「テレワークとリモートワークの違いって?」「同じなんじゃないの?」と思いますよね。
新型コロナウイルスの影響もあり、耳にしたり実施したりすることが増えたテレワーク・リモートワークですが、実際の意味についてはあやふやな人が多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、テレワークとリモートワークの違いを解説します。また、テレワーク・リモートワークに似たスタイルも紹介。
「実際どのくらい導入されているのか?」「導入するとどんな効果がある?」といった疑問が解消するデータも公開しています。本記事を読めばテレワーク・リモートワークの違いを理解して、導入のヒントも見つかるはずなので、ぜひチェックしてみてください。
目次
テレワークとリモートワークの違い
まずは、テレワークとリモートワークの違いについて、チェックしていきましょう。2つの言葉の意味や定義などについて、以下の表にまとめてみました。
テレワーク | リモートワーク | |
意味 | 離れたところで働く | 遠くで働く |
語源 | 「tele = 離れた所」と「work = 働く」 | 「Remote=遠隔」と「work=働く」 |
生まれた時期 | 1970年代 | 不明 |
定義 | 情報通信技術(ICT )を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方 | 明確に決められていない |
使う人 | 自治体や省庁、大企業 | IT企業やフリーランス |
言葉の意味を見てみるとテレワークは「離れたところで働く」、リモートワークは「遠くで働く」となり、大きな違いはありません。明確な違いは『生まれた時期』『定義』『使う人』にあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
言葉が生まれた時期の違い
テレワークが生まれたのは、1970年代のアメリカ・ロサンゼルス。自動車による大気汚染や石油危機といった問題を、解消するために導入されたのがテレワークだといわれています。
一方、リモートワークの生まれた時期は明らかになっていません。しかし、テレワークよりも後に生まれた言葉で、歴史的には新しいとされています。
定義の違い
テレワークは日本テレワーク協会によると、以下のように定義されています。
「情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと」
リモートワークは、明確な定義は定まっておらず、遠隔で働くスタイル全般を指すのが一般的です。
使う人の違い
テレワークとリモートワークは、意味に大きな違いはありませんが、使う人の傾向が分かれます。テレワークは「自治体や官庁」「大企業」で使われ、リモートワークは「IT企業」や「フリーランス」が用いる傾向があります。
「どちらを使えばいいかわからない…」という場合は、働く相手や環境に応じて使い分けてみましょう。
テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の違いとは
テレワークとリモートワークの違いが気になる人は、「在宅勤務」との違いも気になっていませんか?ここでは、テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の違いに迫っていきましょう。
在宅勤務はテレワークの1種
在宅勤務とは、自宅で会社とパソコンやインターネット、電話などで連絡をとりながら働くスタイルで、テレワークの働き方の1つです。そもそも、テレワークは働く場所により、以下の3つに分かれています。
- 在宅勤務:在宅で働く
- モバイルワーク:顧客先や移動中に働く
- サテライトオフィス勤務:勤務先以外のオフィススペースで働く
テレワークは、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の総称です。つまり、テレワークとリモートワーク、在宅勤務は呼び方が異なるだけで、同じく離れた場所で働くスタイルといえます。
テレワーク・リモートワークと同じような働き方
テレワークとリモートワークのような、離れた場所で働くスタイルと似た言葉は他にもあります。ここではテレワーク・リモートワークと同じような働き方ができる「ノマドワーク」「クラウドソーシング」の意味をチェックしてみましょう。
ノマドワーク
ノマドワークは、フランス語で『遊牧民』を意味する「ノマド」と、働くという「work」を組み合わせた造語。雇用の有無に関わらず、自分の好きな場所で働くスタイルのことです。
電源やWi-Fi環境がある場所なら、どこでもノマドワークをすることができます。離れた場所で働いているという点は、テレワーク・リモートワークとも同じです。
クラウドソーシング
クラウドソーシングは、発注形態の1つ。外部の不特定多数の人に仕事を発注するサービスやプロセスを指します。
クラウドソーシングを利用すれば、雇用されていなくてもテレワーク・リモートワークのような働き方が可能です。テレワーク・リモートワークは働き方、クラウドソーシングは発注形態を指す点が違います。
テレワーク・リモートワークの導入率や事例
テレワークとリモートワークの違いについて理解できると、「実際、企業はどのくらい導入を進めているのか?」「どのような効果があるのか?」も気になってくることでしょう。ここでは、テレワーク・リモートワークの導入率や事例についてご紹介します。
2020年3月・4月の導入率【東京都】
2020年の新型コロナウイルスの影響により、一気にテレワークの導入スピードが加速しました。東京都が行ったテレワーク導入状況のアンケート調査によると、2020年3月の調査では導入している都内企業は24.0%だったのに対し、2020年4月には62.7%と大幅に増加していることが明らかになっています。
従業員規模から見る導入率
先ほどご紹介した東京都のテレワーク「導入率」緊急調査結果によると、従業員規模別の導入率には以下のような違いがあることが明らかになっています。
大・中堅企業
(300人以上) |
中小企業
(100~299人) |
小規模企業
(30~99人) |
|
3月の導入率 | 44.6% | 25.0% | 19.0% |
4月の導入率 | 79.4% | 71.3% | 54.3% |
上記のデータを見ると、企業規模が大きくなるにつれ、テレワーク導入率もアップする傾向が見てとれます。
導入事例
総務省はテレワーク実施企業に調査を行い、導入事例集を公開しています。その事例集には、以下のようにさまざまなテレワーク導入事例が掲載されています。
- 青森県「ディーシーティーデザイン」:仕事の効率・生産性アップ。外注3割減で人材選択の幅が広がった。
- 富山県「株式会社岡部」:テレワーク導入で育児と仕事の両立が可能に。プライベートも充実。
- 長野県「株式会社エー・トゥー・ゼット」:テレワーク導入で残業時間6割減。
- 鳥取県「株式会社はっぴぃりんく」:社員離職対策にも有効
- 徳島県「サイファー・テック株式会社」:テレワーク活用で社員数が2年で4倍増加
事例からは、テレワークを導入し、実際にどのような効果が表れたのか、働く社員の声を知ることができます。テレワークを検討している企業は、導入のヒントに事例をリサーチしてみてはいかがでしょう。
テレワークとリモートワークは相手や状況によって使い分けよう
テレワーク・リモートワークは、言葉の生まれた時期や定義などに違いが見られるものの、離れて働くスタイルは同じです。どちらを使えばいいかわからないときは、相手や状況により使い分けるとより伝わりやすいでしょう。
新型コロナウイルスの影響により、テレワークの導入が一気に進んだことから、テレワーク・リモートワークに関心をもつ人・企業は増えていると推測されます。さまざまな情報をリサーチしつつ、テレワーク・リモートワークの導入を進めてみてはいかがでしょう。