業務プロセス改善とは?メリットや手順、注意点を解説

業務プロセスの改善とは、目標を達成するために必要な業務の流れを改善することです。

業務プロセスの改善には、目標の設定と現状の可視化が必要です。この記事では、業務プロセスの改善について、メリットや手順、実施する際のポイントなどについて解説いたします。

業務プロセスとは

業務プロセスとは、目標を達成するために必要な業務の開始〜終了までの一連の流れを意味します。

各企業には、生産・営業・事務といったさまざまな業務が存在します。目標を達成するには、これら複数の業務を適切に行う必要があり、その一連の流れを業務プロセスと呼ぶのです。

「業務フロー」との違い

業務プロセスと似た言葉に「業務フロー」があります。業務フローとは、企業が目標達成をするために必要な業務のうち、特定の業務に関する手順や流れのことです。

一般的には、業務フローよりも業務プロセスの方が大きい単位になります。

システム開発企業(支援企業)を例に挙げた場合、業務プロセスは下記のようなイメージになります。

  1. 営業
  2. 契約
  3. 要件定義
  4. 開発
  5. テスト
  6. 納品
  7. 導入支援
  8. 保守・運用

また上記のうち、営業における業務フローは下記のように分解されます。

  1. リード創出
  2. アポイント獲得
  3. プレゼン
  4. 商談

このように、企業活動の一連の流れを「業務プロセス」と呼び、そのうち特定の業務プロセスにおけるタスクの流れを「業務フロー」と呼びます。

業務プロセス改善のメリット

業務プロセスを改善することで、下記のようなメリットがあります。

  • 生産性の向上
  • 従業員のモチベーション向上
  • 業務の品質向上
  • リスクマネジメント

生産性の向上

業務プロセスを改善することで、非効率なプロセスを効率化して、組織全体の生産性を向上させることができます。

少子高齢化に伴う労働人口の減少に向けて、各企業では競争力の強化が求められているでしょう。業務プロセスを改善することで、限られたリソースのなかで生産性の向上に向けた取り組みが可能になります。また、コストを下げて利益率の改善につながる場合もあります。

働き方改革やデジタル化、DXの推進にもつながるため、中長期的な企業の成長も期待できます。

▼生産性向上の具体的な方法や成功事例は下記の記事を参考にしてください

従業員のモチベーション向上

業務プロセスの改善によって業務効率が向上すれば、従業員の精神的・肉体的な負荷が減るため、モチベーションの向上につながります。

また、常態化している長時間労働を解消することで、働き方改革にもつながります。従業員の退職や休職による人手不足が課題となっている場合には、業務プロセスの改善を行うことも1つの方法です。

▼従業員のモチベーションを高める方法やポイントは下記の記事を参考にしてください

業務の品質向上

業務プロセスの改善は、業務の品質向上にもつながります。

業務効率が向上することで、ミスや手戻りが減少します。その結果、成果物の品質が向上するため、取引先からの信頼性の向上、企業の競争力強化にもつながるでしょう。

リスクマネジメント

業務プロセスが不透明なままでは、業務が属人化していることに気づけないおそれがあります。

業務プロセスの改善を行う過程で、業務の可視化を行うことで、属人化している業務を特定して解消できる点がメリットです。

業務が属人化している場合、担当者がタスクを捌ききれなかった際に、業務全体が遅延してしまうおそれがあります。また、急な欠員や退職などがあった際には、他のメンバーが業務を担当できなくなり、業務が滞ってしまうことも考えられます。

トラブルやエラーがあった際に迅速なフォローを行うためにも、可能な限り業務を可視化して、いつでもプロセスを確認/改善できる状態にしておくことが重要です。

▼業務属人化の原因や解消方法については下記の記事を参考にしてください

業務プロセスの改善を行う手順

業務プロセスの改善を行う際には、下記のようなさまざまな準備を行うことが重要です。

  • 目標(ゴール)を設定する
  • 現在の業務を可視化する
  • 改善すべき課題を特定、分析する
  • 改善策を考案、実施する
  • 効果測定をする

目標(ゴール)を設定する

まずは目指すべき目標(ゴール)を設定します。

目標(ゴール)を設定することで、現状とのギャップを洗い出しやすくなり、改善施策を立てやすくなります。目標はKPIのような形で、可能な限り明確かつ具体的なところまで立てることが重要です。

現在の業務を可視化する

目標を設定したら、現状の業務プロセスを可視化します。

可視化する際には、下記のようなポイントを確認しましょう。

  • 業務プロセスに含まれるフロー/各フローの手順
  • タスクの内容

洗い出しができたら、図解やフローチャートの形で可視化します。BPMツールを使うことも1つの方法です。

▼BPMの意味やおすすめのツールについては下記記事を参考にしてください

また、各プロセスで「どれくらい時間をかけているのか」を可視化できる時間管理ツールの活用もおすすめです。

TimeCrowdを活用することで、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を可視化できます。業務カテゴリごとの所要時間を計測できるため、時間がかかりすぎている業務プロセスを確認して改善することが可能です。

