プロジェクトや日常の業務において、「誰が・どの業務を担当するのか」を定めるのは非常に重要なことです。業務分担が不明確なままでは、抜け漏れが発生し、スケジュールに遅延が生じるおそれがあります。
このようなトラブルを防ぐためには、業務分担表の作成が欠かせません。本記事では、業務分担表の作成方法や運用時の注意点などについて解説いたします。管理職やプロジェクトマネジャーの方はぜひ参考にしてください。
「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」がわかる
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業務分担表とは
業務分担表とは、プロジェクトや業務において「誰が・どの業務を担当するのか」を明確にするための表のことです。具体的には、各メンバーの役割や責任範囲を定義し、それを一目で把握できる形で記載します。業務分担表は、プロジェクトの進行状況を円滑にするための基本的なツールであり、組織内外の業務の透明性や効率性を向上させるために活用されます。
たとえば、プロジェクトの開始時に業務分担表を作成することで、各メンバーが自身の責任を正確に理解し、全体の業務の流れを把握することができます。また、日常の業務においても「誰が・何をするべきか」が分かりやすくなるため、コミュニケーションの手間を減らし、業務の進行をスムーズにします。
業務分担表が必要な理由
業務分担表は、プロジェクトを円滑に進めるうえで非常に重要な役割を果たします。
主な理由は以下のとおりです。
- 役割が明確になる
- 業務の抜け漏れを防げる
- お互いの業務状況がわかる
役割が明確になる
「誰が・どの業務を担当するのか」が明確になるため、責任の所在がはっきりします。「誰がやるんだっけ?」といった曖昧さを解消し、各メンバーが自身の役割に集中できるようになるでしょう。
多くの場合、組織やチーム内での混乱や摩擦は「誰が何を担当すべきか」という点が不明確であることに起因します。業務分担表を作成することで、各メンバーが自分の役割を理解し、責任を持って業務を遂行することが可能になります。
たとえば、マーケティングのプロジェクトにおいて、SNS担当・広告作成担当・データ分析担当などの役割を明確に定めることで、重複作業や業務の抜け漏れを防ぐことができます。これにより、メンバーが自信を持って自分の業務に取り組めるようになります。
業務の抜け漏れを防げる
業務全体を可視化することで、担当者がいない業務や重複している業務を発見しやすくなります。その結果、重要な業務が放置されたり、同じ作業を複数人が行ってしまったりする無駄を防ぐことができます。
また、複数のメンバーが関与する業務では、作業の範囲が曖昧になると、誰もが「他の人がやるだろう」と考え、結果として重要なタスクが未実施のまま放置されることがあります。業務分担表を活用することで、各タスクに責任者を割り当てられるため、このような抜け漏れを防ぐことができます。
さらに、業務分担表を定期的に見直すことで、新たに発生した業務や変更点を迅速に反映でき、最新の状況を正確に把握することが可能です。これにより、プロジェクトを計画通りに進行しやすくなります。
お互いの業務状況がわかる
チーム全体の業務状況を共有することで、メンバー間の連携がスムーズになります。他のメンバーの進捗状況を把握することで、進捗が遅れているメンバーをお互いにサポートしあうことが可能になります。
とくにプロジェクトでは、個々の業務が密接に関連していることが多いため、他のメンバーの進捗状況や業務内容を把握することは非常に重要です。たとえば、設計チームが作成した資料をもとに営業チームがプレゼンを行う場合、設計チームの進捗を把握していないと、営業活動に支障をきたす可能性があります。
業務分担表を共有することで、全員が共通の情報を持ち、連携を強化することができるのです。
業務分担表の作成方法
業務分担表の作成方法は、主に下記の2つです。
- エクセルやスプレッドシートで作成する
- ITツールを導入する
エクセルやスプレッドシートで作成する
エクセルやスプレッドシートなどの表計算ソフトを利用すれば、比較的簡単に作成が可能です。業務分担表のテンプレートはインターネット上で多数公開されているため、それらを活用することで、即日で運用を始めることができます。慣れ親しまれたツールのため、編集や共有が簡単で、社内に浸透させやすい点が特徴です。
