経理部の目標設定はどう行う?具体例や設定するメリットなどを解説

経理部は、企業の財務状況を正確に把握し、適切な管理を行う重要な部門です。しかし、その業務の特性から目標設定が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、経理部における目標設定の難しさや目標設定を行うメリット、具体的な手順、そして成功させるためのポイントについて解説していきます。

経理部の目標設定が難しい理由


経理部の目標設定が難しいと言われる理由には、大きく分けて下記2つの理由があります。

  • 数値化の難しさ
  • 定型業務の多さ

数値化の難しさ

経理部の業務は、営業部でいう「売上目標」のような具体的な数値で成果を測ることが難しいです。そのため、定量的な目標設定が難しく、客観的な目標設定を行いづらい傾向にあります。

定型業務の多さ

経理部の業務は、日々の会計処理が中心となる定型業務が多く、革新的な目標設定を行いづらいです。日頃から何か大きな目標を成し遂げるのではなく、問題なく業務を進めることにフォーカスを当てて業務に取り組みます。そのため、大きな課題がない限りは、真新しい目標を設定しづらいと考える方が多いのかもしれません。

経理部で目標設定を行うメリット

一方で、経理部で目標設定を行うことで、下記のようなメリットがあります。

  • 業務改善につながる
  • モチベーション向上につながる
  • 評価を行いやすくなる

業務改善につながる

定常業務の効率化を図ることで、業務改善につなげることができます。

業務改善が進めば従業員一人ひとりの業務負担が削減し、働き方改革の改善につながるほか、離職率の減少やミスの削減といった副次的な効果も得られます。

また、空いた時間で他の業務に取り組めるようになり、組織全体の稼働リソースを拡大することができます。

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モチベーション向上につながる

目標達成に向けて取り組むことで、従業員のモチベーション向上や、やりがいを感じてもらうことにつながります。

会社への忠誠心が高まり、従業員満足度スコアの向上や新規採用への効果、主体的な業務改革の取り組みなどのさまざまな効果が期待できます。

評価を行いやすくなる

目標を設定し、その達成度を評価することで、従業員の貢献度を客観的に評価することが可能になります。

一般的に経理部のような間接部門では、客観的な評価を行いづらいため、従業員が不平不満を抱きやすい傾向にあります。しかし、それは組織全体の目標と従業員一人ひとりの目標を紐づけられていないことが原因として考えられます。

適正な評価を行うことで、従業員のモチベーション向上や離職率の減少などの効果を見込めます。

経理部の目標設定を行う手順

経理部の目標設定は、下記4つのステップで行うのがおすすめです。

  1. 現状を把握する
  2. 課題を特定する
  3. 定性的/定量的な目標に落とし込む
  4. チーム内に共有する

1.現状を把握する

まずは、現在の業務状況を詳細に把握することから始めます。業務フローや課題、従業員一人ひとりの強みなどを洗い出すことで、現場に沿った目標設定を行うことができます。

「誰が・どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」を把握するには、TimeCrowdの活用がおすすめです。タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで、従業員一人ひとりの稼働状況やチーム全体の稼働状況を簡単に把握することができます。

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また、Google カレンダーやOutlook カレンダーと連携することで、予定表をもとに自動で打刻することも可能です。従業員に負担をかけず、工数管理を簡単に導入できるため、累計4,000社以上の企業様でご活用いただいています。

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2.課題を特定する

現状を把握できたら、改善するべき課題を特定します。たとえば「マネジャーの業務時間が長すぎる」「新人のミスが多い」「業務Aで属人化が進みすぎている」など、具体的な課題を洗い出します。

そして、なかでも優先して解決するべき課題を「緊急度」と「重要度」の2軸から絞り込み、優先順位を決めましょう。

3.定性的/定量的な目標に落とし込む

課題を特定したら、それを具体的な目標に落とし込みます。たとえば「業務時間を10%短縮する」「業務Aのミスを平均5件/月から3件/月に減らす」といった、定量的な目標を設定することが理想です。

