生産人口が減少する日本国内では、各企業は競争力の強化、生産性の向上などを見越して、まずは足元の業務分析を行うことが求められます。
時間のかかりすぎている業務を特定し、改善を図ることで、社員はより生産性の高い業務に時間を当てられるようになるでしょう。
本記事では、業務分析を行う重要性や具体的な方法、役立つフレームワークについて解説します。業務分析のためのデータ収集におすすめのツールについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
業務分析とは
業務分析とは、業務におけるさまざまな項目について、現状を把握して「改善点がないか」を分析することです。
主に下記のような項目が分析対象となります。
- 作業時間
- 業務内容
- 業務プロセス
これらを可視化したうえで分析を行い、業務に「ムリ・ムダ・ムラ」などがないかを調べます。業務分析の結果、改善すべき項目が見つかった場合には、具体的な改善案を立てて実行します。
適切な改善案を立てるためには、何よりも現状を正確に把握することが重要です。現状把握が不正確なままでは、的はずれな施策を行ってしまい、結果として現場を混乱させてしまう恐れがあるため注意が必要です。
「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」が一目でわかる
工数管理ツールTimeCrowdでは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」をリアルタイムで可視化することができます。
メンバーごとに時間単価を設定することで「どのプロジェクト(業務)に・どれくらい人件費をかけているのか」を把握することも可能です。少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください。
業務分析が必要とされる理由
業務分析は、企業が生産性向上を進めるうえで欠かせない取り組みです。
日本国内では、将来的な人口減少とともに、労働力の減少が予測されています。実際に、パーソル総合研究所の予測によると、2035年には1日の労働時間が2023年と比較して1,775万時間も不足することが指摘されています。これは、働き手の人数に換算すると384万人不足するという計算になります。
参照:「労働市場の未来推計2035」を発表 2035年にかけて就業者数は増加するものの、1日あたり1,775万時間(384万人相当)の労働力が不足|パーソル総合研究所
このような問題を解消するには、1人あたりの生産性を向上させて企業の競争力を強化する必要があります。そのためには、業務のなかで「ムリ・ムダ・ムラ」が発生していないか、業務が属人化していないかなど、効率化を防ぐ原因を特定し、業務改善につなげていくことが重要です。
現状を正確に把握できないと「改善点が洗い出せない」「洗い出しが適切でない」といった問題が生じてしまう可能性があります。また、仮に改善点を洗い出せても、適切な施策を立てることができない恐れもあるため、客観的なデータをもとに業務分析を丁寧に行い、業務改善のための計画を立てていくことが求められます。
業務分析を行うメリット
業務分析を行う下記のメリットについて解説します。
- 生産性の向上につながる
- 属人化の解消に役立つ
- データによる意思決定ができる
生産性の向上につながる
業務状況を可視化して分析を行うことで、これまで非効率だった業務プロセスを特定し、改善につなげることができます。これにより業務効率化が進み、生産性の向上につながります。
また、より本質的な業務(重要な業務)に時間を費やすことができる点もメリットのひとつです。たとえば営業職のメンバーであれば、事務作業にかかる時間を削減し、売上につながる商談に時間を割けるようになります。
ムダな業務に当てる時間を減らし、生産的な業務に時間を当てることで、企業の競争力向上や競合他社との差別化につながるでしょう。
属人化の解消に役立つ
業務プロセスやタスクの内容、担当者の洗い出しなどを行うことで、属人化している業務を特定できることもメリットのひとつです。属人化を解消することで、特定の社員に依存しなくても業務を回せるようになるため、担当者が休職・離職した際にもスムーズな引き継ぎが可能です。
また、他のメンバーが該当の業務スキルを身につけるチャンスにもなるため、社内全体のスキル向上にもつながります。他のメンバーが担当する業務を知ることで、一人ひとりが社内全体の業務プロセスを把握するきっかけとなり、円滑な業務連携の実現も期待できるでしょう。
データによる意思決定ができる
業務分析を行うためには、業務状況をデータとして取得し、正確な分析や判断が必要となります。データを活用することで客観的な意思決定ができるため、現状の把握や改善点の洗い出し、改善施策の立案を適切に行うことができます。
たとえば納期遅れや作業ミスが多発していた場合、担当者のスキルや業務プロセス、使用しているツールなど、さまざまな原因が考えられます。データによって業務分析を行うことで、問題の原因を適切に把握することが可能になります。
業務分析の方法
業務分析を行う際には、下記のようなさまざまな方法があります。
- 社内の業務データを活用する
- 現場にヒアリングする
- 業務フロー、プロセスを可視化する
社内の業務データを活用する
タスクの量や稼働時間といった、社内における業務データを活用することで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を把握することができます。
