「テレワーク中に部下がサボるんじゃないか…」
「在宅勤務でサボりがあったらどうしたらいい?」
上記のようにテレワーク下で悩んでいる人は、あなただけではありません。実際、テレワーク導入を進める上で、「サボりを防ぐための対策が知りたい」と模索している管理職は多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、テレワーク中のサボりを防ぐための対策や、役立つツールをご紹介します。テレワークでサボりを心配してしまう理由やサボる人の割合についても公開。
本記事でテレワークによるサボりの心配を解消し、在宅勤務が円滑に進められるヒントを見つけてみてください。
目次
テレワーク・在宅勤務でのサボりに関するデータ
テレワーク・在宅勤務中のサボりを心配する人は珍しくないようです。
そうは言っても、「サボるかなんて気にしすぎか?」「実際サボっている人はいるのか…?」と気になりますよね。まずは、「サボりを気にする人はどれくらいいるのか?」「実際サボる人の割合は?」という疑問に迫っていきましょう。
部下のサボりを心配する管理職は半数以上
テレワーク下で、「部下がサボっていないか心配」という管理職は多いです。組織行動研究所の調査によると、テレワーク経験がある管理職は56.9%、テレワーク未経験の管理職は56.2%が、在宅勤務中に部下がサボっていないか悩んでいます。
出典:一般社員2040名、管理職618名に聞く テレワーク緊急実態調査|組織行動研究所
およそ7割ほどはサボりの経験がある
半数以上の管理職は部下のサボりを心配していますが、実際サボる人はどれほどいるのでしょうか。
テレワーク経験があるマイナビニュース会員を対象に行ったアンケート調査では、「テレワーク中にサボったことがある」と回答した人は74%。
およそ7割の人が答えたサボりの理由は、問題視すべきものから致し方ないものまでさまざまでした。
「動画サイトの視聴」と明らかにサボりと判定される理由があれば、「お菓子を食べた」といった会社によってはサボりにならない理由も。また、「子どもが泣いてしまったので面倒を見た」という理由もありました。
出典:テレワーク中にサボったらどんな処分がある? 対策について専門家が解説|マイナビニュース
テレワーク・在宅勤務でサボりを心配する理由
そもそも、なぜテレワーク中に部下がサボっていないか心配してしまうのでしょう。従来の勤務形態でも上司の目をかいくぐってサボる部下もいたはずですが、テレワーク下ほど心配していなかったのではありませんか?
ここでは「テレワークで部下がサボるかも…」と考えてしまう理由に注目します。
働いている姿が見えない
テレワークでは働いている姿が見えないことが、サボる心配に繋がっていると考えられます。オフィスに出勤して仕事をしていれば、勤務態度や進捗がすぐにわかるので、サボりも気づきやすいです。
また、基本的に人の目があるのでサボらないだろうという安心感もあります。しかし、テレワーク中は個人個人が在宅やカフェなど、目の届かない場所で仕事。働いている様子が見えないと、「中にはサボっている人もいるのでは…」と考えてしまうのも無理はないことかもしれません。
自宅で集中力が続かない
在宅勤務をしていると、集中力が続かないことが多々あります。自宅の環境にもよりますが、ついついテレビやゲームに手を伸ばしてしまったり、家族の気配が気になってしまったりなど気が散ってしまいがちに。また、子どもがいる家庭であればお世話や家事をしなければいけないときもあります。
自宅はプライベートな場所なので何かと目に移りやすいことは、テレワーク・在宅勤務を行っている管理職の中にもわかっている人がいるでしょう。そのため、同じ環境に身を置く部下たちに関しても、「サボっているのでは…」と心配してしまうのだと考えられます。
コミュニケーションが取りにくい
テレワーク中は、距離がある分コミュニケーションが取りにくいと感じてしまいます。オフィス勤務のときよりも、コミュニケーションが減ったと感じる人もいるでしょう。コミュニケーション不足を感じることにより、相手が何をしているかわからず「サボっているかも…」という不安に繋がることがあります。
テレワーク・在宅勤務中のサボりを防ぐための対策
テレワーク中のサボりを防ぐには、在宅勤務でも働きやすい環境や制度を整えることがポイントになってきます。ここで、テレワーク中のサボりを防ぐために企業がとれる対策をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
成果の報告や成果物の提出をする
1日の成果の報告や成果物の提出を義務化し、テレワーク・在宅勤務中のサボりを防ぐ方法があります。報告する目標や具体的な成果物が定まっていれば、達成するために仕事を進める必要があるので、サボりを防ぐことが可能です。
たとえば、勤務の前日や朝のミーティングで、上司から部下に報告する内容や提出する物を連絡。そして、勤務時間終了時刻に通知しておいた報告内容や提出物を受け取ります。
こうした仕組みを作ることで、部下はサボることなく業務に向き合い、業務の効率をアップできるでしょう。
時間や仕事量を見える化する
テレワーク・在宅勤務中のサボりを防ぐために、勤務時間や個人の仕事量などを見える化する方法も使えます。たとえば、仕事時間を管理するツールを導入し、業務時間やタスクにかかった時間をチームで共有します。
見える化すると個人の作業時間がわかりやすく、どんな仕事をしているかも把握可能です。サボればどこかのデータに反映されるので一目瞭然。こうした仕組みを導入することで、無駄なサボりを防ぐことができるでしょう。
評価の基準を整える
テレワーク下の評価基準を整えることも、サボり防止に有効です。オフィス勤務とテレワーク勤務の形態が異なるように、従来の評価制度では適正な評価ができない可能性があります。
正当な評価が受けられないと社員が感じてしまえば、仕事に対するモチベーションが低下し、サボる可能性も高まるでしょう。
テレワークを進めるにあたって評価基準の見直しを図り、成果重視の制度を整えてみてください。成果を上げると評価されることが理解できていれば、社員のやる気がアップして在宅勤務でも意欲的に仕事できるようになります。
コミュニケーションを積極的にとる
サボりを防止するには、コミュニケーションを積極的にとる方法も試してみてはいかがでしょう。テレワークでは社員同士顔を合わせないため、会社に属しているという意識が低下しがちです。そして仕事するモチベーションも下がり、サボりに繋がることも考えられます。
在宅勤務でもコミュニケーションが取れるツールを導入し、定期的にミーティングを行ったり、社員同士が気軽に雑談できる場所を用意したりしましょう。ミーティングで仕事の目標やチームの方向性を随時共有できれば、モチベーションも下がりにくなります。
社員同士のコミュニケーションが在宅でも楽しくなれば、仕事にも張り合いが出るはずです。意識的にコミュニケーションを増やしていくことで、在宅勤務中にサボる意欲は薄れていきます。
雇用形態を「ジョブ型」にする
可能であれば、雇用形態を「メンバーシップ型」から「ジョブ型」に変更することも、テレワーク中のサボりに有効です。日本企業の多くは、「メンバーシップ型」という先に人を雇用し仕事を割り振る雇用形態を導入しています。
一方、ジョブ型は雇用契約時に職務記述書を結び、一人ひとりの仕事の範囲が明確に規定される雇用形態です。メンバーシップ型では個人の仕事量や責任の範囲が定まっていませんが、ジョブ型では仕事の範囲が明確になっています。そのため、ジョブ型であれば在宅勤務でも自分の仕事に義務感をもって進めることが可能です。
テレワーク中のサボりを会社全体で防止させたいと考えているなら、雇用形態から見直す方法も選択肢に入れてみてはいかがでしょう。
成果を求めすぎない
テレワーク下でサボりを気にしすぎると、どうしても成果を重視してしまいます。しかし、成果を求めすぎるとテレワークに対する嫌悪感が増してしまい、部下のやる気を削いでしまうかもしれません。
また、成果を上げるために必要以上にチャットや電話などに意識が向いて、結果的に効率を下げてしまう可能性もあります。テレワーク中のサボりを防ぎたいからといって、成果を求め過ぎないように注意してみてください。オフィス勤務と変わらず接することで、部下が在宅勤務に集中しやすい雰囲気が作れるでしょう。
在宅勤務のサボり防止に役立つツール
テレワークのサボり防止に企業ができることはさまざまです。そんな対策を進める際に役立つのがテレワーク用のツール。ここでは、在宅勤務のサボり防止に役立つツールをご紹介します。
Web会議システム
Web会議システムは、インターネットを通じて映像・音声を繋ぎ、遠隔会議をするシステムです。Web会議システムを導入することで、テレワーク中のコミュニケーション不足を解消することができます。
Web会議システムの多くは専用機器が不要で、パソコンやモバイルなどがあれば利用できるのもポイントです。無料で使える個人向けプランから、1000人まで参加可能な企業向けプランまであり、システムによって特色があります。
Zoom
Web会議・オンライン会議システムとして人気のZoom。パソコンだけでなくスマホなどでも利用可能で、簡単にミーティングの主催や参加ができます。最大1000人参加のミーティングに対応。GoogleやSkypeなどのアプリとも連携可能で、在宅勤務中も便利に使えます。
V-CUBE ミーティング
V-CUBE ミーティングは、Web会議用のクラウド市場でシェアNo.1を獲得しています。パソコンやモバイルなどさまざまな環境で使用可能で、HD対応の高画質・高音声と高い持続性が魅力です。
