プロジェクト全体の流れや、最終目標を可視化して共有するためのツールが「ロードマップ」です。
ロードマップはチーム内で共有をして、ゴールまでの認識を統一したり、社外に発表して企業との信頼性を高めたりすることに用いられます。
この記事では、ロードマップの目的やメリット、作り方やおすすめのツールについて解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ロードマップとは
ロードマップとは、事業におけるゴール・目標までの道のりと、中間地点での計画を時系列順に表現したものです。
図を用いて、ゴールまでの道筋を直感的に理解できるように作られています。
社内資料として用いることが多いのですが、社外への発表にも使われることもあります。(例:コスモエネルギーグループの2050年カーボンネットゼロ宣言ロードマップ)
プロジェクトロードマップ/プロダクトロードマップとは
ロードマップには「プロジェクトロードマップ」と「プロダクトロードマップ」の2種類があります。
プロジェクトロードマップは、プロジェクト全体の計画を表したものです。
一方で、プロダクトロードマップは、プロダクト(製品)の開発計画を表したロードマップです。製品の方向性やタスクの優先順位など、開発に関する具体的な内容が記載されています。
マイルストーンとの違い
マイルストーンとは、プロジェクトの通過点のことです。中間目標とも呼ばれ、プロジェクトが長期に及ぶ場合には、中間地点であるマイルストーンを設定します。
マイルストーンを設定していないと、目標達成のために何が必要なのか、わかりにくくなってしまいます。またマイルストーンがあれば、プロジェクトがどこまで進んでいるのか、想定していた期日までに中間目標に到達しているのかなどを確認できます。
ガントチャートとの違い
ロードマップと似た図に、ガントチャートがあります。ガントチャートとは、プロジェクトにおけるタスクと期日をスケジュール形式で把握できるようにした図のことです。
ロードマップは長期にわたる計画の概要を表現するのに用いられますが、ガントチャートは具体的なプロジェクトの把握や管理に用いられます。
▼ガントチャートについては下記記事で詳細を解説していますので、あわせて参考にしてください
ロードマップを導入する目的・メリット
ロードマップを導入する目的やメリットについて解説します。
- 目標・ゴールを明確にする
- ロードマップからマイルストーンやガントチャートを作成する
- 関係者と計画を共有する
- 現状を把握することで課題が明確になる
目標・ゴールを明確にする
1つ目の目的は、事業の目標やゴールを明確にすることです。
ロードマップを作成することで、会社や部署が目指すべき目標やゴールが明らかになります。方針を直感的に社員に伝えることができるため、メンバーが主体的にプロジェクトに取り組むモチベーションにもつながります。
ロードマップからスケジュールを作成する
2つ目の目的は、ロードマップを作成することで、マイルストーンやガントチャートといったスケジュール作成をしやすくするという点です。
プロジェクトを進めるには、中間地点であるマイルストーンや、プロジェクトのスケジュールを可視化したガントチャートを用いて管理する必要があります。
ロードマップを作成しておくことで、最終目標から逆算してスケジュールを設定することが可能です。
関係者と計画を共有する
ロードマップを作成するメリットは、関係者と計画を共有できるという点です。
ロードマップを用いて関係者と計画を共有することで、認識のずれを防ぐことにつながります。また、他のチームや部署がどのようにプロジェクトに関わっているのかを把握できるため、一丸となってプロジェクトに取り組めます。
また、社内だけでなく社外に向けてロードマップを発表することで、会社への信頼感や安心感を持ってもらうことにもつながります。
現状を把握することで課題が明確になる
メリット2つ目は、現状を把握することで課題が明確になるという点です。
現状を把握してゴールと比較をすることで、どれくらいのギャップがあるのかを明確にできます。
<ギャップが生じやすい項目>
- リソース
- 時間
- 予算
主にこれらの項目を確認して、ゴールへ到達できるのかどうかを分析します。分析の結果、課題があると判明した場合には、解決のための施策を立てることができます。
ロードマップの作り方
ロードマップは、以下の手順で作成します。
- ゴールと期日を設定する
- 現状を把握する
- 課題を洗い出し、解決策を考案する
- マイルストーンを設定する
- 時系列に沿って計画を立てる
- 関係者と共有する
ロードマップの作成手順と、おさえておくべきポイントについて解説します。
①ゴールと期日を設定する
最初に行うのが、プロジェクトのゴールを明確に定めること。そして「いつまでに達成するのか」という期日を明確にすることです。
期日の設定としては、たとえば製品開発の場合は製品のリリース時期やクライアントへの納品日などが挙げられます。また、営業の場合は「決算期」や「年度末」などが該当するでしょう。
事業計画や会社全体で目指すべき目標の場合は、中長期計画となるので「3年後」「5年後」などの長期的な期日を設定します。
②現状を把握する
次に、現状を正確に把握してゴールとのギャップを明らかにします。現状を把握するには、正確なデータと分析が必要です。
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工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード TimeCrowdの無料トライアルに申し込む③課題を洗い出し、解決策を考案する
