プロジェクトを成功に導くためには、業務を効率的に遂行することが求められます。
しかし、多くの場合ではプロジェクト全体の進行を阻害する「ボトルネック」と呼ばれる課題が存在します。ボトルネックが存在することで、プロジェクト全体の遅延、長時間労働、コスト増加などのさまざまな問題を引き起こします。
本記事では、ボトルネックとは何か、どのような問題を引き起こすのか、そして具体的な解消方法について解説します。
プロジェクトの成功確率を高めるために、ボトルネックの特定・解消は各企業で必須の課題といえます。プロジェクトマネージャー・リーダーの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
ボトルネックとは
ボトルネックとは、一連の業務フローのなかで全体の生産性を低下させる部分のことを意味します。
もともとは、瓶の首が細くなった部分である「bottleneck」が由来の言葉です。そこから転じて、現在では製造業やシステム開発などのビジネスの場面でも用いられるようになりました。
プロジェクトの進行を妨げる「課題」を意味する言葉で、通常はネガティブな場面で用いられることが多いです。
ボトルネックにより発生する問題
ボトルネックがあることで、下記のような問題が発生します。
- プロジェクトが遅延する
- 長時間労働が発生する
- コストが膨らむ
プロジェクトが遅延する
最も深刻な問題と言えるのが、プロジェクトの遅延です。
ボトルネックがあることで、後続の工程が滞り、全体のスケジュールが遅れてしまいます。納期に間に合わない事態に陥れば、顧客満足度の低下や契約上の問題にまで発展するおそれもあります。
長時間労働が発生する
ボトルネックを解消しようとすることで、関係者が長時間労働を強いられるケースも少なくありません。
しかし、長時間労働は従業員の疲労蓄積やモチベーションの低下を招き、さらには生産性の低下を招いてしまうといった悪循環を生み出すおそれがあります。
とくに近年では、長時間労働の上限規制が設けられました。従業員は限られた時間のなかで、業務を遂行することが求められています。時間的な制約があるからこそ、プレッシャーがかかることでミスを誘発するリスクもあります。
コストが膨らむ
プロジェクトが遅延したり、長時間労働が発生したりすると、人件費や設備費などのコストが膨らみます。
本来想定していた予算を超過してしまうだけでなく、収益率の低下にもつながるおそれがあります。
ボトルネックが発生する原因
ボトルネックが発生する背景として、下記のような原因が考えられます。
- 人手不足
- 業務の属人化
- 非効率な業務オペレーション
人手不足
人材不足は、ボトルネックが発生する最も一般的な原因のひとつです。
必要な人員が不足していると、個々の作業にかかる時間が増えるため、タスクの処理速度が低下してしまいます。
とくに重要な作業工程で人員が不足してしまうと、その後工程を進めることができず、全体のスケジュールも後ろ倒しになってしまうのです。
業務の属人化
特定の個人にしか処理できない業務が存在すると、その個人が休職や退職などで不在になった場合に業務が滞ってしまう可能性があります。
これは、業務の属人化と呼ばれる問題であり、ボトルネック発生のリスクを高めます。
▼業務の属人化がもたらすリスクや対処法については、下記の記事を参考にしてください
非効率な業務オペレーション
無駄な作業や非効率な手順が存在すると、全体の処理速度が低下し、ボトルネックが発生しやすくなります。
ワークフローを見直して、ムダを徹底的に排除することが重要です。
ボトルネックを解消する手順
ボトルネックを解消するためには、下記5つの手順で取り組む必要があります。
- 状況を把握する
- 原因を特定する
- 対処法を検討する
- 解決策を実行する
- 再発防止策を検討する
状況を把握する
まずはプロジェクト全体の状況を把握します。
どの工程のどの業務で処理速度が低下しているのか、どの程度の遅延が発生しているのかなどを具体的に分析しましょう。関係者へのインタビューやデータ分析などを活用して、現状を正確に把握することが重要です。
現状を正確に把握するためには、TimeCrowdのような時間管理ツールの導入がおすすめです。
タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで、誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのかを計測できます。
計測されたデータは下記のように、リアルタイムで自動で集計されます。
▼TimeCrowdのレポート画面
TimeCrowdのサービス内容について、少しでもご興味のある方は下記の資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード TimeCrowdの無料トライアルに申し込む原因を特定する
