「仕事でやるべきタスクが多すぎて、優先順位が決められない…」
「すぐにやらなければいけないタスクをこなしているが、今いち成果が挙がらない」
このような悩みを持つ方におすすめしたいのが時間管理のマトリックスというフレームワークです。
この記事では、時間管理のマトリックスとは何かを始め、4種類のタスクの分け方やそれぞれのタスク例について解説します。ぜひ、効率的な時間の使い方を実現し、生産性の高い仕事を行う上でこの記事を参考にしてください。
▼また、時間管理に苦手意識のある方は合わせて下記記事もご参照ください
目次
時間管理のマトリックスとは
まず、時間管理のマトリックスとは何かといった概要について解説します。
時間管理のマトリックスとはタスクの優先度を判断するフレームワーク
時間管理のマトリックスとは、やらなければならないタスクの優先度を判断するためのフレームワークです。緊急度と重要度という2つの軸を使いタスクの分類を行うため、「緊急度と重要度のマトリックス」と呼ばれることもあります。
ビジネスパーソンは日々仕事をする中で、新たなタスクが増えていくもの。その中でも優先度の高いToDoから順番に対応していくことが、生産性を高めるためにはとても重要です。そのような優先度の判断を行う上で、考え方の基本として活用できる時間管理のマトリックスはとても役立ちます。時間管理のマトリックスは、ビジネスパーソンがビジネスの基礎として覚えておくべきフレームワークと言えるでしょう。
時間管理のマトリックスを提唱したのは誰?
時間管理のマトリックスは、スティーブン・R・コヴィー氏が『7つの習慣』という著作の中で提唱しました。
『7つの習慣』は、世界的に人気の高い自己啓発本のベストセラーです。成功者の方々を観測することで見出した重要な習慣が、『7つの習慣』としてわかりやすくまとめられています。小手先のテクニックではなく、誠実さや謙虚さといった人格を磨くことが成功するための道であると説いていることが、『7つの習慣』の興味深い点と言えるでしょう。この記事を読み、時間管理のマトリックスの重要性を理解したあとに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
時間管理のマトリックスを利用するメリット
時間管理のマトリックスには「不要なタスクを見極められる」「リソースの分配が適切に行える」というメリットがあります。
仕事では、つい緊急度でタスクの優先度を判断してしまいがちです。納期の短い差し迫ったタスクがあれば、それに気を取られてしまうことも多いでしょう。そこに重要度という異なる軸を作ります。例えば、緊急度が低く、重要度が低ければ、やらなくてもよいタスクと判断ができます。また、緊急度は高くても、ビジネスインパクトの低い(重要度が低い)ものもじつはやらなくてよい可能性も考えられます。
時間管理のマトリックスを利用することで、より俯瞰した目線でやるべきタスクとやらなくてよいタスクの判断が可能です。
さらに、タスクの優先順位が明確になれば、それぞれのタスクに必要なリソースを考慮して集中して取り組めます。判断に対する迷いがなくなれば、マルチタスクによる生産性の低下を防げるでしょう。集中してタスクに取り組むことで短時間で高いパフォーマンスが発揮できれば、生産性の向上につながります。
時間管理のマトリックスの「緊急度」と「重要度」
時間管理のマトリックスの軸となる緊急度と重要度の基本的な考え方について、以下で解説します。
タスクの緊急度の考え方
時間管理のマトリックスのタスクの緊急度は、文字どおりすぐに対応する必要あるかという観点で判断します。短納期で対応が必要なタスクであれば、緊急度が高いと判断できるでしょう。一方で、十分に納期に余裕のあるタスクであれば、緊急度が低いと判断できます。
タスクの重要度の考え方
時間管理のマトリックスのタスクの重要度は、その物事の本質へのインパクトの大きさで判断します。仕事であれば、プロジェクトやビジネスの成功への貢献度の大きさで判断するとよいでしょう。重要度が高いタスクは、正確に見極めて対応しなければ、利益や作業効率の低下につながるといった大きな影響を与える可能性があります。
時間管理のマトリックスでの4種類のタスクの分け方と例
次に、時間管理のマトリックスにおける緊急度と重要度の2つの軸で4種類のタスクに分ける方法と、それぞれの種類のタスクの例について解説します。
第一領域:問題・課題の領域
時間管理のマトリックスの第一領域は、緊急度も重要度も高い優先して対応が必要な領域です。クライアントからのクレーム対応や期日が迫っているタスクといった、すぐに実行するべき活動が含まれます。
問題・課題の領域のタスク例:
- 納期が迫っているプロジェクト
- 重要な会議
- クライアント向けの提案書作成