シンプルなインターフェイスで、ストレスフリーな操作性を実現。クラウド型サービスにより、常に最新の機能が使えてテレワーク中のコミュニケーションに役立てられます。
チャットツール
テレワーク中のコミュニケーションを円滑にするには、チャットツールの導入は欠かせません。メールよりも気軽に使えて、多種多様な機能を使ってコミュニケーションを取ることができます。ビジネス用に特化したビジネスチャットツールは、コミュニケーションが取りやすい機能以外にも仕事に役立つ機能が備わっていて、在宅勤務の作業にも使えます。
chatwork
chatworkは、利用企業30万社、サーバー稼働実績100%の中小企業向けビジネスチャットツールです。グループチャットやタスク機能でファイルの送受信を円滑にし、過去の履歴も見やすいのが魅力。ビデオや音声電話機能が無料で、在宅勤務中の連絡も気軽にできます。
slack
75万社を超える企業が利用するslack。トピックやプロジェクトなど、カテゴリー別にチャンネルを作って情報を整理することができます。過去のチャンネルを見ることも、履歴を検索・確認することも可能です。チャンネルは社内・社外の人と共有できて、コミュニケーションや仕事の連携をスムーズにできます。
監視ツール
監視ツールを導入して、社員のサボりを防ぐ大企業もあります。監視ツールとは、キーボードやマウスの動きを検知したり、パソコンのカメラを常時接続させたりして、仕事を行っているか確認できるツールです。ネットのアクセス情報を読み取って、どんなサイトを見ているかを確認する仕組みもあります。
しかし、監視ツールの導入はサボり防止に有効ですが、社員に圧迫感を与える場合があるので導入は慎重に検討しましょう。導入を進める場合は理由を社員にきちんと伝え、納得を得た上で使用することをおすすめします。
Sneek
Sneekは、パソコンのカメラを常に接続状態にして、1分おき・5分おきなど定期的に自動でスクリーンショットを撮る仕組みのツール。社員がモニターの前で仕事している様子を確認することができ、サボりの抑止力としても有効です。
Sneekは監視ツールの1つとして知られていますが、本来はリモートワークを行う社員の孤独を軽減し、チームの連帯感アップを目的に開発されました。ワンクリックで会話できる機能もあり、コミュニケーションが気軽に取れるメリットもあります。
時間管理ツール
時間管理ツールは、業務時間や作業に割り当てた時間などを管理できるツールです。業務時間を見える化することで、テレワークでも働きぶりを把握することができます。
TimeCrowd
TimeCrowdは、在宅勤務・テレワーク対応の時間管理ツールです。業務時間を見える化して、そのデータを共有することができます。
「記録して見える化する」に特化した機能で、記録・見える化が簡単。メンバー機能では、現在稼働中のメンバーを素早く確認できます。記録されたデータはチームやメンバー、期間を選択してグラフ化して見ることも可能です。
メンバーの業務時間を見える化し、共有することでモチベーションアップを図り、サボりを防ぐことができるでしょう。
テレワーク・在宅勤務でサボりがバレたら懲戒処分にできる?
テレワーク中のサボりが発覚した場合、どのような処分が下せるか、下すべきなのかも気になるところでしょう。最後に、テレワーク中のサボりが判明した場合の対処について確認してみましょう。
初回や短時間であれば様子を見てみる
実際、テレワーク・在宅勤務でサボったことが判明しても、懲戒処分できるかはサボりの頻度や程度によります。サボりと言ってもコーヒーやお菓子休憩程度は、オフィス勤務でも許容されていることでしょう。動画サイト視聴やゲームなどのサボりについては好ましいことではありませんが、初回や短時間であれば厳重注意したり反省文を提出させたりして、様子を見てみてはいかがでしょうか。
業務に支障を・損害が出た場合は減給やクビの可能性も
サボることによって業務に支障をきたしたり、会社に損害を与えてしまったりした場合は、懲戒処分できる可能性が出てきます。ただし、あらかじめ就業規則に懲戒事由を定めておくことが必要です。テレワーク中のサボりを心配するのであれば、就業規則や新たなルールを明確にしておくと、発覚した際に適した対処が取りやすくなります。
仕組みを整えてテレワーク中のサボりを回避!
テレワーク・在宅勤務中は働いている姿が見えない分、サボりを心配してしまうのは仕方がないことでしょう。重要なのは、サボりを心配するだけに留めることなく、防止するためにできることを探して、実行に移すことではないでしょうか。
仕組みを整えることができれば、テレワーク・在宅勤務のサボりは回避することが可能です。社員がテレワーク・在宅勤務でも、働きやすい仕組みを整えられるように努めましょう。