プロジェクト管理において、タスクをチケットとして管理することを「チケット管理」といいます。
タスクの内容・期日・担当者などをひと目で把握できるほか、プロジェクトの進捗管理やコスト計算などに役立てることができます。
この記事では、チケット管理について下記の内容を解説いたします。
- チケット管理のメリット・デメリット
- チケット管理ツールの選び方
- おすすめのチケット管理ツール
また、チケット管理は時間管理と連携して行うことで、プロジェクトごと(タスクごと)の収支管理に役立てることができます。
本記事では、時間管理ツール「TimeCrowd」と連携可能なチケット管理ツールについてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
チケット管理とは
チケット管理とは、プロジェクトにおいて行うべきタスクを「チケット」として管理する方法です。
タスクごとにチケットを発行して、下記のような情報を紐づけます。
- 作業内容
- 担当者
- 優先度(緊急度)
- チケット発行日
- 期日
チケットの発行数や処理数に応じて、プロジェクトの進捗状況を把握することが可能です。プロジェクトの途中で何かトラブルが発生した場合でも、早期に問題を発見することができます。
チケット管理とタスク管理の違い
チケット管理は、あくまでタスク管理の手法のひとつです。
そのため、チケット管理において「タスク」と「チケット」はほぼ同義の意味を表します。しかし、タスクが発生した場合でも、チケット化をしなければタスクとして扱われないため注意が必要です。
また、チケット管理のほかにも「リスト管理(ToDoリスト)」という手法がありますが、チケットのほうが視認性が高く、タスク内容・担当者・期日・進捗状況などをひと目で確認しやすいという違いがあります。
▼ToDoリストについては、下記の記事で作成方法やポイントについて解説しています
▼タスク管理の意味・必要性・手順などについては、下記の記事を参考にしてください
チケット管理のメリット
タスクをチケットとして管理することで、下記のようなメリットがあります。
- タスクの詳細を把握しやすくなる
- タスク(プロジェクト)の進捗状況を把握・共有しやすくなる
- 類似プロジェクトのスケジュール作成や工数見積に役立つ
タスクの詳細を把握しやすくなる
チケットには、作業内容・期日・担当者といった情報を紐づけるため、タスクの詳細をひと目で把握しやすくなるというメリットがあります。
チケットは、タスクを「大タスク」「中タスク」「小タスク」といったカテゴリーごとに分割したうえで、タスクが発生した順番ごとに発行されます。また、緊急度や重要度が高いチケットには目立つようなマークをつけて管理することも可能です。
タスクを粒度や優先順位ごとに確認できるため、管理者がタスクの詳細や状況について確認しやすくなります。
進捗状況を把握・共有しやすくなる
チケットの発行数や完了数を把握することで、プロジェクトの進捗状況を確認・共有しやすくなるという点もメリットとして挙げられます。
また、プロジェクトの進行途中に遅れが生じた場合には「どのチケット(タスク)が原因なのか」を遡ることも可能です。トラブルの原因を早期に特定して、対策を講じることができるでしょう。
類似プロジェクトのスケジュール作成や工数見積に役立つ
チケット管理を行うことで、類似プロジェクトのスケジュール作成や工数見積に役立ちます。
チケットはタスクごとに発行されているため、TimeCrowdのような時間管理ツールと組み合わせることで、タスクごとの所要時間を記録することができます。
TimeCrowdはタスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「どのタスクに・どれぐらい時間をかけたのか」を把握できるツールです。
▼TimeCrowdのレポート画面
記録したデータを振り返ることで、1つの大タスクに対してどのような中タスク・小タスクが必要になるのか、それぞれのタスクにどれぐらいの時間(人件費)がかかるのかを把握できます。新たなプロジェクトに取り組む場合には、過去の類似プロジェクトを参考にしたうえで、精度の高いスケジュールや工数見積を作成できるでしょう。
TimeCrowdは、累計4,000社以上の企業様でご利用いただいています。貴社の管理方法に適した機能をご提案をいたしますので、少しでもご興味のある方は下記のサービス資料より詳細な機能・料金プランをご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード▼プロジェクトのスケジュール作成や工数見積のポイントについては、下記の記事を参考にしてください