- クレームなどのトラブル対応
第二領域:質の高い領域
時間管理のマトリックスの第二領域は、緊急度は低いですが重要度が高い領域です。言い換えれば、すぐに対応しなくてもよいけれど、将来的な成果やビジネスの根幹に与える影響が大きい領域と言えるでしょう。
第二領域のタスクは、緊急性が低いため後回しにしやすいです。ただし、長期的な目線で見たときに多くの時間を費やすと効果が高いのは、この第二領域の活動。第二領域のタスクにフォーカスすることで、高いパフォーマンスの発揮に繋がり、結果として第一領域のタスクを減らせるなどのさまざまな効果が期待できます。
優先順位を明確にし、スケジュールを組んで確実に対応するべき活動が第二領域に該当するのです。
質の高い領域のタスク例:
- 新規事業の計画
- 人材育成
- 技術開発
- 顧客開拓
- ビジネスのリスクヘッジ
- 人脈づくり
- 物事の準備
- 業務改善
- 成長のためのインプット
第三領域:見せかけの領域
時間管理のマトリックスの第三領域は、緊急度が高いけれど、重要度が低い領域です。重要度という軸がない場合には、この第三領域を重要だと勘違いして対応するケースが少なくありません。しかし、第三領域に多くの時間を割いても、生産性が上がる可能性は低いです。第三領域のタスクについてはやらないという判断や、発生を防ぐといったアプローチを取ることが大切になります。
見せかけの領域のタスク例:
- 重要ではない電話連絡
- 意味や目的のない会議
- 不要な相談
- 中身のない報告書の作成
第四領域:ムダな領域
時間管理のマトリックスの第四領域は、緊急度も重要度も低い領域です。ざっくりと言ってしまうと、将来的な成果は見込めない時間のムダ使いとも言えるタスクがこの領域に該当します。
第一領域のタスクの対応にずっと追われていると、第四領域に逃げたくなることがあります。第一領域に対応しているつもりで、第四領域の活動に時間を割いていないか客観視することも大切です。
ムダな領域のタスク例:
- うわさ話などの雑談
- 無意味な電話、メール
- 何もしない待ち時間
- 過剰な休憩
時間管理のマトリックスを活用して仕事の生産性を上げるには?
実際に時間管理のマトリックスを活用して仕事の生産性を上げるためのポイントについて、以下で解説します。
インプットとアウトプットの観点を持つ
インプットとアウトプットの観点を持ち、タスクに取り組みましょう。
時間管理のマトリックスによってタスクの種類分けを行うことで、インプットに対してどのようなアウトプットが期待できるかをある程度予測が可能です。
例えば、第三領域と第四領域はインプットに対するアウトプットはほぼ見込めません。そのようなアウトプットが少ない領域に割く時間をまず減らしましょう。そして、大きなアウトプットにつながる第二領域に時間がかけられれば、将来的な生産性の向上につながります。
時間管理のマトリックスを活用してタスクの優先度を決める際には、インプットとアウトプットの観点をしっかりと持つことが大切です。
時間の使い方を把握して最適な行動を取る
時間管理のマトリックスは、現状の時間の使い方を把握して、今後の最適な行動を検討する上でも効果的です。
ルーティーンを含めた対応したタスクの振り返りを行い、時間管理のマトリックスに当てはめます。そして、それぞれの領域にどれだけの時間を使っているのか、客観的に理解しましょう。第三領域、第四領域に使っている時間を減らし、第二領域に当てられるリソースを増やせれば、将来的な生産性アップが期待できます。
時間の使い方を可視化するには、時間管理ツールが便利です。おすすめのツールはTimeCrowd。ワンクリックで打刻ができるシンプルな操作で、タスクに使っている時間の可視化を簡単に実現できます。
TimeCrowdのレポート画面からは「どの業務に」「何時間使われたのか」をひと目で確認することができます。
時間に対する意識の向上と、チーム内のそメンバーの業務時間が明確になるため、導入することで全体の生産性向上も見込めるでしょう。
個人向けのパーソナルプランは、無料で利用が可能。より生産性の高い時間の使い方を実現したい方は、ぜひ利用をご検討ください。
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タスクの優先順位を的確に判断して生産性を高めよう
時間管理のマトリックスは、タスクの優先順位を的確に判断するうえで大きく役立ちます。また、やらないタスクを見極められることも大きなメリットと言えるでしょう。時間のマトリックスを活用して、第二領域である「質の高い領域」のタスクに注力して、生産性アップを実現してください。
▼「時間管理の方法」について、下記記事では具体的に4STEPで解説していますので、合わせて参考にしてください