経営者や管理職の方々は、とくにテレワークの普及によって下記のような悩みを抱えていませんか?
- 従業員がサボっていないか不安だ
- メンバーの業務進捗がわからない
- 業務を効率化したいけどボトルネックがわからない
従業員の稼働状況を把握するには「業務可視化」を行う必要があります。
本記事では業務可視化について、手法や注意点などについて解説いたします。
手軽に導入できるツールから、今日から実践できる方法までご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
業務可視化とは
業務可視化とは、従業員の稼働状況やタスクの進捗状況などをデータとして収集し、管理職や従業員から見えるような状態にすることです。
「いつ・誰が・どのような業務を行なっているのか」といった情報から、業務のプロセスや各工程でかかった所要時間などを可視化します。
業務可視化を行うことで、無駄なタスクや非効率なプロセスなどを洗い出せるため、業務効率化を推進することができます。
また、想定以上に時間がかかるタスクがある場合には、適切なフォローやタスクの振り分けなどを行い、プロジェクトの遅延を未然に防ぐことが可能です。
業務可視化を行うメリット
業務可視化を行うメリットについて、下記の立場ごとにご紹介いたします。
- 経営側
- 管理職
- 従業員
経営側のメリット
経営側のメリットとしては、生産性向上や適切な人事評価の実現などが挙げられます。
- テレワークでのサボりを防げる
- 適切な人事評価が行いやすくなる
テレワークでのサボりを防げる
とくにテレワークを実施している場合は、従業員を物理的に確認できない状況のなかで「本当に働いているのだろうか?」と不安に感じることはありませんか?
実際に、テレワークの状況で仕事をサボる方が多いという調査結果もあります。マイナビニュースの調査によると、テレワーク中に仕事をサボった経験のある人は7割以上。なかには「動画サイトを視聴していた」「寝ていた」など、倫理に反する行動を取る人も少なくありません。
しかし、一度浸透させたテレワークを廃止することは「メンバーのモチベーションを下げてしまう」という理由から、なかなか実行に移すのが難しいと感じられている経営者の方も多いのではないでしょうか。
業務可視化を行うことで、テレワークの環境でも「いつ・何をやっていたのか」を可視化することができます。気になった際にいつでも確認できるほか、サボりを防ぐ抑止力になるため、生産性の向上につながるでしょう。
▼テレワーク・在宅勤務中のサボりを防ぐ方法については下記記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください
適切な人事評価が行いやすくなる
業務可視化を行うことで、数値には現れにくい従業員の隠れた努力が見つかるかもしれません。たとえば「営業の訪問前にリサーチを入念にしている」「後輩の指導に多くの時間を使っている」など。
とくにテレワークでは、働いている姿が見えないため業務の過程を評価しづらいという側面があります。
業務の結果だけで評価をしてしまうと、すぐには結果に現れづらい業務を担当している人や、まだスキルや経験が伴っていない新人などが評価されず、モチベーションを低下させてしまう恐れがあります。
適切な人事評価ができることは、離職者数の抑制につながるため、経営上でも大きなメリットになるといえるでしょう。
管理職のメリット
管理職のメリットとしては、プロジェクトマネジメントを行う際のデータとして活用できる点が挙げられます。
- 非効率な業務を把握できる
- タスクの着手状況がわかる
非効率な業務を把握できる
管理職には、業務上の責任があるため、チームの生産性を高めてメンバーが主体的に動けるような環境づくりが求められます。
しかし、チームのなかで想定以上に時間や手間のかかる業務がある場合、全体的な業務効率が低下し、生産性を大きく下げてしまう恐れがあります。
このようなボトルネックをすぐに特定できれば問題ないのですが、とくにテレワークの環境下では、なかなかボトルネックを発見することも難しいのが実情でしょう。
そのため、常日頃から業務可視化を行う必要があります。「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」をいつでも把握できるようにして、ボトルネックが発生したときにすぐに特定できる状況にすることが重要です。
業務可視化を行うことで「その業務は本当に必要なのか?」をメンバーに確認したり、「自動化や外部委託などでカバーできないか?」といった具体的な方法まで、すぐに検討ができます。
タスクの進捗状況がわかる
タスクの進捗状況について、何度も部下に確認してしまうことはありませんか。何度もしつこく聞きすぎることで、部下に対して不信感や威圧感を与える恐れがあるため注意が必要です。
しかし「着手はしているのか?」「時間はかかり過ぎていないか?」と気になることもありますよね。業務可視化を行うことで「どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を確認することができます。
「タスクに着手しているのかどうか」も確認できるため、無駄な心配がなくなり、集中して自分の業務に取り組むことができます。
▼進捗管理の重要性や具体的な方法については下記記事も参考にしてください
従業員のメリット
業務可視化は、従業員(メンバー)にとっても下記のメリットがあります。
- 時間意識が向上する
- メンバー同士でフォローができる
時間意識が向上する
業務可視化を行うことで「タスクにどれくらい時間をかけているのか」がわかり、時間意識の向上が期待できます。