チケット管理のデメリット
チケット管理には下記のようなデメリットもあります。あらかじめ把握しておき、デメリットを補えるような仕組みを整えることが重要です。
- チケット入力や発行に時間がかかる
- タスク同士の関連性が把握しにくい
- プロジェクト全体の設計を把握しにくい
チケットの発行に時間がかかる
チケットを発行するには、チケットに登録するタスク情報を入力する必要があるため「時間がかかる」という点はデメリットだといえるでしょう。
とくに大規模のプロジェクトの場合はタスクの数が多く、発行するチケットの数も増えるため、その分だけ手間がかかってしまいます。チケット管理とは別でタスク管理やスケジュール管理を行っている場合には、同じ内容を登録する必要があり、管理者に二重の負担をかけてしまう恐れもあります。
できるだけ、チケット発行の手間がかからない、タスク管理やスケジュール管理と一体になったツールを導入するなどの対策を検討しましょう。
タスク同士の関連性を把握しづらい
チケット管理では、タスクの詳細を把握しやすい一方で、タスク同士の関連性や依存関係は把握しづらいというデメリットがあります。
同時に複数のチケットが発行された場合には、どのタスクから着手すれば良いか分からず、優先順位を間違えてしまう恐れがあるでしょう。
チケットをただ発行するだけではなく、タスク同士の関連性や優先順位がわかるように詳細を記入したり、担当者をアサインする際に別途コミュニケーションを取ったりする工夫が必要です。
プロジェクト全体の設計を把握しにくい
チケット管理では、タスク同士の関連性を把握しづらいため、どうしてもプロジェクト全体の設計を把握しづらくなります。
とくに目の前のタスクに追われているディレクターやメンバークラスでは、プロジェクトの全体について理解が追いついていない可能性があります。プロジェクトマネージャーは、定期的にプロジェクトの全体設計や進捗状況について、チームメンバーに共有する機会を設けましょう。
チケット管理をExcelで行うデメリット
タスク管理のツールとして、表計算ソフトの利用を検討される方も多いでしょう。
しかし、表計算ソフトはチケット管理に特化したツールではないため、効率の観点で見劣りする部分があります。たとえばチケットを発行するたびにソフトを開く必要があるほか、複数人が同時に更新できないというデメリットが挙げられます。また、スマートフォンで管理をしづらいという点もデメリットだといえるでしょう。
チケット管理を効果的に行うには、専用のツールを導入するのがおすすめです。
チケット管理ツールの選び方
チケット管理ツールを導入する際には、自社に適したツールを選定しましょう。
下記では、おすすめの選び方について解説いたします。
- 操作性が良く使いやすいか
- さまざまなデバイスに対応しているか
- 予算と合っているか
- 他のツールと連携が可能か
操作性が良く使いやすいか
チケット管理ツールを選ぶ際には、画面の見やすさや使いやすさを重視しましょう。
操作性が悪いと、チケット管理そのものが負担になってしまう恐れがあります。その結果、チケット管理が定着せずに形骸化してしまう可能性も考えられます。
多くのツールでは無料トライアル期間が設けられているため、導入前には現場のメンバーにも操作性を確認してもらうと良いでしょう。
さまざまなデバイスに対応しているか
さまざまなデバイスに対応しているかどうかも、チケット管理ツールを選定する際には欠かせないポイントです。
たとえばPCブラウザでしか使えない場合には、外出先でチケット登録ができないという不便が生じる可能性があります。PCのみではなく、スマートフォンやタブレットなどのさまざまなデバイスに対応したツールを選びましょう。
予算と合っているか
ツールを選定する際には、予算の範囲内で導入ができそうかを確認します。長期的に利用することになるため、初期費用だけではなく、利用人数を加味したうえでランニングコストを算出しておきましょう。
また、プロジェクトの種類によっては、繁忙期の一時的な人員増加に対応できるかどうかも確認が必要です。とくにメンバーの増減が多いプロジェクトでは、新しいメンバーが参加するたびにメンバー登録が必要になります。柔軟に対応できるツールか否かは選定するうえで重要なポイントになるでしょう。
他のツールと連携が可能か
スケジュール管理ツールやコミュニケーションツールなど、他のツールと連携ができるかどうかも重要な選定ポイントです。
チケット管理ツールは、下記のような管理ツールと連携させることで、より効果的な運用を期待できます。
