プロジェクトの円滑な進め方とは? 手順と失敗しないコツを解説

プロジェクトの途中で遅延やトラブルが発生しないように管理をするのは、プロジェクトが成功するためには欠かせない取り組みです。

  • 「プロジェクト管理をしているのに、いつも納期ぎりぎりになってしまう」
  • 「プロジェクト管理をするのが初めてなので、進め方がよくわからない」

このようなお悩みを持っている、プロジェクトリーダーやマネージャーの方もいるのではないでしょうか。本記事では、プロジェクトの具体的な進め方について解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。

プロジェクトの進め方 4つのステップ

プロジェクトは、以下の4つのステップで進めます。

  1. 企画・立ち上げ
  2. 計画の策定
  3. 計画の実行・管理
  4. 完了・評価

1.企画・立ち上げ

プロジェクトの企画や立ち上げを行う際には、以下の項目を明確にしておくことが重要です。

  • 納期、開発期間
  • スコープ(作業範囲)
  • 成果物とその品質
  • リソース
  • コスト
  • リスク

上記の項目を企画書などの文書にまとめ、リーダーやマネージャーのチェックを受けて、第三者視点で予算・期間・リソースが適切かどうかを確認します。

プロジェクトの要件やスケジュールが曖昧なままだと、やり直しや変更が発生するおそれがあり、プロジェクトが失敗する可能性が高まります。最初からプロジェクトの要件は明確にしておき、認識の齟齬がないかを顧客やチームメンバーと確認しておくことが重要です。

プロジェクトの要件やスケジュールをまとめたら、アウトプットとしてプロジェクト計画書を作成して関係者と共有しましょう。

▼プロジェクト計画の作り方については、下記の記事も参考にしてください

2.計画策定

「計画策定」フェーズでは、タスクの洗い出しやスケジュール作成を行い、具体的な計画を立てます。

計画を立てる際には、以下の手法を用いるのがおすすめです。

  • タスクの洗い出し:WBS
  • スケジュール作成:ガントチャート

WBSを用いてタスクを明確に洗い出し、偏りがないように担当者を割り振ります。納期までにプロジェクトが完了するようにガントチャートでスケジュールの可視化を行う必要もあります。

▼WBSとガントチャートの作り方については、下記の記事も参考にしてください

また、タスクを担当するメンバーの選定も行います。

適切な割り当てを行うため、あらかじめ各メンバーの経験やスキル、強みなどを把握しておくことが重要です。円滑なコミュニケーションを取れるかといった点や、一人ひとりのスキルだけでなく複数のメンバーが協力し合うことでより大きな成果を生み出せそうかといった点も考慮に入れて、チームを作ります。

3.計画の実行・管理

「計画の実行・管理」フェーズでは、作成した計画をもとにプロジェクトを遂行します。プロジェクトの進捗管理を適切に行い、イレギュラーが発生した際には柔軟な対応が求められます。

プロジェクトを進めるにあたって、イレギュラーが発生しても迅速に対応できるように、常日頃からリスクマネジメントを行うことが重要です。プロジェクトの中では、リソース不足やコストの増加、パフォーマンスの低下などが原因となり、さまざまなリスクが発生します。また、期日や成果物といった要件が曖昧であることも、リスクが発生する原因の1つです。

イレギュラーやリスクが発生しても適切な対応を行い、軌道修正ができるように、リスクの特定・分析・対応の計画を迅速に行える体制を整える必要があります。

▼プロジェクトで発生する具体的なリスクやその対処法については、下記の記事も参考にしてください

ただし、作業を遠隔で行っていたり、プロジェクトが大規模だったりする場合は、リスク(遅延やトラブル)が発生しても、管理者が気づきづらい可能性があります。

そのため、TimeCrowdのようなタスクごとの所要時間を計測できるツールを活用して、「誰が・どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」「誰が・いま・何の業務をしているのか」を可視化しましょう。時間がかかりすぎている業務があれば、都度確認を行うことで、リスクの発生を事前に防ぐことができます。

▼(例)TimeCrowdのレポート画面

TimeCrowdでは、メンバーごとの時間単価を設定することでプロジェクトごと・タスクごとの人件費計算や収支管理も可能です。Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携することで、工数入力を自動化することもできるため、従業員にかける負担を最小限に抑えたうえで導入いただけます。少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください。

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4.完了・評価

プロジェクト完了後の「完了・評価」フェーズでは、計画通りにプロジェクトを遂行できたか、進行や成果物の品質に問題がなかったかを評価します。

最初に計画したスケジュールや成果物、成果物の品質等とどれくらい差分があるのかを定量的に評価することが重要です。

プロジェクトの評価は、チームリーダーやマネージャー、チームメンバーなどの内部で行います。同時にクライアントや外部からの意見を集めることで、客観的にプロジェクトを評価して今後に活かすことが可能です。評価をしたら、次のプロジェクトでも活かせるようにアウトプットとしてドキュメント化し、関係者に共有しておくことをおすすめします。

