マイクロマネジメントとは?部下への影響や対策について解説

マネジメントスタイルは、職場の雰囲気や従業員の働きやすさを左右する大きな要因のひとつです。

もちろん業務状況を管理すること自体は重要である一方で、あまりにも過度に干渉してしまう「マイクロマネジメント」は、従業員個人の生産性に悪影響を及ぼすという考え方もあります。

この記事では、マイクロマネジメントが生まれる背景や従業員に及ぼす影響などについて解説いたします。マイクロマネジメントを防ぐ方法についてもご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

マイクロマネジメントとは

マイクロマネジメントは、仕事の進捗状況を上司やマネージャーが細かく管理・指摘をするマネジメントスタイルのことです。

近年では「過干渉」の意味で用いられる傾向にあります。細かく管理すること自体は決して問題ではありませんが、部下の意思や自主性を奪い、ときには組織全体の心理的安全性を低下させる原因になるという側面から問題視されることがあります。

マイクロマネジメントの具体例

マイクロマネジメントの具体例として、下記のような行動が挙げられます。

  • 業務の進捗状況を必要以上にチェックする、頻繁に報告させる
  • メールやチャット、書類などの文面を必要以上にチェックして指摘する
  • ささいなミスを執拗に追求したり責めたりする
  • テレワーク中に常時Webカメラをオンにさせ、監視する

管理すること自体を目的にしてしまうと、かえって従業員の生産性を低下させてしまうこともあるため注意が必要です。

マイクロマネジメントが増加する背景

マイクロマネジメントが増加する背景には、下記のような社会的変化が挙げられます。

  • 働き方の多様化
  • 人材の多様化
  • 主力事業における市場の成熟化

働き方の多様化

マイクロマネジメントが増加する背景の1つに、多様な働き方が普及したことが挙げられます。

たとえばテレワークでは、オフィスでの業務と異なり「部下がいま・何をしているのか」を目視で確認することができません。

「もしかしたら業務に困っているのではないか」という善意や、「サボっていないだろうか」という猜疑心などから不安になり、過度に干渉してしまうというケースが考えられます。

人材の多様化

雇用する人材が多様化していることも、マイクロマネジメントが増加する背景の1つです。

新卒入社や中途入社、国籍やキャリアなど、異なるバックグラウンドを持つメンバーに対しても、管理者は均質なコミュニケーションを取ることを求められます。

「自分の意図が正しく伝わっているか」「過不足なくコミュニケーションができているか」などが不安の引き金になり、過剰な報告を義務づけたり、細かくチェックをしてしまうというケースがあります。

主力事業における市場の成熟化

自社の主力事業で大きな成長が見込めなくなっている状況も、マイクロマネジメントに陥りやすい原因だと考えられます。

市場が成熟化することで、従来通りのやり方では大きな成果をあげることが難しくなります。発想の転換や新しい価値の創造といった変化が求められますが、管理者が変化を恐れるあまり、従来のやり方に固執してマイクロマネジメントに陥るケースがあります。

これまで通りのやり方を強要したり、ミスやリスクを過剰に避けようとして過干渉になることで、マイクロマネジメントに陥る可能性があるため注意が必要です。

上司が部下にマイクロマネジメントをしてしまう理由

上司が部下にマイクロマネジメントをしてしまうのは、上司自身の不安や自己顕示欲が原因となる場合があります。

マイクロマネジメントの原因となる、上司の心理状態について解説いたします。

上司の不安や心配

上司が部下にマイクロマネジメントをしてしまう大きな理由のひとつが、上司自身の不安や心配です。

自分の管理能力に自信がなかったり、新しい環境に適応できなかったりする不安から、部下に対して過度な干渉をしてしまうのです。

また、部下がミスをしたり、思うような成果をあげられなかった場合に「自分の管理責任を問われるのではないか」と恐れることも、マイクロマネジメントをしてしまう原因につながります。

「昔、自分も大きな失敗をしたから…」という理由から、部下に同じ思いをさせまいとして、マイクロマネジメントに陥ってしまうケースもあるでしょう。いずれの場合でも、上司自身の不安感や心配が引き金になります。

上司の自己顕示欲

マイクロマネジメントの心理的な要因には、上司の自己顕示欲が関係している場合もあります。

「周囲から管理能力が高いと思われたい」「自分の指示のおかげで成果が出せたと評価されたい」といった思いから、マイクロマネジメントに陥ってしまう可能性があります。

しかし、部下からの信頼を失ったり、生産性を低下させたりしてしまえば、望むような成果が出せずに、かえって管理能力を疑われてしまう可能性があるため注意が必要です。

部下の自主性を尊重して、個人の成長を促すようにマネジメントをすることが重要になります。

マイクロマネジメントが及ぼす悪影響

マイクロマネジメントは、従業員に下記のような悪影響を及ぼす恐れがあります。

  • モチベーションが低下する
  • 自主性が損なわれる
  • ストレスによって離職者が増える

モチベーションが低下する

過度な干渉が常態化すると、モチベーションが低下する従業員も出てくるでしょう。

ミスを執拗に責められると「自分は信頼されていないのか」と不安感に襲われてしまいます。心理的安全性が低下することで、かえって報告・連絡・相談の頻度が減ってしまう恐れも考えられます。

自主性が損なわれる

細かく指示を出すことで、従業員の自主性が損なわれてしまうという点もデメリットとして挙げられます。

成果物に対して過剰にダメ出しをしたり、作業手順についてあまりに細かく指示を出していると「言われた通りにやればいいや」という考えから、従業員が自主的に業務に取り組まなくなってしまいます。

また、業務をより良くするための努力ではなく「怒られないための努力」をするようになってしまう恐れもあるでしょう。

ストレスによって離職者が増える

常日頃から細かく指摘をされていると、従業員は「信用されていない」と感じてストレスが溜まってしまいます。

ストレスによるメンタルの落ち込みは、パフォーマンスを大きく低下させる原因になります。また、メンタルヘルスの悪化が長引くことで離職をするメンバーが出てくる可能性もあるでしょう。

離職者が増えてくると、他のメンバーで業務を補填する必要があります。1人あたりの業務量が増えることで、さらに離職者が増えてしまうなど、負の連鎖が止まらない可能性も考えられるため注意が必要です。

マイクロマネジメントを防ぐ対策

マイクロマネジメントを防ぐには、下記の対策を検討してみましょう。

  • 報告のルールやタイミングを見直す
  • 管理職本来の役割を再確認する
  • 従業員に権限委譲をする

報告のルールやタイミングを見直す

業務確認を過度に行わないように、報告のルールやタイミングを見直すことが重要です。

マイクロマネジメントの特徴の1つに「細かい報告を頻繁に行わせる」ことが挙げられます。

従業員に対して進捗確認のプレッシャーをかけないように、確認の頻度を減らしたり、確認をしなくても業務状況を把握できるITツールを導入したりなど、工夫を凝らす必要があるでしょう。

業務状況を正確にリアルタイムで把握するには、工数管理ツールTimeCrowdの導入がおすすめです。

従業員がタスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで、管理者は「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を確認できます。

▼TimeCrowdのレポート画面

逐一「いま何をしているの?」と確認をしなくても、レポート画面を確認するだけで業務状況を簡単に把握することができます。

想定よりも時間がかかっている業務があれば「何かサポートは必要ですか?」と声をかけるなど、従業員の心理的安全性を担保しつつ、コミュニケーションをとることができるでしょう。

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管理職本来の役割を再確認する

管理職が本来の役割を再確認することで、自分の業務に対して優先順位をつけて、部下に対する過度な干渉を避けることができます。

部下に過度な干渉をすることは本来の役割ではありません。多くの場合は売上をあげたり、プロジェクトを成功させたりなど、より組織全体に関することが役割になります。

管理はあくまで手段であり、それ自体が目的にならないように、一人ひとりが改めて確認をする必要があるでしょう。

従業員に権限を委譲する

マイクロマネジメントを防ぐには、従業員(部下)に権限を移譲することも必要です。

自分のやり方を部下に強いるのではなく、権限は移譲してやり方を任せてみるのも良いでしょう。もちろん管理者という立場上、結果を管理する必要はありますが、やり方を部下に任せることで結果がさらに良くなったり、部下の自主性を尊重できるというメリットがあります。

まとめ

過度な干渉をする「マイクロマネジメント」は、従業員にストレスを与えてしまい、最悪の場合は組織全体にも悪影響を及ぼす可能性があります。

経営者や管理職の方々は定期的にマネジメントスタイルを見直して、自分自身がマイクロマネジメントに陥っていないかを確認するとよいでしょう。

また、マイクロマネジメントを防止するには、業務確認の頻度や方法を見直すことが重要です。

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