書籍「伝える力」で、リモートワークに必須の伝える技術を磨く

書籍「伝える力」とは

わかりやすく相手に物事を伝えようとしても、なかなかうまくいかないことはありませんか?また伝えられた内容と、認識している内容に相違があったり、誤解していたりなど、「伝える」という行動の難しさを感じる経験をされた方も多いのではないでしょうか?

今日紹介する書籍「伝える力」(池上彰著・PHPビジネス新書)では、「伝える」という行動を「話す」「書く」「聞く」という方法を使って、伝える力を磨き、高める極意が紹介されています。

わかりやすく伝えるには

今回はその中で紹介されているさまざまな伝える力を磨く方法から、特に参考になった3つのことを紹介します。仕事やプライベートを含め、より良いコミュニケーションの糸口になるかもしれません。

『知らない』ことを知る

幼稚園ぐらいのお子さんや小学生と話していると、「なんで?どうして?」と聞かれることはありませんか?

子どもは知らないから聞いてくるのですが、「なんで?どうして?」と質問攻めにあっているうちに、あなたの知らないことも出てくるでしょう。そう、私たちには「知らないこと」がたくさんあるのです。それを認めることによって、「伝える力」を磨き発揮することができるのです。

あなたの周りにいる、話が上手な人を思い浮かべてみてください。池上氏のテレビでの解説でも良いですね。話が分かりやすいのはなぜでしょうか?それは「知らない」ことを深く掘りさげ、理解しようとしているからです。

相手に物事を伝える際、伝える内容をしっかりと把握して掘り下げなければ、わかりやすく伝えることはできません。「わかったつもり」「知っていると思う」では、相手に物事の一部しか伝えられないのです。

まずは、「知らない」ということを認識する。わかっているつもりや知っているつもりの自分に気づき、知らないことを認めましょう。

そして、思い切って知らないことを伝えましょう。知っている人に聞いて情報量を増やすことで、伝える力が磨かれ、相手により物事をわかりやすく伝えられるのです。

難しいことを簡単に書く、話す

プレゼンやスピーチ、ビジネスメールの際「中学生にもわかる文章を」とよく言われますよね。しかし、この中学生にもわかる文章が意外と難しくありませんか?

大人になるにつれ、知っている知識は披露したくなりますし、自慢もしたくなります。さらには、横文字だって乱入してきます。しかし、このような文章は、相手の「わかったつもり」、自分自身の「伝えたつもり」を生む原因になるのです。

わかりやすい例は、最近のビジネス用語や政治家の話し方。

コンプライアンスのためのリスクマネージメントをコーチングするプログラムをディベロップしました。

日本の成長のエンジンとして世界の中でも輝き続けるサステイナブルな首都・東京を創り上げることであります。

この文章を聞いて、読んで、内容を直ぐに理解できる人がどのぐらいいるでしょうか? ときには言っている本人ですら、これらの全てのカタカナ語の意味を正しく理解しているのかどうか不明な場合もあります。

また、知らない難しい言葉や専門用語で構成された文章もまた、「知っているつもり」、「聞いたつもり」を生む一因になってしまいます。
例えば、

日本銀行(にっぽんぎんこう、にほんぎんこう、英語: Bank of Japan)は、日本銀行法(平成9年6月18日法律第89号)に基づく財務省所管の認可法人(財務省設置法4条59号)であり、日本国の中央銀行である。

この文章で、日本銀行が何をしているか直ぐに理解できる方は少ないでしょう。

相手に何かを伝える場合は、基本に立ち返り「簡単なことは簡単に」「難しいことでも簡単に」構成することが必要です。その訓練をすることで伝える力を養い、わかりやすく相手に物事を伝えることができます。

小説を読もう

この書籍で一番印象に残っているのが、伝える力を磨くために小説を読むことを勧めている点です。私は、何か仕事上のテクニックを身に付けたければ、ビジネス本やエッセイを読むのがいいと思っていました。しかし、伝える力を養うために必要なのは小説と述べられているのです。

小説を読んでいると、はっきりと言葉で説明されていなくても、主人公の住んでいる場所や容姿を頭に思い浮かべることができますよね。それこそが、伝える力だと書籍では述べてられています。そして、小説を読んでいて引き込まれる部分こそが、「伝える力」を向上させるテクニックが詰めこまれている部分でもあるのです。

小説の手法は相手に何かを伝えたいときに活用できますが、その他に文章を書く際にも、つかみの部分などに応用することが可能です。実際私も文章を書く時、導入部分で相手に興味を持ってもらうために、参考にすることが多くあります。

そのほか、この書籍には、伝える力を磨くコツがたくさん秘められているので、ぜひ読んでみてください。

 

TimeCrowdに戻る