▼TimeCrowdのレポート画面例

シンプルな操作でタスクの所要時間を計測できるほか、計測したデータは自動で集計されるため、メンバーにも管理者にも負担をかけることなく作業時間の計測ができます。

TimeCrowdのサービス内容について少しでもご興味のある方は、下記のサービス資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください

時間管理ツール「TimeCrowd」の資料をダウンロード

改善するべき課題を特定/分析する

業務プロセスを可視化したら、目標(ゴール)とのギャップを洗い出し、改善するべき課題を特定します。

善するべき課題は、主に下記のような観点で洗い出します。

  • ミスや手戻りが多い
  • 時間がかかりすぎている
  • リソースが不足、または過剰
  • 省略や自動化できるフローがある

改善策を考案・実施する

改善するべき課題を特定したら、原因の分析や改善の方針を決定します。改善策を考案して実施します。

ただし、すべての課題を一気に解決するのは現実的ではありません。優先順位をつけて、重要な課題や緊急性の高い課題から取り組むことが重要です。

効果測定をする

改善施策を実施したら、効果を測定します。効果測定は、数値として測定できる定量的な効果と、従業員や顧客からヒアリングする定性的な効果の両方を測定するのがポイントです。

想定よりも効果が出ていなかったり、改善するべきポイントが残っている場合には、改善施策を練り直して再度実行し、PDCAを回しながら業務プロセスの改善を継続します。

業務プロセス改善を行う際のポイント

業務プロセスの改善を行う際に重視したい、下記のポイントについて解説します。

  • 業務プロセス改善の意義を理解してもらう
  • 定期的にヒアリングを行う
  • ツールを導入する
  • コンサルティングやアウトソーシングの利用も検討する

業務プロセス改善の意義を理解してもらう

業務プロセスを改善するにあたり、これまでとは違う手順で業務を行ったり、新しいツールを導入したりする場合があるでしょう。

しかし、新しい業務プロセスの変化に慣れるまでは、現場に負担がかかる可能性があります。改善の意義を十分に説明して、理解を得るのがポイントです。

また、改善の意義が伝わっていない場合、これまで通りでよいと思われてしまうことで協力を得られなくなる可能性もあります。業務プロセスの改善を進めることで「労働時間を短縮できる」「有給休暇を取得しやすくなる」などの、現場側のメリットをアピールすることも重要です。

定期的にヒアリングを行う

定期的にヒアリングを行い、フォローをしたりフィードバックを得たりすることもポイントです。

業務プロセスの改善にあたり、現場に負担がかかる可能性があるため、定期的なヒアリングを通じてフォローを行うことが重要です。また、同時にうまくいっている点やうまくいかない点などをヒアリングすることで、改善施策のフィードバックを得られます。

現場の協力がなくては業務改善は進められないため、現場との信頼関係を維持向上するためにもヒアリングは欠かさないようにしましょう。

ITツールを導入する

業務プロセスの可視化にITツールを利用していない場合には、ツールの導入を検討しましょう。

時間管理ツールTimeCrowdを利用することで「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」をリアルタイムで可視化することが可能です。

エクセルなどの手動のツールで管理をすることも可能ですが「入力が形骸化する」「関数が壊れる」などの理由から、運用が続かないおそれがあるため、基本的にはITツールの導入がおすすめです。

▼業務改善におすすめのツールは下記の記事を参考にしてください

コンサルティングやアウトソーシングの利用も検討する

「業務プロセスの改善に関するノウハウがない」「有効な改善施策を考案できない」「施策を実施したが効果が出ない」といった場合には、外部の専門業者に依頼をすることも1つの方法です。

現状のリサーチから改善施策の立案・実施・効果測定まで依頼をすることで、自社のみで実施をするよりも大きな効果を期待できます。

また、業務の一部をアウトソーシング(外注)して、社内のリソースをより重要な業務に集中させることも1つの方法です。

業務プロセスの改善には、正しい現状把握が重要

業務プロセスを改善することで、生産性や従業員のモチベーションの向上、リスクマネジメントなどにつながります。

改善を進める際には、まずは目標(ゴール)を設定することが重要です。あるべき姿を具体的に定めたうえで、現状を正しく把握してギャップを洗い出し、改善策を検討します。

現状を把握する際には、「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を正しく計測/可視化する必要があります。現状を正しく把握できなければ、課題を特定することができません。

一方で、現状把握に時間や工数がかかりすぎては本末転倒なため、可能な限り運用に負担のかからないTimeCrowdのようなITツールの導入がおすすめです。

TimeCrowdは累計4,000社以上の企業様でご利用いただいている時間管理ツールです。最初の2週間は無料でご利用いただけるため、少しでもご興味のある方はお気軽にお試しください。

TimeCrowdの無料トライアルに申し込む
TimeCrowdに戻る