セキュリティソフトの開発・販売を手掛ける株式会社LogStareは、2021年から工数管理ツール「TimeCrowd」を導入し、現在でも活用を続けています。
弊社(タイムクラウド株式会社)では、同社の取締役・堀野友之様に、約3年前にインタビューを実施し、具体的な活用方法や導入後の効果などについてお伺いしました。
▼第1回目のインタビューについては、こちらからご確認ください
その後、堀野様は株式会社セキュアヴェイル(株式会社LogStareの親会社)の取締役執行役員に就任し、同社でもTimeCrowdの導入を推進していただきました。
今回は堀野様への第2回目のインタビューとして、以下の内容を中心にお伺いしています。
- 導入から約3年が経過した株式会社LogStareでの運用について
- 新たに導入を進めた株式会社セキュアヴェイルでの活用方法について
- 親会社と子会社の稼働状況を一元管理することのメリットについて
とくにグループ会社との人材連携を検討している経営層や人事部門の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
■プロフィール
株式会社LogStare取締役 兼 株式会社セキュアヴェイル取締役執行役員
堀野友之様
■TimeCrowd導入前の課題
- 社員が別々の方法で工数管理を行っていたため、稼働状況を一元管理できていなかった
■TimeCrowd導入後の成果
- 稼働状況が可視化されたことで、プロジェクトの途中でも軌道修正ができるようになった
- 部門間やグループ間での人材異動がスムーズになり、採用コストを削減できた
- 1ヶ月あたり1人月の業務改善につながった
目次
子会社で使用していた「TimeCrowd」を親会社でも導入
──改めて、株式会社LogStare様について教えてください。
株式会社LogStare(以下、LogStare)は、ネットワーク監視・ログ管理・AI予測を一本化したソフトウェアサービス「LogStare」の開発から販売までを行っています。以前のインタビュー記事でもお話したように、当時は「入力のしやすさ」と「コストパフォーマンスの高さ」を理由にTimeCrowdを導入し、あれから約3年が経った現在でも運用を続けています。
TimeCrowdを活用することで、事前にスケジュールを引いていたロードマップ(いつまでに・何をリリースするのか)と、実際の工数状況を照らし合わせたうえで、プロジェクトの途中で軌道修正ができるようになったほか、新たに工数見積を行う際の精度も向上するなど、さまざまなメリットを感じています。
──今回、親会社である株式会社セキュアヴェイル様でも導入を進めていただきましたが、その背景を教えていただけますでしょうか。
2024年の夏ごろに、私がLogStareの取締役と兼任というかたちで、親会社の株式会社セキュアヴェイル(以下、セキュアヴェイル)でも取締役執行役員に就任しました。当時まで、セキュアヴェイルでは工数管理のルールが存在せず、各自がExcelや日報を使って工数を記録していました。そこで「子会社のLogStareで培った工数管理を普及させよう」と思い、TimeCrowdの導入を決めたというのが背景です。
──セキュアヴェイル様の事業内容について、改めて教えていただけますでしょうか。
セキュアヴェイルは、情報セキュリティの設計・構築・監視を行っている会社です。セキュリティの監視は24時間365日の対応が求められるため、なかには社員が常時稼働している部署もあります。そのため、工数管理を通じて「どのようなトラブル対応に時間をかけているのか」「社内的な業務に無駄はないか」といった部分を確認するようにしています。
また、お客様への導入支援に関わる部署では、人件費が原価に関わるため「どの案件に・どれくらいの時間をかけているのか」を確認しています。極端な話ですが、たとえば100万円で受注した案件に対して、150万円の人件費をかけてしまうと赤字になります。とくにソフトウェアの販売ではよく聞く話ですが「契約に至るまで(プリセールス)に時間を使いすぎていないか」は、社内でも重点的に確認しています。なぜなら、本来的にはそこだけでなく、自分たちのお客様に対するご提案(ポストセールス)にも時間を割くべきだからです。とくに経営目線では、このような広い視野から事業全体を捉えるようにしたいと考えています。
工数管理に取り組む意義を伝え、社員との目線をあわせる
──導入後の運用についてはいかがでしょうか。
まずは、工数管理に取り組む意義を周知するところから始めました。ただ単に「毎日入力をしてほしい」と伝えるだけでは、すぐに運用が形骸化してしまいます。そのため、会社側のメリットだけでなく、社員側のメリット(とくに働き方改革の改善)をしっかりと伝えることを意識しました。目指すべきゴールの目線合わせができれば、工数管理の取り組みは、社員にとっても、会社にとってもプラスなものになるはずです。
また、実際の運用については各マネージャーに「1週間に1回は自分の部下の状況を見るように」と伝えています。チーム内の状況を確認するのはもちろん、入力間違いなどの修正にすばやく対応できるようにするためです。
──御社ならではの活用方法はありますでしょうか。
