コスト削減を進める方法を紹介|実際の企業事例や注意点を解説

コスト削減に取り組むためには、企業にかかるコストをしっかりと理解した上で、必要なコストなのか不必要なコストなのかを正しく見極めなければいけません。

本記事では、企業にかかる主要なコストである「人件費」「オフィスにかかるコスト」「採用コスト」をそれぞれ解説した後に、具体的なコスト削減の進め方や実際の事例について解説します。

「どのようにコスト削減に取り組めば良いか分からない」「継続的にコスト削減に取り組みたい」と考えている企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

企業にかかるコストとは

企業にかかるコストには、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 人件費
  2. オフィスにかかるコスト
  3. 採用コスト

人件費

人件費とは、従業員に支払う給与や賞与(ボーナス)、各種手当・福利厚生費などのことを指します。売上に対する人件費の割合は業種によって異なりますが、飲食店をはじめとするサービス業や製造業では高くなる傾向があります。

在宅ワークを増やして従業員のオフィスへの出社回数を減らすことで通勤手当の削減につなげる、オンライン会議を実施することで出張費用を削減するなど、企業の仕組みやルールを見直すことで人件費を削減できます。

オフィスにかかるコスト

オフィスにかかるコストには、オフィスの賃料や土地代、コピー代・OA機器のリース費用・事務用品代といったものが含まれます。

最近では、コロナの影響によりテレワークを実施する企業が増えています。そのため、オフィスを縮小するまたはオフィス自体を持たないことで賃料を抑えることができます。また、全社的にペーパーレス化やITツールを導入することで、印刷代やコピー代を抑えるといった対策も進んでいます。

採用コスト

採用コストは、求人媒体への出稿費用や企業説明会や面接の実施にかかる費用のことです。リクルート社が公開する「就職白書2020」では、従業員1人あたりの平均採用コストは、新卒採用で93.6万円、中途採用で103.3万円であることが分かっています。

慢性的な人材難が続く日本国内では、人材獲得競争が激化する中、年々企業にかかる採用コストも増える傾向にあります。求人媒体を見直す、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用を実施するなど、採用手法を変更するといった対策が求められます。

コスト削減の効果

リード文

企業の利益を増加させる

企業の利益は、売上からコストを差し引いた額(売上ーコスト)になります。そのため、売上が変わらなくてもコストを削減することで利益が増加します。

利益の増加は、株主や金融機関からの評価を高めるとともに、余剰資金を新商品の開発や設備投資に回すことができるため、市場での企業の価値向上に繋がります。

業務効率化につながる可能性がある

ペーパーレス化やリモートワークの促進といったコスト削減策を講じることで、業務効率化につながる可能性があります。

例えば、従来は紙で文書を作成し、直接押印していたものを電子契約システムを導入することで、上司がオフィスにいなくてもオンライン上で稟議を進めることができ、結果的にスピーディーに業務が進むようになります。

コスト削減の進め方

コスト削減は、目的の明確化から施策の実行まで正しいプロセスを踏んで行うことが大切です。また、施策を実行して終わりではなく、必ず効果検証を実施しましょう。

コスト削減は以下のステップで進めていきます。

  1. コスト削減の目的を明確にする
  2. 現状の把握と課題を明確にする
  3. 具体的な施策の立案と実行
  4. 効果検証

STEP1:コスト削減の目的を明確にする

利益を増やすために、むやみやたらにコスト削減を進めるのは、失敗を招く恐れがあります。コストの中には企業が売上を出していくために必要となるコストも存在します。

例えば、PCやITツールなどのスペックを落とせばコストは削減されますが、企業の生産性自体を低下させてしまう可能性があります。また、同様に備品の削減や福利厚生の縮小は、従業員のモチベーションを低下させますので、離職率の向上など別の問題を引き起こすかもしれません。

大事なことは「現状の売上目標を維持したまま来期の月々のコストを50万円削減する」などの目的を明確化することです。

STEP2:現状の把握と課題を明確にする

目的が定まったら「何にどれくらいのコストがかかっているのか」「売上に対してコストの割合はどれくらいなのか」を明確にする必要があります。現状を正しく把握することで、どこのコストを削減すれば良いのかを見極めることが可能になります。

例えば、コストの割合が高い部署・部門やプロジェクトを特定することによって、効率よく、且つ的確にコスト削減の施策を打ち出すことができます。

時間管理ツールを活用して人件費を見える化

TimeCrowd(タイムクラウド)は、国内企業3,500社以上に導入されている時間管理ツールです。タスク名を登録してスタートボタンを押すだけで、リアルタイムで「今」「誰が」「何をしているのか」を一目で把握できます。

