受託型ビジネスで工数管理に取り組んでいるものの、「Excelの集計作業に追われている」「案件の赤字に気づくのが遅い」「見積もりが毎回合わない」——こうした状況に心当たりがあるなら、同じ悩みを乗り越えた他社の事例が参考になるかもしれません。
この記事では、工数管理ツール「TimeCrowd」を導入した受託型企業5社の導入事例を、3つのパターンに分類して紹介します。管理工数60%削減、開発効率15%改善といった具体的な成果をもとに、自社の状況に近いパターンを見つけてみてください。
目次
TimeCrowdの導入事例から見えた3つの成功パターン

受託型ビジネスでは、案件ごとの収支が見えないまま案件数だけが増えると、知らないうちに赤字案件を抱えるリスクが高まります。
一方で、「Excelに記録はしているが月末の集計で手一杯」「ツールを入れたが定着しなかった」という声も少なくありません。
工数管理で成果を出している企業を見ると、自社の課題に合った活用パターンを見つけ、シンプルな運用に絞っている傾向があります。今回取り上げる5社の事例を分析すると、成功パターンは大きく3つに分かれます。
- パターン1: Excel→クラウド移行型 — まず集計業務の負担を減らすところから始める
- パターン2: 案件別採算の見える化型 — リアルタイムで案件ごとの収支を把握する
- パターン3: 見積精度の改善型 — 実績データを蓄積して見積もりの精度を上げる
自社がどの課題を最も抱えているかによって、取るべきアプローチは変わります。
パターン1: Excel工数管理からクラウドツールへ移行する方法

月末の集計地獄から脱却する
Excelでの工数管理は手軽に始められる一方で、社員が増えてデータ量が増えると限界が見えてきます。「関数が壊れる」「入力ミスが多発する」「集計だけで毎月何時間もかかる」——こうした問題は、規模の拡大とともに深刻になります。
このパターンでは、まず集計の自動化による管理負荷の削減を優先します。
スピカデザイン — 月末集計の自動化
Web制作会社のスピカデザインでは、案件ごとの工数データをExcelで集計しており、毎月全社で2時間ほどの集計作業が発生していました。
TimeCrowdの導入後は、案件別・メンバー別の稼働時間が自動で集計されるようになり、同社の事業部長は「案件ごとの作業時間をひと目で確認でき、データ集計に時間がかからなくなった」と述べています。Notionとの連携によるカテゴリー自動作成など、既存ツールとの組み合わせで運用の手間を抑えている点も特徴です。
レバレジーズ — 管理工数を60%削減
BPO事業を展開するレバレジーズでは、社員増加に伴いExcelの処理量が限界に達していました。関数の破損やヒューマンエラーが頻発し、データの正確性を担保するために膨大な工数を費やしていたといいます。
TimeCrowdへの切り替えにより、管理工数を60%削減。同社の事業部長は「TimeCrowdに切り替えてからは月末の最終確認のみで済んでいます。」と語っています。導入から2ヶ月程度でスムーズに定着した背景には、入力のシンプルさがあります。
Excelでの工数管理の方法やテンプレートについては、以下の記事で詳しく解説しています。
パターン2: 案件別の採算管理をリアルタイムで実現する

案件ごとの収支を「見える化」する
受託型ビジネスでは、案件の収支が分かるのはプロジェクト終了後というケースが珍しくありません。赤字案件を早期に発見するためには、稼働時間と売上を案件単位でリアルタイムに対比できる仕組みが必要です。
CloudQ — 開発効率15%改善と収支管理体制の構築
受託開発会社のCloudQでは、「誰が・何に・どれくらい時間をかけているのか」を正しく把握できていないことが課題でした。
案件ごとの稼働時間を計測し始めたところ、同社の執行役員は「タスクごとの稼働時間を見てみると、想像以上に時間をかけているタスクがありました」と振り返っています。データに基づく業務の見直しにより、開発効率が15%改善。週1回のデータ分析でメンバーへフィードバックする運用が定着しました。
未知株式会社 — 顧客ごとの損益管理を実現
コンテンツマーケティング支援を手がける未知株式会社では、顧客ごとの1記事あたりの原価が把握できず、適切な提案が難しい状況にありました。
記事作成の各工程(リサーチ・構成・執筆・校正など)の時間を記録することで、顧客ごとの人件費が可視化され、追加提案すべき顧客が明確になりました。同社の執行役員は「案件ごとの人件費がひと目で確認できるのは健全な状態」と述べています。
パターン3: 工数データで見積精度を継続的に改善する