各メンバーの名前を「所属_チーム:名前」という命名規則で管理し、細部まで分析できるようにしています。管理者側では、所属とチームの2段階に分けて確認できるので「どこで・何が起きているのか」を正確に把握できます。
▼(例)TimeCrowdのレポート画面
※上記レポートはイメージです。実際のレポートではございません。
あとは、LogStareでは開発チームに業務委託メンバーが複数いるため、それぞれの時間単価を設定し、そのまま外注費として計上できるようにしています。
運用開始後には、操作に迷わないように「どのタスクカテゴリに打刻するか」を気軽に相談できるチャットを設けました。これによって「その稼働は本当に管理費用なの?原価じゃないの?」といった確認ができ、管理者だけでなく、現場の従業員のコスト意識が今まで以上に高まったと感じています。
稼働状況を可視化し、部門間やグループ間での人材異動を実現
──導入後、どのような成果を感じていますでしょうか。
数値化されたデータをもとに、業務改善に取り組めるようになりました。たとえば、想定よりも社内会議やメールの確認に時間を取られていたことが判明したので、「会議は10人参加したら10人×1時間の工数がかかるので、適正人数に絞ろうね」だったり、「チームメーリスに入る人数をもう少し絞ってみよう」だったり、データに基づいたフィードバックができています。
ちなみにLogStareでは、2024年の1年間で1ヶ月あたり1人月の業務改善につながりました。サービス業という特性上、他の業種業界よりも原価率は比較的高い傾向にあるため、ここを削減することは、経営上大きなメリットにつながると考えています。
また、新しい企画(=投資)を始めるときには、専用のダッシュボードを作成し、原価ベースでどれくらいの投資になっているのかを確認しています。社内では「これぐらい原価がかかるなら、これぐらいの売上が必要になるよね」といった建設的な議論もできるようになりました。
──前回のインタビューでは「今後は人員の増強や採用計画にも活用したい」と伺いましたが、このあたりはいかがでしょうか。
当初に思い描いていた活用ができています。とくにLogStareについては、開発業務がメインになるので「これぐらいの工数が足りない」というデータがわかれば、採用の意思決定も行いやすくなります。
実際に2024年の4月からは、親会社のセキュアヴェイルから3人出向してもらっています。もちろん経理上はお金のやり取りはありますが、結果としては「3人分の採用コストが浮いた」と捉えることもできます。このように、親会社と子会社で稼働状況を一元管理できるようになったことで、グループ横断でのリソース配分ができるようになりました。
──その他にも、実感している効果などがありましたら教えてください。
現状のリソースキャパシティ(=開発能力)がわかることで「もともと予定していた他の機能開発には、追加でこれぐらいの時間がかかりそう」といった、別の議論にも応用ができています。データをもとにして、ロードマップを軌道修正したり、リソースの追加投入を検討したりなど、建設的な議論を進めるうえでの基盤となっています。
社員の“生きた時間をつくる”ために、今後も活用を続けていく
──今後、どのようにTimeCrowdを活用していきたいと考えていますでしょうか。
セキュアヴェイルでは、今はまだ「本当に必要な業務は何か」を選別している段階です。これから徐々に見極めて、適切な場所に、適切なリソースを配分できるようにしていきたいと考えています。
また、個人的にはTimeCrowd社が掲げている「生きた時間をつくる」というコンセプトに強く共感しているので、社内でもこの考え方を根付かせていきたいと思います。たとえば、稼働が空いている社員がいた場合、本人から強い申し出があれば、会社側から新たなチャレンジを与えてあげるとか。逆に、忙しいメンバーがいたら部署を超えてでもお互いに助け合うとか。そういった、社員も会社もお互いに幸せになれるような活用を進めていきたいです。
編集後記
株式会社LogStare様や株式会社セキュアヴェイル様のように、部門間やグループ間での稼働状況を一元管理するために、TimeCrowdをご活用いただくケースが増えています。従来まで分断されていた工数管理が統一されることで、共通の指標で状況を確認できるため、適切なリソース配分が可能になり、全体最適な意思決定につながります。
また、TimeCrowdはメンバーにかける負担を最小限に抑えたうえで工数管理を実現できることが特徴です。タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで、簡単に工数データの入力が可能。カレンダーアプリ(Google・Outlook)と連携することで、予定していたスケジュールをもとに自動で打刻を行うこともできます。
このような背景から、累計5,500社以上の企業様でご活用いただいています。「どのタスクに・どれぐらい時間(=人件費)をかけているのか」を正確に把握できるため、業務改善や収支改善に向けた取り組みにご活用いただけます。
各社にあわせた最適なご提案をいたしますので、少しでもご興味のある企業様は、下記のサービス資料から詳細な機能や利用手順についてご確認ください。
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