「終業までに終わらせよう」「今週中には終わらせよう」と考えていると、だらだらと進めてしまったり、締め切りの直前までタスクを溜めたりしてしまう方もいるでしょう。ギリギリに着手をすると、想定以上に時間がかかり、締め切りまでに間に合わなくなる可能性も考えられます。
業務可視化を行うことで、他のメンバーに稼働時間が公開されるため、タスクに着手する強制力が働きます。また「どの業務に・どれくらい時間がかかるのか」がわかることで、所要時間を見積もる精度が高まり、スケジュールを立てやすくなります。
他のタスクやプロセスを把握したうえでタスクに取り掛かることで、早めに終わらせて次のタスクに移るという意識も芽生えるでしょう。結果として、業務を効率よく進めることを意識するようになり、従業員個人、ひいては組織全体の業務効率化につながります。
メンバー同士でフォローができる
業務可視化を行うことで、メンバー同士でフォローがしやすくなるという点もメリットとして挙げられます。
リアルタイムで「誰が・どの業務に取り組んでいるのか」が可視化されるため、必然と他のメンバーの業務状況を把握できるようになります。お互いの状況を把握することで「自分の手が空いたら他の人のタスクを手伝う」「困っているメンバーがいればフォローに入る」といったチームプレイを醸成できます。
メンバー同士がフォローしあうことで業務が効率よく進んだり、非効率なプロセスや無駄なタスクといった改善点が見えやすくなったりして、プロジェクト全体の効率化や改善につながる点がメリットです。
業務可視化を行う方法
業務可視化を行うには下記3つの方法があります。
- 業務可視化ツールの導入
- エクセルやスプレッドシートの活用
- 日報の提出を義務付ける
①業務可視化ツールの導入
業務可視化ツールを導入することで、従業員の業務状況をデータとして可視化することができます。
ダッシュボード機能から「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」をすぐに確認できるため、リアルタイムで状況把握ができる点がメリットです。
▼業務可視化ツールを導入するメリット、デメリット
- メリット:リアルタイムで状況がわかる
- デメリット:導入には費用がかかる
導入には一定の費用がかかりますが、工数入力や集計の手間を最小限に抑えられるため、運用が形骸化する心配がありません。業務可視化を積極的に行いたいと考えている企業やチームにおすすめの方法です。
おすすめの業務可視化ツールを3つご紹介いたします。
- TimeCrowd(タイムクラウド)
- Qasee(カシー)
- MITERAS(ミテラス)
TimeCrowd(タイムクラウド)
出典:TimeCrowd
TimeCrowdでは「誰が・どの業務に・どれぐらい取り組んでいるのか」を簡単に可視化することができます。
タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで、時間計測が可能です。また、Google カレンダーやOutlook カレンダーなどの外部ツールと連携をすることで、スケジュールを取得し、自動で時間計測することもできます。
計測されたデータは自動で集計され、下記のようなレポート画面から部署ごと・メンバーごと・タスクごとに所要時間を確認できます。
▼TimeCrowdのレポート画面
TimeCrowdは、工数入力・集計の手間を最小限に抑えたツールです。運用にかかる手間が少なく、ツールが形骸化する心配が少ない点が特徴です。
導入社数は4,000社以上。中小企業やベンチャー企業から、大手企業まで幅広い業種業態の企業様でご利用いただいています。
少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から、詳細な機能やプランをご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード▼TImeCrowdの導入事例はこちらからご覧ください
Qasee(カシー)
出典:Qasee
Qasee(カシー)は、日々の業務状況をデータ化できるツールです。業務カテゴリ別に作業時間を把握することで、何に時間がかかっているのかを確認することができます。
また、従業員のストレスチェック機能も搭載。過労による休職・離職などを事前に防ぐことが可能です。
大きな特徴は下記2つです。
- 従業員のストレスチェックやチームの業務負荷チェックができる
- ワンクリックでインストールができる
興味のある方は、公式HPよりお問い合わせください。
MITERAS(ミテラス)
出典:MITERAS
MITERASはパーソルプロセス&テクノロジー株式会社が運営する業務可視化ツールです。
PCのログから業務状況を把握できるため、限りなく事実に近いデータを確認できます。労働時間を正確に把握することで、サービス残業などを防ぐことができるでしょう。
大きな特徴は下記2つです。
- PCのログから業務状況を把握できる
- 労働時間を正確に把握できる
「働き方改革の一環として業務可視化に取り組みたい」と考えられている企業様はご検討ください。
▼その他にもおすすめの業務可視化ツールは下記記事でご紹介していますので、あわせて参考にしてください
②エクセルやスプレッドシートの活用
「ツールを導入する費用は確保できない」「まずは無料の方法から試したい」と考えている企業様には、エクセルでの管理をおすすめします。
エクセルで業務管理表を作成して、日々取り組んだ業務内容や所要時間を従業員に記入してもらいましょう。
Google DriveやOneDriveなどのストレージサービスを利用すれば、共通のファイルで同時編集も可能です。1日のスケジュールや今取り組んでいるタスクの進捗状況なども記入してもらうのが良いでしょう。
