ロジカルな考え方を学ぼう

ビジネス書などで「ロジカルシンキング(論理的思考法)」「ロジカルに物事を見る」などという言葉を目にすることがありますよね。このロジカルシンキング、とてもビジネス上で求められているスキルです。そして、日本では苦手な人が多いと言われる思考法でもあります。

例えば納期や作業方法を質問した際に「いい感じで」「なるはやで」なんていう指示がありますね。これではとても曖昧で、明確化されていないため、なんとなくで仕事をすることになってしまいます。

このなんとなくの風習が、海外では「日本人はロジカルに考えられない人が多い」なんて評価につながることも少なくありません。最近話題の「忖度」はロジカルシンキングの対極にあるといえます。「なんとなく雰囲気で」「この方がいいのではと判断した」などといった忖度は、うまくまわれば「阿吽の呼吸」ですが、そうそううまくはいきません。

日本人の好む「前もって準備する」「言われなくてもやっておく」などといった「先回り」型忖度や、「流れで進める」「相手の真意をくみ取り、空気を読む」などといった「解釈」型忖度は、一方で日本が先進国でもっとも生産性の低い国だと言われてしまう状況を生み出した原因のひとつなのです。

では、このロジカルシンキングとはどのようなものでしょうか?ここではロジカルシンキングを具体的に紹介し、ロジカルシンキングを身に着ける方法について紹介します。

ロジカルシンキングはバランスが大切

ロジカルシンキングとは物事を論理的に考えることですね。このロジカルシンキングについて、さまざまなフレームワークなどのビジネス書が発売されています。しかしこのロジカルシンキング、スキルの一つであり、それほど特別な手法ではありません。

ロジカルシンキングにおいては合理性や一貫性、客観性が重要です。しかし、極端な合理化はしばしば人の想いを踏みにじるもの。数値やデータ、傾向ばかりを重要視することで、同じく生産性のカギとなる「モチベーション」を置き去りにしてしまいかねません。その間で絶妙なバランスを見つけることが肝要なのです。

機械的な考え方だけでは、人はついてこず、人間関係に支障をきたし、さらには仕事全体に何らかの障害が生まれてしまうでしょう。とはいえ、感情やモチベーションばかりを優先してしまうと、すべてが曖昧なまま、相変わらずの忖度合戦と空気の読みあいで、誰も幸せになれません。

ロジカルシンキングにおいても、極端にならず、人の感情もしっかりと考慮することが大切です。

料理で例えるとロジカルシンキングはステーキ肉であり、ソースが感情です。単体で存在しているのではなく、ステーキにソースがかかることで、良い料理となるのです。ロジカルシンキングという特上肉に、感情やフィーリングのソースを加えることで、よりおいしいステーキ、つまり、よりよいアイデア、職場環境、そして結果が生まれます。それを踏まえた上でロジカルシンキングのスキルを磨いていきましょう。

ロジカルシンキングのスキルを磨く

ロジカルな考え方は、多くの人にとって「持って生まれたもの」ではありません。磨き、身に着けるものです。身に着け方はさまざまで、現在はありとあらゆる方法が紹介されていますね。なかでも私がぜひ試してほしい方法が次の2つです。

SMARTの法則

まずロジカルシンキングを磨く上で、大切なのが5W1H。物事をいつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)に落とし込むことで、状況を客観的に具体化できます。次に、5W1Hに落とし込んだ物事を「SMARTの法則」に当てはめていきましょう。

S specific    具体的か
M measurable 計測可能であるか
A agree     同意できるか
R realistic  現実的であるか
T time-related  期限はいつか

これのうち、どこかに落とし込めない項目があれば、その部分があやふや、あるいは推測・解釈が入っているということです。その点を掘り下げ、再構成する必要があります。

この方法で物事を考える癖をつけることは、ロジカルシンキングの第一歩になります。

プレゼンする

プレゼンと聞くと大ごとのように聞こえますが、自分の考えを人に伝えること。それは友人であっても、家族であっても、だれでも良いです。自分なりに考えた内容をプレゼンし、相手から質問してもらうのです。内容はなるべく相手から褒めてもらえるようなものにするのがいいでしょう。

そうすることで、3つの利点があります。人に話すということは、自分自身が内容をしっかり把握していなくてはなりません。あいまいな部分があり、「なんとなく」「らしい」などで人に伝えることはできませんね。

そのため、より物事を深く理解すること、そしてさまざまな角度から考えるトレーニングができます。

そして2つ目は、人から意見をもらえること。これはとても重要です。「なんで?」の一言があなたの考えるスキルを深くしてくれるのです。聞かれたことに答えていく。そして答えられない部分は、あなたの弱点かもしれません。それに必死で答えようとすることで、あなたのスキルは磨かれていくでしょう。

特に子どもは「なんで?どうして?」と聞いてくれますね。意外と良いロジカルシンキングの練習相手になりますよ。

3つ目の利点は、褒められることで人の脳はより強化されるからです。脳は相手が喜んでくれることでドーパミンが分泌され思考回路がどんどん強化するのだとか。その結果、よりロジカルシンキングのスキルが強化されるのです。

ロジカルシンキングな思考力を身に着け、より仕事に毎日に生かしていきましょう。

TimeCrowdに戻る