実績データの蓄積が見積もりの根拠になる
受託案件の見積もりは、担当者の経験と感覚に依存しがちです。見積もりが甘ければ赤字に、厳しすぎれば失注になるため、精度を高めることは経営に直結します。
このパターンでは、過去案件の工数実績を蓄積し、次の見積もりの根拠として活用するサイクルを回します。
デザインスタジオ・エル — 見積もり精度の向上と採算悪化の予防
Webデザイン会社のデザインスタジオ・エルでは、人件費の正確な把握が課題でした。同社の代表取締役は「当社ではなかなか掴みづらいのが人件費でしたが、それがこのTimeCrowdが可能にしてくれました。」と語っています。
全メンバーが全業務の時間を計測する運用を定着させた結果、見積もり精度が向上し、採算悪化の予防に成功。さらに年間休日を105日から123日へ18日間増加させるなど、働き方の改善にもつながっています。
なお、ナラティブベース社でも工数データの蓄積により見積もり精度が向上し、タイムチャージ型契約の増加を支える基盤になったと報告されています。データに基づく見積もりは、クライアントとの信頼関係の構築にも寄与します。
見積もりの精度向上の手法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
工数管理の成功事例に共通する3つの要因

5社の事例を通して見えてきた共通の成功要因を整理します。
トップ層のコミットメント
5社すべてに共通するのは、経営者やマネジメント層が工数管理の目的を明確にした上で推進している点です。CloudQでは代表取締役が「今から導入しておくに越したことはない」と判断し、バックオフィス支援を手がけるSORAでは、代表取締役自らがデータに基づく請求金額の見直しに取り組みました。
工数管理は現場の協力がなければ成り立ちません。しかし「管理されている」と感じるメンバーが出ると定着しにくくなります。スカイアーチネットワークスの副本部長が「TimeCrowdはメンバーを守るためのツール」と語るように、工数管理の目的が「評価」ではなく「改善」であることを全社に浸透させることが重要です。
シンプルな運用ルール
定着に成功した企業は、運用ルールを極力シンプルにしています。レバレジーズでは「直感的に入力ができるシンプルさ」が定着の鍵となり、2ヶ月で全社に浸透しました。
TimeCrowdのブラウザ拡張機能を使えば、GitHubやBacklogなどのツールからワンクリックで打刻を開始できます。さらに、GoogleカレンダーやOutlookと連携すれば、カレンダーの予定がそのまま工数の実績データに反映されるため、スケジュールと工数の二重管理が不要になります。こうした入力負荷の軽減が、継続的な運用の前提条件です。
データ活用の習慣化
記録するだけでは成果は出ません。CloudQでは週1回、TimeCrowdのレポート画面で案件別の工数データを確認し、メンバーへフィードバックする運用が定着しています。WEBマーケティング事業を展開するヴァンテージITでも、データに基づく時間配分の見直しで利益ベースで約400万円/月の成長を実現しました。
TimeCrowdのレポート画面(ダッシュボード)を使えば、チーム横断で案件別の工数データを自動集計し、採算状況を一覧で確認できます。こうしたデータ活用の仕組みがあることで、記録 → 分析 → 改善のサイクルが回り始めます。
自社に合う工数管理パターンの見極め方
3つのパターンのうち、自社の状況に最も近いものを見つけるための判断基準を整理します。
パターン1が合う企業
- Excelで工数を管理しているが、集計作業に月2時間以上かかっている
- 社員数が増え、Excelの処理量や入力ミスが問題になっている
- まずは管理負荷を減らすところから始めたい
パターン2が合う企業
- 案件の収支が期末にならないと分からない
- 赤字案件が発生しているが、原因の特定が遅れている
- 案件ごとの稼働時間と売上の対比を把握したい
パターン3が合う企業
- 見積もりが属人的で、担当者によるばらつきが大きい
- 見積もり根拠を聞かれると「経験上」としか答えられない
- 過去の実績データを次の見積もりに活用する仕組みがない
パターンは排他的ではなく、段階的に進めることもできます。まずパターン1で管理負荷を減らし、次にパターン2で採算を可視化し、最終的にパターン3で見積もり精度を高める——という進め方もあります。
ツールの選び方について比較検討したい場合は、以下の比較表も参考になります。
まとめ:工数管理の第一歩は「時間を記録する」こと
5社の事例に共通するのは、「まず時間を記録し始めた」というシンプルな第一歩です。Excelの集計を自動化したいのか、案件の収支を見える化したいのか、見積もりの精度を高めたいのか。目的が明確であれば、工数管理はツールの力を借りて短期間で成果につながります。
TimeCrowdは、ワンクリックの打刻操作と自動集計で、記録と分析のハードルを下げる時間管理ツールです。2週間の無料トライアルで、実際の運用感を試すことができます。
