工数不足が起こる原因とは?発生する問題や6つの対策について解説

「プロジェクトがスケジュールどおりに進まない…」
「一生懸命マネジメントを行っているのに、なぜ工数が足らなくなるのだろう?」

このように、プロジェクトをスタートさせる前にしっかりと予算を立てているのに、スケジュールどおりに進まないことに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、工数不足が発生する問題について原因や具体的な対策を解説します。チームの管理を適切に行って、プロジェクトを成功に導きたい方はぜひ参考にしてください。

工数不足で発生する問題

工数不足とは、文字どおりの意味で受け止めるとヒト・モノ・金・情報が足りていない状態と言えます。そのような工数が不足した状態になると、具体的にどのような問題が発生してしまうのか以下で紹介します。

納期に間に合わない

工数不足で発生するよくある問題が、プロジェクトの納期に間に合わなくなることです。

プロジェクトの遅延によって納期に間に合わなければ、ステークホルダーからの信用低下やコスト増加といったことが起こります。さらに原因の追求や報告が必要となり、本来行わくてよいタスクが増えることも考えられます。

成果物の品質低下

工数が不足した状態でなんとか納期に間に合わせようとすることで、成果物の品質が低下するリスクがあります。

工数不足によってレビューやテストの時間が十分に取れなければ、品質を担保することは難しくなるでしょう。また、リリース後にエラーや不具合が発生したり、想定したパフォーマンスが発揮されなかったりといった問題が起これば、プロジェクトは成功したと言えなくなります。

残業の常態化

工数不足をカバーするために長時間の残業が常態化することも、よくある問題のひとつと考えられます。疲労が貯まることで判断の遅れや間違いが発生したり、体調不良に陥ったりといった理由でさらに工数が不足する危険性もあります。

また、常に残業が発生する状況では、チームメンバーのモチベーションが低下することにもつながります。

工数不足が起こる原因

工数不足が発生する原因は主に下記の3つです。

  • 見積もりが甘い
  • タスクが整理されていない
  • 進捗管理が不十分

工数見積もりの精度が低い

プロジェクトをスタートする際に、工数見積もりが適切に行われていなければ、工数が不足する可能性は高くなります。

経験や勘だけに頼ったり、クライアントの意見に従って無理やり予算を低くしたりといった場合に、想定していた工数が実際の工数を上回ってしまうというケースが発生します。

予算と実績に差分が発生すれば、スケジュール通りにプロジェクトを進められなくなります。

▼工数見積もりの精度が低くなる原因や対応策については下記記事を参考にしてください

タスクが整理されていない

タスクの洗い出しがしっかりと行われていない場合にも工数不足は発生します。

必要なタスクを整理できていない状況でプロジェクトを進めてしまうと、不足していたタスクが突発的に発生します。当然、そのタスクに対応するリソースが必要になるため、工数を圧迫することになります。

プロジェクトを開始する前に、見積もりの段階でWBSなどを活用して漏れなくダブりなく細分化してタスクを洗い出すことが大切です。

▼WBSの作成方法やポイントについては下記記事で解説していますので、あわせて参考にしてみてください


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メンバーの能力や特性を把握できていない

プロジェクトマネージャーやリーダーが、チームメンバーの能力や特性を把握できていないことも、工数不足が発生する原因になります。

能力や特性に合っていない役割やタスクを割り振らてしまうと、メンバーはタスクをうまくこなせず、想定よりも工数がかかってしまうでしょう。それをケアするためのリソースが追加で必要になれば、当たり前ですが工数が不足してしまいます。能力が高い特定のメンバーに負担が集中してしまうことで、さらに工数が逼迫する可能性もあります。

リーダーがチームメンバーに仕事を依頼できない

リーダーが「自分にしかできない」という思い込みからにチームメンバーに仕事を依頼できず、それがボトルネックになり工数不足が発生する場合もあります。

まわりのメンバーに仕事が依頼できず、レビューを滞ることになれば、全体の進捗がどんどん遅れていくという悪循環に陥る可能性も考えられるでしょう。

プロジェクトの進捗管理ができていない

プロジェクトの進捗管理が十分にできておらず、チームメンバーの状況が把握できていないことも工数不足が発生する原因になります。

どれだけ綿密に計画を立てたとしても、実際にプロジェクトを進めていくと想定外の事象が発生してしまうものです。どのような問題が発生した場合でも、しっかりと進捗管理が行われていればスピーディーに対処ができます。