このようなデータはエクセルやスプレッドシートなどの表計算ソフトで管理することもできますが、記入が形骸化するケースも多いため、TimeCrowdのようなワンクリックで(もしくはGoogle カレンダーやOutlook カレンダーと連携して自動で)入力できるITツールの活用がおすすめです。
TimeCrowdでは、下記のようにプロジェクトごと・タスクごと・メンバーごとの稼働時間の内訳をリアルタイムで確認することができます。時間のかかり過ぎている業務を特定し、すぐに改善に向けて取り組むことが可能です。
▼(例)TimeCrowdのレポート画面
入力に負担のかからないシンプルな操作性から、累計4,000社以上の企業様でご活用いただいています。
▼TimeCrowdの導入事例はこちらからご確認ください
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工数管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード現場にヒアリングする
現場で働いているメンバーに直接ヒアリングをしたり、アンケートを取ってみることで、業務上の困り事や課題などを探るのも1つの方法です。
メンバーから忖度のない回答を引き出すためには、匿名にしてプライバシーを担保したり、答えやすい設問を作ることが重要です。また、アンケートの目的をしっかりと説明し、業務改善のために行うことについて理解を得るようにしましょう。
業務フローや業務プロセスを可視化する
業務分析を行うためには、現在の業務フローや業務プロセスを可視化することが重要です。フロー図やマニュアルがない場合には、作成して可視化することから始めましょう。
実際に可視化してみることで、社内のどこでボトルネックが起こっているのか(もしくは起こり得るのか)が特定しやすくなり、分析を行う際のスピードが向上します。
▼業務フローや業務プロセスの改善については下記の記事を参考にしてください
業務分析の手順
業務分析を行うための、下記の手順について解説します。
- 業務分析の目的を明確にする
- 情報収集のプランを立てて実施する
- 分析を行う
- アウトプットにまとめる
業務分析の目的を明確にする
まずは、業務分析の目的を明確にします。どのようなゴールを目指すのかを最初に定義しておくことで、情報収集や分析の方向性が立てやすくなります。
業務分析のゴールには、業務効率化や生産性の向上、コスト削減、人員配置の適正化などがあります。
情報収集のプランを立てて実施する
業務分析には、情報収集が必要不可欠です。
上記で解説したような、業務量や業務時間の調査、アンケートなど、情報収集については下記の観点で計画を立てて実行します。
- 情報収集の期間
- 情報収集のターゲット
- 情報収集の手法
- 必要なツール
- 収集したデータの管理方法
分析を行う
実際に情報が集まったら、分析を行います。最初に立てた目標を達成するために、どのような業務課題があるのかを分析します。
アウトプットにまとめる
業務分析を行ったら、改善策を報告書や提案書といった形でアウトプットとしてまとめます。
経営層や管理者層だけでなく、現場のメンバーにも理解しやすい、納得しやすい形でまとめるのがポイントです。
業務分析で役立つフレームワーク
業務分析では、さまざまな情報や課題を整理することが重要です。
ここでは、業務分析に役立つ下記のフレームワークについて解説します。
- BPMN
- バリューチェーン分析
- MECE
BPMN
BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記法)とは、業務フローを可視化し、改善点を洗い出すのに役立つフレームワークです。
BPMNでは、業務フローを下記の記号を使って表現します。
- イベント:トリガー
- アクティビティ:業務内容
- ゲートウェイ:分岐条件
- シーケンスフロー:実行順序
業務フローを図に落とすことで、作業のなかで業務を整理できる点が特徴です。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析とは、自社の事業におけるプロセスを細分化し、どのプロセスで付加価値(バリュー)を生んでいるのかを分析するためのフレームワークです。
バリューを生んでいるプロセスとコストがかかっているプロセスを割り出すことで、自社の強みと弱みを把握できます。
MECE
MECEとは、さまざまな情報を「漏れなく、ダブりなく」分類するためのフレームワークです。
業務課題を整理し、適切な改善策を立てるために、漏れや被りがないように業務課題をMECEで分類してから対策を考えます。
▼その他にも、業務改善に役立つフレームワークについては下記の記事で解説しています
業務の状況を可視化して分析することが重要
業務分析は、企業が生産性向上を進めるうえで欠かせない取り組みです。業務分析を行うには、現状の業務を正確に把握し、仮説を立ててから行う必要があります。
また、分析を行うにあたって欠かせないのが現状への理解です。まずは社内の業務データを蓄積して「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を把握することから始めます。
業務データの把握には、シンプルな操作性で入力できるTimeCrowdのようなITツールの活用がおすすめです。タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで、プロジェクトごと・タスクごと・メンバーごとの稼働時間の内訳を自動で可視化することができます。業務状況をリアルタイムで確認できるため、分析や改善をすぐに行える点が特徴です。
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