業務属人化とは?その原因とリスク、解消法を紹介します!

「業務の属人化はよくない」「属人化は企業運営のリスクになりうる」

とよく言われますが、いったいどういうことなのでしょうか。

この記事では、業務属人化の意味、その原因やリスク、対策などをご紹介します。

業務属人化とは

「業務属人化」とは、どのような意味なのでしょうか。

本項では業務属人化の意味についてご説明します。

業務属人化の意味

業務属人化とは、チーム内のある業務を担当できるメンバーが決まっており、そのメンバーに該当の業務が任せっきりになってしまうことを言います。

それゆえに、該当業務のやり方などがブラックボックス化してしまい、他のメンバーから業務の詳細がわからなくなってしまっている状態になります。

業務属人化は略して「属人化」と呼ばれ、

「この仕事は属人化してしまっているから、他にできるメンバーを教育しよう。」

「属人化を防ぐために、業務が可視化できるツールを導入しよう。」

のような形で使われます。

業務属人化の原因

それでは、業務属人化の原因はどこにあるのでしょうか。

ここでは代表的な原因を3つご紹介します。

業務の専門性が高いため

専門的な業務内容になると、どうしても業務属人化が起こってしまいがちです。

専門的な知識が必要で、少数精鋭で行うエンジニアのような仕事などは特に業務属人化が起こりやすいです。一方で、市場に同様のスキルを持った方も少ないため、メンバーを増やして属人化を防ぐということも容易ではありません。

このように、業務の専門性が高い場合、業務属人化の大きな原因となります。

リモートワークで業務状況が見えにくいため

withコロナの時代となり、リモートワークが普及した一方で、メンバーの業務状況が不透明になり、業務属人化の原因となっています。

元々は同じ場所で仕事をしていたために、業務進捗や業務スキルの共有も容易にできていたけれど、そのままリモートワークに突入したために対策ができずに業務属人化が進んでしまうような事例もあります。

リモートでの業務状況の把握方法を先に検討しておかないと、業務属人化に陥りやすいため注意が必要です。

担当業務に追われ、業務共有時間が取れない

自分の業務に追われ、余裕を持って業務に取り組めていないと、どうしても業務の進捗共有やスキルの共有は後回しになりがちです。

実際の業務中は、上司も部下の業務状況を把握できていない場合も多くあり、それもまた業務属人化を加速させてしまいます。

スキル共有の余裕がない時は、「自分がやった方が早い」状況に陥り、それゆえに業務属人化が進み、また業務に追われてしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。

このように、メンバーの業務負荷を認識した上で、業務共有の時間を確保しないと、業務属人化の原因となってしまいます。

業務属人化のリスク

それでは、業務属人化のリスクはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、業務属人化の代表的なリスクを3つご紹介します。

業務効率の悪化

ある業務が属人化すると、業務負荷が偏り業務効率が悪化します

例えば、メンバーAさんとBさんの2人がいて、業務①・②があるとします。
2人ともが業務①・②の遂行スキルを持っていれば、ちょうど仕事を半分に分け合う形で進められます。しかしながら、業務①をできるのがAさんだけで、Bさんはできない、つまり業務属人化した状態だと、仮にBさんが業務②を早く終わらせたとしても、業務①を手伝うことができないため、Aさんの負荷が高まるものの、Bさんは逆に手待ち時間ができてしまうことになります。

このように、業務属人化が進んでいると、チーム全体としての業務効率に悪影響があります。

業務品質の悪化

業務属人化のリスクとして、業務品質の悪化が懸念されます。

属人化が進んでいる業務は、個人のスキルに頼っているため、品質の基準が個人に依存し、マニュアルなども存在しない場合が多いです。

この場合、担当メンバーが欠勤した場合は品質を管理できる人がいなくなってしまうため、品質の悪化に直結してしまいます。

メンバーの異動や退職などがあった場合、さらに品質の維持が困難になり、非常に危機的な状況に陥ってしまう可能性もあるため、大きなリスクと言えるでしょう。

緊急時の対応が難しくなる

業務属人化が進んでいると、メンバーの欠勤などがあったり、ミスが発覚して緊急で対応が必要になったりした際に、スピーディーに対応することが困難になります。

メンバーの欠勤は比較的よくあることです。それにより属人化していた業務が止まってしまい、作業に遅れが出てしまう事もあるでしょう。業務のミス等で緊急の対応が必要になった際も、業務属人化が進んでいると、他に手伝えるメンバーがいないため業務負荷が大きく偏ってしまい、対応を迅速に進めることが難しくなります。

業務属人化の解消法

ここまで、業務属人化のリスクについて見てきました。

業務属人化を防ぐためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

ここでは、業務属人化の解消法を3つご紹介します。

業務担当・業務時間を見直す

業務属人化を解消するためには、社内業務の担当者とその業務時間を見直すことが重要です

まずは、チーム内の全ての業務を洗い出し、どの業務を誰が担当していて、それぞれ何時間くらいの時間がかかるのか、代わりにできる人がいるのかいないのか等を整理しましょう。

そうすると、属人化している業務が何なのか、誰に負担が偏ってしまっているのか、逆に誰に余裕があるのかがわかりやすくなります。

この業務の整理には、エクセルのような表計算ツールや、業務管理ツールを使用すると良いでしょう。

特に、メンバーの業務担当・業務時間が一目でわかるような業務管理ツールは、すぐに業務状況が把握でき、分析もしやすいため非常に便利なのでおすすめです。

そこから、業務属人化を解消するためにどこに注力すれば良いのか当たりをつけましょう。

業務可視化におすすめのツールは以下の記事でも紹介しています。参考にしてみてください。

マニュアル・品質規格書の作成

業務属人化は、マニュアルや品質規格書を作成することである程度防ぐことができます。

もともと個人に依存していた、業務の手順や、品質管理について、全てマニュアル化してしまいましょう。

品質を担保するためには、十分な品質を保てているか確認できるチェック項目を作成すると良いでしょう。

これがあれば、担当メンバーがいない時でも業務を進めることができ、品質にばらつきが出ることも少なくなるでしょう。

定期的なチェックとPDCA

業務時間を見直したり、マニュアルがあったとしても、それを定着させて属人化を完全に防ぐのはなかなか難しいことです。

上記2つの方法を試したあとにも、属人化による悪影響が起こっていないかの定期的なチェックが必要です。

再び業務の偏りが生まれていないか、マニュアル通りの手順で業務が遂行されているかどうか、担当メンバーがいなくても十分な品質を保てているかなど、定期的に確認すると良いでしょう。

そのチェックを元に再度PDCAを回し、属人化を防ぐ仕組みを定着させるようにしましょう。

業務属人化対策に便利なツール4選

ここまで業務属人化を解消するための方法を見てきました。

業務属人化の対策を全て手作業で行うことも可能ですが、実際にやろうとするとかなり効率が悪く、苦労することも多いでしょう。

そこで、業務属人化を解消するために利用できる便利なツールを4つご紹介します。

TimeCrowd

TimeCrowd:https://timecrowd.net/

費用:無料〜

特徴:業務時間を見える化し、業務属人化を防止できるツール

TimeCrowdは、チームのメンバーがどの業務にどのくらいの時間を使っているかを集計し、業務属人化を防げるツールです。

前述したように、業務属人化を防ぐ上で、業務担当・業務時間の見直しと、定期的なチェックは必須になってきます。

TimeCrowdを使えば、各メンバーの業務時間が一目でわかり、チーム全体としてもどのくらいの業務時間を使っているかがわかります。そのため、属人化している業務もわかりやすく、対策をした後にその効果が出ているかの確認も容易です。

無料トライアルも可能なので、業務属人化対策を行う初期段階に一度登録してみると良いでしょう。

MITERAS

MITERAS:https://www.persol-pt.co.jp/miteras/work-visible/

費用:無料(トライアル1ヶ月)〜

特徴:労働時間の把握と業務内容の可視化ができるツール

MITERASは、「タイムレポート」機能と「ジョブレポート」機能を使って、仕事の見える化を進められるツールです。

タイムレポート機能で社員の労働時間を把握し、ジョブレポート機能を使って、各社員がどの業務にどのくらいの時間を使っているかを知ることができます。

また、従業員が各アプリケーションで1分間に何回打鍵したのかも確認できます。業務属人化が起こっていると、逆に手が空きすぎてしまう社員も出てくる可能性があるため、この機能を使ってそれを把握できるのも利点です。

Asana

Asana:https://asana.com/ja

費用:無料〜

特徴:チームの業務管理・業務連携がメインの便利ツール

Asanaは、デザインがシンプルで使いやすく、世界中で愛されている業務管理ツールです。

Google WorkspaceやSlack、Teamsなどの200もの外部サービスとの連携も可能で、そのようなサービスをすでに使用しているチームにおすすめです。

業務時間を把握するための打刻機能はありませんが、業務を細かく分類し、誰がどのタスクをどこまで進めているか等を把握するのに便利なツールです。

Trello

Trello:https://trello.com/

費用:無料〜

特徴:付箋を貼るようなイメージで直感的にタスクを管理し、属人化を防ぐツール

Trelloは、付箋のような形のタスクシートを動かすことによって業務管理ができるツールです。

細かくタスクを分けた上で、各タスクの担当者がすぐわかるので、属人化が起こっていれば一目でわかるような仕組みになっています。

業務負荷が偏っていることをチーム全員で把握することができるため、チーム全体で助け合いながら業務を進めるような環境を作ることができるでしょう。

まとめ|業務属人化を防いでいくために

ここまでご説明してきた通り、業務属人化は、すぐに問題が生じるわけではないため放置されがちですが、長期的に放置してしまうと大きな問題を生むリスクを孕んでいます。

大きな問題が生じる前に、ご紹介したツール等を駆使しながら、チーム内で協力して業務属人化対策を行っていくのはいかがでしょうか。

 

TimeCrowdに戻る