一方で、進捗管理が適切に行われていない場合には「納期が近づいてから遅れに気づき、工数不足への対処を迫られる」という状況に陥りやすくなります。

▼プロジェクトの進捗管理を可視化する方法については下記記事を参考にしてください

工数不足を防ぐ6つの対策

工数不足を解決するための具体的な対策について解説します。

精度の高い工数の見積もり

プロジェクト開始後の工数不足を防ぐには、しっかりと見積もりを行うことが重要です。

WBSといった手法を活用してタスクを整理し、メンバーの能力にあわせて割り振りを行います。タスクを依頼する際には、役割やスケジュールを明確にすることがポイントです。そして不測の事態に備えて、バッファを設けたスケジュールを組めれば、工数不足が発生するリスクは限りなく低くなります。

不必要なタスクを削減する

工数不足の対策として有効なのが「やるべきタスク」と「やらなくてよいタスク」の精査です。不要なタスクを削除できれば、そのリソースを別のタスクに充てることができます。

工数削減を行う際には、ECRSの4原則というフレームワークの利用がおすすめです。

  • Eliminate(排除)
  • Combine(結合・分離)
  • Rearrange(交換)
  • Simplify(簡素化)

上記4つの順番で検討することで、効率的に不要なタスクを除外できます。

▼工数削減に有効なフレームワークであるECRSの4原則については、下記記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください

工数不足の理由を明確にする

工数不足が発生した場合には「特定の技術的な問題が発生したのか」「タスクをこなす人手が足りないのか」といった理由を明確にしましょう。その原因に合った対策を実施しなければ、根本的な解決は難しくなります。

たとえば、難解な技術的な問題が発生しているにも関わらず、闇雲にエンジニアの人数を増やしても工数不足は解消しません。スキルの高いエンジニアを配置したり、クライアントに対して仕様変更の交渉を行ったりといったことが解決策として考えられるでしょう。

工数不足と一括りにせず「なぜ工数が不足しているのか」を特定するようにしましょう。

工数管理を徹底する

工数管理を徹底して、チームの状況をしっかりと把握することは工数不足の対策としてとても重要です。

プロジェクトは事前に計画を立ててスタートするものですが、想定外の事象はどうしても発生してしまうものです。そのため、問題が発生することを前提にして、工数管理を行ってプロジェクトの進捗状況をしっかりと管理する必要があります。チームの状況が把握できていれば、工数不足が発生する前にチームとしてケアを行うことが可能です。

TimeCrowdは、リアルタイムでチームのメンバーが「どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」を確認できるツールです。

timecrowd

操作は非常にシンプルです。タスクの開始時と終了時のタイミングで、タスク名を選択してワンクリックで打刻をするだけで「どの業務に・どれぐらい時間をかけたのか」を記録できます。工数入力の負担を最小限に抑えたうえで、プロジェクトごと(タスクごと)の工数データの取得が可能です。

また、工数データの集計や加工業務も不要です。ダッシュボード画面から、自動集計されたデータをリアルタイムで確認できます。

▼TimeCrowdのレポート画面

「時間がかかり過ぎているタスク(プロジェクト)がないか」や「特定のメンバーに業務負担がかかり過ぎていないか」を確認して、工数不足の発生を事前に防ぐことができます。

サービス内容について少しでもご興味のある方は、下記の資料から具体的な機能や料金プランをご確認ください。

工数管理ツール「TimeCrowd」のお問い合わせ

▼その他にもおすすめの工数管理ツールは下記記事でご紹介しています。あわせて参考にしてください

チームの知識や能力の向上に取り組む

チームの知識や能力の向上に取り組むことは、生産性アップにつながり、工数不足の発生を防ぐことにもつながります。

たとえばシステム開発の現場では、レビューの時間をしっかりと設けたり、ペアプログラミングを行ったりすることで、プロジェクトを進めながらスキルアップを図ることも可能です。

また、定期的な勉強会や自己研鑽のためのフォロー体制を整えることもスキルアップにつながります。チーム全体の知識や能力の向上を実現するために、学ぶ時間を積極的に確保しましょう。

アウトソーシングを活用する

人手が足りないことが工数不足の原因である場合、すべてを社内で対応することが困難な場合もあるでしょう。そのような場合には、工数不足を解決するためにアウトソーシングを活用するという方法もあります。

アウトソーシングを活用するには、品質の低下を防ぐために、しっかりとタスクの切り出しを行うことがポイントです。切り出したタスクをアウトソーシングでこなすことができれば、チームのリソースを適切に配置できるため、工数不足を解消できるでしょう。

見積もりと管理を適切に行って工数不足を防ごう

工数不足が発生すると、納期の遅延や品質の低下といった問題が発生します。

そのような工数不足の発生を防ぐためには、精度の高い見積もり・適切な工数管理・チームのスキルアップ・ITツールの活用といった対策が効果的です。

原因と対策を理解して工数不足の発生を防ぎましょう。

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