エクセルに苦手意識のある従業員がいる場合にはご注意ください。また、エクセルへの入力作業が負担になることで、運用が形骸化してしまう恐れもあります。運用していくなかでデメリットを大きく感じた場合、もしくは本格的に業務可視化に取り組みたいと感じた場合には、先ほどご紹介したITツールの導入をご検討ください。
▼エクセルやスプレッドシートを活用するメリット、デメリット
- メリット:即日から利用できる
- デメリット:運用に負担がかかる
▼業務管理表の作成方法については下記記事を参考にしてください
③日報の提出を義務づける
業務可視化を行う最も簡単な方法は、メンバーに日報の提出を義務づけることです。簡易的ではありますが、費用をかけずに導入ができます。
業務日報には、下記のような項目で情報を記入します。
- 今日のTodo
- 業務内容
- 成果・達成度
- 良かった点
- 課題・改善点
- 明日のTodo・目標
その日に行った業務の内容や時間を具体的に記入することで、管理者や従業員自身が改善点に気づきやすくなるというメリットがあります。
ただし、リアルタイムで業務内容を把握できないため、あくまで簡易的な手段に過ぎません。
また、業務日報を作成するためには業務中にメモを取る必要があるため、抜け漏れが発生したり、習慣化するまでに時間を要する可能性があります。
リアルタイムで、より細かく業務可視化を行いたい場合はTimeCrowdのようなITツールの導入も検討してみましょう。
▼日報の提出を義務づけるメリット、デメリット
- メリット:手間も費用もかけずに導入できる
- デメリット:リアルタイムで業務を確認できない、従業に報告の手間をかけてしまう
▼業務日報の目的やメリット、具体的な記載方法については下記記事も参考にしてください
業務可視化の進め方
業務可視化を進める下記の手順について解説いたします。
- 業務内容を洗い出す
- ボトルネックを特定する
- 改善策を実行する
業務内容を洗い出す
まずは業務内容を洗い出すことから始めます。
プロジェクトの内容・業務プロセス・タスクの内容・各タスクの担当者や所要時間などを、抜け漏れなく洗い出しましょう。とくにプロジェクト型業務の洗い出しにはWBSのようなテンプレートの活用がおすすめです。
すべて洗い出したら、フロー表を作成して体系的にまとめるという方法もあります。
▼WBSの作成方法については下記記事を参考にしてください
ボトルネックを特定する
業務内容を洗い出したら、メンバーの負担になる業務や非効率な業務(=ボトルネック)を特定します。
ボトルネックを特定するためには「どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を確認するのがおすすめです。タスクごとに所要時間を計測できるTimeCrowdのようなツールを活用して計測してみましょう。
時間がかかりすぎている業務(ボトルネック)があれば、管理者が解決策を考えるのではなく、まずは現場のメンバーに「なぜ時間がかかっているのか」「解決余地はありそうか」をヒアリングしてみてください。そうすることで、現場感のある解決策を実行することができます。
改善策を実行する
ボトルネックが特定できたら、最後に改善施策を立案・実行します。
ボトルネックを改善する方法としては、下記のような施策があります。
- 無駄なタスクやプロセスを廃止する
- プロセスを短縮、簡略化する
- 担当者を変更する
- タスクの担当人数を増員、減員する
- 業務ツールを刷新する
また、改善施策を実行したあとも効果測定をすることが重要です。思うように成果が出ない場合には、別の改善施策を再度立案・実行し、PDCAを回しながら業務改善を進めていきましょう。
業務可視化に取り組むうえでの注意点
業務可視化に取り組むのはメリットがある一方で、実施する際にはいくつかの注意点があります。
- 目的を明確にして取り組む
- 従業員の理解を得る
目的を明確にして取り組む
業務可視化はあくまで手段です。取り組むこと自体が目的になってはいけません。
たとえば「業務効率化をして生産性を向上させる」「ボトルネックを解消して労働環境を改善させる」など、取り組む目的を明確にしましょう。
とくにツールを導入する際には費用がかかるものです。また、従業員や管理者の工数もかかる施策になります。必ず目的を明確にしてから取り組むことが重要です。
従業員の理解を得る
従業員の理解を得ずに導入を進めてしまうと、不信感を抱かれる恐れがあります。また、工数入力の手間がかかり、運用が形骸化してしまう恐れもあるでしょう。
「なぜ導入するのか」という目的を明確にしつつ、丁寧な説明を行い、導入に向けて一緒に協力してもらえるような進め方を心がけましょう。
多くの場合、業務可視化の目的は「生産性向上」にあるかと思います。監視のようなイメージを与えてしまうと、従業員が窮屈に感じてしまい、かえって生産性が落ちる懸念があるため注意が必要です。
記事のまとめ
業務可視化に取り組む場合は、従業員に不信感を与えないことが重要です。また、本格的に可視化を行いたい場合はデータ分析ができるツールを導入しましょう。
業務可視化を取り入れることで、従業員一人ひとりの時間意識が向上し、組織全体の生産性向上まで期待ができます。
おすすめのツールはTimeCrowdです。タスクの開始時と終了時に、従業員が自ら打刻するシステムのため、監視のような印象をあたえずに導入することができます。
TimeCrowdは、累計で4,000社以上の企業様に導入いただいています。少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から、詳細な機能やプランをご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード