収支管理とは?やり方や目的、おすすめのツールを解説

企業が継続的に利益を生み出すためには、収入と支出を正確に把握する「収支管理」が欠かせません。適切な収支管理を怠ると、コストが売上を上回り、事業を存続できないといった状況に陥りかねません。

本記事では、収支管理とは何かといった基礎知識から、収支管理のやり方、成功に導くためのポイント、おすすめのツールなどについて解説します。

プロジェクト収支管理


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▼プロジェクトごとの収支管理に取り組む方法やおすすめのツールについては、下記記事を参考にしてください

収支管理とは

収支管理とは、企業が収入と支出を管理することです。一般的に収支管理と言うと、企業全体ではなくプロジェクトごとでの売上や経費・原価などを管理することを指します。

収支管理は大きく分けて、以下の3つから成り立ちます。

  1. 売上管理
  2. 予算管理
  3. 原価管理

1. 売上管理

売上管理とは、日々の売上を把握して分析することです。商品ごとに原価・売上数量・売上高・目標進捗・前年比(全月比)を記録して分析します。

売上管理を適切に行うことで、目標数値との差分や変化を比較できるため、プロモーションや営業活動の改善に役立てることができます。

2. 予算管理

予算管理とは、プロジェクトにおける予算を把握して、適切に消化されているを分析することです。

具体的には、あらかじめ設定した予算がどれくらい使われているのか・何の項目に使われているのかを確認します。

▼プロジェクトの予算管理を行う方法については下記記事を参考にしてください

3. 原価管理

原価管理とは、商品やサービスを製造するために必要となる「原価」を管理することです。原価には、他社から仕入れた製品をそのまま販売する際の原価である「仕入原価」と、原材料を仕入れて製品に加工する際の原価である「製造原価」の2つがあります。

原価管理を行うことで、商品やサービスを販売するためにどれくらいの費用を必要としているのかを把握できるため、適切な価格設定や利益の確保に繋がります。

▼原価管理の目的やポイントについては下記記事を参考にしてください

収支管理の必要性

収支管理は、プロジェクトを当初の予算通りに推進できているかどうか、会社の利益向上につながっているかどうかを測るために必要な取り組みです。

とくに会社の利益向上を図るには、プロジェクトごとに赤字を防ぐ必要があります。また、関係者全員が共通認識を持って施策に取り組むためにも、収支管理を行って具体的な数字や施策を共有することが重要です。

プロジェクトの赤字を防ぐため

企業が収支管理を行うべき最大の理由は、支出が収入を上回らないようにするためです。適切な予算管理を怠れば、売上に対して原価・人件費・設備への投資割合が大きくなり、赤字の状態に陥ってしまいます。

そのため、プロジェクトのなかで「どれぐらいの売上があり、何にどれぐらいのコストがかかっているのか」をリアルタイムで把握しておくことが求められます。

また、原価は世界情勢や経済状況によって大きく変動します。最近では燃料費の高騰により、製造コストや輸送コストが上昇し、製造業を中心に大きなダメージを受けています。

仕入原価や製造原価の高騰がある一方で、販売価格を変えなければ、基本的に利益は減少していきます。原価を管理して、赤字から黒字に転換する「損益分岐点」をあらかじめ把握していれば、大きな変動があった際でも、企業は適切な対策を取ることができます。

▼プロジェクトの赤字を防ぐ方法については下記記事でも解説していますので、あわせてご確認ください

関係者間で共通認識を持つため

プロジェクトの関係者間で共通認識を持つためにも、収支管理は必要です。「目標・現状・改善策」についての認識がずれていると、目標到達に支障が出たり、改善策の実施に統率が取れなくなったりすることが考えられます。

予算・目標・現状について関係者間で具体的に把握して、改善が必要な場合には原価を抑える方法についても共有しておくことが重要です。

プロジェクト収支管理

収支管理の進め方

収支管理を進める際の基本的なステップは下記の3つです。

  1. 準備・計画
  2. 実行
  3. 改善

準備・計画

最初のステップである「準備・計画」の段階では、予算やマイルストーンごとに売上や利益目標を組みます。プロジェクトの遂行に必要な人員・費用・設備といった支出と、週ごとや月ごとに発生する売上の計画を立てていきましょう。

また、収支管理の方法を検討することも重要です。当初の計画と結果を比較できるように、ITツールを用いて人件費や原価を記録しておく必要があります。

人件費の記録・管理には、TimeCrowdがおすすめです。TimeCrowdはタスクの開始時と終了時にボタンをクリックするだけでタスク時間の記録ができるツールです。人件費も登録できるため、稼働時間と人件費をかけあわせて収支計算するのに役立ちます。

▼TimeCrowdのレポート画面はこちら

人件費の割合が高いシステム開発・Web制作・士業・コンサルティングといった分野の企業様におすすめのツールです。

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実行

実際にプロジェクトを実行して、当初の計画が想定通りに行われているのかを確認します。プロジェクトは予期せぬ出来事がつきものです。当初の計画通りに行くことは稀ですので「どれくらい差異があるのか」「支出に対して十分な売上が確保できているのか」を分析します。

