間接部門の目標設定(KPI設定)の方法とは?難しい理由や代表例を解説

間接部門の目標設定は、企業全体の成功に欠かせない一方で、具体的な数値化が難しく見過ごされがちな傾向にあります。

直接部門とは異なり、すぐに成果が目に見える形で現れるわけではないため、目標設定をする際の時間軸にも悩まれる方が多いのではないでしょうか。

本記事では、間接部門における目標設定の具体的な方法や設定する際のポイントなどを解説します。間接部門のマネージャーや、目標設定に携わる方々はぜひ参考にしてください。

間接部門とは

間接部門は、人事・経理・総務などの企業運営を根底から支える部門のことを指します。経営資源である「ヒト・モノ・カネ」の調達/管理を行い、直接部門をサポートする役割を担います。

間接部門は、別名「コストセンター」と言われることがありますが、決してコストだけに焦点があたるような小さい部門ではありません。間接部門が強固であればあるほど足場が揺らがず、後述する直接部門はトップラインに集中することができます。企業全体の収益に大きな影響を与える最重要部門であり、企業の持続的な成長を支えるうえで必要不可欠なポジションです。

▼コストセンターの意味やプロフィットセンターへの転換方法については、下記の記事を参考にしてください

直接部門との違い

間接部門が経営資源を調達/管理する役割であるのに対して、直接部門は経営資源をもとに売上や収益を上げる役割を果たします。具体的には営業部門やマーケティング部門、製造部門などが挙げられます。

間接部門と直接部門の違いは「直接収益を上げるかどうか」にあります。あくまで役割の違いであり、最終的なゴールは企業の「収益向上」「持続的な成長」にあるため、同じ目線でお互いに協力することが求められます。

間接部門の目標設定(KPI設定)が難しい理由

間接部門は下記の理由から、目標設定が難しいと言われることがあります。

  • 定量的に表しづらいため
  • 業務を可視化しづらいため
  • 業務が属人化しやすいため

定量的に表しづらいため

間接部門の成果は、直接部門のように具体的な数値で測ることが難しく、定量的な目標を設定するのが難しい傾向にあります。

たとえば総務部の目標は円滑なオフィスマネジメントや既存業務の効率化など、定性的な要素が強いものになりがちです。

目標設定が定性的なままでは、振り返りが行いづらく「成果があったのかどうか」を判断することができません。振り返りが行えない目標は、設定の段階から上司・部下ともに違和感を感じやすく、あまり明確に定義されないことが多いでしょう。

業務を可視化しづらいため

間接部門の業務は多岐にわたるため、業務内容を可視化することが難しい傾向にあります。

お互いに「誰が・どの業務を行っているのか」がわからず、上司でも部下の業務をすべて把握できている方はなかなか多くいません。現状がわからなければ具体的な目標設定をできず、従業員一人ひとりの目標設定も曖昧なものになってしまうでしょう。

▼業務可視化の具体的な方法については下記の記事を参考にしてください

業務が属人化しやすいため

間接部門の業務は、担当者によって進め方が異なったり、そもそも作業内容が細かったりする場合が多く、属人化しやすい傾向にあります。

業務が属人化していると「この業務に・これだけ時間をかけるのが適切なのか」「そもそもこの業務は行う必要があるのか」などを、第三者が把握しづらく、目標設定の妨げとなります。

▼業務属人化の原因やリスクについては下記の記事を参考にしてください

間接部門における目標設定(KPI設定)の方法や代表例

間接部門の目標設定は、下記のように行います。

  • 定量目標を設定する
  • 組織課題から設定する
  • 一人ひとりにあった設定をする

定量目標を設定する

目標設定を行う場合には、定量的な指標を置くことで、成果をより客観的に評価することができます。たとえば人事部であれば「新入社員の定着率をXX%向上させる」「従業員のエンゲージメント率をxx%向上させる」など。経理部であれば「経費をXX%削減する」といった目標です。

部署全体で定量的な目標を設定したのち、従業員一人ひとりには定性的な目標を設定するなどでも構いません。重要なことは、できるだけ定量的な目標を設定して、あとで振り返りを行いやすくすることです。

また、どうしても定量的な目標設定が難しい場合には、タスクごとの所要時間やプロジェクトごとの利益率(対人件費)を目標に置くこともおすすめです。時間管理ツールTimeCrowdを活用することで「どの業務に・どれくらい時間(人件費)がかかったのか」を可視化することができます。

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組織課題から設定する

目標設定を行う際には、組織課題から設定することも重要です。

たとえば「xx部門の予算未達が続いており、原因がyy部門との連携不足にある」という課題があれば、人事部や総務部などの間接部門が一丸となって解決に取り組みます。人事部は人材配置や交流機会の創出を図ったり、総務部はオフィス配置の転換を図ったりなど、特定の期間を設けて施策を行います。

このようなプロジェクト型の目標を設定して、短期集中でメンバーに取り組んでもらうこともおすすめです。

一人ひとりにあった設定をする

それぞれの担当者が持つ役割や強みを考慮し、一人ひとりに合った目標設定をすることも重要です。

そもそも間接部門の業務は従業員それぞれで異なります。また、日々発生する業務も異なるため、一概には目標を設定できません。そのため、業務に関して必要なスキルや知識を明確にし、成長を促すような目標設定を行うのが適切であるといえます。その結果として、日頃の業務スピードが向上して他部署との連携がスムーズになれば、間接部門としての役割も向上します。

従業員一人ひとりに対しては、無理に定量的な目標設定をするのではなく、日頃の業務に応用できるような中長期的な目標設定をするのがよいでしょう。

間接部門で目標設定(KPI設定)を行う際のポイント

間接部門で目標設定を行う場合、下記のポイントに注意をする必要があります。

  • 手段を目的化しない
  • チームワークも評価指標の1つにする
  • 目標の数を増やしすぎない

手段を目的化しない

目標達成のための手段が、目的になってしまわないように注意が必要です。

たとえば人事部の目標が「採用数の増加」であった場合でも、ただ闇雲に採用数を増やしては意味がありません。それではかえって現場を混乱させてしまい、企業運営のサポート役である間接部門の役割を果たすことができません。

このように、手段そのものが目的にすり替わってしまうケースは想像以上に多くあります。とくにシステムの導入など、一定の負担がかかるプロジェクトでは、導入自体が目的となりやすい傾向にあります。何が「目的」で、何が「手段」なのかを意識したうえで目標設定を行いましょう。

チームワークも評価指標の1つにする

間接部門の業務は、チームで協力して行うことが多く、チームワークが重要になります。

従業員一人ひとりに目標達成を必須にしてしまうことで、チーム全体への貢献が後回しになり、かえって全体の生産性を低下させてしまう可能性があります。とくに業務属人化が発生しやすい間接部門では、マニュアルの作成や研修など、ノウハウを共有する取り組みが後手になりがちです。担当者の突然の欠勤/離職を想定したうえで、いつでも・誰でもオペレーションが回る環境づくりを行うことも間接部門の重要な役割のひとつです。

チームへの貢献を評価指標の一つに置くことで、このような集団行動に基づいた行動が生まれるようになります。定性的な目標にはなりますが、ナレッジや情報の共有、マニュアルの作成などを率先する従業員に対して、適切な評価を行いましょう。

目標の数を増やしすぎない

目標設定は重要ですが、その数を増やしすぎると何を優先すべきか分からなくなり、かえって目標達成が難しくなります。重要なものに絞り込み、達成可能な範囲で目標を設定することが重要です。

また、目標とは本来ゴール(=目的)から逆算されたものを意味します。組織全体の目的から逆算して設定するものなので、複数の目標が発生している段階で「アイデアベースで設定していないか」「目的とブレていないか」などを確認する必要があります。

まとめ


間接部門の目標設定は、企業全体の成長に大きな影響を与える重要な取り組みです。間接部門は経営資源である「ヒト・モノ・カネ」を調達/管理する役割であり、企業が収益をあげるうえで欠かせない役割を果たします。

そのうえで、間接部門が生産性向上を行い、さらなる全体貢献を図るためには「目標設定」が欠かせません。目標設定を行う場合には「定量的な目標を設定する」「組織課題から設定する」「一人ひとりにあった設定をする」といった方法があります。

ただし、そもそも間接部門の業務は多岐にわたるため、目標設定を行う前に業務状況を把握することから始める必要があります。

業務状況の把握には、時間管理ツールTimeCrowdの活用がおすすめです。部署全体で「どの業務に・どれくらい時間をかけているのか」がわかるため、現状の課題を特定することができます。また、従業員一人ひとりの稼働内容まで正確に把握できるため、個人の目標設定にも役立てることができます。

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