リモートワーカーなディレクターの3つの課題

ディレクターのMotohiroです。
日々、いろんなことをしているマルチプレーヤーです。
また、TimeCrowdチームは、全員リモートワークで仕事をしています。


「リモートワーカーって楽そうだよね」

よくこう言われます。
仕事柄、PCとインターネットさえあればご飯が食べられるので、楽そうに見えますよね…けど…

全然そんなことないっ…!!

もちろん通勤しないことによるメリットもたくさんありますが、
メンバーが全員インターネット越しということによるやりずらさも、あります。
通勤する会社員もリモートワーカーの会社員も、それぞれいいところと悪いところがあるのは一緒です。

この記事では、リモートワークしてるマルチプレーヤーなディレクターの1ヶ月の仕事内容を公開し、
ディレクター、マルチプレーヤー、チーム目線で、リモートワークならではの課題などを話したいと思います。

10月のタスク内訳を公開します

ひとまずわたしの仕事について、TimeCrowdで記録した1ヶ月のタスクの内訳を公開します。

今月はなんやかんやで、ディレクションに時間を割いていました。

確認作業」は主にTrelloとテスト環境を交互ににらめっこしてる時間です。
実装中に出てきた課題に対して答えを出したり、
実装したものをテスト環境で確認し、フィードバックしたりしています。
目標マインドマップ」は、今期以降の目標の見直しを行っていました。
他にも、目標からロードマップに落とし込んだりなども。
MindNodeで目標値を設定し、方針を固め、「postalk」でロードマップを書きました。
何かを考えてまとめて決める作業ばかりです。

マーケティングもほとんど確認作業に時間を割いてます。
ブログレビュー」はHelpYou様に書いていただいた記事を確認し予約投稿したり、
ヘルプ関連確認」もヘルプセンターに追記や新規作成するページを作っていただき確認しています。
マーケティングについては、方針を決めたらHelpYou様に作業をお願いしているので、
これでも実作業時間はかなり減らせています。ありがたや…!

ディレクターといったらMTG、それくらいディレクターとMTGは密接な関係(?)があります。
朝のチームでのMTGに始まり、月曜日は特に、
社内全体MTGや他案件のプロジェクトオーナー達とのMTGがあったり、正直てんてこまいです。

営業、お問い合わせ対応も、それなりの時間がとられています。
これらは、ディレクション業務ではないものの、
担当部署があるわけではないのでディレクターが巻き取ります。

ちなみに、前月はというとマーケティングが約43時間、ディレクションが39時間とマーケティングが上回りました
月によって、何に重きを置いているかは様々です。

マルチプレーヤーとしての課題1:時間が足りない

これらは、TimeCrowdチームでの仕事でのタスクになりますが、
別案件のディレクターもしているので、そちらのディレクションにも時間をかなり割いています。
(タスク内訳のトータル時間が少ないのもそのせい)

ディレクターは、エンジニアやプロジェクトオーナーに声をかけてかけられてなんぼな職業なので、
ずーっと1つの作業に集中は出来ません。集中力は常に散漫です。

それに、ディレクション以外の業務も担当しているので、
全部を全力で取り組んでいたら、24時間では足りません。
リモートワークでなくてもディレクターやジェネラリストな職業なら、必ず抱える問題ではあると思います。

その問題にケリをつける方法はただ一つ。
「やらない」それだけです。

今出来ないものは今やらないようにすることにしました。
今期力を入れること、今月終わらせたいこと、今日やっちゃいたいこと。
それ以外を視野に入れないようにしています。

これはチームとしても大事にしていることで、
緊急の案件が入ったら、それと何かをトレードするようにしています。
全部を無理してやっていたら、いつも限界ギリギリのパワーで仕事をこなさなくてはならず、
いつか疲弊して歯車が狂う日が来るのは目に見えているためです。

個人的には、何かとトレード出来ずに1人で抱えがちなので、
うまくやりたいなと思うところです。

ディレクターとしての課題2:「作業」までやるべきか

日々てんやわんやしている背景には、自分がやらなくてもいいタスクが溢れている
という可能性があります。

ディレクターは、考えることが仕事です。
イノベーションに時間をつかうことが仕事なので、単なる作業に費やす時間は極力なくしていきたいものです。

弊社は、HelpYou様に作業ベースのお仕事をほとんどお願い出来ているので、
運用方法をこちらでまとめたら共有し、チーム編成をしていただき、すぐ着手出来るようになっています。
例えば、下記のようなお仕事をお願いしています。

  • ブログ記事の作成サポートメンバーブログはHelpYou様のライターさんが書いています。リモートワーカーさんなので、本ブログとの相性もよく実体験に基づいた記事をあげてくださっています。
  • ヘルプページ更新:なにか案件が動く度に更新が入るので、都度書いていただいています。
  • お問い合わせ対応:返信を考えていただき送るところまで行っていただいています。
  • NDA締結作業:フリーランサーの出入りが激しいので、事務作業的なこともお任せしています。
  • 名刺作成:フォーマットに沿って名刺のデータ作成なども行っていただいています。

