プロジェクトのリスクとは?種類・具体例・マネジメントの方法について解説

プロジェクトを成功させるうえでリスクマネジメントは欠かせないものです。

しかし、なかには「具体的にどのようなリスクがあるのかわからない」「どのような防止策があるのかわからない」という方もいるでしょう。

そこで本記事では、プロジェクト管理をするうえで発生する具体的なリスクについて解説いたします。

また、リスクマネジメントの方法(プロセス)についても解説いたしますので、プロジェクト管理に携わる方はぜひ参考にしてみてください。

プロジェクトにおけるリスクとは?

そもそも、プロジェクトにおける“リスク”とは何かについて、基礎的な知識から解説いたします。

プロジェクトにおける“リスク”とは?

プロジェクト管理のガイドとして世界的に知られるPMBOKによると、プロジェクトにおけるリスクとは「それが発生すればプロジェクトの目標にプラスやマイナスの影響を与える不確実な事象」を意味すると言われています。

一般的には、リスクとは「成果物に対するマイナスな事象」を表現する場合が多く、たとえば「納期の遅れ」や「品質の低下」を意味することが多いでしょう。

▼「PMBOK」についての詳細な説明は下記記事を参考にしてください

プロジェクトの課題とリスクの違い

リスクと似た言葉に「課題」がありますが、この2つには「既に発生しているのか」「発生する可能性を想定しているのか」という違いがあります。

  • 課題
    →すでに発生している
  • リスク
    →まだ発生はしていないが、発生する可能性がある

プロジェクトの個別リスクと全体リスク

プロジェクトのリスクは「個別リスク」と「全体リスク」に分類されます。

  • 個別リスク
    →発生した場合に、プロジェクトの1つ以上の目標に影響を与える事象のこと
  • 全体リスク
    →発生した場合に、プロジェクト全体に影響を与える不確実性のこと

プロジェクトの事象リスクと非事象リスク

また、プロジェクトのリスクは「事象リスク」と「非事象リスク」という観点で分類されることがあります。

  • 事象リスク
    →発生が不確実
  • 非事象リスク
    →発生は確実だが、結果は不確実

事象リスクは、何かしらの出来事(外的要因)をきっかけに発生するリスクのことです。具体的には、取引先との関係性の変化やクライアントからの要件変更などが事象リスクの例として挙げられます。

一方で、非事象リスクは発生することは確実ですが、知識や理解の深さ、予想の精度などによって結果が変動するリスクのことを意味します。

非事象リスクは、さらに「変動リスク」と「曖昧さリスク」の2つに分類されます。

  • 変動リスク
    →計画段階で想定していた事象から外れるリスクのこと
  • 曖昧さリスク
    →知識や経験の不足から発生するリスクのこと

変動リスクを管理するには、想定外の事象に備えることはもちろん、結果のバラつきを抑えるように働きかけることが重要になります。また、曖昧さリスクを管理するには専門家から知見を得たり、研修を行ったりして知識や経験を補うことが求められます。

プロジェクトにおけるリスクの具体例

プロジェクトにおけるリスクの具体例と対策について解説します。

プロジェクトの明確性の欠如

プロジェクトの要件が不明確で情報が不透明な場合に、プロジェクトの「明確性の欠如」のリスクが高まります。

プロジェクトの目的・範囲・納期が漠然としていると、求める結果を得ることが難しくなります。役割分担が曖昧になったり、それによってプロジェクトが遅延したり、予算を超過したり、要件とは異なる成果物が完成したりなど、さまざまなトラブルの原因になるでしょう。

防止策としては、要件の検討を十分に行い、関係者が合意したうえでプロジェクトを開始することが求められます。

リソース不足

プロジェクトのリソースに必要な「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」が不足している場合に、想定していたスケジュールや品質で成果物が完成しないリスクが高まります。