基本的な作成手順は下記の通りです。
- 業務リストを作成:プロジェクトに関連する全てのタスクを洗い出し、リスト化します
- 担当者を割り当てる:各タスクごとに担当者を明記します
- 期限や進捗状況を追加:タスクの締切日や現在の進捗状況を追記します
- 共有:完成した表をチーム全員に共有し、常にアクセス可能な状態にします
ただし、複雑な関数を使ってしまうと、担当者がいなくなった際に修正や更新が困難になるため注意が必要です。
ITツールを導入する
プロジェクト管理ツールやグループウェアなど、業務分担表の作成・管理に特化したITツールも存在します。これらのツールを活用すれば、より効率的に業務分担表を作成・管理することができます。
進捗管理の機能やコミュニケーションの機能などが備わっているものもあるため、プロジェクト全体の効率化に向けた取り組みも可能です。
とくにプロジェクトが複雑化した場合やチームの規模が大きい場合には、専用のITツールを利用することで、さらなる効率化も期待できます。たとえば、Trello・Asana・Monday.comなどのタスク管理ツールを活用すると、業務の可視化や進捗管理などが容易になります。また、通知機能を活用すれば、期日が近づいたタスクを担当者にリマインドすることも可能です。
▼おすすめのプロジェクト管理ツールやタスク管理ツールについては、下記の記事からご確認ください
業務分担表を運用する際の注意点
業務分担表は、ただ作成して終わりではありません。適切に運用することで、その効果を最大限に発揮できます。
ただし、運用時の注意点は下記のとおりです。
- 管理者を立てる
- 余裕を持った配分にする
- 定期的に振り返りを行う
管理者を立てる
業務分担表の更新や管理を行う責任者を明確にすることで、情報が常に最新の状態に保たれます。
管理者は、進捗状況の確認や必要に応じた修正などを行います。たとえば、新たな業務が発生した場合、迅速に担当者を割り当てたり、進捗が遅れているタスクを把握して対策を講じたりすることで、プロジェクト全体のスムーズな進行をサポートします。
余裕を持った配分にする
各メンバーに業務を割り当てる際には、無理のないスケジュールで余裕を持った配分を心がけましょう。予期せぬトラブルや変更が発生した場合でも対応できるように、常にバッファを持たせておくことが重要です。
業務を割り振る際には、各メンバーの負担が過剰にならないように配慮することが重要です。業務が過密になると、ミスが増えたり、モチベーションが低下したりする可能性があります。余裕を持った配分を心がけることで、チーム全体のパフォーマンスを維持することができます。
また、特定のメンバーに負担が集中しないように適切なバランスを保つことも重要です。業務分担に偏りがあると、業務の属人化が生じる懸念があります。業務分担表を活用して、できるだけ最初から業務を分散させましょう。
定期的に振り返りを行う
定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて業務分担の見直しや修正を行いましょう。状況の変化に合わせて柔軟に対応することで、業務の停滞を防ぎます。
業務分担表は、一度作成したら終わりではありません。プロジェクトの進行状況やチームの状況に応じて、定期的に振り返りを行い、必要に応じて修正を加えることが重要です。
たとえば、週次や月次の会議で業務分担表を確認し、進捗状況や問題点を共有することで、チーム全体で改善策を検討することができます。これにより、より効果的な運用が可能になります。
プロジェクトの進行に業務分担表は欠かせない
業務分担表は、プロジェクトや業務において役割分担を明確にするために欠かせないものです。役割の明確化や業務の抜け漏れ防止、メンバー間の情報共有を円滑にし、円滑なチーム連携を実現します。
エクセルやスプレッドシートを用いて作成することで、最短即日で運用が可能です。また、ITツールを導入することで、進捗管理の機能やコミュニケーションの機能などが加わり、プロジェクトマネジメントにより効果的な活用が期待できます。
運用をする際には、必ず管理者を立てて、余裕を持った業務配分を行いましょう。また、運用開始後には定期的な振り返りを行い、その効果を最大限に発揮できるように改善していく必要があります。
どんなプロジェクトでも、業務分担表が存在することで目標達成までの道のりがスムーズになります。チームメンバーそれぞれの力を最大限に引き出せるように、ぜひ積極的に活用していきましょう。