- Google カレンダーやOutlook カレンダーなどのスケジュール管理ツール
- SlackやOutlookなどのコミュニケーションツール
- Dropboxのようなファイル管理ツール
たとえばスケジュール管理ツールと連携をすれば、発行したチケットの期日をもとに、自動でスケジュール管理ツールに予定を登録できます。また、コミュニケーションツールと連携をすれば、チケットが発行されたタイミングで担当者に通知を送ることもできるでしょう。
おすすめのチケット管理ツール4選
チケット管理におすすめのツールをご紹介いたします。
- Backlog
- Asana
- Redmine
- Trello
Backlog
Backlogは、ガントチャートやカンバンボードなどの機能が搭載されたプロジェクト管理ツールです。
タスク管理の機能も搭載されており、タスクごとに担当者や進捗ステータスを確認できます。
また、時間管理ツール「TimeCrowd」と連携することで、タスクの振り分けや進捗確認だけではなく、タスクごとの所要時間も管理することが可能です。
「どのタスクに・どれくらい時間をかけたのか」を確認することで、業務効率化に役立てることもできます。
▼BacklogとTimeCrowdの具体的な連携内容については、下記の記事を参考にしてください。
参照:タイムクラウド株式会社がプロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」と連携した業務改善サービスを提供
Asana
Asanaは、タスク管理・スケジュール管理・タイムラインなど、さまざまな機能が搭載されたプロジェクト管理ツールです。
Slack・Gmail・Outlookなどの200種類以上のアプリと連携することができるため、プロジェクト管理の業務を効率化することができます。
また、こちらも時間管理ツール「TimeCrowd」との連携が可能です。Asanaで作成したタスクはTimeCrowdで所要時間を記録できます。
▼AsanaとTimeCrowdの具体的な連携内容については、下記の記事を参考にしてください。
参照:時間管理ツール「TimeCrowd」が「TimeCrowd for SaaS」をリリース 連携第1弾はワークマネジメントプラットフォーム「Asana」
Redmine
Redmineは、スケジュール管理に役立つ機能(ガントチャート・カンバンボード・タイムマネジメントなど)が搭載されたツールです。
タスクに対してチケットを発行して、タスク管理を行うことができます。
チケットの関連図を表示できるため、タスクやチケットの抜け漏れを防ぐことが可能です。また、進捗ステータスに応じてチケットを色分けできるため、タスク管理の効率を高めることができます。
Trello
Trelloは、カンバンボードやリスト形式でタスク管理ができるツールです。また、カード(チケット)形式で、タスクの作成や割り振りを行えます。
作成したタスクはカレンダーに表示されるため、スケジュールを直感的に把握することができます。Google カレンダーやOutlook カレンダーなどの日常的に利用しているツールとも連携ができるため、スケジュール管理やタスク管理の利便性を向上させることができます。
まとめ
タスクごとにチケットを発行して管理する「チケット管理」は、タスクを細分化しやすく、管理もしやすいというメリットがあります。
ただし、タスク同士の依存関係や関連性、プロジェクト全体のフローなどについてはチケット上では把握が難しいというデメリットもあります。
プロジェクトマネージャーはチケット管理を行うと同時に、カレンダーツール・ガントチャート・コミュニケーションツールなどを利用して、プロジェクト全体のプロセスや進捗状況を適宜共有することが重要です。
また、TimeCrowdのような時間管理ツールと組み合わせれば、チケットごとの所要時間をリアルタイムで記録することができます。想定より大幅に時間がかかっている場合には迅速にフォローをするなど、プロジェクトを円滑に進めやすくなるという点が大きなメリットです。また、記録したデータをもとに、類似プロジェクトの工数見積に役立てることもできます。
最初の2週間は無料トライアルの期間も設けているため、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。
詳細な機能・料金プラン・導入事例などは、下記のサービス資料よりご確認ください。
時間管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード