業務効率化とは?具体的な方法やおすすめのツールを紹介

社内や部署内で、業務効率化を進めたいと考えている方も多いでしょう。しかし、いざ効率化を進めようと思っても、まず何から始めれば良いのか悩んでしまいますよね。

本記事では、業務効率化についてメリットや具体的な進め方、おすすめのツールなどをご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。

業務効率化とは

業務効率化とは、業務を進めるうえでのムダを取り除き改善することを指します。

例えば下記のようなものが代表的です。

  • 会議を必要最小限の人数で実施すること
  • アナログなデータ入力を自動化すること
  • アウトソーシングを活用すること

いずれも、時間や費用面でのコストを削減する目的で実施されます。

働き方改革やDX化の影響から注目を集めている

業務効率化はここ10年ほどで急速に注目され始めました。背景としては2016年8月に閣議決定された「働き方改革」による影響が大きくあります。ワークライフバランスの実現を目的として、限られた時間のなかで今までと変わらない、もしくはそれ以上のパフォーマンスを出すために「業務効率化」に取り組む企業が増えてきました。

また、働き方改革のみならず「DX化(デジタルトランスフォーメーション)」が世の中で注目を集めたという背景もあり、業務効率化が実現できるツール自体も世の中に普及しつつあります。(タスク管理ツールやRPAツールなど)
これらのツールが普及したことで、各社でムダな業務の洗い出し、定形業務の自動化などが行われるようになりました。

テレワークのなかで苦戦している企業も多数あり

2020年に起きたパンデミックの影響から、テレワークを実施する企業も増えました。しかし、テレワークのなかで業務効率化を進めることに苦戦している企業も数多くあるでしょう。多くの企業は「従業員の業務を可視化できておらず、効率化するべき対象がわからない」というブラックボックス化現象に陥っているのです。

しかしテレワークの状況は今後も続くと見られており、先進的な企業のなかではITツールを用いて「業務の可視化」を行ったうえで、ボトルネックとなる業務を特定して業務効率化に取り組む企業も数多くあります。

そのため、業務効率化に取り組む企業とそうでない企業の間で二極化が進んでおり、もしかすると数年後には業績にも大きな差が生じる可能性もあるでしょう。

2018年に行われたディップの調査では「63%の職場でまだまだ無駄な業務がある」という結果も出ているので「ウチの会社は大丈夫…」と思わず、自分事と捉えて取り組むべきだと考えられます。

業務効率化のメリット

業務効率化には企業や個人にとって、さまざまなメリットがあります。

生産性の向上

無駄な業務を削減することで、時間をかけるべき本質的な業務に取り組むことができるでしょう。たとえばマーケティング職であれば、発言をしない会議や手作業のデータ入力などの業務を削減することで、本来考えるべき販売チャネルの検討や広告コピー案の作成などの業務に時間をかけることができます。

このように、従業員一人ひとりが売上に直結するような業務に取り組むことで、生産性の向上、さらには企業の利益率の向上にも繋がるでしょう。

残業時間の抑制

無駄な業務が削減されれば、残業時間も減ります。

とくに昨今では時間外労働の上限規制が設けられており、残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間とされています。一人ひとりが働ける時間が減る一方で、国内では高齢化・人口減少が進んで慢性的な人手不足が続いており、新たに従業員を採用するのはなかなかハードルが高いのが現状です。

業務効率化をすれば、既存の従業員だけでも十分に業務を回せる余裕が出てくるので、取り組むのは十分メリットがあると考えらるでしょう。

業務効率化の具体的な進め方

具体的に業務効率化を進める方法についてご紹介いたします。

①業務を可視化する

業務効率化を進めるためには、まず現状の業務実態を可視化する必要があります。

誰が・いつ・何をしているのかを確認したうえで、どの業務に時間と人が費やされているのかを特定しましょう。すると必然的に業務効率化を阻むボトルネックが洗い出せるはずです。

▶関連記事「従業員の業務を可視化する方法とは?必要なツールも紹介」も参考にしてみましょう

②改善するべきボトルネックを特定する

業務の可視化ができたら、次は改善するべきボトルネックを特定しましょう。

おそらく多くの場合、ボトルネックは数多く存在します。しかし、それら全てを効率化するには多大な時間や工数が必要となり、コストが増加してかえって本末転倒になりかねません。

