業務効率化の阻害要因として、「ムリ・ムダ・ムラ」という3つの要素が挙げられます。これらは通称「3M」と呼ばれ、業務プロセスにおける非効率性や問題点を可視化し、業務を改善するために欠かせない概念のひとつです。
本記事では「3M(ムリ・ムダ・ムラ)」の意味や原因、削減方法について解説します。業務効率化に取り組む経営者や管理職の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
3M(ムリ・ムダ・ムラ)とは
業務効率化の「3M」は、下記3つの要素で構成されます。
- ムリ
- ムダ
- ムラ
ムリ
「ムリ」とは、従業員の能力やリソースを超える過剰な業務負荷がかかっている状況を指します。具体的には、下記のような状況が考えられます。
- 過度な残業や休日出勤
- 短すぎる納期設定
- 専門外の業務への従事
- 不十分な教育や研修
これらの「ムリ」は、従業員の心身の疲労やストレス、モチベーションの低下などを引き起こし、生産性や品質の低下、離職率の増加につながる可能性があります。
ムダ
「ムダ」とは、業務プロセスにおいて価値を生み出さない行為や資源の浪費を指します。具体的には、下記のような状況が考えられます。
- 不要な会議や報告
- 重複した作業や承認プロセス
- 過剰な在庫や資料
- 非効率なシステムやツール
これらの「ムダ」は、時間やコストの浪費につながるだけでなく、従業員のモチベーション低下や業務への不満を引き起こす可能性があります。
ムラ
「ムラ」とは、業務の品質や進捗にばらつきがある状態を指します。具体的には、下記のような状況が考えられます。
- 担当者によるスキルや経験の差
- 標準化されていない業務プロセス
- 曖昧な指示や情報共有
- 不十分な進捗管理
これらの「ムラ」は、顧客満足度の低下や品質問題、納期遅延などを引き起こす可能性があります。
ムリ・ムダ・ムラが発生する原因
「ムリ・ムダ・ムラ」は、さまざまな要因によって発生します。主な原因としては、下記の3つが挙げられます。
- リソースの不足
- 業務の属人化
- コストの低さ
リソースの不足
人員・時間・設備・予算など、リソースの不足は「ムリ・ムダ・ムラ」の大きな原因となります。具体的には、下記のような状況が考えられます。
- 人員不足による一人当たりの業務負荷の増加
- 時間不足による納期遅延や品質低下
- 設備不足による作業効率の低下
- 予算不足による必要なシステムやツールの導入遅延
これらのリソース不足は、従業員の負担増加や業務効率の低下を招き、「ムリ・ムダ・ムラ」を発生させやすくします。
業務の属人化
業務プロセスやノウハウが特定の従業員に依存している状態は、「ムラ」の大きな原因となります。具体的には、下記のような状況が考えられます。
- 特定の従業員しか対応できない業務が存在する
- 業務プロセスがマニュアル化されておらず、担当者によってやり方が異なる
- 情報共有が不十分で、担当者以外は状況を把握できない
業務の属人化は、担当者の不在時に業務が滞ったり、品質にばらつきが生じたりするリスクを高めます。
▼業務属人化の意味・原因・リスクについては、下記の記事を参考にしてください
コスト意識の低さ
コスト意識の低い組織では、無駄な業務や非効率なプロセスが見過ごされがちです。具体的には、下記のような状況が考えられます。
- 時間や資源の浪費に対する意識が低い
- コスト削減よりも売上拡大を優先する
- 業務改善に対する投資を惜しむ
これらのコスト意識の低さは、今ある「ムダ」を放置するだけでなく、新たな「ムダ」を生み出す温床となります。
ムリ・ムダ・ムラを削減するメリット
「ムリ・ムダ・ムラ」を削減することで、組織にはさまざまなメリットがもたらされます。主なメリットとしては、下記の3つが挙げられます。
- 働き方改革につながる
- 生産性が向上する
- コスト削減につながる
働き方改革につながる
「ムリ・ムラ」を削減することで、従業員のワークライフバランスが改善され、働き方改革につながります。具体的には、下記のような効果が期待できます。
- 残業時間の削減によるプライベート時間の確保
- 業務負荷の軽減によるストレス軽減
- 多様な働き方の実現による柔軟性向上
働き方改革は、従業員の満足度向上や優秀な人材の確保につながります。とくに近年では、2019年から働き方改革関連法が施行され、各社には働き方改革の改善が求められています。残業時間には上限時間(⽉45時間・年360時間)が設けられているため、多くの現場では限られた時間のなかで業務が終わるようにムダを省いていく必要があるでしょう。
生産性が向上する
「ムリ・ムダ・ムラ」を削減することで、従業員はより効率的に業務に取り組むことができます。具体的には、下記のような効果が期待できます。
- 残業時間や業務時間の削減
- 業務効率の向上によるアウトプットの増加
- 従業員のモチベーション向上による集中力アップ
生産性の向上は、組織全体の業績向上に大きく貢献します。
とくに昨今では人手不足や働き方改革の流れを受けて、限られたメンバーでも高いパフォーマンスを上げることが各企業に求められています。ムリ・ムダ・ムラをなくすことで、業務効率が上がり、今まで以上の成果を出すことができるでしょう。
コスト削減につながる
「ムダ」を削減することで、時間・人件費・資源などのコスト削減につながります。具体的には、下記のような効果が期待できます。
- 残業代や人件費の削減
- 資源の有効活用による材料費や光熱費の削減
- 業務効率化による間接コストの削減
これらのコスト削減は、企業の収益性向上に貢献します。
とくに昨今では物価高騰により、資材・原材料・人件費・物流費など、各種コストが増加しています。しかし、物価高騰を価格転嫁で解決するのは容易なことではありません。ステークホルダーへの説得や周知、価格改定による商品リニューアルの手配などに時間がかかるほか、売値が高くなることで価格競争に敗れるリスクも否めません。
実際に帝国データバンクの調査によると、100%の仕入れコスト上昇に対して、何%販売価格に上乗せできたかを示す価格転嫁率は40.6%で、なかには全くできていない企業も1割超存在するようです。価格転嫁は決して容易な取り組みではないため、日頃のコスト削減ひとつひとつの積み上げが、企業の競争力を高める源泉となります。
▼従業員のコスト意識を高める方法については、下記の記事も参考にしてください
ムリ・ムダ・ムラを削減する方法
「ムリ・ムダ・ムラ」を削減するには、組織全体で継続的な取り組みが必要です。具体的な方法としては、下記の5つが挙げられます。
- 業務時間を可視化する
- 人員配置を見直す
- 生産性の低い業務をなくす
- 業務マニュアルを作成する
- 業務効率化ツールを導入する
業務時間を可視化する
従業員の業務時間を可視化することで、「ムリ・ムダ・ムラ」の発生状況を把握し、改善策を検討することができます。具体的には、下記のような方法があります。
- タイムマネジメントツールの導入
- 業務日報や週報の作成
- 従業員へのヒアリングやアンケート
これらの可視化によって、業務のボトルネックや改善点を見つけ出すことができます。
また、時間管理ツールTimeCrowdを活用することで「誰が・どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」を可視化できます。メンバーごとの時間単価を設定すれば、タスクごとの人件費を算出することも可能です。
▼(例)TimeCromdのレポート画面
GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携することで、打刻を自動化し、運用負担を最小限に抑えることもできます。
大企業から中小企業まで累計5,500社で導入いただいた実績から、さまざまな業務環境でのご相談が可能です。少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください。
工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード▼業務時間を可視化する方法については、下記の記事も参考にしてください
人員配置を見直す
従業員のスキルや経験、適性に合わせて人員配置を見直すことで、「ムリ・ムラ」を解消し、業務効率を向上させることができます。具体的には、下記のような方法があります。
- 従業員のスキルマップ作成
- ジョブローテーションの実施
- チーム編成の見直し
これらの人員配置の見直しによって、適材適所を実現し、従業員の能力を最大限に引き出すことができます。
▼人員配置を見直す方法については、下記の記事を参考にしてください
生産性の低い業務をなくす
生産性の低い業務(ムダ)を特定し、廃止・削減・自動化することで、業務効率を向上させることができます。具体的には、下記のような方法があります。
- 業務プロセスの見直し
- RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入
- AI(人工知能)の活用
これらの生産性の低い業務の排除によって、従業員はより付加価値の高い業務に専念することができます。
▼生産性の向上に向けた取り組みについては、下記の記事も参考にしてください
業務マニュアルを作成する
業務プロセスやノウハウを標準化し、マニュアルを作成することで、担当者による「ムラ」を解消して業務品質を安定化させることができます。具体的には、下記のような方法があります。
- 業務フロー図の作成
- チェックリストの作成
- FAQの作成
これらの業務マニュアルの作成によって、業務の属人化を防ぎ、誰でも同じ品質で業務を遂行できるようになります。
業務効率化ツールを導入する
業務効率化ツールを導入することで、業務プロセスを自動化したり、情報共有を円滑化したりすることができます。具体的には、下記のようなツールがあります。
- プロジェクト管理ツール
- 情報共有ツール
- クラウドストレージ
これらの業務効率化ツールの導入によって、ムダやムラを削減し、従業員の負担を軽減することができます。
▼それぞれのおすすめツールについては、下記の記事を参考にしてください
まとめ
「3M(ムリ・ムダ・ムラ)」は、業務効率化を阻害する要因であり、組織全体の生産性や業績に悪影響を及ぼします。そのため、本記事で紹介したような業務時間の可視化・人員配置の見直し・生産性の低い業務の排除といった、さまざまな解決方法に取り組む必要があります。
業務時間の可視化には、時間管理ツールTimeCrowdの活用がおすすめです。タスクごとの時間が可視化されることで、ムリ・ムダ・ムラのある業務を確認できるだけでなく、新たな発生を抑止することもできます。
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