社内の業務プロセスを把握する際に、従業員へのヒアリングや自己申告で把握されている企業様も多いでしょう。
しかし、より正確に把握したい場合には、システムやアプリケーションのイベントログから業務プロセスを割り出す「プロセスマイニング」がおすすめです。
この記事では、プロセスマイニングの仕組みや、プロセスマイニングでできることについて解説します。プロセスマイニングにおすすめのツールについてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロセスマイニングとは
プロセスマイニングとは、業務に使用しているシステムやアプリケーション、機器などのログを取得し、業務プロセスを可視化・追跡・分析することです。
業務に使用しているシステムやアプリケーション、WindowsやmacOSといったOSの操作ログやイベントログを取得し、業務プロセスを可視化します。PCやキーボード、マウスなどの機器の操作もログ取得の対象となります。
プロセスマイニングは、プロセスマイニングツールによって行われます。ツールのアクティビティログを自動で取得するため、担当者へのヒアリングや手動での洗い出しよりも正確に業務プロセスを可視化できることが特徴です。
プロセスマイニングの仕組み
プロセスマイニングは、下記の方法で行われます。
- イベントログの収集
- 業務フロー・プロセスの可視化
- 業務フロー・プロセスの分析
イベントログの収集
プロセスマイニングでは、プロセスマイニングツールによってシステムやアプリケーション、機器、OSなどの操作ログやイベントログを自動で収集します。
イベントログには、ケースID・タイムスタンプ・アクティビティといった情報が含まれています。
業務フロー・プロセスの可視化
イベントログを収集できたら、そこから業務のフローやプロセスを可視化します。多くのプロセスマイニングツールでは、収集したログから自動でフロー図やプロセスグラフを作成し、業務プロセスを可視化してくれます。
業務フロー・プロセスの分析
業務フロー・プロセスを可視化したら「そのフローが適切か」「改善できる点はないか」について分析します。時間がかかりすぎているプロセスや、無理・無駄が生じているプロセスがないかといった観点で分析を行います。
分析は自社で行う必要がありますが、プロセスマイニングツールの中には分析に役立つ機能を搭載しているものもあります。ツールを検討する際には、ひとつ候補に入れてみることをおすすめします。
プロセスマイニングでできること
プロセスマイニングは、業務の可視化や改善後の効果測定に活用することができます。
業務の可視化
プロセスマイニングを行うことによって、従業員の業務状況を可視化することができます。
業務プロセスやフローはもちろん、各プロセスの順番や所要時間などの可視化も可能です。
業務可視化は、自己申告やヒアリングで行うこともできますが、抜け漏れが発生したり情報が不正確だったりする場合があります。プロセスマイニングツールを活用し、システムのログを取得することで、より正確に業務状況の可視化を行うことができます。
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業務改善後の効果測定
プロセスマイニングは、業務改善前のデータ取得のためだけに行うものではありません。業務改善後もプロセスマイニングを続けることで、効果を測定でき、改善施策が有効だったかどうかを評価できます。
業務改善を行った結果、想定よりも成果が出ていなかった場合には、再度改善の施策を立てるなどのPDCAを回すことができます。
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プロセスマイニングを行うメリット
プロセスマイニングは、生産性の向上や事業の意思決定に役立ちます。プロセスマイニングを行うメリットについて解説します。
生産性向上につながる
プロセスマイニングを行うことによって、業務状況が可視化され、業務プロセスやフローの分析がしやすくなります。イベントログのデータをもとに改善点を特定することで、改善施策の立案や実行に活かすことができます。
実際に改善施策によって業務が効率化されれば、生産性の向上や業務の品質向上、長時間労働の解消につながります。従業員のモチベーション向上も期待できるため、離職率や休職率を下げたい場合にも有用な手法だと言えるでしょう。
データをもとに意思決定できる
プロセスマイニングを行うことで、客観的なデータをもとに意思決定ができます。
プロセスマイニングでは、ツールを用いてシステムログを自動で収集します。目標設定・業務改善・設備投資・人員配置などの意思決定を行う際には、データをもとに客観的な意思決定を行うことができます。
プロセスマイニングを行うデメリット
プロセスマイニングを行う際のデメリットについても解説します。
- ツールの導入コストがかかる
- データ収集や業務改善の効果測定に時間がかかる
ツールの導入コストがかかる
一般的に、プロセスマイニングを行うためにはツールを導入する必要があります。
そのため、プロセスマイニングツールの導入費用や検討時間、導入のためのリソースといったコストがかかる点には注意が必要です。
また、導入後にも継続的にデータを処理し続けなければならないため、データに関する専門的な知識を有した人材が必要になります。プロセスマイニングを行う際には、導入や運用のコストを考慮に入れておくことが重要です。
