稼働率は、ビジネスにおける作業効率や生産効率を算出するために用いられる数値です。稼働率を可視化して改善することで、生産性の向上を期待できます。
本記事では、稼働率の意味から、計算方法・捉え方・高める方法などについて解説しています。ぜひ参考にしてください。
▼プロジェクトごとの稼働時間(人件費)をリアルタイムで可視化
工数管理ツールTimeCrowdでは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を可視化することができます。

メンバーごとに時間単価を設定することで「どの業務(プロジェクト)に・どれくらい人件費をかけているのか」を把握することも可能です。プロジェクトごとの収支を確認したり、ボトルネックとなる業務プロセスを特定する際にも役立ちます。
目次
稼働率とは

稼働率とは、ビジネスにおける作業効率や生産効率を示す数値で、生産部門やコールセンターなどで使われる言葉です。
稼働率は生産量をベースに出す場合と、稼働時間をベースに出す場合があり、それぞれ計算式が異なります。
また、コンピュータやネットワークなどのシステムが、ある期間の中で正常に稼動している時間の割合を指すIT用語としても知られています。
稼働率の計算方法
稼働率の計算方法は、生産量ベースか稼働時間ベースかで異なります。それぞれの計算式は以下の通りです。
- 生産量ベース:稼働率(%)=実際の生産量÷生産能力×100
- 稼働時間ベース:稼働率(%)=実際の稼働時間÷本来稼働すべき時間×100
生産量ベースでは、例えば生産能力が1000で実際の生産量が950だった場合の稼働率は95%になります。一方で稼働時間ベースでは、稼働すべき時間が8時間で実際の稼働時間が7時間30分だった場合の稼働率は93.75%ということになります。
稼働率が低い場合の捉え方
稼働率が低いということは、本来持っている生産能力に実際の生産が追いついていない状態、つまり生産性が低い状態にあるといえます。
例1:工場のケース
工場全体の受注量が減っていることが考えられます。
また、設備は動いているのに稼働率が低い場合は、設備の不具合やチョコ停(一時的な停止)、原材料の供給遅延などが発生している可能性があります。
例2:コールセンターのケース
オペレーターが待機時間ばかりで顧客対応に当てる時間が少ない状況です。また、システムの不具合や業務フローの問題により、本来の能力を発揮できていないケースもあります。
忙しく働いているにも関わらず稼働率が低いのであれば、原因を分析しましょう。生産や顧客応対にあてている時間以外に、どのような時間の使い方をしているかを可視化して、問題があれば改善します。
稼働率が高い場合の捉え方
稼働率が高い場合、生産性が高い状態ともいえますが、必ずしも良いことであるとは限りません。
例1:工場のケース
受注量が一時的に稼働率が高くなっている場合は、繁忙期が終われば解消されるでしょう。
しかし、稼働率の高い状況が常態化している場合、設備が故障したり、設備の寿命が短くなったりするリスクがあります。また、従業員の長時間労働につながる恐れもあります。
例2:コールセンターのケース
稼働率が高すぎると、オペレーターが常に対応に追われ、休憩や事務処理の時間が十分に取れなくなります。その結果、応対品質の低下や離職率の上昇につながる可能性があります。
▼スタッフごとの稼働状況を確認した事例はこちらからご確認ください
稼働率と可動率・占有率との違い

