従業員の勤務状況や勤務時間を管理する業務は煩雑で、会社規模が大きいほど負荷のかかる業務になります。
本記事では、Excelで時間管理を行う方法として、テンプレートの活用方法や管理表の作成方法について解説していきます。
目次
時間の管理ができるExcelのテンプレートサイト3選
Excelが苦手な人は、テンプレートを活用してみましょう。テンプレートはインターネット上でダウンロードができます。種類も豊富なため自社に合ったテンプレートを見つけられるでしょう。
bizocean
出典:bizocean
bizoceanは、多くの書式テンプレート数を保有しており、約30,000点からダウンロードできるサービスです。
今回のテーマである「時間」の書式テンプレートは約450種類。テンプレートの内容、DL数、使用レビューも確認できるので選ぶ判断材料になります。
ビジネス文書から管理表、画像素材まで34カデコリーで分類されているため、bizoceanであれば必要なテンプレートを入手しやすいといえます。
Excel勤怠テンプレート
Excel勤怠テンプレートは、サイト運営者がExcelで作成したシフト表をテンプレートとして紹介しているサイトです。サイト内のカデコリーは「勤務パターン入力のシフト表」「ガントチャート形式のシフト表」に分類され、全て無料で利用できます。
勤怠管理表エクセルテンプレート
勤怠管理表エクセルテンプレートは、飲食店や小売店などの業種に対しExcelで作成した勤怠管理用のテンプレートを無料でダウンロードできるサイトです。
勤怠管理表テンプレートの種類は、単純に時給計算ができるものだけでなく、曜日割増、残業割増、変形労働時間制に対応した複雑で高度な関数が組み込まれているテンプレートも取りそろえています。
必要な機能だけを実装したテンプレートのみ取り扱っているので、Excelが苦手な人でも手軽に利用できるでしょう。
【Excelで自作する人向け】時間管理に便利な関数を紹介
Excelで勤怠管理表をこのように作成できます。
出勤時間、退勤時間、休憩時間を入力するだけで、勤務した日の勤務時間や1カ月の合計勤務時間、給与まで自動で計算できます。
自動計算には関数を使用するため、勤務時間、合計勤務時間、給与を計算する関数を紹介していきます。まず、最初に上記画像のような勤怠管理表を作成しておきましょう。
勤務時間を自動表示させる関数
上記画像の場合、9月1日の勤務時間を自動計算するための関数は「=IF(B2=””,””,C2-B2-D2)」になります。
関数の内容は「もし、9月1日の出勤時間が空欄であれば勤務時間を空欄にする。空欄でなければC2(退勤時間)-B2(出勤時間)-D2(休憩時間)で計算する」になります。
E2(勤務時間)をコピーをしてE3から下にペーストすることで、出勤時間が表示されている行だけ勤務時間が表示されます。
1カ月の合計勤務時間を自動表示させる関数
上記画像の場合、合計勤務時間(H2)を自動計算するための関数は「=IF(SUM(E2:E32)=0,””,SUM(E2:E32))」になります。(勤怠管理表のセル範囲はA1:E32とします)
関数内容は「もし、9月1日〜30日までの出勤時間の合計が0であれば合計勤務時間を空欄にし、0でなければ9月1日〜30日までの出勤時間の合計を加算する」になります。
ただし、注意すべき点があります。
H2を右クリックして「セルの書式設定_表示形式」を開き、ユーザー定義で「[h]:mm」を直接入力する必要があります。表示形式を[h]にすることで、24時間以上の時間も時間単位で表示できます。
1カ月分の給与を出力する関数
上記画像の場合、給与を自動計算するための関数は「=IF(H2=””,””,H1*H2*24)」になります。
関数内容は「もし、合計勤務時間が空欄であれば給与を空欄にし、合計勤務時間が空欄でなければ時給(H1)✕合計勤務時間(H2)✕24で計算する」になります。
「24」を乗ずる理由は、Excelは時間を「24時間=1」と認識しているため、「時給✕合計勤務時間✕24」で計算する必要があるからです。
Excelで時間管理を行うには課題・デメリットも多い
Excelであれば手軽に勤怠管理できる一方で、誤入力・改ざんによるリスク、労基法改正に対応できていないなどの課題やデメリットがあります。Excelでの時間管理をする上での課題・デメリットを解説していきます。
労働基準法などの法律改正に対応できない
働き方改革関連法施行に伴い「使用者自らが現認すること」や「パソコンの使用時間の客観的記録を行うこと」が労働時間を管理する原則的な方法となりました。そのため、Excelによる勤怠管理は実質非推奨な方法だとされています。
誤入力などの人的ミスよって作業の手間が増える