たとえば1日2時間・3人がかりで取り組んでいるデータ入力の自動化など、まずは効率化する工数が少なく、且つ改善インパクトが大きいものから取り組んでみてください。

③ボトルネックを軽減(or削減)する

実際にボトルネックが特定できたら、自動化ツールなどを用いて軽減するか、そもそも業務自体を削減するか検討してみてください。

とくに大きい組織では、昔から惰性的に行われている業務が数多く存在するものです。たとえばデイリーの数値入力や関係各所への提出物など。これらは本当にやるべきなのか少しでも疑問に感じたら、まずは上司や関係部署に確認してみると良いでしょう。意外と「じつは不要だった」という業務も多々あります。

業務効率化をする具体的な方法

業務効率化を阻むボトルネックを軽減するためには、具体的にいくつか方法があります。

定型業務を自動化する

定型業務はRPAツールを用いれば簡単に自動化できます。最近では非エンジニアでも扱えるツールが登場してきているので、とくにデータ入力などの単純作業が多い場合には導入を検討してみてはいかがでしょうか。

マニュアルを作成する

「教える」という業務に多くの時間を割かれていませんか?

この場合、マニュアルさえ用意すれば教える時間を最小限に抑えることができます。たとえばKibelaDocBaseなど、マニュアル作成のITツールを導入している企業も数多くあるので、新人が多く入る部署などでは検討してみると良いでしょう。

無駄な会議を減らす

無駄な会議というのは、議論がない会議を指します。たとえば多数決を取るためだけに開かれる会議などが代表例です。これはメールやチャットでも行えることですよね。

無駄な会議は、30分〜1時間ほどメンバーの業務を一斉に停めてしまうという点で、業務効率化を阻む大きなボトルネックともいえます。今すぐ見直しましょう。

業務管理・進捗管理を徹底する

業務のタスク管理・進捗管理を徹底すれば、そもそも無駄な業務は生まれません。管理者が毎日確認することは難しいと思いますが、たとえばTrelloAsanaなどを用いて定期的に無駄な業務が発生していないか確認するだけでも効果はあります。

メンバーもツールにタスクを登録する必要があるので、登録前に「この業務ってそもそも必要なんだっけ?」と一度立ち止まって確認することで、チーム全体で業務効率化に対する意識も芽生えるでしょう。

▶関連記事「進捗管理は必要?おすすめのツールやエクセルでの管理方法も紹介」も参考にしてください

アウトソーシングを活用する

自動化が難しい業務や、自動化するのにコストが膨らむ業務は、アウトソーシングの活用もおすすめです。

たとえばクラウドワークスランサーズで募集をすれば、1日1時間ほどの業務でも対応してくれる人がすぐに見つかります。採用活動にかかる工数や費用も抑えられるので、ぜひ活用してみてください。

業務効率化に役立つツール

業務効率化に役立つツールをジャンル別にご紹介します。

業務可視化ツール

業務効率化をする際に役立つのが業務可視化ツールです。従業員の業務実態を見える化することで、ボトルネックとなる業務を特定することができます。

TimeCrowd

TimeCrowdは「誰が・いつ・何をしているのか」リアルタイムで確認できるツールです。レポート機能を使えば、期間を指定してチームごと・メンバーごとに業務状況を可視化できるので、業務効率化を阻むボトルネックの特定もできます。

ボタンひとつで簡単に打刻できるので、業務管理に負担がかからずツールが形骸化する心配もありません。

また、TimeCrowdはメンバーの自己申告に基づいて業務管理を行います。性善説に基づく運用のため、監視のような印象を与えづらいのも特徴のひとつ。導入時にメンバーからの反感を買いにくい点も大きな特徴といえるでしょう。

最初の2週間は無料でお試しいただけますので、まずは気軽に公式HPからお問い合わせしてみてください。

MITERAS

出典:MITERAS

MITERASはPC利用状況とメンバーからの申告情報をもとに、業務状況を可視化できるツールです。

PCの開始終了時間の取得やソフトウェアの利用状況など、労働実態を客観的に把握できるため、長時間労働の是正や業務効率化への意識醸成が見込めます。

▶関連記事「【2022年最新版】おすすめの業務可視化ツールを徹底比較!」も参考にしてください

自動化ツール

業務可視化ツールでボトルネックとなるムダな業務を見つけたら、自動化ツールで対応できないか検討してみましょう。

WinActor

出典:WinActor

WinActorはNTTDATAが提供するRPAツールです。プログラミング知識不要で24時間フル稼働するロボットを作成できます。

自動化の対象となるのはOfiice製品やERP、ワークフロー、個別システムなど。端末の環境構築も不要でインストールするだけで利用できるので、即日利用が可能な点も特徴です。