稼働率と似た言葉である「可動率」や「占有率」との違いを解説します。
可動率との違い
稼働率と可動率の違いを簡単に表すと次のようになります。
- 稼働率:生産効率を表す指標
- 可動率:運転効率を表す指標
稼働率が製品の生産効率を表す指標であるのに対して、可動率は主に工場などで使われ、設備の運転効率を表す指標として使われます。
可動率の計算式は以下の通りです。
- 可動率(運転効率)=正常に運転した時間÷総運転時間×100
正常に運転した時間とは、総運転時間からシステムのメンテナンスにかかった時間や立ち上げにかかった時間などを引いた時間のことです。トラブル無く機械や設備を動かして生産を続けられれば、可動率は100%に近づくことになります。
可動率は稼働率と読み方が同じため、「べきどうりつ」と区別されて読まれることもあります。
占有率との違い
主にコールセンターなどにおいては稼働率の他に占有率という指標が使われることがあります。
コールセンターにおける稼働率と占有率の違いを簡単に表すと次のようになります。
- 稼働率:勤務時間に占める顧客対応時間+待機時間の割合
- 占有率:顧客対応時間+待機時間に占める顧客対応時間の割合
占有率の計算式は以下の通りです。
- 占有率=(通話時間+保留時間+後処理時間)÷(通話時間+保留時間+後処理時間+待機時間)×100
占有率が低い場合、人員過多の可能性があり、逆に高い場合は従業員に負荷がかかっている可能性があります。
▼コールセンターにおける「占有率」の意味や計算方法については、下記の記事でも解説しています
稼働率を無理に高めてはいけない
稼働率は生産性を測る重要な指標ですが、無理に高めすぎると、かえって問題を引き起こす可能性があります。適正な水準を保つことが重要です。
稼働率を無理に高めようとすると、以下のような問題が発生する恐れがあります。
設備や従業員への過度な負荷
稼働率を100%近く、あるいはそれ以上に保とうとすると、設備や人材に休息の時間がなくなります。設備であれば故障のリスクが高まり、従業員であれば疲労の蓄積や離職率の上昇につながります。
品質の低下
高い稼働率を維持するために無理に生産や対応を行うと、製品の品質やサービスの質が低下する可能性があります。結果として、不良品の増加やクレームの発生につながる恐れがあります。
柔軟性の喪失
稼働率が常に高い状態では、急な受注や緊急対応に応じる余裕がありません。また、設備のメンテナンスや従業員の教育・研修の時間を確保できず、長期的には生産性の低下を招く可能性があります。
工場の稼働率を適正値に保つ方法
工場における稼働率の適正値は、業種や製品によって異なりますが、一般的には80〜85%程度が理想的とされています。
100%近い稼働率は一見理想的に見えますが、設備のメンテナンス時間や不測の事態への対応余地がないため、持続可能性の観点から長期間の継続はできません。受注量の減少に伴い低い状態が継続している場合、営業に力を入れるなど案件を増やす取り組みが必要です。
生産計画の最適化
稼働率を適正に保つには、需要予測に基づいた生産計画を立てることが重要です。
需要と供給のバランスが崩れている場合、生産調整が必要です。需要が少ない時期に無理に稼働率を高めようとすると、過剰在庫を抱えることになります。逆に、需要が高い時期に設備点検などで生産能力が不足すると、受注機会の損失につながります。
過去の販売データや市場動向を分析し、季節変動や繁閑の差を考慮した生産計画を策定しましょう。製品ごとに必要になる人員は異なるため、余剰人員が発生しないよう柔軟な人員配置を意識することも重要です。
定期的な設備のメンテナンス
設備の故障や不具合は、稼働率の低下に直結します。定期的なメンテナンスを実施することで突発的なトラブルを防ぎ、安定した稼働率を維持できます。
具体的には、予防保全の考え方を取り入れ、設備の定期点検やオーバーホールをスケジュールに組み込みましょう。メンテナンスによって一時的に稼働率は低下しますが、長期的には設備の寿命を延ばし、経営に影響する設備故障のリスクを下げることが可能です。
チョコ停の原因を集計
チョコ停(一時的な停止)は、機材の不具合や原材料の不足などによって、製造ラインの稼動が短時間止まることを示します。
チョコ停が頻発すると、稼働率の低下だけでなく、生産リードタイムの延長や従業員のストレス増加にもつながります。
チョコ停の原因を記録・集計し、発生頻度の高い原因を特定して対策を講じることが重要です。例えば、特定の設備で頻繁にトラブルが発生している場合は、その設備の交換や改善を検討します。
また、原材料の供給が遅れることが原因であれば、サプライチェーンの見直しが必要かもしれません。
▼ボトルネックの意味や原因、解消方法などは下記の記事を参考にしてください
コールセンターの稼働率を適正値に保つ方法
コールセンターにおける稼働率の適正値は、一般的には85〜90%程度が目安とされています。
90%を超える高い稼働率が続くと、オペレーターが常に対応に追われ、休憩や事務処理の時間が不足します。一方で、稼働率が低すぎる場合は人員過多の可能性があり、コスト効率が悪化します。
コールセンターでは、稼働率と占有率の両方を確認しながら、適切な水準を保つことが重要です。

