業務改善に役立つフレームワーク9選!問題点の洗い出しやアイデアの整理におすすめ

「業務改善に取り組みたいが進め方がわからない」

「事業や業務の問題点の洗い出しは、どうやって行えばいいのだろう」

このような悩みを持つ方向けに、この記事では業務改善に役立つおすすめのフレームワーク9選について解説します。

業務改善の重要度については理解しているけれど、問題点の明確化やアイデア出しでつまずいている方はぜひ参考にしてください。

業務改善でフレームワークを利用するメリットとは?

まず、業務改善でフレームワークを利用するメリットについて解説します。

業務改善とは?

業務改善とは、事業の課題を明確にし、それを解決することで効率的な環境を作り出すことです。ムリ・ムダ・ムラをなくすことが業務改善の基本。事業の問題を明確にして、その解決に焦点を当てて改善を行います。その問題の明確化や可視化を行う際や解決策を考える上で、思考や行動の枠組みとなるフレームワークが役立ちます。

業務の問題の切り分けが行いやすい

業務改善にフレームワークを利用すると、現状の問題の切り分けが行いやすくなることは大きなメリットです。フレームワークは課題に対する解決策を考える上で、必要な要素が枠組みとして設計されています。それにより、表面的な問題だけでなく、原因の特定もスムーズに行えるのです。

業務改善を行う際に「残業時間を減らしたい」「コストを削減したい」という要件だけを出しても、なぜそれをやるのかが見えづらいでしょう。

例えば、「残業時間の削減」という問題があった場合に、なぜそれが発生しているのかわからなかれば効果的に業務改善を行うことは難しいです。業務が属人化していることで特定の人物の残業が多いのであれば、マニュアルの作成による品質の一定化や人材の育成が改善案として考えられます。業務量に対して人員が不足していることが残業の原因ならば、業務のムダの見直しや新たな人材の雇用といった改善案が考えられます。

本質的な業務のムリ・ムダ・ムラを明確にする上で、既に枠組みが構築されているフレームワークの利用はとても効率的です。

問題の可視化によってメンバーの認識が合わせやすくなる

フレームワークにより事業の問題を可視化することで、それぞれのメンバーの認識が合わせやすくなることもメリットです。問題の全体像が見えるようになると論点が明確になるため、ブレずに業務改善が進められるでしょう。

また、フレームワークによる問題の可視化は、社内のメンバーだけでなく社外を巻き込んだプロジェクトを進める際にも共通認識を持てるためとても効果的。フレームワークを利用すれば、業務改善に対する議論の時間の短縮を実現でき、具体的なアクションや振り返りに時間を割けるようになります。

業務改善に役立つおすすめのフレームワーク6選

次に、業務改善を進める上で役立つおすすめのフレームワークについて紹介します。

ECRS(改善の4原則)

ECRSとは、4つの視点から業務フローの改善点について洗い出すためのフレームワーク。

ECRSの4つの文字は、それぞれ以下を意味します。

  • Eliminate(排除):不要な業務や工程がないか
  • Combine(結合と分離):複数の業務をまとめられないか、同時に行えないか
  • Rearrange(入れ替えと代替):既存の業務やフローを変更し、より効率的に行えないか
  • Simplify(簡素化):複雑な業務やフローを簡素化できないか

ECRSは、改善の効果が大きく、トラブルも起きづらいシンプルで有効な業務改善のフレームワークです。

BPMN(ビジネスプロセスモデルと表記法)

BPMNは、業務フローを可視化し、業務改善のポイントを明らかにするためのフレームワークです。

日本語では「ビジネスプロセスモデルと表記法」と訳され、国際標準で表記法が決められています。そのため、BPMNによって正しく表記された業務フローは誰が見ても理解できるため、共通認識を持つ上でとても効果的です。

BPMNの基本として、

  • イベント:トリガー
  • アクティビティ:業務内容
  • ゲートウェイ:分岐条件
  • シーケンスフロー:実行順序

の4つの記号を用いて表します。

参考:BPMNとは | 一般社団法人BPMコンソーシアム

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、それぞれの事業活動を細分化して付加価値が生み出されている機能を分析し、業務改善の検討を行うフレームワークです。バリューチェーンとは、「価値の連鎖」を意味します。事業戦略を考える上で役立つ主要なフレームワークの1つ。

