プロジェクトが長期にわたる場合、最終目標しか設定されていないと進捗管理がしにくくなったり、従業員のモチベーションが下がったりする懸念が考えられます。
それらの懸念を避けるためには、マイルストーンの設定が重要です。マイルストーンとはプロジェクトの中間目標のことで、品質や従業員のモチベーション維持に役立てられます。
この記事では、マイルストーンについて以下の項目を解説します。
- スケジュールやタスクとの違い
- マイルストーンを作成するメリット
- マイルストーンを作成する方法と注意点
プロジェクトをスムーズに進行させるため、そして品質の維持向上に努めるために、ぜひ本記事を参考にしてマイルストーンを設定してみてください。
目次
マイルストーンとは
マイルストーンとは、プロジェクトにおける中間地点のことです。1マイルごとに置かれた標石が語源になります。
マイルストーンをプロジェクトの重要な地点に設定することで「プロジェクトの進捗に問題はないか」を途中で確認できます。最終的なゴールだけでなく中間地点が可視化されていることにより、プロジェクトを滞りなく遂行するのに役立つでしょう。
スケジュールとの違い
スケジュールとは、プロジェクトにおけるタスクの期日を設定して、時系列順に並べたものです。すべてのタスクと、プロジェクトの流れを把握するのに用いられます。
一方でマイルストーンは、あくまでプロジェクトの中間目標のこと。単なる日付ではなく、プロジェクトの重要なポイントを意味するものです。スケジュールとは異なり、全てのタスクをマイルストーンで把握することは基本的にできません。
▼スケジュール管理を行いたい人は下記記事を参考にしてください
タスクとの違い
タスクとは、プロジェクトを進めるために行うすべての業務を指します。
マイルストーンはプロジェクトの重要な節目のことで、タスクそのものをマイルストーンに設定することはできません。
▼タスク管理を行いたい人は下記記事を参考にしてください
マイルストーンの例
マイルストーンは、具体的に以下のように設定されます。
<例>
- プロジェクト
→システム開発 - マイルストーン
→要件定義の実施
→開発完了
→すべてのテスト完了
→リリース - タスク:
→(要件定義の場合)クライアントへのヒアリング
→必須要件と希望要件の整理
→要件定義書の作成
→クライアントとの合意形成
上記で設定したマイルストーンとタスクを図にすると、以下のようになります。
マイルストーンを設定する4つのメリット
プロジェクト管理においてマイルストーンを設定することには、以下4つのメリットがあります。
- スケジュールを管理しやすくなる
- モチベーションが高まる
- 品質を維持しやすくなる
- タスクの抜け漏れを防げる
プロジェクトを成功に導くために重要となるポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。
スケジュールを管理しやすくなる
メリットの1つ目は、中間目標としてのマイルストーンを設定することにより、スケジュールを作成・管理しやすくなるという点です。
プロジェクトの最終目標しか定まっていないと、以下のようなデメリットがあります。
- フェーズやプロセスが不明瞭で、スケジュールを設定しにくい
- 遅延が発生していても気づきにくい
マイルストーンを設定することで、中間地点までのフェーズやプロセスが明確になるので、スケジュールを立てやすくなります。
また、決められた期日までにマイルストーンに到達していなければプロジェクトが遅延していると分かるので、迅速に対応できます。
モチベーションが高まる
メリットの2つ目は、従業員のモチベーションが高まるという点です。
最終目標や長期的な目標しかないと、ゴールまでにモチベーションが低下する可能性があります。中間地点としてのマイルストーンを設定しておくことで、ゴールまでの達成箇所が増えて、モチベーションを維持しやすくなります。
品質を維持しやすくなる
メリットの3つ目は、プロジェクトの品質を維持しやすくなるという点です。
品質管理をプロジェクト全体で行うと、管理しきれず、品質が低下する可能性があります。一方で、マイルストーンごとに品質管理をすることで、プロジェクト全体の品質を維持しやすくなるでしょう。
品質管理のポイントは、マイルストーンごとに品質基準を定めて、基準をクリアしながらプロジェクトを進めることです。品質が低下している場合もマイルストーンで定めた期間に軌道修正できるため、改善しやすいというメリットがあります。
タスクの抜け漏れを防げる
メリットの4つ目は、タスクの抜け漏れを防げるという点です。
プロジェクトの途中で、タスクの抜け漏れは発生してしまうものです。マイルストーンごとに区切ってタスクを洗い出すことで、タスク全体を把握しやすくなり、抜け漏れ防止につながります。
マイルストーン設定の4つのステップ
マイルストーンの設定は、以下4つのステップで行います。
- ガントチャートを作成する
- マイルストーンを設定する
- タスクを設定する
