企業にとって赤字案件は、経営状況を悪化させる大きな要因となります。
事業やプロジェクトの立ち上げフェーズなどで短期的に赤字なることは必ずしも悪いとは言い切れませんが、中長期的に赤字が続くようであれば、案件のプランニングや進め方に何らかの欠陥があることが予想されます。
意図しない赤字案件を防ぐためには、赤字を生み出している原因をしっかりと突き止めるとともに、適切に対処していくことが求められます。
本記事では、赤字案件を生み出してしまう原因を解説いたします。また、赤字案件を防ぐためにやるべきことや案件を円滑に管理するのにおすすめのツールを紹介します。
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赤字案件を生み出す4つの原因
赤字案件を生み出す主な要因として、以下の4つが挙げられます。
- 想定していなかった作業が発生する
- 案件に見合った予算が用意されていない
- メンバーのスキルが足りていない
- 案件の要件が定義されていない
想定していなかった作業が発生する
案件に着手する際には、完了までに想定される作業をあらかじめ洗い出しておく必要があります。
作業工数が管理されていなければ、想定外の作業が頻繁に発生し、その都度担当者の割り当てやスケジューリングが必要となり、案件に遅延が発生します。
想定されるタスクを全て洗い出し「ロジックツリー」にまとめ、タスクの優先順位や階層・担当者を決めることで、タスクの抜け漏れや担当者不在といった状況を回避できます。
案件に見合った予算が用意されていない
案件に見合った予算が用意されていないと案件を完遂するために必要な資源(人員・時間・ツール・設備・広告費用・開発費など)を適切に投入することができません。
例えば、新規サービスを開発してユーザーを集めるにしても、システムを開発する人員や資金がなければ案件は進みませんし、完成したサービスに広告費をかけられなければユーザーを獲得することは難しくなります。
案件を開始する際には売上の見込みを立てた上で、案件遂行にいくらの予算を用意できるかを決定しましょう。十分な売上見込みが立たないのであれば、この時点で撤退の判断をすることも大切です。
メンバーのスキルが足りていない
アサインされたチームメンバーのスキルが足りていない場合、作業が思い通りに進まず、全体の進捗に影響を及ぼします。ケースによっては追加人員のアサインが必要であったり、成果物そのもののクオリティを下げざるを得ないことも考えられます。
チームを構成する際には、類似案件を経験したことのあるメンバーや業務遂行に必要なスキルに精通しているメンバーをバランス良く案件に入れることが大切です。また「案件が始まってから業務遂行に必要なスキルレベルに達していないことがわかった」といった状況に陥らないために、プロジェクトのリーダーは事前に各メンバーの技術力を把握することが求められるでしょう。
案件の要件が定義されていない
赤字案件に陥ってしまう要因としてよくあるのが「要件定義がなされていない」もしくは「要件定義が曖昧である」ケースです。
たとえばシステム開発の案件において、顧客側が実装したい機能や仕様が不明確なまま開発をスタートしてしまうと、途中で仕様変更が発生して、スケジュールの遅延や予算の不足といった事態を招きかねません。
対応策として、あらかじめ顧客へのヒアリングを通して双方の認識をすり合わせた上で、要件定義書を作成します。この際に、顧客側が必ず実装したい「必須要件」と、できるのであれば実装したい「希望要件」に分けて、予算やスケジュールと照らし合わせながら案件を進めていくことが大切です。
赤字案件を防ぐ3つのポイント
赤字案件を防ぐためには余裕のあるスケジューリングや予算管理が求められます。ここからは、具体的な3つの対応策について解説します。
- 収益管理を行う
- 進捗状況をリアルタイムで管理する
- メンバーやチームの人件費を管理する
収益管理を行う
収益管理とは、案件ごとの売上・コスト・予算などを管理し、利益の最大化を図ることです。
収益管理を行うことで、案件ごとの利益率や収益分岐点を可視化することができます。そのため、追加の工数が発生した際や人員不足が起こった際に「気づいたら予算をオーバーして赤字になっていた」といった事態を未然に防ぐことができます。
また、収益管理を会社としてデータベース化することで、案件をスタートする際や顧客と取引をする際に「いくら売上が立つのか」「コストをどれだけかけれるのか」といった予測を立てられるようになります。
▼収益管理を行う具体的な方法については下記記事を参考にしてください
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進捗状況をリアルタイムで管理する
案件の遅延を招く大きな要因として、チームメンバーや全体の進捗がリアルタイムで見える化できていないことが挙げられます。「思ってたよりも他のメンバーのタスクが進んでいなかった」といった状況に陥らないためにも、リアルタイムで進捗を共有する仕組みが必要です。
プロジェクト管理ツールやガントチャートを活用することで、各メンバーの現時点でのステータスを確認できるようにしましょう。またツールを導入するだけでなく、いつ・何を・どのように進捗を共有するのかといったルールを作り、チームで徹底させることも大切です。
▼進捗状況を見える化する方法については下記記事を参考にしてください
メンバーやチームの人件費を管理する
案件にかかるコストの大部分はメンバーの人件費によるものです。人件費を可視化できなければ「どれくらいの売上があれば黒字になる」といった損益分岐点を把握することも難しくなります。
チームメンバーやチーム全体の単価を設定し、月ごとや四半期でいくらの人件費が発生するのかを適切に管理しましょう。工数管理ツールを導入すれば「どの業務(プロジェクト)に・どれぐらい時間(人件費)をかけているのか」を適切に管理することができます。
▼おすすめの工数管理ツールは下記記事を参考にしてください
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タスクの開始時と終了時にスタート・ストップボタンを押すだけで、チーム内で「何の業務(プロジェクト)に」「どれぐらいの時間をかけたのか」を確認できます。人件費をあらかじめ設定しておけば、プロジェクトごとの人件費の算出も可能です。
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