現状とゴールにギャップがある場合は、ギャップの原因となる課題を洗い出して解決策を考案します。たとえば人員不足がギャップの原因であれば、採用の強化が解決策として考えられます。
どうしてもギャップが埋まらない、課題が解決できない場合は、目標そのものを変更するのも1つの方法です。
④マイルストーンを設定する
ゴール到達のために必要となるタスクのなかで特に重要なものを抜き出し、マイルストーンとして設定します。
マイルストーンの設定方法は、プロジェクト全体のスケジュールを等分する方法と、ひとまとまりの工程ごとに設定する方法とがあります。
⑤時系列に沿ってに計画を立てる
設定したマイルストーンを時系列に沿って並べて計画表にします。
ロードマップ上の計画と連動したガントチャートやスケジュールを作成しておくと、プロジェクトをスムーズに開始しやすくなります。
⑥関係者と共有する
完成したロードマップを関係者と共有します。
このときに多角的な視点で意見を募り、計画に無理があれば修正を加えるのがおすすめです。
プロジェクトの目的・目標・方針・プロジェクトの流れを関係者に伝えて、認識のずれがなくメンバーが納得した状態でプロジェクトをスタートできるようにするのが理想です。
ロードマップ作成時の注意点
ロードマップを作成する際は、以下の点に注意します。
- スケジュールやマイルストーンを細かく設定しない
- 期日を明確に設定する
- 進捗の把握や評価は定量的に行う
上記のポイントについて、1つずつ解説します。
細かく設定しすぎない
1つ目の注意点は、ロードマップにスケジュールやマイルストーンを細かく設定しないという点です。
ロードマップは、あくまで計画の全体像を関係者と共有するものです。細かいスケジュール・マイルストーン・タスクなどを全て書き込んでしまうと、図が複雑になりすぎてしまいます。
スケジュール管理やタスク管理は、ガントチャートやWBSといった他のツールで行いましょう。
▼ガントチャートとWBSの作成方法については下記記事をご参照ください
期日を明確に設定する
2つ目の注意点は、目標達成の期日を明確に設定するということです。
いつまでに目標を達成するのかが曖昧だと、スケジュールが立てにくくなるほか、モチベーションも上がらなくなってしまいます。ゴールやマイルストーンの期日は、明確に設定するのがポイントです。
進捗の把握や評価は定量的に行う
注意点3つ目は、進捗の把握や評価は、定性的ではなく定量的に行うということです。
ロードマップを作成しても、進捗を把握しにくかったり、評価がしにくかったりすると、プロジェクトが正しく進んでいるかの判断が難しくなります。
ロードマップにおけるマイルストーンには、定量的に評価できる目標を設定するのがポイントです。
<マイルストーンの目標例>
- 売上金額
- 生産数
- 採用人数 など
おすすめのロードマップ作成ツール2選
ロードマップの作成に、おすすめのツールをご紹介いたします。
- Microsoft(エクセル、パワーポイント)
- Trello
Microsoft(エクセル・パワーポイント)
出典:Microsoft
ロードマップは、エクセルやパワーポイントで作成できます。色や図形で多彩に表現したい場合は、パワーポイントが適しているでしょう。
Microsoftが提供しているテンプレートを利用すれば、ロードマップ作成が初めての場合でもスムーズに作成できます。
Trello
出典:Trello
【料金】
- FREE:無料
- STANDARD:5ドル
- PREMIUM:10ドル
- ENTERPRISE:17.5ドル
【動作環境】
- ブラウザ(Chrome、Firefoxなど)
- アプリ(デスクトップ、モバイル)
Trelloは、カンバンボード方式でタスクを管理できるツールです。
タイムラインビュー・カレンダービュー・ワークスペースビューなど、さまざまな機能でプロジェクトを管理でき、ロードマップを作成することも可能です。
公式サイト:Trello
まとめ|プロジェクトの収支管理にはTimeCrowdがおすすめ
ロードマップは、プロジェクトのゴールと、中間地点において達成すべき目標を関係者に共有するのに適したツールです。
ロードマップでプロジェクトの流れを周知することで、最終目標についての共通認識を持つことができるため、チームのモチベーション向上につながります。
ロードマップを作成する際には、現状を把握して、ゴールまでのギャップを埋めて計画を立てる必要があります。現状を正確に把握するためには、ツールを用いてタスクの所要時間を記録したり、人件費を計算したりするのがおすすめです。
タスクの所要時間の記録と、プロジェクトの収支計算にはTimeCrowdがおすすめです。
シンプルな操作性で、時間の記録と人件費の計算が行えます。
ロードマップを作成するための準備にはもちろんのこと、Googleカレンダーと連携して日々のタスク管理に活用することが可能です。また、レポート画面から「どの業務に」「どれくらい時間をかけたのか」を確認できるため、ボトルネックとなるタスクを特定して、業務改善に役立てることができます。
最初の2週間はトライアルとして無料で利用できるので、これを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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