日常の「マルチタスク」が達成できないときの簡単な解決法

働きながら家事や子育てなどをしている人にとって、仕事と生活をハッキリ分けることは難しいと思います。忙しいのに有給休暇の消化を促され、結局家に仕事を持ち込む人も多いでしょう。在宅で仕事をする人はとくに分けにくいかもしれません。

私は期限の迫っていない仕事ばかりの場合、つい1日をダラダラと過ごしてしまい、仕事どころか家事や子どもの宿題チェック、自分の日課など「結局今日は何もできなかった」とその日の終わりに自己嫌悪に陥ることが多いです。

逆に、期限が迫った仕事や時間の決まった仕事に追われているときや、予定が詰まっているときのほうが、家事を早めにこなしすべての日課をこなせるなど、過ごし方に無駄がないことに気づきました。

このように、ある程度予定があるほうが、やるべきことをやるべき時間にきちんとこなすことができる人は、実は多いのではないでしょうか。
今回は、日常のマルチタスクが達成できないときに、試してほしい方法をご紹介します。

暇な日ほど時間管理ができていない

私は昨年末から、痩せるためにエクササイズDVDでのダイエットを始めたのですが、これが暇な日ほどサボってしまう傾向があることに気づきました。
時間がある日のほうが、なぜかダラダラしてしまい、時間管理をうまくできずに日課をこなせない傾向があるのです。

私は在宅で仕事をしていますが、夫が単身赴任でふだんは不在のため、家事育児はすべて1人でしなければなりません。外に働きに出ていないので、洗濯と掃除は子どもを学校に送り出してから午前中にします。予定も仕事もない日は、子どもが帰る時間まで目的もなくウィンドウショッピングに出かけたり、ついネットサーフィンにのめり込んでしまったりしてあっという間に夕方になってしまうことも。そして、暇だったはずなのに、夕食の用意などもできておらず子どもが帰ってからバタバタと作ることが多いです。

整理整頓や拭き掃除など、暇になったらやりたいことは山ほどあったのに、なぜか忙しい日より何もできていないのです。

対して、9時から仕事をしなくてはならないなど、「ある程度はっきりした時間に予定がある日」は、8時半頃までに洗濯を干し終えて、体制を整えるため時間を効率的に使えています。

タイプにもよるのだと思いますが、私の場合、いったん活動スイッチが入ると、空いている時間にササッと何事もこなそうとするため比較的無駄なく動ける傾向があります。

1日のうちやるべきことを時間順にタスク化してみる

私の1日のタスクを時間順に書き出してみると、以下のようになります。

① 朝食の用意
② 子どもを送り出す準備
③ 洗濯の仕分けと洗濯
④ 洗濯物を干す
⑤ 掃除
⑥ 仕事や予定
⑦ 買い物(週2)
⑧ 夕食の準備
⑨ 後片付け
⑩ 入浴準備
⑪ エクササイズ
⑫ 入浴→お風呂掃除
⑬ 子どもの髪を乾かす
⑭ 洗濯物をたたむ→しまう

このうち、日によって発生しなかったり後に回せたりするのは⑥の仕事や予定、別にしなくても自己嫌悪だけで済むタスクは⑪のエクササイズです。

9時から仕事などの予定が入っている日は⑤の掃除までをそれまでに終える必要があります。⑥のタスクを9時からスタートするために、⑤までのタスクを9時には完了しておく必要があるということです。

ところが、⑥のタスクがない、あるいは時間が決まっていない日は、ついダラダラして⑤までのタスクも後の時間にずれ込んでしまうのです。そして、夜遅くまで仕事をする羽目になったり、締め切り直前までずれ込んだりしてしまい自己嫌悪に陥ります。

次に1日の後半を見ると、私が必ずしもやらなくていいタスク⑪があります。暇なら日中にエクササイズをすればいいのですが、冬は実現が難しい。なぜなら、エクササイズをすると大量の汗をかくため、シャワーを浴びる必要があるからです。冬は寒いのでシャワーを避けたい→そのため夜の入浴前に運動したいという思いがありました。

ところが、夕食の準備がずれ込むと、エクササイズをする時間がなくなり、それが続くと「ちゃんと続けていれば今頃少しは痩せられていたかもしれない」と後悔する羽目になるのです。

達成できないタスクの開始時間を決める

以前、適度に部活動をしている子は学力が高い傾向があるという内容の記事をかきました。それと同じで、ある程度決まった時間にするべきことがあるほうが、効率良くものごとを進められる人は多いのではないかという気がします。

私の場合、⑪のタスク「エクササイズ」を達成するためには、⑫の入浴、20時頃までにエクササイズを終えている必要があります。まず私はこれを基準に、毎日19~20時にエクササイズをすることに決めました。すると19時頃まで夕食を終えている必要がある→そのためには18時半頃までには夕食を終えなければならない→さらにそのためには、17時半頃には夕食づくりにとりかからなければならないということになります。

つまり、やらなくても自己嫌悪で済むタスク、とくに時間が決まっていないタスクがあると、その前のタスクを時間までにきちんと終えられないということなのです。

私は、⑥のタスクがある日は⑤までのタスクをスムーズにこなすことができます。そして、⑪のタスク達成のためには、⑧~⑩番のタスクを時間通りにこなす必要があります。⑥のタスクと⑪のタスクの開始時間を決定するだけで、日常のマルチタスクをスムーズに達成することができるのです。

これらのことから、時間の決まっていないタスクの“開始時間”を決めれば、日常のフローがスムーズになるのではないかと考えられます。そして、いろいろなことを先延ばしにせずできる時間に済ませておくと、罪悪感を持つことなく余暇を楽しむことができるのです。

タスクとしてとらえるよりフローとしてとらえてみる

昨今、「ワーク・ライフ・インテグレーション」という考えが普及しています。仕事と生活を分けて双方うまくバランスを取ろうと考えるのではなく、仕事も生活も趣味もすべて自分の人生と統合的にとらえるという考え方です。

日常のマルチタスクをこなすことも、それと同じではないでしょうか。すべてを分けて考えずに1日の流れととらえて、ある程度の時間を決めておき順番にこなせば、週末にまとめてこなすよりある意味簡単なのではと思うのです。

たとえば中学生くらいの子どもでも、“学校・部活動・塾・習い事・遊びや趣味など自分の時間”などのマルチタスクを抱えているといえます。しかし、それぞれを分けて考えている子がどれほどいるでしょうか。

私の長子は中学生になるにあたって、「塾に行きながら、部活動も休まず習い事も続けたい」といいました。私はそんなことをしたら自分の好きなことをする時間がなくなると反対したのですが、彼女は「部活や習い事は好きでやっていることだから、それが自分の時間だと思っている」というのです。そして、友達とも適度に遊んで、本当にそれはそれで充実しているようにみえます。

もし、日常のマルチタスクを達成できずに自己嫌悪に陥っておられるなら、することを“やるべきタスク”としてとらえるのではなく、自分の“1日の流れ”の一部としてとらえることで自然にこなすことができるかもしれません。

やるべきことを、やれるときに済ませておくことで、気分的にもゆったりして充実した1日になるのではないでしょうか。

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