課題管理とは?取り組む方法やポイント、課題管理表の作成方法について解説

課題管理とは、プロジェクトにおける課題を特定して、改善するためのタスクやステップを管理することです。

課題の内容や改善の目的、改善のためのタスクなどを明確にしたうえで、解決策を着実に実施できるように管理を行う必要があります。

この記事では、課題管理のステップやポイント、課題管理表の作成について解説します。

課題管理とは

課題管理とは、プロジェクトにおける課題を洗い出し、解決策を検討・実施して改善を図ることです。

プロジェクトにはトラブルがつきものですが、放置しておくと問題が深刻化したり常態化したりする可能性があります。そのため、問題と課題の洗い出しを常に行い、課題解決のための体制を整えながら改善を繰り返すことが重要です。

「課題」と「問題」の違い

問題とは、プロジェクトのあるべき姿と現実とのギャップを意味します。

たとえば、「スケジュールが10日遅延している」「製品の品質が顧客の求める基準に達していない」「予算をオーバーしている」などが問題です。

一方で課題とは、その問題を解決するために取り組むべきことを意味します。たとえば、「適切なスケジュールを設定する」「人的リソースを増やす」「メンバーのスキルアップを図る」「余剰な経費や人件費を削減する」などが課題に該当します。

「課題」と「タスク」の違い

タスクとは、問題解決のための施策や、プロジェクトを推進するにあたって必要な工程を行動に落とし込んだものを意味します。

たとえば「スケジュールを見直す」「新規採用をする」「メンバー数の調整をする」「勉強会の開催や資格取得支援を行う」「作業プロセスを見直す」などがタスクに該当します。

課題管理の必要性

課題管理は、課題の解決を着実に行うために必要な管理です。明確な目標やスケジュールを立てて、タスク化して課題解決にあたることで、プロジェクトやビジネスの生産性向上につながります。

また、課題を可視化して改善策を進めることで、チームの連携向上やメンバーからの信頼構築につながるという点もメリットです。課題を解決することで製品の品質が向上したり、納期遅延を防止することができれば、取引先からの信用獲得にもつながります。

課題管理表の作成方法

プロジェクトにおける課題は、必ずしも1つとは限りません。複数の問題があり、1つの問題に対して複数の課題が存在することもあります。

数々の課題に対する問題や解決策を管理するため、課題管理表を作成する必要があります。課題の内容・重要度・改善策・具体的なタスク・担当者・期日などを記載して、抜け漏れなく管理することが重要です。

課題管理表を作成する方法や記載するべき項目について解説します。

項目を設定する

課題管理表には、下記の項目が必要です。

  • 課題のタイトル、番号
  • 課題の発生日
  • 課題の詳細
  • 課題への対応方法
  • 担当者
  • 期日
  • 完了条件
  • ステータス

これらの情報が可視化されることで、担当者やメンバーが行動しやすくなり、管理も行いやすくなります。

重要度を記載する

それぞれの課題には、課題の内容だけではなく重要度も併記しておくのがおすすめです。

課題が複数あった場合でも、すべてが最重要とは限りません。重要なものや緊急性が高いものから対処する必要があるため、それぞれの課題の重要度を明確にすることが重要です。

また、課題が多すぎて全てに対処しきれない場合でも、重要度を分析して優先順位をつける必要があります。

登録、更新を続ける

課題課題表は一度作成したら終わりではなく、必要に応じて新しく課題を登録したり、課題の内容やステータスを更新することが重要です。

プロジェクトの進行中に新たな問題が発生したり、課題への対応中に新たな課題が発生したりする場合もあります。最初に洗い出せていなかった課題が新たに見つかる場合もあるため、課題が発生したら随時登録するようにしましょう。

また、最新の状況が把握できていない場合、勘違いや情報伝達の不足が原因で手戻りや無駄な工程が発生してしまう可能性があります。ステータスも随時更新をして、最新の状況がわかるようにしておくことが重要です。

課題管理のステップ

課題管理を行うために必要な、下記のステップについて解説します。

  1. 課題を洗い出す
  2. ボトルネックを分析する
  3. 課題の解決策を検討する
  4. 実施スケジュールを決定する

課題を洗い出す

まずは現状を把握して、問題を洗い出す必要があります。

「何が・どのような問題になっているのか」「その問題が・どのようなリスクにつながる可能性があるのか」について、具体的に把握することが重要です。

ボトルネックを分析する

問題を洗い出したら「何が原因となっているのか」「ボトルネックは何か」について分析します。

スケジュールの遅延や予算の乖離、メンバーの稼働などに問題がある場合は、ボトルネックとなるタスクが存在する可能性があります。

TimeCrowdのような工数管理ツールを活用して「チーム全体で・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を確認し、プロジェクトごとの所要時間を可視化することも1つの方法です。

▼TimeCrowdのレポート画面

工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード

ボトルネックを特定したら、課題としてリストアップをします。

課題の解決策を検討する

課題のリストアップができたら、具体的な解決策を検討します。

アイデアを出して「実行可能な案なのか」「期日までに完了できるのか」「効果が見込めそうか」といった点を重視して検討しましょう。

実施のスケジュールを決定する

課題の解決策を設定したら、実施するスケジュールを設定します。

このときに工数見積を行い、現実的なスケジュールを設定することが重要です。

新たな問題が発生したり、想定よりも時間がかかったりする場合があるため、ある程度のバッファを設けてスケジュールを設定しましょう。

▼工数見積の方法については下記記事を参考にしてください

施策をタスク化し、担当者に割り振る

具体的にどのような作業をして改善策を実行するのかを検討し、担当者に割り振ります。

タスクの落とし込みにはWBSの作成がおすすめです。

▼WBSの作成手順については下記記事を参考にしてください

また、担当者を割り振る際には、そのメンバーの稼働状況やスキルなどを考慮に入れて適切な割り振りを行います。

メンバーが困った時には相談に乗ったり、フォローに入ったりできる仕組みや体制を整えておくことも重要です。

施策の実行、振り返りを行う

ステータスを更新しながら施策を実行し、期日までに完了させます。

完了したら振り返りを行い「プロセスに問題がなかったか」「実際に効果があったか」などを検証することも重要です。改善点があれば次回に活かして、想定よりも効果が見られなかった場合には新たな改善施策を立案・実行します。

課題管理のポイント

課題管理は、なんとなくで行うのではなく、対応方法や完了条件を明確にしてから対策を実施することが重要です。

また、課題解決の施策を開始した後も、進捗を管理していないと形骸化してしまう可能性があります。ツールを導入して、課題解決の進捗やステータスを管理することが重要です。

課題管理の際に気をつけたいポイントについて解説します。

課題への対応方法を明確にする

課題管理では「課題にどのように対処するのか」を明確にし、具体的な対応策を立案することが重要です。

たとえば「作業速度を早める」のような漠然とした解決策では、具体的にどう動けばいいかわからなかったり、メンバーによって解釈や認識が異なってしまう可能性があります。

「◯◯のプロセスを見直す」「時間がかかっている◯◯のタスクを省く」「業務ツールを入れ替える」といった具体的な施策に落とし込むようにしましょう。

施策の完了条件を明確にする

どのような状態になれば完了とみなすのか、といった完了条件を明確にしておくことも重要です。

完了条件が明確でなければ、課題が解決していないのに完了したと勘違いしたり、区切りがわからなくて時間がかかりすぎてしまったりする可能性があります。また、メンバーの間で完了・未完了の認識がバラバラのままでは、足並みが揃わず、課題解決から遠ざかってしまう可能性もあります。

完了条件を明確にして「その条件に近づいているのか」を日々確認しつつ、認識を合わせながら対応することが重要です。

ツールを導入して課題を管理する

課題管理は、ツールを導入して取り組むのがおすすめです。

スプレッドシートやエクセルでも管理はできますが、入力のために工数がかかったり、機能が不十分だったりすることもあります。

Lychee RedmineJootoBacklogのようなプロジェクト管理ツールを導入して管理をするのがおすすめです。

▼下記の記事では、おすすめのプロジェクト管理ツールを紹介していますので、あわせて参考にしてください

プロジェクトの課題管理には工数管理が重要

課題管理を行う際には、まずは現状を可視化して、課題とその原因について把握することが重要です。

課題を把握するためには、工数管理を行い、タスクの工数やメンバーの稼働状況を洗い出すことも1つの方法です。「どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を把握して、課題を洗い出します。

工数管理には、簡単な操作でタスクの所要時間を記録できるTimeCrowdがおすすめです。

タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を可視化することができます。

▼TimeCrowdのレポート画面

Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携をするだけで、スケジュールをもとに自動で工数入力をすることも可能です。メンバーに負担をかけずに導入ができるため、形骸化する心配もなく、工数管理に取り組める点が特徴です。

TimeCrowdはコンサルティング・Web制作・システム開発・士業といったプロジェクト型ビジネスの現場を中心に、累計4,000社以上の企業様でご活用いただいています。

「プロジェクトのボトルネックを特定して、生産性向上を図りたい」と考えている企業様は、ぜひ一度TimeCrowdの導入をご検討ください。

少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から、詳細な機能や料金プランをご確認ください。

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