データ収集や業務改善の効果測定に時間がかかる
プロセスマイニングは、データを収集したり業務改善の効果を測定したりするために、一定の時間が必要となるといったデメリットがあります。
プロセスマイニングを導入したからといって、すぐに効果が出るわけではありません。
まず最初に、イベントログを収集するために一定の期間が必要となります。そこから業務プロセスを分析し、改善施策を立案、実行するのに、またさらに時間やコストがかかることを考慮に入れる必要があります。
業務改善は一朝一夕で行えるわけではないため、試行錯誤を繰り返す必要があることを考慮しておきましょう。施策を実行した後も、効果測定のため、ある程度の期間を設ける必要があります。
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プロセスマイニングに役立つおすすめのツール
プロセスマイニングツールには、下記のような種類があります。
- さまざまな管理ツールに対応し、幅広い業種・業務で利用できるツール
- PCや機器の操作ログに特化したツール
- RPAの作成や連携に活用できるツール
各ツールの機能や特色を理解し、自社の業務や目的にあったツールを選ぶことが重要です。プロセスマイニングにおすすめのツールをいくつか紹介します。
【PR】TimeCrowd
TimeCrowdは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を計測できるツールです。
プロセスマイニングのように、端末の操作ログから行動データを取得するツールではありませんが、従業員が意識的に記録を行うため、一人ひとりの時間意識を向上させることができます。また、従業員が監視されているような印象を抱かずに導入できるため、社内でも浸透させやすいといったメリットもあります。
計測された時間データは、リアルタイムでグラフとして表示されます。わざわざ集計する必要がないため、管理者の負担も最小限に抑えることができます。
▼(例)TimeCrowdのレポート画面
TimeCrowdは、累計4,000社以上の企業様でご利用いただいているツールです。
各社の業務環境に合わせたカスタマイズが可能なため、少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から詳細をご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロードCelonis
出典:Celonis
Celonisは、ERP・CRM・会計ソフトウェアといったシステムから、タイムスタンプつきのイベントログを取得できるプロセスマイニングツールです。
リアルタイムで業務プロセスを可視化し、分析を行います。プロセスを改善したあとのモニタリングもできるため、効果測定を効率的に行えます。
IBM Process Mining
IBM Process Miningは、ERPやCRMといったシステムからデータを取得してプロセスマイニングを行うツールです。
データを取得した後は、RPAツールの自動生成やAIによるシミュレーション、ステークホルダーやKPIへの影響チェックなどを行います。
MeeCap
出典:MeeCap
MeeCapは、システムから収集した行動や時間のログを用いて、パフォーマンスを定量化できるツールです。
組織単位や個人単位で業務時間を把握したり、案件ごとの業務プロセスを可視化することができます。また、可視化したプロセスを分析し、問題を特定することも可能です。
ワークライフログ
出典:ワークライフログ
ワークライフログは、長時間労働の常態化や勤怠との乖離を防ぐためのプロセスマイニングツールです。
PCの操作ログから、業務内容の推測や業務フローチャートの自動生成、プロジェクト単位での収支分析などを行います。
UiPath Process Mining
UiPath Process Miningは、システムやアプリケーションのログから業務プロセスを自動作成できるツールです。業務プロセスの課題を分析し、ボトルネックを特定します。
プロセスの自動化や、自動化によるKPIへの影響測定などを行います。
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プロセスマイニングを行い、生産性の向上につなげよう
プロセスマイニングでは、システムやアプリケーションのイベントログを用いて、業務状況の可視化やプロセスの分析を行います。
データに基づいた意思決定を行いたい場合や、業務状況やプロセスを正確に把握したい場合には、プロセスマイニングツールを用いた業務可視化がおすすめです。
一方で「従業員に監視のような印象を与えたくない」「一人ひとりの時間意識を高めたい」といった場合には、TimeCrowdのような時間管理ツールの導入がおすすめです。
タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を可視化することができます。
累計4,000社以上の企業様で活用いただいた実績から、各社に合わせたご提案が可能です。
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