プロジェクトを評価した結果、時間がかかりすぎてボトルネックとなる作業が発覚した場合は、改善策を考案して次のプロジェクトに活かしましょう。

プロジェクトを進める際のポイント(コツ)

プロジェクトを管理していても、適切な管理ができずに失敗することがあります。プロジェクトを進める際に気をつけたい、以下のポイントについて1つずつ解説します。

  • スケジュールにバッファを持たせる
  • 役割を明確にする
  • バッファを設けすぎないようにする
  • 報告、連携、コミュニケーションを綿密に行う
  • 進捗を適切に管理する
  • スキルや品質を均質にする
  • 当事者意識を高める

スケジュールにバッファを持たせる

スケジュールがタイトすぎると、急なトラブル・遅延・仕様変更などに対応できず、プロジェクトが失敗する原因になります。

無理に納期に間に合わせたとしても、従業員に負担がかかり、かえって従業員満足度や生産性の低下につながるおそれがあります。計画作成の段階でスケジュール通りに進められそうな場合でも、念のためバッファを設けてスケジュールに余裕を持たせることが重要です。また、欠員がでたりイレギュラーが発生した時のために、余裕を持ってリソースを確保しておくことも重要です。

▼プロジェクトのスケジュール管理の方法については、下記の記事も参考にしてください

役割を明確にする

タスクの役割が不明瞭なままでは、タスク漏れや重複によってトラブルや遅延が発生しやすくなり、プロジェクトが失敗する原因になります。「計画策定」フェーズで、タスクを明確に細分化して担当者を決めておくことが必要です。

また、自分の担当以外のタスクについても担当者が把握できていると、連携がしやすくなり、プロジェクトをスムーズに進行できます。「誰が・どのタスクを担当しているのか」を可視化し、関係者に共有しておくことが重要です。

タスクの担当者だけでなく、不明点やイレギュラー、エラーなどが生じた際に「誰にエスカレーションすればいいのか」「意思決定者は誰か」といった取り決めも必要です。エスカレーションのフローについては事前に定めたうえで、関係者に共有しておきましょう。

▼タスク管理ができるプロジェクトマネジメントツールについては、下記の記事を参考にしてください

バッファを設けすぎないようにする

スケジュールにバッファを設けすぎている場合、プロジェクトが失敗しやすくなります。イレギュラーやトラブル対応のためのバッファは必要ですが、設けすぎも遅延の原因の1つとなります。

スケジュールに余裕がありすぎると「期間いっぱいまで時間をつかってしまう」「先延ばしにして締切日近くに作業を追い込んでしまう」などの問題が発生しやすくなります。その結果、バッファを設けていたにもかかわらず、作業が遅延したり、成果物の品質が低下したりするおそれがあります。スケジュールの作成時にバッファを設けたうえで、リーダーやマネージャーなどにチェックをしてもらい、バッファが適切かどうかの確認が必要です。

また、最終日の期日を設定しただけだと、先延ばしにしてしまう可能性があります。マイルストーン(中間地点)を設定して、各マイルストーンの期日までに予定していた作業が完了しているかどうかをチェックするのがおすすめです。

▼マイルストーン意味や設定方法については、下記の記事も参考にしてください

報告、連携、コミュニケーションを綿密に行う

報告、連携などのコミュニケーションが不足している場合は、以下のような事態が発生し、プロジェクトが失敗する場合があります。

  • 報告や連携が不十分で、正確な進捗管理ができない
  • トラブルやミスがあっても報告できず、あとになって発覚する
  • タスク漏れの発覚が遅れる

これらのリスクを回避するには、タスク管理だけでなく、日頃の連携やコミュニケーションがスムーズにできているかを確認しておく必要があります。情報共有ができていないとトラブルやミスにつながるので、グループウェアを用いて情報共有を行うことも重要です。

日頃から相談しやすい関係性を構築したり、コミュニケーションツールを活用したりして、スムーズなコミュニケーションができる環境を整えておくことをおすすめします。

▼ビジネスの現場で役立つ情報共有ツールについては、下記の記事も参考にしてください

情報共有(コミュニケーション)におすすめのツール

情報共有(コミュニケーション)におすすめな以下2つのツールを紹介します。

  • Slack
  • Trello

Slackは、プロジェクトにおけるコミュニケーションに特化したツールです。チームやトピックごとにチャンネルを作成することで、コミュニケーションや情報共有を行えます。ファイルのやり取りやテンプレートを使ったプロジェクト管理を行うことも可能です。

Trelloは、ボード形式でタスク管理ができるツールです。各タスクの担当者が誰なのか、いまどのようなステータスにあるのかといった情報を共有するのに適しています。ドラッグアンドドロップでタスクをカレンダーに追加することもできるため、タスクをスケジュールに反映するのにも役立ちます。

進捗を適切に管理する

進捗を適切に管理できていないと、プロジェクトが失敗しやすくなります。プロジェクトの遂行中は、タスクの進捗管理を適切に行う必要があります。トラブルやミス、遅延が発生したら、すぐに報告できるような仕組みや環境づくりが必要です。