実行の過程で、当初の収支計画との乖離が生じている場合には、原因を特定して改善策を考案します。

改善

計画の実行後、数値を確認したうえで収支改善を行います。「売上に対して人件費や原価が適正なのか」「売上をアップするための施策が十分に実行されているのか」を確認することが重要です。

人件費を改善するためには、スケジュールやメンバーの配置が適切かどうかもチェックするべきポイントです。

スケジュールが適切でないと追加のリソースを投入せざるを得なくなり、人件費がかさみます。また、メンバーのスキルに合った配属ができていないと、業務を効率よくこなせなくなり、想定以上に時間がかかるため人件費が増える原因となります。

さまざまな観点からプロジェクトの見直しを行い、収支改善のための施策を立案してみましょう。

適切な収支管理を行うことで、赤字のプロジェクトを減らして高い利益率を維持することが可能になります。


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収支管理を成功に導く3つのポイント

収支管理を成功に導くためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。

  1. 誰が運用するのかを明確にする
  2. 正しい情報を収集する
  3. 収支管理ツールを活用する

誰が運用するのかを明確にする

まず最初に決めるべきことは、誰が運用するのかを明確にすることです。特に大規模なプロジェクトでは、プロジェクト全体の売上や予算の管理が複雑になり、また責任の所在も曖昧になりがちです。

収支管理のシートやツールをいつ・誰が・どのタイミングで更新するのか、また収支管理の分析をどのように施策に活かしていくのかを明確にするようにしましょう。

正しい情報を収集する

いくら収支管理を行っていても、記載される情報が誤っていれば、間違った経営判断を招いてしまいます。仕入・売上・人件費などは頻繁に変動するものなので、実情と合致しているのかを定期的に確認するようにしましょう。

収支管理ツールを活用する

収支管理は、毎日もしくは週単位で細かく情報を入力していく必要があります。ExcelやGoogleスプレッドシートで管理することも可能ですが、多くの情報をミスなく入力していくのはとても工数や労力のかかる作業です。

収支管理ツールを導入することで、これらの工数を大幅に削減することができます。例えば、仕入れや作業工数を入力するだけで、目標売上に対する達成値や人件費・原価が適切なのかを判断できるレポート機能を備えたツールもあります。

おすすめの収支管理ツール

最後に、収支管理を行う際に活用すると便利なおすすめツールを紹介します。

TimeCrowd(タイムクラウド)

timecrowd

TimeCrowd(タイムクラウド)は、国内企業4,000社以上で導入いただいている工数管理ツールです。

タスク名を登録してワンクリックで打刻をするだけで、リアルタイムで「どの業務に・どれぐらい時間(人件費)をかけているのか」を一目で把握できます。

▼TimeCrowdのレポート画面

時間がかかり過ぎている業務がわかれば改善をして、稼働超過(プロジェクトの赤字)を防ぐことができます。

また、打刻はGoogle カレンダーやOutlook カレンダーと連携することで自動化することも可能です。従業員にかかる負担を最小限に抑えたうえで、プロジェクトごとの稼働管理を取り入れることができます。

サービス内容について、少しでもご興味のある方は下記の資料から具体的な機能や料金プランについてご確認ください。

工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード

▼TimeCrowdで、プロジェクトごとの収支管理に取り組まれた企業事例はこちらからご覧ください

Excel / Googleスプレッドシート

出典:Google Workspace

ExcelやGoogleスプレッドシートといった表計算アプリを活用して、収支管理を行うことも可能です。特にGoogleスプレッドシートは、アカウントさえあれば無料で利用できるうえに、複数人での編集やリアルタイムでの閲覧ができるため収支管理にも適しています。

ただし、他の収支管理ツールと比べると、マスターデータを0から作成する手間や、場合によっては複雑な関数を組まなければいけないため、ある程度の知識が必要となってきます。


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Smile Works(スマイルワークス)

出典:Smile Works

Smile Works(スマイルワークス)は、財務会計・販売管理・給与計算などの基幹システムを統合管理できるクラウド型のシステムです。プロジェクト別の収支管理機能も搭載されており、売上・仕入・経費・社内工数をプロジェクトごとに把握することができます。

また、収支管理データと会計データを連動できるため、収支管理用に記入したデータを会計ソフトに入れ直す手間を省くことが可能です。会計業務の工数削減にも繋がります。

まとめ

本記事では、収支管理の基礎知識や必要性、成功に導くためのポイントを解説しました。収支管理とは、企業が収入と支出を管理することです。一般的にプロジェクトごとの売上や予算・原価などを管理することを指します。

収支管理を行う際には、誰が運用するのかを明確にするとともに、正しい情報を収集すること、そして工数を削減するために収支管理ツールをうまく活用することが大切です。

プロジェクトを成功に導くためにも、支出と収支を正確に把握し、施策に活かせるようにしましょう。

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