エンジニアの目標設定を行うポイントや具体的な目標例を解説

エンジニアにとっての目標設定は、個人の成長だけでなく、チーム全体の生産性向上、そして企業全体の成功に不可欠な取り組みです。

本記事では、エンジニアの目標設定を行うメリットやポイント、具体的な目標設定の例について詳しく解説します。

エンジニアの目標設定を行うメリット

エンジニアの目標設定を行うことで、下記のようなメリットがあります。

  • モチベーションにつながる
  • 組織全体の成長につながる
  • 個人のキャリアアップにつながる

モチベーションにつながる

目標設定は、エンジニアのモチベーションを飛躍的に向上させます。目指すべき明確なゴールがあれば、意欲的に業務に取り組める人も多いでしょう。たとえば「この機能を〇月〇日までに実装する」という具体的な目標を立てた場合、それに向けた具体的な計画を立てることで、日々のタスクに集中して取り組むことができます。一方で、目標(いつまでに何を行うのか)が明確でなければ、それに向けた行動計画を立てることができず、もちろん実行にも移すことができません。このように、目標設定はエンジニアの自発的な行動を促すうえで重要な役割を果たします。

また、設定した目標を成し遂げたときには、大きな達成感を得られるため、エンジニアとしての自信を深め、さらなる高みを目指すモチベーションも生まれます。モチベーションが高ければ、たとえ困難な壁にぶつかっても諦めずに向き合うことができるため、さらに高い目標達成につながる可能性もあるでしょう。

組織全体の成長につながる

エンジニア個人の目標設定は、結果として組織全体の成長にも大きく貢献します。個々のエンジニアがそれぞれ明確な目標を持ち、その達成に向けて努力することで、チーム全体の生産性や品質が向上するためです。たとえば、あるエンジニアが開発効率の改善を目標に掲げ、新たなツールを導入したり、開発プロセスを改善したりすれば、その成果はチーム全体に波及し、プロジェクト全体の進行速度が向上します。

また、個々のエンジニアが目標達成を通じてスキルアップすることで、組織全体の技術力も底上げされます。新たな技術や知識がチーム内に蓄積されることで、より複雑な課題にも対応できるようになるでしょう。

個人のキャリアアップにつながる

目標設定は、エンジニア個人のキャリアアップにおいても非常に重要な役割を果たします。明確な目標を持つことで、自身のスキルセットを計画的に強化し、市場価値を高めることができるためです。

たとえば「〇年後までにプロジェクトリーダーになる」という目標を設定した場合、それに必要なマネジメントスキルやコミュニケーション能力、そして技術的な深掘りを計画的に学習・経験していくことができます。目標意識を持つことは、自身のキャリアパスを自律的に描くことにもつながります。

エンジニアの目標設定を行う際のポイント

エンジニアの目標設定を行う際には、下記のポイントに気をつけましょう。

  • 会社全体の目標と紐づける
  • できるだけ数値化する
  • マイルストーン(中間目標)を設定する

会社全体の目標と紐づける

エンジニアの目標設定において最も重要なポイントの一つは、会社全体の目標と紐づけることです。個人の目標が会社の戦略やビジョンと乖離している場合、いくら個人が努力しても、その成果が組織全体の成果に直結しづらくなります。

会社全体の目標を理解し、それに貢献する形で自身の目標を設定することで、エンジニアは自身の業務に明確な意味を見出すことができます。「なぜこのタスクを行うのか」「この機能は会社にとってどのような価値を生み出すのか」という問いに対する答えが明確になることで、日々の業務に対するモチベーションも向上します。

個人の目標を会社全体の目標と紐づけるためには、まずは会社のミッションやビジョン、そして具体的な年間目標などを正確に理解することが不可欠です。経営層やマネージャーとのコミュニケーションを通じて、会社の方向性を把握し、チームや自身の役割がその中でどのように位置づけられるかを考える必要があります。その上で、「自分のこの技術力や経験が、会社のどの目標達成に貢献できるか」という視点を持つことが、効果的な目標設定への第一歩となるでしょう。このように、個人の目標と会社全体の目標をシンクロさせることで、エンジニアはより戦略的に自身のスキルを磨き、組織に貢献できる存在へと成長していくことができます。

できるだけ数値化する

目標の数値化は、達成度を客観的に測るうえで重要なことです。漠然とした目標では「いつ達成したのか」「どの程度達成できたのか」が曖昧になり、モチベーションの維持や評価が難しくなります。

たとえば「開発スキルを向上させる」という目標では、具体的に何をもってスキルが向上したと判断するのかが分かりません。しかし、「特定のプログラミング言語の公式認定資格を〇月までに取得する」や、「コードレビューでの指摘数を前月比〇%削減する」といった形で数値目標を設定すれば、達成度が明確になります。また、目標達成のために何をすべきか、具体的な行動計画を立てやすくなるというメリットもあります。

