半年間という限られた期間で、英語力を飛躍的に向上させたことがあります。日々の地道な積み重ねこそが重要な言語学習。毎日計画的かつ効率的な勉強を続けるため、私が実践した時間管理の方法とモチベーションを保つコツをご紹介します。
英語を本格的に勉強しはじめたきっかけ
学生時代、アメリカでの短期留学に憧れていました。しかし、希望のプログラムに応募するためには満たすべき英語力の条件があり、当時の私は国際系の学部に所属していながら、英語力は学部の中でも底辺レベル。その条件の足元にも及ばない英語力しか持ち合わせていませんでした。
応募期限まで残された期間は半年間。そこで一念発起し、夢の留学生活を実現するために、厳しい時間管理のもと英語学習に励むことを決意しました。
スキマ時間はどこにある?時間の使い方を見直す
半年間で効率的に英語力をあげるためにはどうするべきか?
やみくもに勉強したのでは、成果が出ないことは目に見えていました。時間との闘いです。頭を使い、効率よく勉強しなければならないと思ったので、まずは自分の日頃の時間の使い方を分析してみることにしました。
当時埼玉県から都内に通学していたため、毎日電車に乗っている時間が往復で2時間近くありました。また、大学の授業の時間割によって、毎日の出発・帰宅時間はまちまち。そして帰宅後は、家でゆったりと趣味を楽しむ時間もありました。時間の使い方を見直した結果、これらの時間を活用できそうだということが分かりました。
勉強内容のカテゴリーわけ
次に、英語試験の中で必要なスキルと、それぞれのスコアを向上させるために必要な勉強内容を分析してみました。英語試験(TOEFL)の項目は4つ。リーディング、リスニング、スピーキング、そしてライティングです。
当時の私はどれが得意でどれが苦手ともいえない、根本的な英語力不足の状態でした。そこで、留学経験のある先輩や英語の先生たち、同学年の英語力が高い友達などに勉強方法のアドバイスをもらって、対策を考えることにしました。
- 相談した結果、次のようなことが分かりました。
どのスキルにも必要不可欠な単語力に関しては、コツコツと地道に頭に入れていくしかない - リスニング力に関しては、特に習得に時間が掛かる
- スピーキングとライティングに関しては、そもそも自分の頭の中で英語の文章を作ることに慣れる必要がある
また、帰国子女でもないのに英語が堪能な友人たちの間には、洋楽や洋画が好き、といった趣味として英語を楽しむ習慣があることにも気が付きました。
学習スケジュールの計画と実践
以上の分析を踏まえて、毎日のルーティーンとなる学習計画を組んでみることにしました。
リスニング力向上
まずは毎日の電車での通学に費やしている2時間は、リスニング力の向上に充てることにしました。イヤホンを付けてひたすら音に集中することは、満員電車の中でも比較的行いやすく、毎日続けることができました。
先輩の言葉を借りれば、リスニング力の向上はまさに「英語耳を作る」こと。そして、英語耳を作ることは筋肉を鍛えるのと同じようなもので、一朝一夕でできることではなく、3ヶ月くらいは目安として必要だと、英語の先生も教えてくれました。
そもそも電車の中はストレスがたまりやすい空間でもあります。自分の中にイライラやモヤモヤが溜まって、英語を聴くことに飽きたり嫌気がさしたりしていまっては元も子もありません。意味がわからなければすぐ確認して疑問は即解決、集中力が切れたら好きな洋楽を聴いて気分を上げるなどといった工夫も、モチベーションの維持のために積極的に行いました。
また、リスニングの音源は幅広く揃えました。例えば「速読英単語集」や英語の教科書のCDをはじめ、「English Journal」 のような活きた英語のCDや洋楽も対象としました。
生活と勉強のリズムづくり
次に、毎日まちまちだった出発・帰宅時間を統一することで、日々の生活と勉強のリズムを作ることにしました。
朝9時から夕方6時までは家の外で勉強する時間と決め、大学の授業の間の空き時間は、短い時間でも集中しやすい単語学習や、前日読み聞きした英文の復習時間に使い、放課後から夕方6時までの時間は、まとまった時間と静寂と集中力が必要な長文読解にあてることにしました。
帰宅後は、その日必要と思ったことに時間を使う、という柔軟な設定にし、NHKのニュースを英語吹き替え版で観た日などもありました。疲れたと思った日はディズニー映画を英語版で観たり、ジブリ映画を英語字幕付きで見るなどし、趣味として英語を楽しみながら取り入れる工夫をしました。
しかしお風呂で浴槽に浸かる時間だけは、英語をアウトプットする貴重な時間として毎日必ず確保しました。
英語力がままならない時期は文法にも自信がなく、文章を書くこと自体にストレスを感じていました。そこで、ハードルを下げ、入浴中に頭の中で英文日記を書くことにしたのです。疲れたらカラオケ気分で洋楽を口ずさんでみたりして、気分転換。楽しみながら続けることを大切にしました。
友人を協力者に
他に工夫したことといえば、英語を必死に勉強している、ということをまわりの人にも伝えるようにしていました。
例えば、英語が堪能な友達とお茶するときの会話はすべて英語でしてみるなど、英語を話す練習をする機会をもらい、学部の自由参加型の英会話レッスンにも週に2回は必ず顔を出すようにしました。
集中して勉強した結果は?
意識的な時間管理と工夫によって、毎日の生活の中に英語が溶け込んでいきました。そして何より、英語を学ぶこと自体を、趣味のひとつとして楽しむことができました。まわりの人たちの応援も、厳しい時間管理による英語学習を続けるためのモチベーションの維持に、欠かせないものだったと感じています。
必死の勉強を続けた結果、半年後、見事に目標のスコアを達成。留学プログラムに応募して、夢のアメリカでの短期留学を実現することができました。英語の先生たちは、正直無理だと思っていた人も多かったようで、必要なスコアを取得した証明書を見せるとみんな感心し、とても喜んでくれました。
この経験から、英語力の向上は地道な努力で確実に実現でき、そのためには時間管理が欠かせないことがわかりました。たとえ時間が限られていても、きちんとした時間管理とモチベーションの維持さえ行えば、誰でも英語力を上げることができると思います。
最初は下手でもいいので、恥を捨てて積極的に英語を使うことを楽しみ、英語と仲良くなれたこともとても大切だったと思います。
人によって、続けやすい勉強の仕方はさまざまだと思いますが、ぜひ自分に厳しくも楽しみながら続けられる方法を、みなさんも探してみてください。