また、メンバーやチームごとに時間単価を設定することで、プロジェクトごとの収支管理(人件費管理)を行うことができます。「どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を把握できるため、赤字となるプロジェクトやタスクをリアルタイムで確認して、コスト削減に取り組むことができるでしょう。

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STEP3:具体的な施策の立案と実行

現状が把握できたら、つぎに具体的な施策の立案と実行を行います。

施策を実行する際には、コスト削減の影響を受ける従業員に対して、事前に施策の意図や内容を共有しましょう。たとえば、業務を効率化するために新しいITツールを導入したとしても現場で使われなければ、意味がありません。

コスト削減を進める経営層は、現場の責任者とコミュニケーションをとり、課題を共有した上で納得してもらうことが大切です。

▼とくに従業員のモチベーションに関係する「人件費」を削減する際には、慎重に進める必要がありますので、下記記事を参考にしてください

STEP4:効果検証

施策を実施した結果、どのような効果が生まれたのかを定点観測します。

ここで大切なのが短いスパンではなく長いスパンで検証を行うことです。コスト削減自体は、施策を打つことによって比較的短い期間で効果を検証することができますが、業務効率や売上への影響は半年や1年といったスパンで変化を追っていく必要があります。

コストが削減できたから成功と判断するのではなく、中長期的に企業全体にどのような変化をもたらしたのかを確認するようにしましょう。

コスト削減の企業事例

最後に、業務効率化や働き方の見直し、デジタル化の促進でコスト削減に成功した3つの事例について解説します。

デジタル化と業務フローの見直しでコスト削減

出典:株式会社半谷製作所

自動車の部品をはじめとした金属プレス加工製造を行う株式会社半谷製作所では、2020年より業務効率化が課題であった間接部門のデジタル化を促進。新システムを導入する前に、経営企画部が中心となり現場の問題点や懸念事項のヒアリングを実施すると同時に、業務をフローチャート化しどこに無駄があるのか徹底的に洗い出し、現場に即したシステムの導入を行いました。

2020年1月には従業員の給与明細をPCやスマートフォンに配信するシステムを導入した結果、一か月当たり半日分の作業時間を短縮することに成功しました。また、従来手書きだった年末調整を電子化することで、人為的なミスを大幅に削減することができました。

参考:経済産業省

従業員の働きやすさを改善し残業時間を大幅に減らすことに成功

出典:株式会社世古工務店

建設業・製造業を営む株式会社世古工務店では、慢性的な残業や休日出勤、技能工の高齢化という課題を抱えていました。

そこで、オフィス環境の見直しを行い、社長を含む全ての従業員の専用デスクを廃止し、フリーアドレス制を導入。また「組織活性化プロジェクト」を立ち上げ、研修旅行の行き先や会社イベントの企画などを従業員に一任することで、部署や部門を超えたコミュニケーションの活性化し、常態化していた残業時間を15%削減することに成功しました。

また、新卒採用には「お仕事見学会」「インターンシップ」などイベントを新たに開催することで、新卒で技能工を積極的に採用できるよう変化を遂げました。

参考:経済産業省

ペーパーレス化の実現で年間14億円のコスト削減を達成

出典:セブンイレブン・ジャパン

国内コンビニエンスストア大手のセブンイレブン・ジャパンでは、会計システムを一新し、伝票と帳票の電子化を進めました。会計データをデジタル上に保存することによって、検索や参照が可能になったほか、正確性が確保できるようになったことから生産性の向上に繋がりました。

また、用紙代・紙データの保管コスト・事務処理コストが削減され、年間2億円以上のペーパーレス化を実現、年間で約14億円のコスト削減を達成しました。

参考:ZDNet Japan

まとめ|コスト削減は業務内容の見える化から

コスト削減を実施する際には、改善インパクトの大きな部分から優先的に取り組みましょう。優先度の低い部分から取り組んでしまうと、結果が伴うまでに時間がかかるほか、協力してくれる関係者に多大な手間をかけてしまいます。

多くの企業では、最低賃金高騰の影響から人件費の圧迫に悩まされているでしょう。まずは、現状の業務内容を可視化して「どの業務に・どれくらい時間(人件費)をかけているのか」を見直してみてはいかがでしょうか。

本記事でご紹介したTimeCrowdを活用すれば、従業員にタスクごとに打刻をしてもらうだけで「どの業務に・どれくらい時間をかけたのか」を可視化できます。また、事前に従業員ごとの時間単価を設定しておけば、タスクごと(プロジェクトごと)の人件費を確認することが可能です。

計測したデータをもとに、業務効率化・コスト削減の優先度を検討することができます。

少しでもご興味のある企業様は下記資料より、詳細な機能や料金プランを確認してみてください。

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