皆さんはSMARTの法則をご存じですか? 目標設定などでよく使用される法則です。
私は目標設定の他にも、毎日の時間管理や作業予定などのスケジュール、新しい仕事を受けるか否かなど、さまざまな場面でこのSMARTの法則を取り入れています。
働き方や業務の効率化に役立つ、SMARTの法則の取り入れ方を紹介します。
SMARTの法則とは
最近では「SMARTの法則」と検索するとさまざまな考え方、応用方法が出てくるようになりました。
そもそもSMARTの法則とは何の略でしょうか。それは目標設定する時に大切なことの頭文字をとったものになります。
S stretch 背伸びした目標
M measurable 成果が計測可能である
A achievable 達成可能である
R realistic 現実的である
T time-related 期限が定められている
引用:ビジネス・フレームワーク (堀 公俊著/日経文庫ビジュアル)
この「S」「A」「R」にはさまざまなバリエーションがあります。
「S」にはspecificやsimple、「A」にはaction-basedやagree、attainable、「R」にはrelevant、reasonableなどケースによって、使いわけることができます。
なかでも私がよく使用していつも使用しているのは、以下のSMARTの法則。
S specific 具体的か
M measurable 計測可能であるか
A agree 同意できるか
R realistic 現実的であるか
T time-related 期限はいつか
この法則を使用して、毎日の作業の計画やスケジュールを立てています。私の場合、内容が具体的か、その計画と納期は現実的か、その上で達成できるかを判断し、自分がこの作業を「実行する」とagree「同意」できるかどうかを考えているのです。
SMARTの法則、実際どう使う?
では、どんなふうにこの法則を使用していくのかを見ていきましょう。
case 1:年賀状を今年中に50枚出す
例えば、年賀状を今年中に50枚出すと計画したとしましょう。
このままでは、とてもアバウトです。「time-related」である期限はありますが、方法が分からないため、現実的かどうかも不明確です。では「12月25日までにかわいい年賀状を頑張って書く」という目標はどうでしょう。
「time-related」である期限は明確であり、期限まであと2週間あるので「realistic」(現実的)です。しかし、かわいい年賀状とはどんな年賀状でしょうか?どうやって作るのでしょうか?これでは方法が分からないので、達成可能かどうかも分かりませんね。「年賀状を書く」ことは明確ですが、何をもって「かわいい」とするかが具体的ではありません。
それでは、これをSMART計画に落とし込んでみましょう。
明日、ある店の女性向けデザインで最も人気がある年賀状を50枚購入。12月23日就寝までに50名の住所と名前を書き、24日朝10:00に投函。
こんな計画と目標だと、方法は具体的で、現実的に達成できそうな目標ですね。
フワッとしていた「かわいい」は、「一つの店で一番かわいいと思ったものを」「明日」「50枚購入」するという、明確なガイドラインができました。
次は、業務の配分です。 書き始めるのが12月11日だとしたら、23日までには12日間あります。50人分の宛名を書くには、今日から4.16枚ずつやればいいわけです。もちろん、年賀状に小数点はありませんから、繰り上げます。毎日5枚書けば10日で50枚。
忘年会や仕事が詰まって疲れてしまう日もあるでしょうから、書けない日が出てくることを考慮し、「毎日6枚」書くことにしましょう。早く終わる分には問題ありません。「就寝前の30分」を、この宛名書きに使います。
こんな目標であれば、「実行する」と自分自身がそれにagree「同意」して業務に取り掛かることができます。
case2:100件のブログ記事を書く
「100件のブログ記事を書く」という目標があったとします。この目標自体は「measurable」計測可能な目標です。しかし、納期によっては「realistic」現実的ではない場合があります。
この目標、もしも納期が明日であれば、「realistic」現実的ではありません。納期を明確にしなければ、そもそもこの業務ができるかどうかも判断できません。「なる早」というのは、本来納期とするべきではないのです。
ここで大事なのは、「1人が何本の記事を1日あたりで書けるのか」を現実的に割り出し、精神論や気力の話ではなく、冷静な計算で業務配分をして、実行すること。「とにかく頑張ろう」というのは非常に危険で、どんなに頑張ろうとできないものはできません。ならば「どうすればできるのか」を考えましょう。
1ヵ月の稼働日を20日、毎日8時間とし、全ての業務時間をこのブログ作成に使えるとします。仮に、「1日で5本ブログ記事を書ける」としたら、100本の記事を書くには、ちょうど20日間、つまり1ヵ月フル稼働すれば納品が可能です。
クライアントによっては、複数の人に携わらせて納期を早めたいという場合もあるでしょう。この場合には業務に従事する人数を増やし、1日あたりに書ける記事総数を増やすことで、「realistic」現実的で達成可能な納期の設定ができるはずです。
例えば、「1日で5本ブログ記事を書ける」人を5人集められたら、1日あたり25記事ですから、5日の稼働日で納品できます。「1日で1本ブログ記事を書ける」人たちしかいなければ、25人を従事させてようやく5稼働日での納品が可能となります。このように、すべての要素を組み合わせて、期日までに具体的で現実的、かつ達成可能な目標を作っていくのです。
もしも、「時間はない」「予算もない」「人もいない」「だからとにかくやってくれ」というクライアントがいたら、その仕事は請けないことをお勧めします。なぜならそうした仕事を受けていたら、体も心も壊してしまうからです。その人の心配をする必要はありません。あなたの人生をSMARTに生きてください。
作業の内容や優先順位を決める際には、アイアイ式が役立ちます。また計画さえ立ててしまえば、後はマイルストーンで管理もできますね。ぜひ、毎日の作業に取り入れてみてくださいね。