自社のバリューチェーンであれば、「購買→製造→出荷→販売→サービス」といった流れで整理を行います。その中で、どの工程で付加価値が生み出されているのか、またはコストがかかっているのかといった自社の強みと弱みを明確にするのです。そのような自社の強みと弱みを分析した上で、競争力の向上を目指して業務改善に取り組みます。

QCD

QCDとは業務改善を行う上で、重要な3つの要素を表したフレームワークです。おもに製造業の品質管理に使われるフレームワークですが、さまざまなビジネスの業務改善にも役立ちます。

  • Quality:品質
  • Cost:コスト
  • Delivery:納期

のトレードオフの関係となる3つの要素を表しています。品質を高め、コストを抑え、納期を守るという3つを同時に実現できれば顧客満足を高める上で理想的です。

業務改善に取り組む際に注意したいのは、業務改善と経費削減はイコールではないということ。まずは、Qにあたる業務の質の改善に努め、その上で経費や時間の削減に取り組むといったQCDのバランスを考えた業務改善が重要です。

ロジックツリー

ロジックツリーとは、ツリー構造によって事象を分析するフレームワーク。論理的なつながりによって記述を行いツリー構造で分析することで、原因や手段の関係性を可視化できます。

問題になっていることをまず書き出し、それに紐づく原因について記述していきます。それをツリー状に深堀りすることで、根本的な解決すべき原因の洗い出しが可能です。

KPT

KPTとはKeep・Problem・Tryの略で、業務改善の施策の振り返りに役立つフレームワークです。

  • Keep(継続):機能しているため、今後も継続するもの
  • Problem(問題):問題があり、改善が必要なもの
  • Try(挑戦):Keep、Problemを踏まえ、これから新たに挑戦したいもの

KPTは上記の3つに整理して、業務の振り返りを行います。ホワイトボードや付箋を使うと、可視化でき整理も行いやすいです。

業務改善に役立つその他のフレームワーク3選

業務改善の実行、問題の洗い出し、優先度の決定などで役立つフレームワークについて紹介します。上記の業務改善におすすめのフレームワークと合わせて活用すると、業務改善が効率的に進められるでしょう。

PDCA

PDCAとは、目標設定、解決策の実行、評価、改善というサイクルを回すフレームワーク。Plan・Do・Check・Actionの頭文字を取った言葉です。業務改善のために設定した目標に対し、行動を起こします。それに対して評価、計画との比較や成果の分析を行い、さらなる改善に取り組む上でPDCAは効果を発揮します。

MECE

MECEは「漏れなくダブりなく」業務や状況を整理する上で役立つフレームワーク。「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の頭文字を取った言葉です。ロジカルシンキングの基本となる考え方で、漏れなくダブりなくという考え方で物事を整理します。

例えば、従業員を正社員・契約社員・嘱託職員・派遣社員・アルバイト・パートと分類すれば、一般的な企業であれば漏れもダブりもないでしょう。これを20代・30代・40代と分けた場合には、10代や50代以上が該当しないため漏れが発生します。

MECEを活用すると業務や事業内容を分類する際に、それぞれのメンバーが全体像を把握しやすくなるというメリットがあります。他の業務改善のフレームワークと組み合わせると、MECEはとても効果的です。

4象限マトリクス

4象限マトリクスとは、業務の優先度や重要度を判断する際に役立つフレームワークです。4象限マトリクスでは、2軸によって4つのマトリクスを作って分類を行います。業務改善に活用する場合には、重要性・緊急性の2軸によって分類することで、改善すべき業務の優先順位が判断できます。

フレームワークの特性を理解して業務改善に役立てよう

業務改善のためのフレームワークには、それぞれ特性があります。ECRSやBPMNといったフレームワークごとの特性を理解して、目的に応じて最適なものを選ぶことが業務改善に取り組む上でとても大切です。事業の目的や強みから逆算を行い、より明確に細分化していくことで効果的な業務改善が実施できるでしょう。また、より大きな成果を得るためには、結果から得たデータを元にして継続して業務改善に取り組むことも重要です。

業務改善に取り組むのであれば、まず時間管理ツール「TimeCrowd」の導入を検討しましょう。TimeCrowdを導入することで、メンバーの業務時間が簡単に可視化できます。それにより、現状の業務プロセスにムダがないか確認することが可能です。

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