- 担当者を決定する
マイルストーンの作成手順を、1つずつ解説します。
ガントチャートを作成する
ガントチャートとは、プロジェクトに必要となるタスク・担当者・期日を洗い出して、スケジュールに落とし込むフレームワークのことです。
一般的に、プロジェクトの開始前にガントチャートを作成して、プロジェクト全体のスケジュールを決定します。
▼ガントチャートを導入する目的や作成方法については下記記事を参考にしてください
マイルストーンを設定する
次に、ガントチャートで作成したスケジュールのなかで、重要な地点をマイルストーンとして設定します。
一般的には、各フェーズが終わった段階をマイルストーンとして設定することが多いです。
<プロジェクトにおけるフェーズの例>
- 企画
- 設計
- 実施
- テスト
- 完成
また、フェーズではなく品質を基準にマイルストーンを設定する方法もあります。
マイルストーンが決まったら、期日を設定して「いつまでにフェーズを完了させなければならないのか」を明確にしておきましょう。
タスクを設定する
次に、タスクを設定します。各マイルストーンに到達するまでのタスクを洗い出して、期日を設定します。
このときに、プロジェクト全体でタスクを洗い出してしまうと、タスクの抜け漏れが発生しやすくなります。各マイルストーン内で達成までに必要になるタスクを洗い出して、抜け漏れがないのかを確認するのがポイントです。
担当者を決定する
タスクを設定できたら、マイルストーンを管理する担当者を決定します。
担当者が決まっていないと、誰もフェーズの進捗を管理しない可能性があり、どこまで進んでいるのかわからないという事態になりかねません。
各タスクの担当者を決定して、チームメンバーがそれぞれ責任感を持って業務に取り組めるようにするのがポイントです。
マイルストーンの管理にはテンプレートの活用がおすすめ
マイルストーンの管理には、テンプレートを活用するのがおすすめです。
(引用:Microsoft)
とくにマイルストーンをエクセルやパワーポイントで作成する際には、Microsoftから無料で提供されているテンプレートを利用できます。
マイルストーン設定の3つの注意点
マイルストーンを設定する際は、以下3つのポイントに注意する必要があります。
- 現実的な設定にする
- タスクと混同しない
- マイルストーンの数を増やしすぎない
マイルストーン作成時の注意点について、1つずつ解説します。
現実的な設定にする
1つ目が、現実的なマイルストーンを設定するという点です。
スケジュールやリソースの兼ね合いを見ながら、現実的に到達できる期日でマイルストーンを設定します。
タスクの量・工数・所要時間を把握し、実現可能なマイルストーンを設定した後は、チームメンバーや管理者に確認をしてもらい、フィードバックをしてもらいましょう。
タスクと混同しない
2つ目のポイントは、タスクとマイルストーンを混同しないという点です。
タスクをマイルストーンに設定してしまうと、フェーズ全体の進捗を把握できなかったり、遅延している場合に原因を突き止められなかったりします。
プロジェクトが破綻する原因にもなるため、タスクをマイルストーンに設定せず、あくまでフェーズの完了をマイルストーンとして設定するようにしましょう。
マイルストーンの数を増やしすぎない
3つ目は、マイルストーンの数を増やしすぎないということです。
マイルストーンを細かく設定することで、スケジュールを管理しやすくなります。ただし、マイルストーンの数を増やしすぎると、管理に手間と時間がかかったり、途中で軌道修正がしにくくなったりするというデメリットがあります。
マイルストーンの数は増やしすぎず、適度に設定することが重要です。
まとめ|プロジェクトのタイムマネジメントにはTimeCrowdの活用がおすすめ
設定したマイルストーンを期日内に達成するためには、タイムマネジメントが重要です。
特に複数人が関わるプロジェクトでは、1人のタスクの抜け漏れや遅延が、タスク全体の進捗に影響をもたらすことがあります。ひとりひとりがタイムマネジメントを取り入れて、抜け漏れなくタスクに取り組む必要があります。
組織内でタイムマネジメントを取り入れるには、TimeCrowdがおすすめです。「誰が・いつ・どのタスクに取り組んだのか」、そして「どの業務に・どれくらいの時間をかけたのか」をリアルタイムで算出できます。
従業員にはタスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻してもらうだけなので、運用に手間も時間もかかりません。PCだけでなくスマートフォンでも利用できるので、気軽にタイムマネジメントを取り入れられます。
4,000社以上の導入実績で得た知見をもとに、導入と運用をサポートさせていただきますので、少しでもご興味のある方はぜひ下記資料で詳細な機能や料金プランをご確認ください。
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