Robo-Pat

出典:Robo-Pat

Robo-Patは全てのアプリケーション・システムに対応したRPAツールです。1ヶ月単位で契約できるので、繁忙期だけの利用も可能です。

各社に専属の担当者がつくので、質問したい点があればいつでも気軽に連絡ができます。また、最初の1ヶ月間は3ライセンスまでなら無料で体験できるので「RPAツールをまずは試してみたい」という企業様におすすめです。

タスク管理・進捗管理ツール

日々のタスク管理や進捗管理を徹底すれば、そもそも無駄な業務が生まれにくくなります。タスクごとに担当者や期日が明確になるので、責任感を持って業務に取り組む空気感が醸成されるでしょう。

Trello

出典:Trello

Trelloは、ボード上でステータスごとにタスク管理ができるツールです。

どのタスクは誰が担当していて、今どのような状況なのかをひと目で確認できる点が特徴です。Googleやebayなどの世界的な企業も活用しており、無料プランでも少規模のチームでは十分に事足りるため、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

Backlog

出典:Backlog

Backlogはプロジェクト管理におすすめのツールです。

リストやガントチャートなどでプロジェクトの進捗を可視化できるため、目標と実績の予実管理にも最適です。また、マイルストーン機能で長期間に渡るプロジェクトも小さな区切りごとに管理することができます。とくにソフトウェア開発会社やデザイン制作会社など、受託系のビジネスに携わる方におすすめしたいツールです。

▶関連記事「進捗管理の見える化とは?おすすめのツール7選とExcelで管理する方法を紹介」

ペーパーレス化ツール

社内の書類を電子化することで、保管をする手間がなくなるほか、必要になった際にもパソコン上で簡単に探し出すことができます。

シヤチハタクラウド

出典:シヤチハタクラウド

シヤチハタクラウドは、従来紙で行っていた押印業務を電子化できるツールです。たとえば社内決裁では、予め指定された捺印フローに沿って回覧されるため、決裁までにこれまで平均3日間かかっていた時間を30分に短縮することができます。

また、社外取引における押印も電子化することで、わざわざ印刷や郵送などをする手間もなくなるでしょう。意思決定までのスピードが大きく向上するほか、押印するためだけに出社する「はんこ出社」も不要になるため業務効率化に繋がります。

DocBase

出典:DocBase

DocBaseは社内の情報をクラウド上で保管できるツールです。

特定のメンバーにナレッジや業務内容が偏る業務属人化を防ぐことができます。一度公開した内容は後で共同編集もできるため、社員全員で協力してナレッジを蓄積すれば会社の資産となるでしょう。

業務効率化に取り組む際のポイント

業務効率化に取り組む際には、いくつか注意点があります。

目的を持ったうえで改善する

「とりあえずDX化を促進したいから」「上司や経営層から取り組めと言われたから」などの理由から、闇雲に業務効率化に取り組んでも何ら成果は出せません。

いつまでに何の業務を効率化したいのか、そもそもなぜ業務効率化を実現したいのか、を定めたうえで取り組みましょう。

たとえば長時間労働の是正を目的とすれば、各従業員が共通して時間をかけている業務を削減することになります。一方でコスト削減を目的とすれば、とくに人件費がかかっている業務を削減することになるでしょう。実現したいことに応じて施策が異なるので、あらかじめ目的は定める必要があります。

効率化することに工数をかけすぎない

効率化すること自体に工数がかかる場合は「本当に今すぐ効率化するべきなのか?」を今一度慎重に考えましょう。

たとえばシステムごと変える必要があったり、社内メンバーが扱えないようなツールを導入する必要があったりなど、それ自体に時間や労力が費やされると本末転倒になるので注意が必要です。

個人単位でも業務効率化に取り組む

業務効率化はチーム単位だけではなく、個人単位でも取り組むべきことです。

例えば下記のことを意識するだけでも大きく変わるでしょう。

  • どの業務に何時間費やしているのかを日頃から把握する
  • 優先順位をつけて業務に取り組む
  • 期限を決めたうえで業務に取り組む
  • ショートカット機能やパソコンの辞書登録機能などを駆使する

業務効率化に取り組んで生産性を高めよう

業務効率化に取り組めば一人ひとりの生産性が高まるので、会社の利益が向上する可能性が考えられます。また、残業時間が抑制できたりなど、従業員の働く負担も軽減されるので離職率が減るなどのメリットもあるでしょう。

とくにテレワークのなかで働いていると、気づかないところで従業員に負担をかけている可能性もあります。まずはTimeCrowdなどの可視化ツールを利用して、業務の実態を把握することから始めてみましょう。

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