もちろん、すべての目標を完璧に数値化できるわけではありません。とくに管理職のレイヤーになればなるほど抽象的な課題が発生することもあるでしょう。たとえば「チームのコミュニケーションを改善する」といったものがそのひとつです。しかし、そのような場合でも「週に一度、チームメンバーと技術的な知見を共有する時間を設ける」「〇月までにチーム内のチャットツールでの発言数を〇%増やす」など、可能な限り具体的な行動やその頻度、量などを設定することで、より目標に近づけることができます。

▼数値化できない業務の目標設定については、下記の記事も参考にしてください

マイルストーン(中間目標)を設定する

長期的な目標を設定する際には、マイルストーン(中間目標)を設定することで、目標達成の実現可能性を飛躍的に高めることができます。

これは、個人のモチベーションを維持するうえでも非常に重要です。大きな目標は、一見すると途方もなく感じられ、どこから手をつけて良いか分からなくなることがあります。そのような時に、小さなステップに分割された中間目標は、目の前のタスクに集中し、着実に前進するための道しるべとなります。

▼マイルストーンの意味や設定方法については、下記の記事も参考にしてください

エンジニアの具体的な目標設定例

エンジニアの具体的な目標設定例を解説します。

  • 開発効率を改善する
  • タスク進捗率を高める
  • 資格を取得する

開発効率を改善する

開発効率の改善は、個人のスキルアップだけでなく、チーム全体の生産性向上、ひいてはビジネスの成功に貢献する重要な目標となります。ミスの減少やスピードの向上といった質と量の両面からアプローチすることが可能です。

具体的な目標例としては、下記のようなものが挙げられます。

  • ミスの減少: 「コードレビューで指摘されるバグの数を、現行の月平均〇件から〇件に削減する(〇%減)」
  • 開発スピードの向上: 「担当機能の開発リードタイムを、平均〇日から〇日に短縮する(〇%減)」
  • 技術的負債の解消: 「レガシーコードの特定部分を〇%リファクタリングし、テストの実行時間を〇%短縮する」

開発効率の向上を測るには、タスクごとの所要時間の変化を確認するのがおすすめです。TimeCrowdでは、タスクの開始時と終了時にワンクリックで打刻をするだけで「誰が・どの業務に・どれぐらいの時間をかけているのか」を確認できます。

タスクの進捗率を高める

タスクの進捗率を高めることで、プロジェクトの遅延を防げるため、計画通りに開発を進めることができます。また、個人の生産性を高めるだけでなく、チーム全体のプロジェクト管理能力が向上し、顧客への信頼獲得にもつながります。日々のタスクを着実にこなすという目標は、一見簡単なように見えて実は難しいものです。タスクをこなすなかで、さまざまな困難やトラブルに遭遇することもあるでしょう。なかには自分だけで解決できない問題もありますが、ときには他のメンバーの力を借りながら業務を進めることで、物事を達成するうえで必要な「推進力」を身につけることができます。

▼タスク管理におすすめのツールについては、下記の記事を参考にしてください

資格を取得する

資格の取得は、エンジニアのスキルを客観的に証明し、自身の専門性を深めるための目標となります。これは、キャリアアップに直結するだけでなく、自信の向上や学習意欲の向上にもつながります。

また、目標設定を行う際には、単に資格名を設定するだけでなく、「その資格を取得することで、どのようなスキルを身につけ、どのように業務に活かすのか」という具体的なイメージを持つことが重要です。そうすることで、実践で活かせる知識を取得し、さらなるスキルアップや組織全体の開発能力の向上が期待できるでしょう。

まとめ

エンジニアにとっての目標設定は、個人の成長、チーム全体の生産性向上、そして会社全体の目標達成に不可欠な取り組みです。達成感を積み重ねることで自信が深まり、さらなる高みを目指す意欲が湧いてくるでしょう。

目標設定を行う際には、個人の目標を会社の目標と紐づけることが重要です。自身の努力が会社の成果にどのように貢献するのかを明確にすることで、業務へのコミットメントが高まり、優先順位も明確になります。長期的(もしくは高い)目標設定を行う場合は、マイルストーン(中間目標)を設定するのがおすすめです。これにより、大きな目標も小さなステップに分割しながら着実に前進させることができます。目標設定は一度行ったら終わりではありません。定期的に進捗を確認し、必要に応じて目標や計画を修正していきましょう。

開発効率の向上を目標とする場合は、タスクごとの所要時間を計測するのがおすすめです。工数管理ツールTimeCrowdを活用して「どの業務に・どれぐらい時間をかけているのか」を日頃から把握するようにしましょう。

TimeCrowdは、業種業界を問わず、累計5,500社以上の企業で導入いただいています。少しでもご興味のある方は下記のサービス資料から詳細な機能や料金プランをご確認ください。