「居場所」について考えるのが良さそう

TimeCrowdを運営している、代表の西小倉宏信です。

今回は、「居場所」をテーマにしたいと思います。

TimeCrowdの「時間を共有する」ということ

社会学者である水無田気流さんの「居場所」のない男、「時間」がない女という本を読みました。

作者は「シングルマザーの貧困」の作者でもあり、仕事に子育てに忙殺されている人々について研究されている方。

現在必要とされているのは、男性も含めた労働と家庭生活のあり方の再編である。単位時間あたりの生産性を高めかつ評価し、就労インセンティブを保ちつつ生活満足度を上げるためには、総合的な見直しが必要である。
政府が述べてきた「女性活躍」は、スーパーウーマンが飛来して問題を解決してくれることを待っていてはかなわない。そうではなく、今、就労の現場にいる普通の女性が、普通の男性と協業しその能力を発揮するための労働整備こそが求められている。

という文章で締めくくられていて、まさにここの「単位時間あたりの生産性を高めかつ評価」の部分をTimeCrowd通じてで支援したい。

TimeCrowd(タイムクラウド)は「時間を共有すると嬉しい事が増える」という考え方で、
どのタスクにどれぐらいの時間をかけているのかをチームと共有することで、チームの生産性を向上させることを目的としたツールです。

弊社では正社員から業務委託パートナーまで全ての稼働がTimeCrowdで共有されていて、
毎週月曜日に制限時間30分で一気に1週間分振り返っています。
もう何年も続けていますが、いまだに毎週新しい学びがあり、もはやTimeCrowd無しで仕事するのは考えられないレベルです。

居場所を脅かすという「負担」

しかし、別のお客様に新しくTimeCrowdを導入する時に話にあがるのは
「そりゃぁ経営者やマネージャー層のニーズはあるけど、実際に打刻するメンバーには負担にならないかな」
という意見。

この「負担」というのは、実際にタスクを登録してスタートボタン、ストップボタンを押す手間もそうなのですが、
それとは別軸にあるのが、「負担が居場所を脅かす」ということではないかと思います。

TimeCrowdがない世界においては週の40時間労働の内訳はブラックボックスになっていて、
求められる成果もしくはそれっぽい日報が出せればそれでよかった。
それなのにTimeCrowdでそれが見える化されてしまうことで、自分の実力が正確に共有されてしまって
自分の居場所が脅かされてしまうのではないかという不安。これもまた1つの「負担」なんじゃないかなと。

以前書いた「TimeCrowdのロゴができるまで」という記事では、「モモ」という本を読んだことがきっかけで
TimeCrowdのロゴを遅さの象徴「亀」にし、
「時間を細かく測ってせかせかさせることを目的としているのではなく、時間を見える化することで生きた時間を増やす」
というコンセプトについて書きました。

また、先日読んだ、「子どもの貧困 「居場所」とは何か? 居場所が提供するもの、そして問うもの
という湯浅誠さんの記事には、「居場所の居場所たるゆえん、居場所の核を形成しているもの」として
「時間」を挙げ、モモに話を引用しながら時間の大切さについて書かれています。

これらに付随して言えることは、
TimeCrowdを通じて提供したい「生きた時間」とは、「居場所」と言い換えることができるかもしれないということです。

TimeCrowdの重要キーワードは「居場所」

ということで「居場所」というキーワードについて考える事が、
TimeCrowdについて考えたり広めたりする中で、重要なのではないかと思いました。

TimeCrowdの機能についてだけでなく、こういったことまでアウトプットしていきたいと思います。

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