インタビュイー 株式会社SAKURUG代表取締役 遠藤洋之氏
インタビュアー 西小倉宏信代表
経営者として多忙な日々を過ごしながらも、プライベートではトライアスリートであり、「将来はアフリカに行ってビジネスがしたい」と大きな目標を掲げている遠藤さん。そのバイタリティの要となる、時間管理とは…?
自分の思いを伝えて、社員への信頼や労いを積極的に表したい
――御社が提供しているサービスについて教えてください。
SAKURUGでは、web開発・制作やメディア事業、広告代理事業を行っています。特に最近立ち上げて力を入れているのが、「エンジニアの教育・人材紹介」。開発経験者の紹介ではなく、例えばブランクがある人や、異業種からのキャリアチェンジを考えている人を対象に支援できたら。そのための教育と研修を打ち出していこうと思っています。
――提供サービスを運営している社内の体制について教えてください。リモートワークの方もいますか?
現在社員は30人ほどいまして、エンジニアとディレクター・デザイナー、そして営業ですね。採用担当者と秘書の2人がリモートワークを行っています。秘書には、メール確認など自宅でもできる業務をやってもらっていますが、僕が自分でやっていた時より楽になりました。
――個人のスケジュールやタスクを管理するために、普段使っているツールは?
スケジュール管理にはGoogleカレンダーを使っています。僕は紙のアイテムが好きじゃなくて、できればモノを持ち歩きたくないんです。もちろん、外出時にカバンとノートは持ちますけど、極力モノを少なくしたい。ですから、普段大事なことはスマートフォンでメモしています。
そもそも、僕は営業などの実務はしていないので、仕事での外出が比較的少ないほうだと思います。僕が行うのは採用活動で、外に出る時の用件はほとんどが面接や説明会。とにかく、「人に会うこと」を大切にしています。
タスク管理だと、ChatWorkのタスクを使っていますね。
――社内メンバーのスケジュール管理や共有に使っているツールはありますか?
社内ではGoogleカレンダーやGmail、ChatWorkが主流です。ChatWorkは営業間でのやり取りに便利なよう。Slackを使っている人もいますが、合う・合わないがありますから、社では少数派だと思います。基本、自分以外の社員の予定は見ないですね。
弊社では毎朝9時15分から朝礼があるのですが、この朝礼を大事に続けたい。今日はあの人を褒めようとか、こういう話をしようとか、いつも考えて用意しています。会社のビジョンや僕の考えを社員に伝えて、共有していくための貴重なコミュニケーションの時間だと思っているんです。
朝時間に「やりたいこと」を確保 会社のビジョンを考える大切な時間も
――時間を管理する上で、工夫しているポイントはありますか?
ずっと30年ぐらい、自分は夜型だと思ってきました。でも、トライアスロンを始めたら、皆さん朝早くから練習するんです。4時起きで、5時から走るとか。夜型だと下手をすると、「さっき寝たばっかりなんだけど」という感じで(笑)
そうしてやってみると、「朝型のサイクルが自分に合っているな」と去年ぐらいから思うようになりました。朝に「やりたいこと」をやる。英会話、読書、ランニングを毎日の日課にしていて、それを全部朝にこなします。起きてすぐに40分ぐらいランニングしてから出社して、Skypeで英会話をして読書、9時から会社が始業です。そして、午前中はだいたいアポイントメントを入れないようにしています。就寝するのは、24時前後ですね。今はそのサイクルでうまく回っています。
それから、意識的に社のメンバーとコミュニケーションを取る時間を作っています。幹部メンバー5人とは必ず毎週15分、個々に話す時間を取っている。
僕の考え方として、頑張ってくれている社員を見たら、それを当たり前に思わずほめるようにしています。ほめられて嫌な人はいないと思うし、モチベーションの向上に繋がると思うので。
――時間管理は得意な方?それとも、苦手な方ですか?
得意な方だと思っています。自分の仕事は、「会社の未来をつくること」。タスクをこなすのは得意なのですが、会社の将来を考える時間を「タスク消化後に」と後回しにしてしまいがちです。午前中に予定を入れないのは、そのためもあって。十分な時間を取って、会社の未来を考えたい。
経営者として考える「時間」とは?
――時間に関しての話は、ブラックボックスというか。コミュニケーションが大事という話に行きつくんですけど、そのための時間のかけ具合は人によりけりですよね。経営リソースとしての「時間」を、どういう風に考えていますか?
自分に関して言うと、昔は今よりもっと合理的に物事を考えていたと思うんです。ですが、合理性ばかりを追求していくと、例えば社員が困って相談したいと思っていても、コミュニケーションの時間がなければ伝わってこないですよね。時間をうまく管理したいとは思いますが、一見ムダに思えることの中にも、実は重要なことがあるんじゃないかと。合理性と非合理のバランスが大事だと思います。
――時間管理のために今後取り入れてみたい工夫やツールがありますか?
先々、運転手が欲しいです。
――意外な答えですね(笑)遠藤さんが「この人の時間管理について知りたい」と思う人はいますか?
経営者として尊敬している孫正義さん、三木谷浩史さん、牧野正幸さんは参考にさせて頂いてます。
――こんなものがあったらいいな、という妄想時間管理ツールを教えてください。
アプリを立ち上げなくても、即座に録音してくれたらと思います。普段メールの下書きに思いついたアイディアを入れますけど、その時間すらもったいなくて。モノを増やしたくないので、すべてスマートフォン1台に集約できるといいな、と思います。