社の工数管理システムです。
シンプルで分かりやすい操作性で、簡単に工数入力ができます。GoogleカレンダーやOutlook カレンダーと連携することで、わずか3クリックで1日の工数入力を完了させることができます。
また、担当者による手厚いサポートもあるため、工数管理を行うのが初めてという場合でも安心して導入することが可能です。
■料金(年払い)
- システム管理者・プロジェクトマネージャー:2,000円
- メンバー:500円
■サポート
- 担当者による導入サポートあり
■セキュリティ
- 通信、保存データの暗号化
- 細かくバックアップデータを取得
- TRUSTe認証取得
■連携ツール
- Googleカレンダー、Outlookカレンダーと連携可能
■無料トライアル
- あり
工数管理ツールを選ぶ際には“操作性”が重要
工数管理ツールはプロジェクトの業務効率化・収支管理に役立つ重要なツールです。
しかし、工数入力やデータ管理に手間がかかり、なかなか定着せずに悩まれている企業様も数多くいらっしゃいます。
実際に弊社(タイムクラウド株式会社)が行った調査では、58.7%の方が「工数管理における失敗経験あり」と回答されています。
そのため、工数管理ツールを選ぶ際には、従業員と管理者の双方に負担のかからない“操作性”の良いツールがおすすめです。
TimeCrowdはタスクごとにワンクリックで打刻をするだけで「どの業務に・どれくらい時間をかけたのか」を記録することができます。また、記録されたデータは集計・加工をせずに、レポート画面からリアルタイムでの確認が可能です。
少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から、機能性や利用手順についてご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード