実現したいことがあっても、自分にはハードルが高いと諦めてしまったり、何から手をつけていいかわからず足踏み状態のままだったり、ということがありますよね。
そんなときに思い出したいのが、
「困難は分割せよ」
という、哲学者・デカルトの言葉です。
困難という“塊”も細かく分解してみると、一つひとつは意外と簡単にクリアできる問題かもしれません。そう考えると、複雑なものがシンプルに見えてきて、解決してみたくなるのでは?
そこで今回は、物事を分解して課題を可視化するのに役立つフレームワーク、「ロジックツリー」と「マンダラート(マンダラチャート)」を紹介します。
ロジックツリー:~問題を分解するとやるべきことが見えてくる~
ロジックツリーは、物事の原因や解決策を見いだすためのフレームワークです。枝分かれする木(ツリー)のように問題をいくつもの要素に分解していくことで、見えなかった問題の本質が明らかになっていきます。右に向かうほど情報が具体的に分解され、左に向かうほど要約される構造になっています。
また、図で表すことで、チームメンバーなどと物事を俯瞰して見ながら問題を共有でき、認識のズレや見落としに気づきやすいという利点もあります。
ロジックツリーには、大きく分けて次の2種類があります。
●Howツリー(問題解決ロジックツリー)
「How?/どのように?」を繰り返して、具体的な解決策を導きだすためのフレームワークです。目標を達成するために必要な作業を具体化して、整理するときなどに役立ちます。
これは、「集中して仕事をするためにはどうすればいいか?」を考え、その方法を分解した一つの例です。
●Whyツリー(原因究明ロジックツリー)
「Why?/なぜ?」を繰り返して、具体的な原因を究明するためのフレームワークです。問題の全体像を把握し、原因や要因を整理するときなどに役立ちます。
これは、「なぜチームの生産性が上がらないのか?」を考え、その理由を分解した一つの例です。
マンダラート(マンダラチャート):~ゲーム感覚でTo Doをクリアしながら目標を達成~
マンダラート(マンダラチャート)は、仏教(密教)の世界観をあらわした曼荼羅(マンダラ)のように、中央から放射状に広がるマスを用いたフレームワークです。メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が高校時代に作成した「目標達成シート」によって、このフレームワークを知っている人も多いのではないでしょうか。
使い方は簡単。かなえたい目標や解決したい問題を9つのマスの中心に書き、そこから連想されるアイデアやキーワードを周辺の8つのマスに展開します。さらに、その8つのマスを中心にして、まわりのマスへと展開していきます。
たとえば、「アンティークショップを開業する」という目標がある人の場合は、こんな感じになります。
こうして目標を分解していくと、やるべきことが可視化されると同時に、すぐにできることと時間がかかること、一人でできることと人に頼むことなども明確になるので、プランニングしやすくなります。
夢や目標をそのまま終わらせないためには、作成したマンダラート(マンダラチャート)を目につくところに貼るなどして、常に意識することが大事だそうです。
おわりに
一見、難題に見えることや複雑に感じることも、ロジックツリーやマンダラート(マンダラチャート)などのフレームワークを使って分解してみると、根本的な問題が見えてきて、シンプルなことに思えてくるのではないでしょうか。
難題に遭遇したら、それに正面から向き合って時間を費やすよりも、その物事をどんどん分解して問題を多面的に見ることで、解決のスピードが上がるかもしれませんね。
参考
『ビジネスフレームワーク図鑑_すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70』、株式会社アンド、翔泳社、2018.
『すべての仕事を3分で終わらせる_外資系リーゼントマネジャーの仕事圧縮術』、岡田兵吾、ダイヤモンド社、2018.