極力単純作業をせず、考えて伝えるということにパワーを注いでいかねばならない立場なので、
HelpYou様に作業ベースのお仕事をおまかせ出来ている状態は、ディレクターにとってはとてもいい環境です。

リモートワークのチームとしての課題3:小さな認識齟齬が致命的エラーを導く

「カレー」を作りたいというディレクターは危ない

わたしがリモートワークでディレクションの仕事をやりはじめて感じたのは、
認識齟齬が引き起こす失敗のレベルが高いということです。

「みんなこう思っているだろう」で進むと大変なことになるのはわかっていますが、
リモートワークの場合、「もしかして自分と違うこと考えてる…?」と気づくポイントが少ないと感じます。
認識が合っていないまま、各々が案件を進めていき、
出来上がったものを見合って、「思っていたものと違う!」ということになりかねません。

例えるならこんなかんじ。
「みんなでカレーを作ろう!」と決まったら、
ディレクターがエンジニアさんに「いつまでにこれくらいの量作ります」と共有し、
エンジニアさんはルーの調理とご飯を炊くことを進めていたとします。
そして「カレー出来たよー!」と見せられたら最後、
ディレクターはカレーパンを作ってほしかったのでした…ちゃんちゃん。

背筋の凍るような話です。
そもそも、「カレーを作りたい」と共有するだけで出来上がると思ったら大間違いです。
きっとエンジニアチームに「肉の代わりにお前も煮てやろうか」と脅されます。

ディレクターがしっかり仕様を伝えて、デザイナーさんなりに解釈しモックに落とし込んで、
エンジニアさんが実装面の懸念などを共有し解決していく。
こうしてリリースまでたどり着くということを、カレーのくだりを自分で書いていて、改めて認識しました。

何が言いたかったかというと、ディレクターは「カレーライスを作りたい」と伝えることが大事ということです。
あとは「カレーってカレーライスのことですよね?」という認識合わせをチームでするなり、試食するタイミングを設けるなり、
言うまでもないという思い込みを取っ払って、情報共有することが必要になります。

タスク管理ツールは命綱

リモートワークではいかに情報共有を的確に行うかが大事という話をしましたが、
それに付随して、リモートワークの場合は特に、タスク管理ツールの運用をしっかり出来るかどうかが、
チームの命運を分けるといっても過言ではないと思っています。

リモートワークは、「ちょっとしたことの確認」に割ける時間が大幅になくなります。
人と話をするにしても、MTGをセットしたり事前にアポを取ることが必要です。
(TimeCrowdのチームでは、いきなりSkypeをかけてくる人はいません。)

気軽に口頭確認が出来ない分、資料やタスク管理ツール上に情報を残すことを徹底し、
全員が同じ認識でゴールに向かうことが大事です。

TimeCrowdでは、下記のように情報を残すように心がけています。

  • MTG議事録、案件ごとの仕様:quip
  • 案件ごとの確認事項、現在の案件状況:Trello
  • モック:inVision

資料化はquip、タスク管理はTrelloと統一させ、slackで案件のことをやりとりすることはほぼありません。
というのも、slackは時間経過とともに情報が埋もれてしまうので、見返せないからです。

inVisionはデザイナーの田中さんがモックを作ってくださるときに使っています。
最近まで、仕様を共有→実装→テスト環境UPまで行ってディレクター確認をしていました。
なので、仕様に関して認識違いがあったとき、大きい手戻りが発生するということも。
今は、実装前にinVisionで文言や要素の配置、パターンごとの画面遷移を確認してから実装に入れています。

「情報を残すこと」を念頭に置いたコミュニケーションを、チーム全員が意識出来ているのはとてもいいことです◎

しかし、カレーの件からもわかるように、
「わざわざ聞くまでもないかな」と思った時点で、認識のズレはみるみる深くなっていきます。
仕様を資料化する、inVisionでモックの確認をする、テスト環境で確認をする。
3つのチェックポイントの他にも、Trelloで質問をしログを残すことで認識齟齬がないよう努めています。

これらの他にも、Trelloの進捗管理の方法についても課題がありますが、
安定運用が始まったら記事にして紹介したいと思います。

リモートワークはストレスフリー。だけど玄人向け。

入社したときは、「リモートワークとか超楽勝だしぃ〜!ずっと引きこもっていられるしぃ〜!サボってもバレないしぃ〜!龍が如くの新作やろぉ〜っと!」と思っていました。

ごめんなさい。全部撤回します。

ディレクター経験も浅く、ゆるゆるな現場で生きてきた自分にとっては、
リモートワークならではの悩みがこんなに出てくるとは、想像もしていませんでした…
実際は、文字で伝わることは限られていて、足並み揃えて共有をするには様々なハードルがあります。

ただ、それ以上に、通勤しなくていいストレスやそもそも人と会わなきゃいけないストレスから抜け出せたことは、
言葉にできない開放感でいっぱいです…「生きた時間」が増えたことは間違いないです。

まだまだひよっこディレクターですが、頑張ります!

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