月間や四半期の営業目標を着実に達成するためには、営業活動を効率化することが求められます。その際に重要になるのは適切に案件を管理することです。
本記事では、案件管理の基礎知識や実施するメリット、そして成功に導くためのポイントについて解説します。「案件が適切に管理されていない」「ツールの導入を検討している」とお悩みの担当者の方はぜひ参考にしてください。
案件管理とは
案件管理とは、自社で取り扱う案件の顧客情報や進捗状況を管理することです。商談の状況を詳細に記録することで、顧客ニーズの把握や受注確度を測ることに役立ちます。
案件管理の最終目的は、部署や部門、チームごとに設定した営業目標を達成することです。商談中の案件について全員が詳細を把握することで、受注につなげるための効果的な対策を練ることができます。
案件管理を実施するメリット
案件管理を実施することで企業にもたらされるメリットは、主に以下の4つです。
- 業務の属人化を防ぐ
- トラブルの防止
- 顧客満足度の向上
- 案件の赤字化の防止
業務の属人化を防ぐ
営業活動は一人の担当者が専属で顧客対応をするケースが多く、商談の手法が属人化しやすいという懸念点が挙げられます。
案件管理を行うことで、チーム内でノウハウを共有して業務を標準化させ、チーム全体のスキルを底上げすることが可能です。
▼業務が属人化する原因や解決方法は下記記事でもご紹介しているので、あわせてご確認ください
トラブルの防止
過去に発生したトラブルや顧客からのクレームを蓄積することで、二度と同じトラブルを起こさないように対策を講じることができます。
また、部下の案件状況をリアルタイムで確認できるため、トラブルにつながりそうな案件に関しては適切なアドバイスを行ったり、注意深く監視をしたりして、トラブルを未然に防ぐことができます。
顧客満足度の向上
商談内容を詳細に記録しておくことで、担当者の不在時や引き継ぎ時にも別のメンバーが対応できるようになります。
担当者が変わっても同じようなヒアリングをせず、均一の対応をすることで、顧客からの信頼獲得、ひいては顧客満足度の向上に繋がるでしょう。
案件の赤字化の防止
案件のデータが多く蓄積されると、商談中の案件の受注角度を的確に判断できるようになります。
たとえば「アポイントの日程がなかなか決まらない顧客は最終的に受注につながる可能性が低い」「特定の業種は受注率が高い」といったデータを集めることで、営業活動の効率化につながります。
営業リソースが限られているなかで、案件ごとに優先順位をつけられるため、結果的に売上の向上や赤字の防止に繋がります。
案件管理を適切に実施するポイント
案件管理は営業担当者にとっては、日々の入力作業が増えるため現場からの反発が出る恐れがあります。現場に対して必要性を説明した上で、以下の2つのポイントを意識して進めることが重要になってきます。
案件管理の項目を決める
担当者ごとに別々の項目を記載していては、適切な案件管理はできません。定量的に案件を評価するためにも記載する項目を統一します。案件管理で記載するべき項目は、主に以下の8つです。
- 担当者
- 流入経路
- 商談日 / 商談場所
- 進捗状況
- 商談内容
- 受注予定日
- 予想売上額
- 受注確度
流入経路には、顧客との最初の接点を記入します。また、商談内容に関しては、担当者それぞれで記入方法が異なってしまいがちなので、顧客の要望やニーズ、こちらからの提案内容などのフォーマットを作成することが大切です。
データを記録するルールを徹底する
案件管理は毎日情報が更新されなければ機能しません。いつ・誰が・何を・どのように記入するのかといったルールを策定し徹底することが求められます。
この際に重要なのが、営業担当者の日々の業務などを加味した上でルール作りを行うことです。「入力の項目が多い」「一日に何度も記入しなければいけない」といった案件管理の方法は、営業担当者の負担となり、ツールが機能しなくなる恐れがあります。
案件管理におすすめの方法
案件管理は、特別なツールを導入しなくてもExcelやスプレッドシートなどの無料提供されている表計算ソフトを活用することで実践できます。しかし、Excelではなく専用ツールやアプリを導入することで、管理が楽になる・売上予測がしやすくなるといったメリットも生まれます。
本章では「Excelやスプレッドシートを活用する」「専用ツールやアプリを導入する」それぞれの方法の利点について解説します。
Excelやスプレッドシートを活用する
ExcelやGoogle スプレッドシートを活用することで、コストを最小限に抑えて案件管理を始めることができます。また、Excelやスプレッドシートを使ったことがないという営業担当者は少ないため、扱い方をレクチャーする必要があまりないというメリットもあります。
その反面、Excelの場合「同時に編集することができない」「情報共有をするのに時間がかかる」といったデメリットがあります。また、多くの案件が同時並行している場合、記入する項目が多く管理が大変になる恐れがあることにも注意が必要です。
専用ツールやアプリを導入する
案件管理の専用ツールやアプリを導入することで、効率よく管理することができます。代表的なツールが「SFA(営業支援ツール)と呼ばれるものです。顧客情報・案件情報・商談管理・行動管理・予実管理などを一つのツールで一元管理することができます。
多くのツールで見やすいダッシュボードやガントチャートなどが用意されており、自社の営業活動を見える化するのに適しています。また「CRM(顧客管理ツール)」「MA(マーケティング・オートメーション)」などの他ツールと連携できるケースも多いので、営業活動からカスタマーサポートまで、自社のマーケティング活動を一気通貫で最適化することができます。
デメリットとしては、初期の導入コストやランニングコストがかかる点や、使い慣れていないツールのため使い方に関する研修が必要になることが挙げられます。
SFAの代表的なツールとして「Sences」や「Salesforce」が挙げられます。
Sences
出典:Sences
Sencesでは、AI技術を活用して進行中の営業案件のリスクを分析することが可能です。また、案件の進捗状況を直感的に認識できる案件ボード機能が搭載されており、「どの案件が・どのステータスなのか」を即座に確認できます。
Salesforce
出典:Salesforce
Salesforceは、世界で15万社以上に導入されている認知度の高いSFAツールです。商談管理から営業支援、売上予測までをひとつのツールで一気通貫で行うことができます。
営業担当者の人件費を管理して赤字を防ぐ
案件管理ツールと並行して時間管理ツールを導入することで、メンバーの稼働時間を見える化して、案件ごとの人件費を適切に管理することができます。
時間管理ツール「TimeCrowd(タイムクラウド)」は、国内3,500社以上で導入されているツールです。
タスク名を入力してスタート・ストップボタンを押すだけで、チームメンバーが「何の業務に」「どれぐらいの時間をかけたのか」を確認できます。
また、メンバーごとの時間単価を設定しておけば業務(プロジェクト)ごとの人件費計算も可能になり、収支計算にも役立てることが可能です。
法人利用では最初の2週間は無料でお試しいただけますので、少しでもご興味のある方はぜひ下記資料より詳細をご確認ください。
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