ツールなどを導入してタスクの進捗を管理するほか、進捗報告がしやすい関係性を作っておくこともポイントです。心理的安全性がないとトラブルを隠すようになるので、報告しやすいチームづくりを心がける必要があります。

▼進捗管理におすすめのツールについては、下記の記事も参考にしてください

進捗管理(プロジェクト管理)におすすめのツール

進捗管理(プロジェクト管理)におすすめな、以下の2つのツールを紹介します。

  • Asana
  • Backlog

Asanaは、プロジェクトごとの共有スペース内でタスクやカレンダー、ガントチャートを管理することでプロジェクト管理ができるツールです。タスクは「進行中」「完了」などのステータスを割り振ることができるため、進捗もリアルタイムで管理できます。

Backlogは、タスクのステータスを更新したり、ガントチャートを共有したりすることでプロジェクトの進捗を管理できるツールです。ドキュメントやファイル共有の機能で、プロジェクトに必要な情報やファイルを共有することもできます。

スキルや品質を均質にする

チームメンバーによってスキルや成果物の品質にばらつきがある場合、プロジェクトが遅延する可能性があります。当初は3日で終わると思われていた作業でも、担当者のスキルが不十分で5日かかってしまうこともあり得るので注意が必要です。

スキルのばらつきによるプロジェクトの遅延を防ぐには、メンバーの能力を把握し、人材配置を適切に行うことが大切です。また、別途育成が必要と判断した場合は教育や研修を行っておくことをおすすめします。

当事者意識を高める

チームメンバーに当事者意識が不足していると、プロジェクトが失敗する原因になります。

リーダーやマネージャーだけでなく、チームメンバーや関係者全員が当事者意識を持つことが重要です。自分のタスクをこなすだけでなく、「チームで目標を達成し、プロジェクトを成功させるにはどうすればいいか」を一人ひとりが考えながら業務にあたる必要があります。

プロジェクトのゴールや目標を明確にし、プロジェクトを完了させることがメンバー自身の成長につながる、経営目標達成のために貢献しているといったメリットを打ち出すことも重要です。

自分の仕事が、自分のキャリアや組織にどのように役に立っているのかを把握しやすくなるため、モチベーションを高められます。達成感ややりがいがある、適切な裁量がある、意見が通りやすいなどの環境だと当事者意識を抱きやすくなります。

プロジェクトの進め方に関するフレームワーク

プロジェクトを進める際には、以下のような確立されたフレームワークを用いるのがおすすめです。

  • PMBOK
  • CCPM
  • PPM

PMBOK

PMBOKとは、スケジュールマネジメントに関する知識やノウハウをまとめた世界基準のフレームワークです。PMBOKによって、プロジェクトマネジメントの基礎を体系的に学ぶことができます。

PMBOKでは、プロジェクト管理を10のエリアと5のプロセス、3つのパートに分けてそれぞれ必要な知識やノウハウがまとめられています。主に数百人単位の大規模なプロジェクトを管理するのに向いている知識体系です。世界標準のフレームワークを活用することで、認識のずれを防ぎながらプロジェクト管理を行えます。

▼PMBOKについては、下記の記事も参考にしてください

CCPM

CCPMは、各タスクの納期を可能な限り短く取ってから、余剰な時間をバッファとして確保する手法です。遅延やトラブルが発生した場合は、確保したバッファから時間を捻出し、進捗状況とバッファの残りを共有しながらプロジェクトを進めます。

CCPMを活用することで、プロジェクトのスケジュールを最適化できます。限られたリソースを最適に活用するため、タスクの優先順位付けやコミュニケーションを強化するのが特徴です。

PPM

PPMとは、企業の利益を最大化するために、1つのプロジェクトだけでなく複数のプロジェクトを管理し進める方法です。

組織内で発生しているプロジェクトを洗い出して評価し、収益性の高いプロジェクトや影響の大きいプロジェクトに優先順位をつけて、リソースを集中させるという手法です。一つひとつのプロジェクトだけに着目するのではなく、組織全体のプロジェクトを管理・評価することで、組織の経営目標や戦略に沿うようにプロジェクト管理を行えます。

PPMは、プロジェクトをまたいでリソースや予算を割けるという特徴があります。1つのプロジェクトでは人手が足りないのに他では余っているという事態を回避し、全体の効率化をはかることができます。

まとめ

プロジェクトをスムーズに進めるには、タスクの細分化と担当者の割り振りを明確にしておくことが重要です。そのうえで適切なスケジュールを作成し、進捗を管理しながらプロジェクトを進めます。

プロジェクトの進捗管理には、まずは業務状況を可視化することが不可欠です。

「どの業務に・何時間かけているのか」を確認するためには、TimeCrowdを活用して時間計測をしてみることをおすすめします。

実際に計測をしてみると、意外な業務に時間を使っていたり、特定のメンバーに業務が偏っていたりなど、プロジェクトの業務改善に役立つ情報が得られるため、ぜひ一度ご活用してみてください。

最初の2週間は無料でご利用いただけますので、少しでもご興味のある方は下記資料より詳細をご確認ください。

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