また、定量的な目標設定が難しい場合は「期日」と「達成したいイメージ」を設定し、定性的でも構わないので可能な限り具体的な目標を設定します。

4.チーム内に共有する

設定した目標は、可能な限りチームメンバーに共有をします。また、従業員一人ひとりの目標で他者への共有が難しい場合には、チーム全体の目標を共有しましょう。

目標達成に向けて、全員が同じ方向を向いて取り組むことで、より効果的な成果が期待できます。

経理部の目標設定の例

経理部の目標設定の例としては、下記のようなものが挙げられます。

  • 業務時間の短縮
  • 業務属人化の解消
  • ミスや手戻りの削減

業務時間の短縮/効率化

時間がかかりすぎている業務があれば、業務時間の短縮を目標に掲げてみましょう。

TimeCrowdのような時間計測ツールを活用して「◯時間/月かけていた業務を、◯ヶ月後には◯時間/月にする」といった具体的な目標に落とし込みます。

また、時間短縮をするための手段としてテクノロジーの活用もおすすめです。最近では、RPAなどの技術を使うことで、複雑なプログミング知識なしで簡単に業務を効率化することができます。社内のルールと予算を守る前提で、手段の検討から従業員に任せてみるのもよいでしょう。

▼業務効率化の具体的な方法については、下記の記事を参考にしてください

業務属人化の解消

特定の業務が属人化している場合、従業員が休みづらくなったり、仮に休んでしまったときに業務が回らなくなる可能性があります。

そのため、属人化している業務があれば標準化し、対応できるメンバーを増やす必要があります。具体的には「◯ヶ月後にはチームメンバーのうち◯人が、一人で業務Aを対応できるようにする」といった目標を設定し、マニュアルを作成したり、勉強会を開いたりなどして、属人化の解消に向けた取り組みを行いましょう。

▼業務属人化の対策や解消法については、下記の記事を参考にしてください

ミスや手戻りの削減

定常業務のなかでミスや手戻りが多く発生している場合は、削減に向けた努力が必要です。チェックシートを作成したり、ダブルチェックの体制を導入することで、ミスや手戻りを削減していきましょう。具体的には「◯ヶ月後には、業務Aに関するミスを現状の◯件/月から◯件/月に削減する」といった目標を設定します。

ミスや手戻りは本人の意識だけで改善できるものではありません。そもそもミスや手戻りが発生しない仕組みづくりから見直すことが重要です。

経理部の目標設定を行う際のポイント

目標設定を行う際には、下記のポイントを意識しましょう。

  • SMARTの法則に従う
  • 短期と中長期で目標を分ける
  • 従業員一人ひとりと話し合う

SMARTの法則に従う

目標は、下記のSMARTの法則に従って設定することが重要です。

  • Specific(具体的)
  • Measurable(測定可能)
  • Achievable(達成可能)
  • Relevant(関連性がある)
  • Time-bound(期限がある)

なかには定量的に設定できない目標もあるため、必ずしもすべて網羅する必要はありませんが、可能な限り条件を満たした目標にしておくことで、あとで振り返りが行いやすくなります。

短期と中長期で目標を分ける

目標には「短期的に達成するもの」と「中長期的に達成するもの」の2つがあります。この2つを分けることで、いま取り組むべき優先的な目標を意識して、日頃の業務に当たることができます。

また、目標に時間軸を設定することで、従業員はモチベーションを維持しつつ、達成に向けた努力を行うことができるでしょう。

従業員一人ひとりと話し合う

目標設定の際には、従業員一人ひとりと話し合い、意見を聞きながら目標を決めることが重要です。

もちろん会社全体や部署全体の目標から逆算して決めることも重要ですが、あまりにトップダウンで決めてしまうと、従業員の納得感を醸成できないまま目標が形骸化してしまう可能性があるため注意が必要です。

まとめ

経理部の目標設定は、決して簡単なものではありません。しかし、適切な目標を設定し、チーム全体で取り組むことで、業務の効率化や従業員のモチベーション向上につながります。

本記事で紹介した内容を参考に、貴社の経理部の目標設定に役立てていただければ幸いです。

▼間接部門の目標設定については、下記の記事も参考にしてください

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