状況を把握したら、次にボトルネックが発生する原因を特定します。
人手不足・業務の属人化・非効率な業務オペレーションなど、考えられる原因をリストアップして、それぞれについて詳細な調査を行います。
対処法を検討する
原因を特定したら、それぞれの原因に対して具体的な対処法を検討します。
人手不足であれば、人員の増強や業務の外部委託などを検討する必要があります。
業務の属人化であれば、ノウハウの共有やマニュアルの作成などによって、誰でも処理できる体制を整えることが重要です。非効率な業務オペレーションであれば、ワークフローを見直してムダを排除する必要があります。
解決策を実行する
検討した対処法の中から、最も効果的なものを選び、実行に移します。
関係者への周知徹底や教育・訓練なども必要に応じて行い、スムーズな実行を促進しましょう。
また、解決策は一度実行して終わるのではなく、経過観察を行い、必要があれば別の施策も再度検討するな必要があります。PDCAを回しながら進めていくのがおすすめです。
再発防止策を検討する
せっかくボトルネックを解消しても、同じ問題が再発してしまっては意味がありません。
再発防止策を検討し、定期的に状況をモニタリングすることで、ボトルネックの発生を未然に防ぎましょう。
ボトルネックを解消する方法
ボトルネックを解消するには、さまざまな方法があります。代表的な方法は下記の3つです。
- エクセルやスプレッドシートで業務を可視化する
- ITツールを活用して業務を可視化する
- TOC理論を用いて問題解決に取り組む
エクセルやスプレッドシートで業務を可視化する
エクセルやスプレッドシートを用いて、従業員の業務状況やプロジェクトの進捗状況を可視化することで、ボトルネックを特定しやすくなります。
すでにアカウントがあれば追加費用なく作成できるため、コストがかからないことが特徴です。また、使い慣れている人が多いツールのため、教育コストをかけずに導入ができます。
一方で、エクセルやスプレッドシートでは入力の抜け漏れが発生したり、集計に手間がかかったりなどのデメリットも考えられます。
組織規模が小さい場合には有用ですが、一定以上の規模がある組織では、後述のITツールを活用するのがおすすめです。
ITツールを活用して業務を可視化する
ITツールを活用することで、エクセルやスプレッドシートよりも正確に業務を可視化することができます。
時間管理ツール
時間管理ツールを活用することで、個人の作業時間を記録・分析することができます。時間の使い方を可視化することで、無駄な作業を特定し、業務効率化につなげることができます。
TimeCrowdでは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を可視化することができます。
タスクやメンバーといった細かいレベルで、プロジェクトのボトルネックを特定することが可能です。
▼TimeCrowdのレポート画面
また、時間の入力はGoogleカレンダーなどの外部ツールと連携をすることで自動化することもできます。
メンバーにかける負担を最小限に抑えたうえで、導入〜運用までを進められるため、ツールの形骸化を防ぐことができます。
業種業界を問わず、累計4,000社以上の企業様にご利用いただいています。少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロードプロジェクト管理ツール
プロジェクト管理ツールを活用することで、プロジェクト全体のスケジュール管理やタスク管理を効率的に行うことができます。
ボトルネックが発生しているタスクを早期に発見し、対応することができます。
▼おすすめのプロジェクト管理ツールは下記記事を参考にしてください
コミュニケーションツール
コミュニケーションツールを活用することで、関係者間の情報共有を円滑化することができます。
意思決定の迅速化や、問題発生時の迅速な対応につながるため、コミュニケーションにおけるボトルネックを解消できます。
TOC理論を用いて問題解決に取り組む
TOC理論は、制約理論と呼ばれる理論に基づいた問題解決の手法です。制約条件を特定し、その改善に焦点を当てることで、全体のシステムパフォーマンスを向上させることができます。
ボトルネックは、まさにTOC理論における制約条件といえます。TOC理論に基づいてボトルネックを分析・解消することで、プロジェクト全体の効率化を飛躍的に向上させることができます。
このように、プロジェクト管理に活用できるフレームワークは多数あります。
▼プロジェクト管理に役立つフレームワークについては、下記の記事を参考にしてください
まとめ
ボトルネックとは、プロジェクトの成功を阻害する大きな課題のことです。
適切な方法で分析・解消することで、プロジェクトの効率化を図り、コストの削減を実現することができます。
本記事でご紹介した手順や方法を参考に、ボトルネックを克服し、プロジェクトを成功に導きましょう。