私事なのですが、ちょうど今月で、脱サラして1年と半年が経ちました。海外に住み始めてからは10カ月目です。最近の目下の悩みが、ぷにぷにと肉付きが良くなってきてしまったこのお腹。
外国に住んでいるとはいえ、日本食を食べることも多く、また物価の関係から野菜ばかりを食べているので、食生活がそこまで大きな影響を与えているとも思えません。そこで気付いたのが、ワークスタイルの変化でした。
とにかく毎日歩き回っていた、外回りの営業をしていたころに比べると、今はこうしてリモートワークでパソコンに向かって記事を書いたりと、椅子に座って作業をしている時間が格段に増えました。
精神的には、営業の数字に追われて走り回る日々に比べたらずっと健康になったと思うのですが、身体の健康ももちろん大切です。このままのワークスタイルで健康面は大丈夫なのか心配になったので、調べてみることにしました。
現代人のワークスタイル
産業革命から時代が流れ、働き方を変えてきた現代人。平均すると、人々は1日当たり9.3時間も、座り続けて働いているのだそうです。これは平均睡眠時間の7.7時間よりも長く、少し異常な状況でもあると言えます。
もともと狩猟採集を行い生きてきた人間の身体。そもそも、このように長時間座り続けることには適していないそうです。その結果、1日あたり6時間以上座り続ける人は、1日あたり3時間以下しか座り続けない人に比べて、15年以内に死んでしまう可能性が40%も高まるのだとか。(参考:Lifehack)
座る、という行為がここまで人体に影響を与えてしまうとは驚きですよね。しかしなぜ、死んでしまう確率が上がるほどの悪影響が出てしまうのでしょうか?
座り続けることと肥満の関係
統計によると、アメリカでは3人に1人が肥満です。日本人の場合は、男性の10人に1人以上、女性の7人に1人以上が肥満で、今後10年の間に、この数字は5人に1人にまで上昇するのではないかと言われています。
日本生活習慣病予防協会によると、肥満は、2型糖尿病や高血圧、心臓病などの疾患を引き起こしてしまうといいます。(参考:日本生活習慣病予防協会)
この肥満が増えている原因に、現代人のワークスタイルも関係がありそうなのです。
ある調査によると、肥満の人は、痩せた体格の人に比べて、1日当たり2.5時間長く座っているのだとか。また、1980年から2000年の間に、運動する人の割合やその頻度が大きく変わらない一方で、人々が座っている時間は8%増え、肥満は倍増したといいます。
なぜ座っていることがこんなにも肥満に関係してしまうのでしょうか?
その理由として、座っているだけではエネルギーがほとんど使われない、ということが挙げられます。
座ったとたんに、
・足の筋肉の電気的活動は停止する
・1分ごとにカロリーの消費率が下がっていく
・脂肪を分解する酵素の働きが90%下がる
そして座ってから2時間後には、
・善玉コレステロールが20%下がる
ということです。これらの結果として、座って作業をする仕事をしている人は、そうでない人に比べて、循環器系の疾患にかかる可能性が2倍にまでなってしまうといいます。
これらのデメリットがあるとはいえ、多くの人にとって、1日8時間のデスクワークは避けることができないもの。どのように工夫すればよいのでしょうか?
チャンスを逃さず!積極的に動こう
人は歩くと、座っているときに比べて3~5倍のカロリーを燃焼することができるといいます。オフィスで働いている方も、在宅ワークをしている方も、積極的に歩きましょう。仕事の合間の気分転換にもなっていいかもしれません。
また、1日30分間を目安にエクササイズを行うことが一般的に推奨されていますが、実際のところ、これでは十分な運動とは言えません。ストレッチやウォーキング、ジャンピングジャックなどは、手軽で効果的です。スキマ時間に積極的に身体を動かしましょう。
また、余暇の過ごし方もポイントになります。仕事以外でも実は座りっぱなし、なんてライフスタイルになっていませんか?ある研究によると、1日に3時間以上座ってテレビなどを見ている人は、心臓病にかかる可能性が64%も上昇してしまうそうです。また、1時間テレビを観るごとに死亡するリスクが11%も上昇するとも言われています。
座ってのんびりリラックスする時間ももちろん大切ではありますが、適度な運動とのバランスを考えてみましょう。
おわりに
そもそも座っていることには適していないという、人間の身体。人々が野を駆け回って狩猟採集に励んだり、工場での仕事に時間を費やしていた時代には、肥満などは基本的に存在しなかったといいます。
しかし、そのように体をめいっぱい動かすことは、仕事が支配する1日が終わるまでは叶わないこと。ほかの手段で工夫するしかないのです。私もこの記事を書きながら、自分の健康が不安になってしまい、思わず立ったり座ったりしながらの作業になっています。笑
みなさんも自分の健康のために、ぜひ立ち上がりましょう。