「プロジェクトの予算に対して支出が多く、利益が得られなかった…」
「進捗状況が把握できず、プロジェクトの終了時に赤字だと判明した…」
このような問題の解決に効果的なのが、予算と実績の比較を行う予実管理です。
本記事では、プロジェクト運営で利益を得るために欠かせない予実管理について、やり方やポイント、おすすめのツールとあわせて解説します。
プロジェクトごとの損益管理を行いたい企業様向けに「損益管理表シート」を無料配布中です
⇛【無料ダウンロード】プロジェクト別損益管理表シート
目次
プロジェクトの予実管理とは?
まず、プロジェクトの予実管理とは何か、意味や重要性について解説します。
予実管理とは予算と実績を比較して管理すること
予算管理とは、事業やプロジェクトなどの予算と実績を比較して管理することを意味します。
事業やプロジェクトにおいて求める成果を得るためには、それぞれに数値目標として予算設定が必要です。予実管理では、設定された予算と売上や経費といった現状の実績を比較し、事業やプロジェクトが想定通り進められているかを管理します。
予実を定期的にチェックして管理することで、予算と実績の乖離がどの程度生じているか、原因や課題は何か、どのような軌道修正をすればよいのかといった判断がスピーディーに行えます。
プロジェクトの予実管理を行う意味と重要性
プロジェクトにおいて予実管理を行うことは、適切な収支管理や作業効率の向上につながります。
予算というとお金というイメージがあるでしょう。しかし、プロジェクトの場合にはそれだけではなく工数や進捗も予実管理の対象になります。言い換えれば、予算とは大きな目標を達成するための大切な指標と言えるでしょう。
利益を得られるプロジェクトにするためには、当然ですが収入が支出を上回らなければなりません。それを管理するためには、収入と支出の両方の予算設定が必要となります。
そして、スケジュールどおりにプロジェクトを進めるためには進捗管理がとても重要です。工数や進捗の予実管理を行い遅れや問題をケアできれば、スムーズに作業を進められます。
結果として、生産性の向上や優秀な人材の定着といった成果も期待できるでしょう。
プロジェクトの予実管理のやり方・進め方
予算の設定や定期的な確認、原因の分析、軌道修正などのやり方について解説します。
プロジェクトごとの損益管理を行いたい企業様は下記のExcelテンプレートをご活用ください
⇛【無料配布中】プロジェクト別損益管理表シート
予算の目標を検討する
得たい成果を踏まえた予算の目標を立てることが、予実管理の第一歩です。
プロジェクトにおける目標の設定は、高すぎても低すぎてもよくありません。高すぎれば実現が難しくなるため、スケジュールに遅延が発生し、利益だけでなくステークホルダーの信頼を損ねる可能性があります。
現実的に達成が見込める数値を設定することが理想と言えるでしょう。改善や努力によって達成できる目標を立てることは、プロジェクトメンバーのモチベーションアップにもつながります。
また、とくにクライアントビジネスの場合は、予算を立てるうえで「プロジェクトの要件定義」がとても重要になります。顧客の要望をしっかりとヒアリングし、事前に不明点は解決しましょう。顧客との間はもちろん、チームメンバーとの認識合わせも行う必要があります。
▼プロジェクトの予算管理を行う方法やおすすめのツールについては、下記記事を参考にしてください
過去の実績を踏まえて予算を設定する
過去の実績を踏まえて、具体的な予算の数値を決定します。
市場の変化といった外部環境に実績が大きく左右される業界の場合には、直近の実績を参考にするだけでは不十分です。景気や市場動向といった要素も加味して予算を設定しましょう。精度の高い予算を設定するためには、さまざまな角度からデータを集めることが不可欠です。
定期的に予算と実績を確認する
プロジェクトの進行中には、予算と実績の乖離を定期的に確認します。
実績の集計を細めに行って、週次や月次など予算の対象に応じて定期的な比較を行ってください。問題をいち早く見つけることで、プロジェクトへの影響が少ないうちに改善に取り組めます。
分析と原因の追求
予算と実績に乖離があり、問題が見つかった場合には分析と原因の追究を行います。
支出が想定以上に増えている場合には、項目ごとに精査するなどの細かい分析が必要です。原因の追求によって課題を明確にし、それがすぐに対応できるものか、長期的に取り組むべきものかを判断します。
プロジェクトの軌道修正
解決すべき課題が見つかった場合には、対策を立案してプロジェクトの軌道修正を行います。
的はずれな対策を行わないためには、前のステップで正しく原因追求を行うことが大切です。すぐに行動できるタスクレベルにまで落とし込むことで、軌道修正をスピーディーに行えます。
予実管理を行うための3つのポイント・注意点
予実管理を行うための3つのポイントについて解説します。
無理のない予算を設定する
予算設定が甘ければ、実績との乖離が発生しやすくなります。その結果、大幅な軌道修正や予算の見直しが必要になる場合もあるでしょう。
チームのモチベーションにも関わるため、実現可能な予算設定をすることはとても重要です。
細かい部分にとらわれすぎない
すべての予算の細かい数字まで分析する必要はありません。細かい部分にとらわれすぎると、効率が悪くなって対応が遅くなる恐れがあります。
重要度の高い問題から分析・対策は行いましょう。事前に優先度を決めておき、どの程度の差分が出たら細やかな分析や対策を行うかを事前に考えておくと対応に一貫性が出ます。
作業が簡単に行えることも大切
予実管理は、できるだけ高い頻度で行うことが好ましいです。そのため、実績の把握に必要なデータの集計や管理などが簡単に行えることは、その作業の負荷を減らすことにつながります。
工数がかからず、直感的に利用できるツールやアプリを使うと、定期的な予算と実績の確認がスムーズに行えるのでおすすめです。
プロジェクトの予実管理におすすめのツール
プロジェクトの予実管理におすすめのツールを紹介します。
TimeCrowd
TimeCrowdは、プロジェクトごとにメンバーの稼働時間(人件費)を可視化できるツールです。
タスクの開始時と終了時に打刻をするだけで「どのプロジェクト(どの業務)で・誰が・何時間作業をしたのか」をリアルタイムで確認できます。打刻された数値データは管理画面上でも確認できますし、CSVデータとしてダウンロードすることも可能です。
▼TimeCrowdのレポート画面
数値データを効率的に取得して、予算との比較をスムーズに行えることは予実管理においてとても重要になります。
TimeCrowdは時間管理に特化したツールなので、操作性がシンプルで形骸化しづらい点が特徴です。3,500社以上から導入されており、最初の2週間は無料でご体験いただけますので、少しでもご興味のある方は下記資料より詳細をご確認ください。
時間管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロードExcel
代表的な表計算ソフトであるExcelは、予実管理にも利用可能です。Web上で取得できるテンプレートを利用すれば、手軽に予実管理を導入できます。
ただし、Excelを使用した予実管理のフォーマットは属人化しやすく、担当者が変わるとミスが発生したり、管理ができなくなったりといった問題が発生するリスクがあります。
SFA(営業支援システム)
SFA(営業支援システム)は、顧客情報・案件情報・案件情報など、営業活動に関わるさまざまなデータを可視化できるツールです。
予実管理機能を備えているものもあり、プロセス・チーム・商品などのそれぞれの項目で予実管理を行うこともできます。
ERP(統合基幹業務システム)
ERPは(統合基幹業務システム)は、会計業務・人事業務・生産業務・物流業務・販売業務といったビジネスの基幹となる業務の管理を一元化して効率化を図るシステムです。予実管理機能に特化したERPも、予実管理ツールとして活用できます。
販売管理・勤怠管理といったビジネスに関わる情報を合わせて管理できることが、ERPを予実管理に使用するメリットと言えるでしょう。
▼ERPを導入するメリット・デメリットや運用の流れについては下記記事を参考にしてください
適切な予実管理はプロジェクト成功に不可欠
現実的な予算設定を行い、実績との定期的な比較によって問題にいち早く対応することは、プロジェクトのスムーズな進行につながります。
予実管理を適切に行うことは、プロジェクトの成功に不可欠と言えるでしょう。ぜひ本記事を参考にしていただき、より精度の高い予実管理の実現に取り組んでください。