リソース不足を防ぐには、プロジェクトの開始前に目標から逆算をしてリソースを計画することが求められます。とくにプロジェクトを推進するために欠かせない「ヒト」のリソースに関しては、事前に工数見積を適切に行い、過不足のないように調整をする必要があるでしょう。

▼工数見積の具体的な方法については、下記記事を参考にしてみてください

また、工数見積を行う際にはTimeCrowdの活用がおすすめです。

TimeCrowdでは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「どの業務に・どれぐらい時間をかけたのか」を記録することができます。

工数見積をする際には、過去の類似プロジェクトのデータから「どのようなタスクが発生するのか」「誰がどれぐらいの時間で処理できるのか」を参考にすると、より高い精度で見積ができるようになるでしょう。

最初の2週間は無料トライアルとしてご利用いただけますので、ぜひお気軽にお試しください。

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パフォーマンスの低下

プロジェクトの進行中にチームメンバーのパフォーマンスが低下した場合、成果物のスケジュールや品質に影響を及ぼすでしょう。

パフォーマンスの低下が発生する要因としては「チーム内でのコミュニケーション不足」や「業務量の偏りによる不公平感」などが挙げられます。

これらの原因を防ぐには、プロジェクト管理ツールを導入して情報共有や業務状況の可視化を行うことが有効でしょう。

▼おすすめのプロジェクト管理ツールは下記記事を参考にしてみてください

コストの増加

コストの増加は、プロジェクトの利益率を左右する重要な指標だといえます。

プロジェクトの計画時に設定した予算が非現実的だった場合や、プロジェクトの進行中にリアルタイムでの予算管理が行われていない場合にコストの増加は発生するでしょう。これらの事象を防ぐには、正確な予算設定と管理が重要になります。

とくにプロジェクト管理型のビジネス(システム開発・広告代理店・コンサルティング会社など)では「人件費」が想定以上に膨らんでしまうケースが多々発生してしまうものです。TimeCrowdを活用すれば、事前に設定したメンバーごとの時間単価をもとに、プロジェクトごとの人件費をリアルタイムで計測できますので、少しでもご興味のある方は下記資料より詳細をご確認ください。

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▼プロジェクトの予算管理については、下記記事で具体的な方法を解説していますので参考にしてみてください

リスクマネジメントの「5つの方法(プロセス)」

リスクマネジメントの5つの方法(プロセス)について、以下で解説します。

1.リスクの特定

まずはプロジェクトの開始前に「どのようなリスクがあるのか」を特定することから始めます。

スケジュール・予算・体制などに関わるリスクをすべて洗い出しましょう。プロジェクトに関わる関係者の間で、あらゆる個別リスクと全体リスクを特定することが重要です。

2.リスクの分析

リスクを特定した後は、その発生確率や影響の大きさを分析します。影響の大きさは、スケジュールや予算などに与える影響度から推測すると良いでしょう。

すべてのリスクに対する予防策を検討するのは難しいので、発生確率や影響の大きさから優先度を決めていきます。

3.リスク対応の計画

リスクの優先度を踏まえて、どのような対応を行うのか計画を立てます。

具体的なアクションを決めておくことで、想定しているリスクが発生した際にスムーズな対応ができます。

4.リスク対応策の実行

実際にリスクが発生した場合には、あらかじめ計画していた対応策を実行します。

5.リスクの監視

リスクへの対応直後は、再発を防ぐために監視をする必要があります。

また「対応策が適切だったのか」「なぜ発生を防げなかったのか」など、次回のプロジェクトで活かせるように考察をし、ナレッジを社内にシェアすることが重要です。

プロジェクトのリスクを理解して効果的にマネジメントを行おう

プロジェクトには、さまざまなリスクが存在します。

すべてのリスクに備えることは不可能ですが、発生しうるリスクを想定して対応策を検討することは可能です。適切な対応策を検討できていれば、仮にリスクが発生した場合でも影響度を最小限に抑えることができるでしょう。

▼プロジェクト管理については、以下の記事で「手順」や「ポイント」を解説していますので、あわせて参考にしてみてください

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