オペレーターのステータス管理
コールセンターの稼働率を適切に保つには、オペレーターのステータス(状態)をリアルタイムで把握し、適切に管理することが重要です。
オペレーターが「通話中」「後処理中」「待機中」「離席中」など、どのような状態にあるのかを可視化することで、人員配置の最適化や業務フローの改善につなげられます。
例えば、待機時間が長いオペレーターが多い場合は人員過多の可能性があり、逆に常に通話中で後処理の時間が取れていない場合は人員不足やプロセスの問題が考えられます。
ステータス管理ツールやコールセンターシステムを活用し、リアルタイムでオペレーターの状況を把握しましょう。
タスクマネジメントを行う
稼働率を適切に保つ方法の1つとして、タスクマネジメントの導入が挙げられます。
オペレーターが適材適所で配置されていない場合、チーム本来の能力を発揮できていないかもしれません。チーム単位でタスクマネジメントを導入することで、タスクごとに適切な人材を配置でき、稼働率を適正に保てる可能性があります。
例えば、複雑な問い合わせに対応できるスキルの高いオペレーターには高度な案件を割り当て、新人オペレーターには比較的シンプルな問い合わせを担当してもらうなど、スキルに応じた配置をしましょう。
▼タスクマネジメントのやり方については、下記の記事を参考にしてください
スキルアップの時間を確保する
オペレーターがスキルアップできる時間を確保することでも、長期的に見れば稼働率を適正に保つことにつながります。
仕事に習熟していないオペレーターがいる場合、1件あたりの対応時間が長くなり、チーム全体の生産性が低下します。このようなオペレーターが研修や勉強会を通じてスキルを向上させることで、対応時間の短縮や対応品質の向上が期待できるでしょう。
スキルアップの時間を将来への投資と考え、定期的な研修や勉強会、ロールプレイングなど、スキルアップにつながる機会を設けることを検討してみてください。
特に、製品知識やシステムの操作方法、よくある問い合わせへの対応方法などを習得することで、オペレーター全体の対応力が向上し、結果として稼動率の適正化につながります。
▼コールセンターにおける「稼働率」の計算方法や適正な水準を維持する方法については、下記の記事でも解説しています
稼働率の可視化に必要な指標
稼働率を正確に算出し、改善につなげるには、従業員の稼働に関するデータを計測・管理することが重要です。ここでは、稼働率の可視化に必要な2つの指標について解説します。
稼働時間データを計測
稼働率を算出するには、実際にどれだけの時間稼働したのかを正確に計測する必要があります。
稼働時間データの項目として、以下の例が挙げられます。
- 設備名
- 稼動状況
- 開始時刻
- 終了時刻
手作業での記録は入力漏れや誤入力のリスクがあるため、ITツールを活用して自動的に記録することをおすすめします。
稼働時間を正確に計測するのにおすすめなのが、工数管理を可視化できるツール「TimeCrowd」の導入です。
TimeCrowdを利用することで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を記録し、リアルタイムで稼働状況を確認することができます。
▼(例)TimeCrowdのレポート画面

タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで簡単に記録ができるため、従業員の負担を最小限に抑えたうえで導入が可能です。また、Google カレンダーやOutlook カレンダーなどの外部ツールと連携を行うことで、情報内容を紐づけて、打刻作業を自動化することもできます。
あらかじめ従業員ごとの時間単価を設定することで、プロジェクトごとの人件費を算出し、収支管理に役立てることも可能です。
TimeCrowdのサービス内容に少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください。また、最初の2週間は無料でお試しいただけますので、操作性が気になる方はお気軽にお問い合わせください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード TimeCrowdの無料トライアルに申し込む基準時間データを設定
稼働率を算出するには、実稼働時間だけでなく、基準となる時間を設定する必要があります。
稼動日数や稼動可能時間をあらかじめ設定しておくことで、きちんと稼働率の数値が実態を反映することが可能です。
基準時間を定期的に見直し、現場に即した数値を設定することで、より実用的な稼働率の管理ができるようになります。
稼働率を可視化して生産性を高めよう
本記事では、稼働率の計算方法や捉え方について解説しました。近年では、深刻な人手不足による影響から、生産性向上に向けた取り組みに注目が集められています。しかし、さまざまなビジネスの現場で稼働率を高める(適正に保つ)ことの重要性が叫ばれているなかで、実際に本腰を入れて取り組んでいる事例は数多くありません。
稼働率の改善に取り組む際には、まずは現状を正しく把握することが重要です。
TimeCrowdのような工数管理ツールを取り入れることで、組織全体で「どのプロジェクト(業務)に・どれくらい時間(人件費)をかけているのか」をリアルタイムで可視化することができます。
プロジェクトごとの収支を確認したり、ボトルネックとなる業務を特定することに役立つため、大手企業から中小企業まで累計4,000社以上の企業様でご利用いただいています。少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください。また、2週間の無料トライアルもご用意しています。操作性の気になる方はお気軽にお問い合わせください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード TimeCrowdの無料トライアルに申し込む