何かの拍子で関数を消去してしまったり、意図しない変更を計算式に加えてしまったりなどで、修正工数が発生する可能性があります。誤って計算していた期間の勤怠の事実確認を行う必要もあるため、作業の手間が増えてしまうでしょう。
改ざんのリスクがある
勤務時間が自己申告制であれば、内容を改ざんされる可能性も0ではありません。社員側が残業代を得るために出退勤時間を過大に申告したり、会社側が残業時間を過少申告するために勤務時間を書き換えたりといった可能性も考えられます。
Excelの課題を解消するには時間を管理するツールの導入がおすすめ
Excelでの勤怠管理に限界を感じたら、勤怠管理ツール・時間管理ツールの導入をおすすめします。
ツールの選び方・ポイント
勤怠管理ツール・時間管理ツールを選ぶ際には下記ポイントに注意しましょう。
- 予算に見合っているか
- 無料トライアルが可能か
それぞれのポイントについて解説していきます。
予算に見合っているか
初期費用とランニングコストは確認しておく必要があります。
クラウド型であれば初期費用は無料から数万円程度のケースが多い傾向にありますが、自社の業務に合わせたカスタマイズはできないケースもあります。
一方で、オンプレミス型は初期費用に数十〜数百万円程度かかりますが、自社の業務にカスタマイズしやすいというメリットがあります。
無料トライアルが可能か
無料トライアル期間が設けられているツールであれば、操作性を確認することができます。
管理者だけではなく現場メンバーも同席のうえ操作性を確認してみましょう。実際に利用するメンバーが使いやすいと感じれば、導入後もスムーズに運用を進められるはずです。
勤怠管理・時間管理におすすめのツール5選
勤怠管理ツールを導入することにより、労務時間の集計も手軽に行えるほか、コンプライアンスに配慮された勤怠管理が可能になります。
ジョブカン勤怠管理
出典:ジョブカン勤怠管理
ジョブカン勤怠管理は、操作性がシンプルなため誰でも簡単に利用できる点が特徴です。フレックスタイム制や変形労働時間制など、あらゆる勤務形態に対応ができます。
出勤管理、シフト管理などを含めて5つの機能が備えられていますが、必要な機能のみに絞ることも可能です。
CrowdLog
CrowdLog(クラウドログ)は、直感的な入力操作で従業員の業務負荷を見える化できるツールです。
プロジェクトの損益管理や作業の進捗管理・集計などの業務を、入力されたデータから自動で可視化することができます。
業務効率化すべきポイントを一目で把握できるなど、多彩な機能が備えられているので、プロジェクトに合わせて柔軟に活用できるでしょう。
kinnosuke
出典:kinnosuke
kinnosuke(キンノスケ)は、クラウド型の勤怠管理システムです。出退勤データ機能やシフト管理、休暇管理機能、タスク管理機能など自社に合わせて必要な機能を選べます。
システム導入の会社規模は中小から大企業まで、さまざまな業種に対応しています。低コストであるにもかかわらず機能が充実しており、労基法に準拠したルールを就業規則に合わせて設定できます。
さらにスマートフォンやタブレットからの打刻ではGPSによる位置情報も記録できるため、外回りが多い営業職の方にとっても便利といえるでしょう。
MITERAS
出典:MITERAS
MITERAS(ミテラス)は、社員一人ひとりの勤務実態と作業内容を見える化するマネジメントの課題解決ツールです。
以下2つの機能から、仕事の見える化を実現しています。
- 労働時間の乖離把握機能
申告時間とパソコンの利用状況を突き合わせ、サービス残業や休日の隠れ出勤を検知します - 仕事実態の可視化機能
パソコンでいつ・誰が・どんな作業をしたのか、1分ごとにログを採取しています
管理者は社員一人ひとりの仕事実態を把握できるため、在宅勤務であっても安心して社員のマネジメントができます。
TeamSpirit
出典:TeamSpirit
TeamSpirit(チームスピリット)は、勤務状況を管理する上で必要な「勤怠管理」「工数管理」「経費精算」「電子稟議」の機能が1つに統合されたツールです。
「勤怠管理」は出退勤や勤務時間のデータ、残業状況などをリアルタイムに収集します。また「工数管理」では1日の勤務時間における各作業の割合を登録することで、勤怠情報と連動して工数を自動計算します。
データを活用して働いた成果を可視化する専用のダッシュボードを搭載。管理者は社員一人ひとりの時間の使い方を見ることで適切なアドバイスができるため、日々の生産性向上をサポートできるでしょう。
まとめ
社内における勤怠管理・時間管理をExcelで行うことは可能です。
しかし、人為的なミスが発生する可能性も考えられますのでツールの導入を検討しましょう。実際にツールを導入する際は、予算はもちろん、自社の求める機能が備わっているか、無料で試せるトライアル期間があるかといったポイントを重視してみてください。